5スレ>>817


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「…ここも久し振りだな」
「そうだねー!」
「私は初めてですー。なんだか懐かしい香りがしますねー」

 …時刻は3時を回り、丁度小腹が空き始める頃。
 俺達一行はトキワシティの萌えもんセンターで休んだ後、マサラタウンに辿り着いた。
 …ただ、オニドリルは先程センターで揉めて以降ボールに戻ってしまっている。
 やっぱ、まだ怒ってるよな……?






 course of life -with you-
 第四話~旅立ちは苦労の連続~






 見たところ、いかにも田舎町という感じがするマサラタウン。
 しかしこんな田舎町にオーキド研究所があるというのだから驚きだ。
 まぁでもそれを言ったらウツギ研究所も同じようなものだが。

「さて、じゃあ早いところオーキド研究所に向かおうか」
「早く仕事終わらせてトキワシティ散策しよ?」
「賛成ですー」
「お前らなぁ……」

 まったく。何度も思うが、こいつら本当に仕事してる自覚あるのだろうか。
 この先不安でしょうがないのだが……

「ちゃんと仕事のことも考えてるから心配しなくて大丈夫だよっ?」
「だから勝手に人の心中を読むんじゃない、ポニータ」

 そんなポニータの言葉に呆れつつ、俺達はオーキド研究所に向かうのだった。


 …………。


「こんにちはー。オーキド博士居られ……」
「おぉ! 君がリュウマ君か。待っておったぞ」
「え!? あ、はい。リュウマです。えーっと、オーキド博士……ですよね?」
「うむ、ワシがオーキドじゃ」

 研究所に入った瞬間、かの有名なオーキド博士がお出迎えしてくれた。
 不覚にも突然出て来るものだから、多少驚きを隠せなかったが。
 そして何を思ったのか、オーキド博士は俺の顔を覗き込んできた。

「ふむ……」
「…あのー?」
「なるほど。ウツギ君が言うだけのことはあるようじゃな」
「え? 何がですか?」
「いや、何でもないぞ。こっちの話じゃ」

 いきなり人の顔を覗き込んできて何を言うのだろうかこの人は?
 やはり俺にはお偉いさんの考える事は到底理解出来そうにない……

「それで、例の荷物は持って来てくれたかね?」
「あ、はい。これですね」

 ウツギ博士に頼まれていた荷物をオーキド博士に渡す。
 それをオーキド博士は待ってましたと言わんばかりに受け取り、中身を確認する。
 そしてその中からウツギ博士からの手紙らしき物を取り出し、しばしそれに目を通す。

「…うむ。リュウマ君、ちょっと君に渡す物があるから少し待っていてくれんかの?」
「え? 俺にですか? 分かりました。どれくらいかかりますか?」
「そうじゃな……1時間くらいかかってしまうが、大丈夫かね?」
「はい。問題ありません」
「うむ。ではその間にマサラタウンの散策でもして来るといい。
 君達も気晴らしに行って来なさい。まだかかりそうじゃしのう」
「本当ですか? やったぁ! 散策散策ー!」
「散策ですー!」
「え!? 博士!?」

 それを聞くなり、さっきまで後ろで黙っていたポニータとラプラスが外へ走り去る。
 そしてそれをにこやかな表情で見送るオーキド博士。
 なんてことしてくれるんだこのお方はっ!
 悪気はないのだろうが、こうなると後が面倒なのに……

「ほっほ。元気な子らじゃな。ほれリュウマ君、君も早く行かないと置いてかれるぞ?」
「え? あ、はい。それではまた後程お伺いします」
「うむ」

 なんだか若干腑に落ちないが……まぁいいか。
 取りあえず俺は先に出て行った二人を追い、研究所を後にした。






「おーい! あんまり遠くには行くなよー!」
「「はーい!」」
「はーいって、本当に分かってるのかよ……」

 こいつらの元気過ぎるところには困ったもの。まぁ、悪い事ではないのだが。
 …しかし、オーキド博士が言っていた渡す物って一体何なのだろうか。
 特にウツギ博士からは何も聞いていないのだが……

