2スレ>>275


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**萌えもん言えるかな?ピカチュウ
***作:SD ◆2r5J.qVUzA

トレーナーになったら一番初めにしたいことは決まってた。

子供の頃テレビに移ってた一人のトレーナー。
球形のカプセルに入るのを拒みいつも隣を歩く相棒。
その主人公によく似てて意地っ張りで、
知恵とか戦略とかよりも努力と根性で乗り越える。

そんな主人公とその相棒に憧れたから。
自分もそんな旅がしてみたいと思ったから。
だから…………


「あぁもう。人が行き来するぐらいの道があってもいいじゃないか……」

無秩序に生えた木々に阻まれながら道なき道を行く。
日の光をさえぎるほどに生えた木でできた天然のドーム。
日の光を遮られ満足に成長できなくなった草は人に踏まれ土に還る。
それでも尚光を目指しているのだろう。
満足に日の光を浴びてないのに歩くには不自由なほどには成長していく。


「キュルイィィィ」

また虫だ……虫よけスプレー家から持ってくればよかった。
半日ほど森の中を彷徨っているが出会わない。

「本当にいるのかな……」

たしかあの物語ではこの森で捕まえた娘だと言ってた。
でも結局は物語、現実を忘れさせ人を夢の世界へと誘う娯楽。

はぁ、とりあえず次の街にいこう。
子供の夢なんて現実の前ではいとも容易く潰されるものだ。


「――チュウ?」

反射的に振り替える。テレビで聞きなれたその泣き声に。

―あれ、テレビで見てたのと少し違う……

黄色を基調とした体に焦茶のライン、頬は真紅。
ピンッとたった耳に印象的な尻尾。
それがテレビで記憶してる外見。でも今目の前にいる娘は……

片耳が少し欠けていた。
疲弊・・・しているのだろう。だいぶ目が弱っている。
こちらを見て威嚇しているが衰弱した身体では立つことさえおぼついていない。

「……おいで」

行く途中店員さんに試供品として渡された傷薬を出す。
夢よりも先にこの娘を助けたい感情が先に芽生えた。
弱ってるままならすぐに捕まえれるというのに。

「…………」
ガブッ

「っ痛!」

よほど人に怯えているのか、差し出した手に噛みつかれた。
……甘噛みにも及ばない、本当に弱ってる。
少し強引に引き寄せ傷薬を使う。


この娘は諦めよう。きっと捕まえても自分が夢見た世界にはならない。
これだけ人に怯えてるんだ。きっとひどいことをされたのだろう。
現実を見た気がした。倒される娘たちはテレビには映らない。

―これを乗り越えないとトレーナーになれないの……か。
そう思いながら出口を探しに向かおうとすると―

「……しない?」

「え?」

「痛いことしない?」

「え、あぁ勿論だけど……」

「連れてって」

「へ?」

「助けてくれた……から」


理由はいまいちわからない。
恩人と思ってくれたのだろうか。
でもその娘は俺を信頼してくれてる……のだろう。

―夢にみた物語とは違うけど

―自分だけの相棒を見つけれた

―お前とならあの物語にも負けない旅ができるよね?


そうだよな、相棒
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