5スレ>>753


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夏です!
照りつける日差しの中に濃緑の木々が映えそして蝉の鳴き声と風鈴の音色が風情を感じさせる、夏です!
海に行ったりプールに行ったり山に登ったり花火を見たり天体観測をしたり、そんな青春の匂いがぷんぷんする、夏です!
そしてそんな青春の匂いと縁遠かったおじさんがあまりの妬ましさに嫉妬で形成された月光蝶を発動する、夏です!

「いや、そんなどこぞの発掘MSみたいな人間いないから」

「いいやいるね! ここに!」

「嘘つくなこのド阿呆!」

「ナイスつのどりぐぶふぉっ!?」

……えーと、まぁ、そんなわけで。
突然ですが、夏祭りの話をしたいと思います。
うちの、可愛い可愛い金魚の御姫様との、たった一夜の思い出話。
楽しんでいただければ、幸いです。



『我が家の金魚姫』



現状確認。
僕帰ってくる。
テンション絶頂の有頂天。
トサキント出迎える。
僕抱きつく。
僕世迷い言を吐く。
トサキント怒る。
角ドリルがいい角度で鳩尾に入る。
僕ぶっ倒れる。
トサキント僕を踏み踏みする(ご褒美)。
確認終了。
とりあえず物凄いトサキント呆れてる、肩竦めまくり。
でもそのすべすべぷにぷにした足を僕の頬に乗せて軽く閉じたり開けたりするのをやめないでいてくれるあたり流石僕の嫁優しいな僕の嫁優しい。
……え、踏まれるのってご褒美だよね?
が、だからと言っていつまでも踏んでもらっているわけにはいかない。
僕が冒頭のような変態的テンションで――まぁ常に変態だけどね!――帰宅したのは、それなりに理由があって。
その理由というのは、結構時間的にシビアなものだから、あんまりふざけっぱなしでもいられない。
なので。

「とりあえずちょっと僕の話を聞いてよトサキント。 足は踏んだままでいいからさ」

「むしろ踏んだままでいてくださいでしょこの変態。 何よ、好みの作家の新刊でも出てた? 
 言っとくけどそのプレイ内容を真似しようとか言い出したら次は本気で鳩尾に穴開けるわよ」

「マジでッ!?」

「ごめん、そこで目ぇ輝かせられるとか予想外すぎて引くわ……」

え、なんで引かれるんだろうそれはむしろご褒美だと思うんだ……え、違う?
ってまたいらんボケを。本題本題。

「いや冗談はさておいてだねトサキント、さっき買い物に出かけて気づいたんだけど今日って夏祭りなんだよ」

「ええそうね、ちなみにそれは私が一ヶ月くらい前からずっと行きましょう行きましょうって誘い続けてたわよね」

「あれ? そうだっけ?」

「冗談抜きにいっぺん死んでみる?」

「ごめんなさい」

五体投地。
いや踏んでもらってるんだから既にデフォルトでその状態なんだけどさ。
そんな僕の様子を見てトサキントはまるで救いようのないゴミ屑を見て怒りや嫌悪を通り越した哀れさを感じたように首を振って溜息をついた。
うん、いい表情だもっと蔑んでくださいお願いします。
それはさておき。