「なーに考え込んでるのさっ?」
「うおっ! オ…オニドリル!?」

 そんなことを考えていると突然後ろからオニドリルに話しかけられた。
 やはり勝手にボールから出て来られると心臓に良くないな。少し控えてもらわねば。

「そんなに驚くことないじゃない」
「いや、誰でも驚くだろ……。で、お前も遊びに?」
「違う違う。今の内にコレの話をちょっとね」

 そう言ってオニドリルが手に持っていたのは発信機付きのネックレス。
 先程トキワのセンターで起こった揉め事の元凶だ。
 …やっぱりまだ怒ってるよな。でも元はオニドリルが心配で渡した俺が悪いんだし……

「……」
「……? なんで黙り込むの?」
「そ、それについては本当に悪かった!」
「だからもうそれはいいって!」
「いやでも……」
「あー、分かった! じゃああたしからちょっと頼みがあるんだけど……」
「へ?」
「このネックレス、通話機能付きの通信機にしてよ。それでもうお咎めなし。…いい?」

 …意外な注文だった。
 てっきり俺はまた怒られるのかと思っていたが、そうではないらしい。
 代わりにオニドリルの頼みを聞くかたちとなったが、許してもらえるなら文句はない。
 …しかし通信機にすると言っても、そう簡単に改造することは出来ない。
 元々これはウツギ博士にもらった緊急連絡専用の発信機だし。
 ていうかそれ以前に俺じゃ技術力足りなくて無理だし。
 …そう考えていると、オニドリルは少し悲しそうな表情でこう言った。

「…あ、ごめん。ちょっと調子に乗り過ぎたね。やっぱり、無理かな……?」
「うっ……い、いや! 出来る! やってやろうじゃないかっ!」
「ホント!? じゃあお願いっ! しばらく預けとくね」
「お…おうっ!」
「じゃ、あたしもちょっと遊びに行って来るねー」
「あ、あぁ。行ってらっしゃい……」

 …言ってしまった。
 いやいや、あんな表情で今みたいなこと言われたら誰だって断れないよな!?
 ていうかオニドリル、一体いつそんな仕草を覚えたんだ……
 だが男に二言は無い。ここはなんとしてでも通信機にして返してやらねば。
 …えっと、取りあえずウツギ博士に相談しに行こうか。


 …………。


「いやぁ、良かった良かったー」

 用事を済ませ、オーキド研究所を出る俺。
 研究所でパソコンを借り、ウツギ博士に連絡を取っていたのだ。
 しかし、まさかウツギ博士の方で既に通信機が出来ていたなんて思ってもいなかった。

 …ざっと説明するとこうだ。
 さっきまでオニドリルが持っていた発信機は、実はまだ試作品段階。
 もらった当時、俺はそれだけで満足していた。
 が、どうもウツギ博士はそれだけでは納得していなかったらしい。
 それで製作を続けていった結果、最終的に通信機としても使用できる物が完成した。
 …ということだ。
 で、今俺の手の中にあるのがその完成品。
 試作品と全く変わらない小さな羽のフォルムによくこんな高機能を付けられたものだ。
 ホント、かがくのちからって すげー!
 ウツギ博士には感謝してもしきれないだろう。一生。

 …で、研究所から出たところで肝心なオニドリルが見当たらない。
 一体どこに行ったんだろう……と思った矢先。

「リュウー」
「おわっ! ビ、ビビらせるなよ!」
「ふふっ、大成功!」

 案外近い場所で待ち伏せていたらしく、後ろからおどかされた。
 うわ、すげぇ喜んでる。なんか悔しいな。後で仕返ししてやろう。

「ったく……ほら、例のブツ」
「え?」

 先程ウツギ博士から送られてきたばかりの通信機をオニドリルへ投げ渡す。
 それを受け取り、きょとんとするオニドリル。

「…コレって……さっきの発信機?」
「否、グレードアップした通信機だ」
「え? もう出来たの?」
「あぁ」
「……」

 …なんだか納得がいってなさそうな顔してるな。
 そうだ、ここは一つ驚かせてやろう。
 そう思い、俺はポケギアから通信機に電話をかけてやった。

『ピピピピピ!』
「ひゃっ!」
「くくくっ……。『ひゃっ』だって」
「ちょ、ちょっと! リュウ!」
「悪い。なんだか信用してなさそうな面してたからさ。でもこれで分かったろ?」
「う、うん。まぁね。…ありがと。わざわざあたしのために」
「き…気にするなって。元はといえば俺が悪いんだし」
「…そう言えばそうだったね。じゃ、有り難く頂戴するよ」
「へいへい」

