2スレ>>37


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リュリュと一緒に







『何かあったら言えよ? お前を脅かすモノは俺が許さないから』


ええ~? そんな事言っても、お兄ちゃん私より弱いじゃん!


『むぐ! 確かにそうだけど、それでも兄は妹を守るもんなんだ』


でもそれじゃあ、お兄ちゃんが怪我をしちゃうよ!


『俺はいいんだよ、怪我しても。リュリュが幸せなのが、俺の幸せなんだ』


それじゃダメなの! お兄ちゃんも怪我しちゃダメ!


『でも……』


でもじゃない! いい!? お兄ちゃんが怪我したら私は幸せじゃなくなるの! 解った!?


『解った解った。でもそれだと、何かあった時どうしようか?』


……あのねお兄ちゃん


『うん?』


私の幸せはね、お兄ちゃんが幸せそうに笑ってくれる事だよ!


『……そっか、ありがとう。まぁ、それなら何とかなるかもね』


そうなの?


『ああ。俺の幸せは、リュリュが幸せでいる事。リュリュの幸せは、俺が幸せでいる事。
 
 それなら、二人一緒に幸せになれる道を探せばいいんだ』


何かあった時は?


『二人で何とかしよう。……大丈夫だよ。俺はリュリュが一緒なら、どんな障害にも負けないさ』


私もお兄ちゃんと一緒なら何にでも勝てるよ!


『そっか、それじゃあ俺達は無敵だな』


うん! 無敵だね! 何だってできるね!


『ああ、二人が笑っている限り、俺達に出来ないことなんて、ないよ』
















「…………んぅ……ゆ……め……?」



昔の……幸せだった頃の夢だ。



「おはよう、お兄ちゃん。……あのね、お兄ちゃんの夢を見たよ。」



彼は何も反応を示さない。当たり前だ、私がそうしたのだから。



「あの頃は楽しかったよね。二人ではしゃいで、お隣さんも巻き込んで、……時々無茶やって怒られて」



無言で私の言葉を聴く彼…………違う、聴いてなんかいない。

私はただ独り言を言ってるのだ。そこに彼の体が置いてあるだけ。



「それでさ、二人で些細な事で喧嘩もして。……でもすぐ仲直りして」



そうだ……もう彼は二度と…………笑わない…………



「あの、さ、もっと、話し、たかった、な」



これでお兄ちゃんと、ずっと一緒にいられるのに

欲しかったものを、手に入れたはずなのに



「あれ? おかしいな? 何で、涙なんかでるのかな?」



違う、違うのだ、私は、こんなものが欲しかったわけじゃない



「ごめ、んね、お兄ちゃんは、泣くの、なんか、見たくな、いよね」



あれ? そうだよね? お兄ちゃんは泣くの見たくないよね? 悲しい顔を見たくないよね?



……じゃあ何だった? お兄ちゃんが求めたのは何だった? 私が欲しかったのは何だった?





『二人が笑っている限り、俺達に出来ないことなんて、ないよ』





「う……うあ……うわあああああああん!! ごめんなさい! ごめんなさいお兄ちゃん!!」



そうだよ…私は……私は……お兄ちゃんの人形が欲しかったわけじゃない!



「こんなつもりじゃなかったの! ただちょっと話がしたかっただけなの!」



お兄ちゃんの幸せが私の幸せだったはずなのに! なのに! なのになんで忘れてしまったのか!!



「もういいから! 話さなくていいから! わがまま言わないから! だから……だからお願い! 笑ってよぉ!!」



ずっと幸せだったのに! ずっと一緒にいてくれたのに! ずっと……私に笑いかけてくれていたのに!!



「何もいらないの! お兄ちゃんさえいればいいの! 他に何も望まないよ!
 
 もうわがまま言わないから! 二人の時間もいいから!! 私の事嫌いになってもいいから!!」




何で声が出ないの? 何で動いてくれないの? 何で笑ってくれないの? …………私が壊した




「うわあああああああああん! ごめんなさい! ごめんなさい!」




ただひたすら泣き叫ぶことしかできない。お兄ちゃんは動かない。


それでも、ただすがって泣くことしかできない。



もう考えたくない。お兄ちゃんが笑わないなら……この世界に私がいる意味なんて無い。



でもお兄ちゃんを置いて死ぬのは嫌だ。お兄ちゃんを殺すのは死んでも嫌だ。


もう何も考えたくない。やめよう。考えるの……も…………え?






私の頭を撫でる、十年以上慣れ親しんだ感覚。間違えるわけない。間違えるはずなどない。 


なら、顔を上げたとき、そこに在るのは、ずっと変わらない…………




「仕方ないなぁ、リュリュは俺がいないとダメなんだから」





……私の、幸せ!