「うんまぁつまりだねトサキント、君のお誘いを無視し続けたお詫びも兼ねて僕はぜひ君と一緒に夏祭りに出かけたいというわけなんだ、どうだろう?」

「素敵なお誘いありがとう馬鹿御主人、でも私あいにく変態と並んで衆目に晒される趣味はないの」

ああ、その冷たい目線もご褒美です……うん、いい加減変態ネタをごり押しするのも疲れてきた。
真面目に行こう。

「大丈夫だよトサキント、僕と君が並べば絶対僕より君の方が目立つから」

「……どう言う意味よ?」

きろり、と軽く殺気の籠る音がして、トサキントの僕を見る目が更に冷たくなる。
あはは怖いなぁまぁ別に悪いこと言うわけじゃないから大丈夫だけど。

「いやだって、トサキントみたいにちっちゃいのに出るとこでまくりの女の子見ずに僕みたいなむさい男見る奴いなげふぉあっ!?」

思いっきり蹴られた。なぜにほわい。
ちなみにうちのトサキント、ホントにちっちゃいのに出るとこ出まくってます。
具体的には身長150ないのに胸のサイズが

「人が気にしてることをあっさり暴露するんじゃないわよっ!」

「みずのはどうっ!?」

蹴り足に水の波動をまとわせるとかなかなかハイレベルな技を突っ込みに使うトサキント。
おかげで綺麗に吹っ飛ばされました。顎が痛い。

「ったく……ほんっとデリカシーってもんがないんだから……」

「え、何? テリトリー?」

「ねぇそれはギャグ?ギャグのつもりなの?」

なんかトサキントに真顔で詰め寄られた。
僕は何かまずいことを言ったんだろうか。

「まぁそんなことはさておいてトサキント、お祭り行こうよ」

「あんたのその話題リセット能力はちょっと羨ましいわ……」

はぁ、と溜息をつくトサキント。
対する僕はひたすらに笑顔。
こういう場合、怒ったほうが負けなのである。
というか、怒らせたのは僕なわけだが。

「……ったくもう」

まぁ。

「ほら、それ」

「ん?」

「その、帰ってきてからずっと抱えてる包みよ――どうせろくでもないお土産なんでしょ? 見てきてあげるから貸しなさい」

うちのトサキントは、根っこのところでどうしようもないくらい優しいから。

「あはは、ばれてた。 ちなみに浴衣なんだ」

「……どっちにしろ連れてく気満々じゃない、最初から出しなさいよ」

「ごめんごめん」

僕の大抵のわがままは、大抵最後に彼女が折れて、聞いてくれることになるわけだけど。

「……覗いたら、殺すわよ?」

「そんな殺生な!?」

「あんたは……」

ホントバカ、と僕に向かって舌を出して。
トサキントは僕の買ってきた浴衣を胸に抱いて、自分の部屋へと消えて行った。



***



「そして僕の『トサキントに浴衣を着せる』という企みは見事成功したのであったッ!第三部完ッ!」

「黙れこの変態ッ!」

「我が生涯に一片の悔いなぐはあ!」

はいもう一発つのドリル入りましたーご褒美だけどな!
ていうかさっきより力がこもってないのでダメージが小さい。
まぁしょうがないんだけどね、トサキントの恰好的に考えて。

「ほんっと、あんたって……どうしてこんな……あーもう! ばかばかばかばかっ! 変態! 死んじゃえ!」

いくら浅いとはいえ一撃必殺技を食らって悶絶している僕の背中に降り注ぐ、トサキントの罵声。
その台詞はさっきまでとは違い、どこか舌ったらずで子供っぽい言葉ばかりだ。
つまり、それくらいトサキントは今テンパった状態にあるということ。
トサキントの角が突き刺さった鳩尾をさすりながら、僕はごろりとトサキントの方に向き直る。
そこには。

「……うん、可愛い。 綺麗。 最高。 似合いすぎ。 ぎゅってしていい?」

「……ッ! ばか、ばかばかばかばかばかっ! こっち見るなっ!」

純白の生地に赤い金魚が何匹も染め抜かれて生き生きと泳いでいる浴衣を身にまとった、トサキントが立っていた。
ただしそれだけではトサキントの語彙力はこうまで低下しない。
彼女の語彙力を下げている最大の要因、それは――

「いやーしかし、買ったときはさすがにアレかと思ったけどうん、トサキントは脚が綺麗だから似合うねー、ミニスカ浴衣」

「あれだと思ったなら買うんじゃなぁい! ていうか短すぎるわよこれ!?」

そう、ミニスカなのだ。浴衣なのに。
しかも超ミニ。激ミニ。ウルトラミニ。ごめん言い過ぎた……いや言い過ぎてないな。
しかし膝上……えーとあれ何センチだ、20センチくらい?
うーん、素晴らしい。

「素晴らしくないっ!」

必死で浴衣の裾を押さえながら、顔を真っ赤にして怒鳴るトサキント。
うんいいねいいねそうすると後ろが今度はズリ上がるわけだちょっと後ろ向いてくれないかなトサキント。

「誰が向くかぁっ!」

僕の一言で慌てて片手をお尻に回しつつ、僕の動きを牽制するように吠えるトサキント。
あははまぁ僕は後ろ向いてもらわなくてもその太ももを視姦出来れば十分だけどね!