 …素直になったと思えばすぐこれだ。相変わらず調子のいい奴め。
 まぁ、それでこそウチのオニドリルなんだけどな。

「じゃ、今から使い方教えるからよーく聞いとけよ」
「りょーかいっ!」






「はー! 楽しかったっ! リュウ兄もドリちゃんと一緒に来れば良かったのに」
「散策、面白かったですよー?」
「はぁ…はぁ…そ、そうか……。そいつは…良かったな……」
「アハハ……」

 …研究所を後にして、もうじき1時間が経とうとする頃。
 15分かけてやっと町中を爆走するポニータとラプラスを捕まえた。
 ポニータがラプラスの乗った氷の板を引っ張っていて、全く捕まらなかったのだ。
 それも、流石のオニドリルでも追いつけないほどのスピードで。
 …ていうか最早散策じゃないよな、コレ。

「…じゃあオーキド研究所に戻るぞ」
「「「はーい!」」」

 しかし今日は一体何キロ走ったのだろう。
 もうクタクタだ。さっさと仕事終わらせて帰って寝よう。
 …だが、今度は研究所で一体何があるのだろうか?
 願わくば今日はもうこれ以上面倒事に巻き込まれたくないのだが……


 …………。


「只今戻りました」
「おぉ、リュウマ君。戻ったか」

 研究所に戻ると、オーキド博士がまたしても入口付近でお出迎え。
 …少し思ったのだが、コレって防犯上どうなのだろうか。
 有名な博士だけに結構危険な気もするのだが……

「こっちも丁度準備が出来たところでな。さ、こっちへ来なさい」
「準備?」

 そう言うと、オーキド博士は俺達を研究所の奥に案内した。
 そしてそこには何やら赤い電子手帳のような物が置かれた机があった。

「リュウマ君、君にこれを授けよう」
「え? これって……」

 そう言ってオーキド博士に渡されたのは、その赤い電子手帳のような物。
 このいかにも洗練された感のあるフォルム、そう、確かウツギ研究所にもあった……

「ほっほ。萌えもん図鑑じゃよ。図鑑と言っても、まだ真っ白じゃがな」

 やはりそうだったようだ。
 萌えもんを見ると自動でページが増えていくハイテクな図鑑、それが萌えもん図鑑。
 確かそんなことをウツギ博士が言っていたな。
 …だが、何か少し引っ掛かる。
 なぜ俺のようなあまり外出しない人間にこのような図鑑を渡すのだろうか?
 …えーっと、もしかしたらと思うが……

「…これって、まさか!?」
「そうじゃ。君にはしばらくの間、カントーで萌えもん図鑑収集の旅に出てもらいたい」

 あ、当たっちゃった。どうしよう……

「何、心配はいらんぞ? 既に君の両親には話が通っておるからな」
「い、いつの間に……」
「いーじゃんいーじゃん! あたし行くよ博士!」
「私も行きますっ!」
「私も賛成ですー」
「…だとみんなは言っておるが、リュウマ君はどうするんじゃ?」

 …みんなしてこれなんていういじめ?
 まぁでも俺自身結構旅とか興味あるし、返事はもちろん……

「分かりました。行って来ます」
「そうかそうか。それでは一度ワカバタウンに戻ってから準備をして来るといい」
「はい!」
「わーい! 旅だ旅だよ旅行だよっ!」
「旅行ですー!」
「いやー、楽しみだねぇ! リュウ、早く帰って支度しよ!」
「…だから遊びに行くんじゃないって言ってるだろっ!」

 …こうして研究所に賑やかな騒ぎ声が響く中、俺達の旅は始まりを告げた。
 無論、後で研究員の方々にこっぴどく叱られたけど……










~あとがき~
こんにちは。ポエルです。ごめんなさい。
今回の物語はマサラタウンでの出来事から旅立ちまでです。

…そして今回で物資調達編もといキャラ紹介編はやっと終了。
これからこの四人の本格的な旅が始まります。
しかし、なんだかグダグダになってしまった感が否めませんね。
見方によっては発信機がメインになってしまうかもしれません……
申し訳ありません。精進します。

…それと時間軸ですが、原作の主人公がマサラタウンを出た少し後の設定になってます。
故に若干原作とリンクするところが出てくる可能性があるので、そこはご了承ください。

では最後に、いつも見ていただき誠に有り難うございます。
こんな奴ですが、今後もどうぞよろしくお願いします。
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