主「そっちは変わりないか、アラギ博士?」
ア『まったく、ね。どういうことかしら?貴方のポケモン達は"進化"を遂げたのにね」
野生の者たちには"進化"は未だにどの地方でも見られない、か。
主「特定の条件の下に"進化"するのか……単に懐きなのか……」
ア『懐きで進化なら貴方のグレイシアやリーフィアはどう進化したのかしら?そこが不明だわ』
そう言えば、あいつらは俺の居た時に"進化"しなかったんだよな。
主「あるいは両方かもな。あいつら二匹は命がけだった事もある……考えられる仮説としては――
何らかの原因で力が高まり、限界を超えた……と言った所か?」
ア『なるほど……あり得なくは無いわね。
――これ以上はお互いに進展がなさそうだから切るわ。久しく家に帰りたいし』
主「気をつけてくれよ……お前の萌えもん達は嫉妬深いし心配性だからな」
もし俺と長電話して遅くなったとバレた日にゃ、アラギのハブネークがここまでやってきて俺の首を落としかねない。
ア『ふふ……気をつけるわ』
ブツッと音が切れると同時に俺の部屋の戸が開いた。
入ってきたのは
「終わった?紅茶入れてきたわ。今日はアールグレイよ」
主「サンキュ、コウ。 ……相変わらずお前の紅茶は美味いなぁ」
コ「そう?良かった」
ニッコリと微笑を浮かべるコウ。
リーリーも同じ草だったはずなのにこう差が出るのは何故なのだろうか。
花だからだろうか。
コ「どうしたの?」
主「……んーその触覚が気になるなぁ、と」
コ「さ、触っちゃ駄目!敏感なんだから」
メガニウムの時から気になってはいたが。敏感だから触るなと言われても知的好奇心が収まるわけではない。
何という焦らしプレイ。ついでに言えば足の痺れを忘れたいというのもある。
コ「……ムーちゃん。いつまでそこで寝てるの?」
ム「……」
そう、足の痺れはこいつだった。
椅子を使わないで座るときは大概胡坐をかいて座る俺だが、そのときを見計らっては毎回俺の上で丸まって寝ている。
せめてもの救いは人型化……いわゆる"萌えもん"状態でないことだけだろうか。
主「ムーは夜型だもんな。でもそろそろ夕方だから起きろ」
ム「……」
体を揺すって起こそうとするも、嫌がるように身を捩じらせて抵抗する。
……ブラッキーは基本夜型だが人型にも影響するかどうか、と聞かれると微妙なところである。
トレーナー達のは大抵昼型だし(理由は不明)、サラ……エーフィも何だかんだで結構昼寝をしてるし。
コ「ムーちゃん!」
ム「……」
もはや引き剥がしにかかったコウに対して、意地でも離れまいと萌えもん化して俺にしがみ付くムー。
引っ張られてムーも痛かろうが俺も痛い。しかしそれ以前に男として問題な部分もあるわけで。
顔がある部分に近い。
主「足痺れてんだからいい加減離れい」
ム「(ぶんぶん!)」
コ「わ・が・ま・ま・言・わ・な・い・の~!」
全力で引っ張るコウ。抵抗し続けるムー。煩悩が湧き上がりそうな俺。一体どうしろと。
コ「マスター!見てないで手伝ってよ……は!?まさか……!」
主「OK落ち着け、俺は何も……」
コ「マスターの馬鹿ぁぁぁぁ!!もうずっとそうしてれば良いんだぁぁぁ!!」
主「は?」
何だかよく分からない事を叫びながらどっかに行ってしまった……何を誤解したんだろうか。
そしてこの後どうせ色々聞かれるか、文句を言われるんだろうなぁ。
主「どうしようか、ムー……」
ム「……」
ムーは何も言わずにまた俺の脚の上で寝始めてしまった。
……どうしようもないなぁ。俺も、ムーも。
しばらく俺は半分現実逃避気味にムーを撫でていた。
『後書き』
締まりませんでした(´・ω・`)
自分の中ではブラッキーとメガニウムはこんな感じです。
ムーは無口で甘えっ子。コウは比較的感情的でやきもち焼き。
『書けなかったこと』
本当はエーフィのサラを出す予定でした。
こいつら色々と仲悪いので絡ませやすいというか面白くなるというか。
主に喧嘩の原因は主人公ですが。(風呂で背を流すのは誰だとか、夕飯の席誰が隣に座るか等)
しかし彼女を出すと明らかにムーの出現回数が減るので止めました。
そんなシーン書くのもありかもしれない。
『どうでもいいけどさ』
え?一番最初の部分とか要らないって?そんな事言わないでくださいよ。
ホウエン地方の子とか絡ませるのに良い渡し役になってくれるじゃないですか(酷)
『名前紹介』
ブラッキー 夜に懐き進化=満月の夜=月明かり=Moon Light=ムーンライト 最初の二文字取って ムー です。
メガニウム 草=花=良い匂い=香り 漢字の読み方を変えて コウ です。光でも良かったかもしれない(仲の悪さ助長させる的な意味で)
最終更新:2009年12月17日 19:37