「この……ッ、変態!変態!変態!」

「その手を解き放て、僕は変態だぞ!」

「意味わかんないわよ馬鹿ぁ!」

「ふはははは意味など分からなくともよい! なぜなら『太ももが丸見えである』それだけで僕の目的は十二分に達成されているのだから!」

「もういやこんなすけべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「すけべで結構! さぁお祭りに行こうかトサキント!」

「え? ちょっと待ってホントにこれで行くの恥ずかしいって待って待って手ぇ引っ張るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ははは、れっつらごー!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」



***



そんなこんなありまして、こちらお祭り会場でございます。

「うぅぅ……あんた、帰ったらただじゃおかないからね……!」

「あはは、楽しみにしとくよ」

未だに浴衣の裾を引っ張っているトサキントの鋭い視線を心地よく受け止めながら、夜店の間を流れる人の河の中をすり抜けていく。
頭上には祭り提灯が明々と輝いていて、その下では夜店のおじさん達が景気よく客引きの向上を並べ立てている。
そしてそこで客引きをしている人達の内何人かは、商店街でいつもお世話になっている人達で。

「おっ、なんだお前ら! 随分めかしこんでるじゃねぇか!」

「おいおいお前、その浴衣は流石にまずいだろ?」

「トサキントちゃん! あんたも一回がつんと言ってやらないと駄目よ!」

「ばっか、あいつはがつんと言われたら喜ぶんだよ!」

「畜生、なんであんな変態があんな可愛い子を捕まえたんだ!」

……うん、酷い言われようだ。
まぁ確かに僕みたいな変態がトサキントみたいなちっちゃくてふわふわで太ももむちむちでしかも巨乳の女の子を捕まえられたのは不思議だけど。

「何その無駄に具体的な描写!? っていうかあんたそれさりげなく太ってるって言ってない!?」

「いやいやそれはないから、トサキントで太ってるとか言っちゃったら全国の女性の皆様から刺されちゃうから」

ホントトサキントさんは怖いもの知らずやでぇ……!
あ、ちなみにトサキントの名誉と美貌と僕の優越感の為に言っておくとトサキントはちっさいくせにぼんきゅっぼんです。
特に腰から太ももにかけてのラインが非常に素晴らしくてですね、白くてつやつやですべすべな肌がぱつんぱつんに張りつめた太ももがよく見える今回の着物は我ながらよくぞこれを選んだと……あ、痛い痛い耳は痛ぁい!

「やぁめぇろこのドスケベ! 変態! 異常性癖!」

「待ってよトサキント、確かに僕はスケベで変態で異常性癖の持ち主だけどしかしふとももフェチは決してマイナーではなくむしろメジャーな性癖であってだね」

「そんなこと聞いてなぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

「さんぱつめっ!?」

はい本日三発目の角ドリル入りましたー。
ちなみにいつものことすぎて周りの人たち特に驚いてません。
むしろ一部の若奥様方が「甘いわトサキントちゃん!そこはちゃんと鳩尾にえぐり込むようにいかないと!」と恐ろしいことを申しておられます。
……流石に人前ではもう少し自重した方がいいかもしれない。
いつか後ろから刺されそうな気がしてきた。

「今更すぎるわよ……」

「え、そうなの?」

「駄目だわこいつ……」

はあ、と大きなため息をつくトサキント。
この場合は思いっきり呆れられている。
というかむしろ、トサキントが僕に呆れない日があったらそれは間違いなく異常だ。
何せそういう言動をしている自覚があるからね。

「自覚あるなら改めなさいよ!」

「いやいやトサキント、僕から変態成分を除いたら何が残るのさ?」

「……何も残らないわね」

「でしょ?」

そう、だから僕は変態であり続けるほかないのだ。
以上証明終わり。

「さて、と」

「何よ」

おふざけはこのあたりで終わり。
そろそろ真面目に決めないと、本当に愛想を尽かされてしまう。

「とりあえず、どの夜店から回りたい? トサキントが行きたいところなら、どこにでも連れて行ってあげる」

そう言いながら、トサキントに向けて手を差し出す。
トサキントは、一瞬目を丸くしてから僕の顔と手を交互に見つめて、そして。

「……金魚すくい。 金魚すくい、やりたいな」

ふんわりと、包み込むような優しい笑顔を浮かべて、僕の手を握ってくれた。

「りょーかい、金魚すくいね」

そして僕は、その手をしっかりと握り返して。

「じゃ、今夜は寝かせないからね――御姫様」

「よく言うわよ――すけべな王子様」

二人仲良く笑い合って、お祭りの夜の喧騒の中に駆けていった。
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