「おにいちゃああああああああああん! よかったああああああああああああ!」


「あぁもう本当にどうしたんだよ。リュリュが泣くと俺まで悲しくなるんだからやめてよ」


「こ、こ、これ、は、嬉し、泣き、だよ」


「そうなの? まぁ、それならいいか」





良かった! 本当に良かった! でも……なんで直ったの?



ドンッドンッドンッ!

「誰か! 誰かいるか!?」


考え事をしてる暇は無いみたい。この声は……ナナミさんの弟。



程なくして小屋の扉が蹴破られる


「おい! 無事か!?」


「よう親友。大丈夫、この通り傷一つ無いさ。……リュリュが助けてくれたよ」



え!?

思わずお兄ちゃんを見る私を、見えないように手で制すお兄ちゃん。



「お前……本当にそれでいいのか?」


訝しむように彼を見る。

当たり前だ。この状況で誰が犯人かなど論ずる余地も無いだろう。



「ああ、犯人はきっともう遠くへ逃げた。探しても無駄だろうね。」



しばらく見詰め合う二人。私が無理矢理言わせている可能性も考慮しているのだろう。


だがしばらくすると


「分かった。お前がそれでいいなら俺は何も言わん。……自分で歩けるか?」

「それがまだ自分の意思で歩くのは辛くてね。肩を貸してくれると嬉しいな」

「ちっ、ほらよ。俺様の様な親切な奴が親友だった事を感謝するんだな」

「ああ、十分感謝してるよ」

「貸し一つな」

「今度何か奢るよ」




淡々と進む話を呆然と見送る私


二人ともまさか本気で不問にするつもりなのだろうか?


それはダメだ。不問にするつもりなら、私が自分にペナルティを課さないと…………自分を許すためにも。




でも、それでも今は




「どうしたのリュリュ? とりあえず家に帰ろう?」



またこの笑顔が見られる事を、純粋に喜びたい



「うん! 今行くよ、お兄ちゃん!」









――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――







あの事件からどのくらい時間がたったのか。私はあまり憶えていない。


果たして、私を責める人は誰もいなかった。仲間さえもだ。


だけどそれでは私が私を許せない。だから私は…………彼との旅をやめた。


その旨を告げた時一番ショックを受けていたのは彼だったが、自分の気持ちを落ち着けるためにも、彼を説得した。


最終的に彼は説得に応じ、今も旅をしている。


寂しくないと言ったら嘘になるが、彼の噂を待つ日々も悪くない。





そうそう、彼が無事でいられた理由はどうやら……私が錯乱状態にあったおかげだったようだ。


彼にでんじはを撃った時に、同時にちょうおんぱも撃っていたらしい。


たががちょうおんぱだが、彼は人間であの距離。結果として彼は約十日も催眠状態に成ったわけだ。


「それにでんじはなら喧嘩の度に撃ってたじゃない。早とちりねえ」とは母の談。やはりこの人は大物だ。




あのタイミングで元に戻った事については…………あ、愛の、奇跡……とか…………






まぁとにかく! 彼も無事だったから万々歳だ……………早く会いたいなぁ。















「ふぅ、やぁっと着いた」


懐かしの我が故郷を前にして一息つく。驚かせるために、わざわざ空を飛んで来なかったのがいけなかったのだろう。


「さて、相棒は元気にしてるかなっと」


これから話す事にきっとリュリュは驚くだろうか、驚くだろうなぁ。


だが自分の意思は変わらないし、仲間達にも許可は取ってある。あとは彼女の心しだいだ。












「リーグに私を連れて行く!?」


ほら驚いてる。少し考えれば分かりそうなことだが。


「……本気なの?」


「もちろんだ。仲間達にも許可は取ってある」


ふふ、喜びを必死に隠そうとしてるけどバレバレだよ。何年一緒にいると思ってるんだ。


「……嬉しいけど、やぱっり」


「リュリュが来ないのだったら、俺はリーグには行かない。」


先手を打っておく。リュリュの性格だったら、遠慮するであろう事は分かっていた。


「……本気なの?」


その台詞二回目だね


「もちろんだよ。リュリュがいないのだったら行っても意味は無いし、勝ち抜けるとも思わない」



リュリュが決断を決めるまであと3分半ってところかn「わかったわ」  おや?



「やけに決めるのが早いね。まぁ、嬉しいけどさ」



「あなたならきっと、私を誘いに来ると思ってね。何年一緒にいると思ってるの?」




数瞬の沈黙の後、どちらともなく笑い出す。あぁ、やっぱりだ。確信したよ。






        「これなら勝てるな」   「これなら負けないわね」




どうやら向こうも同じ事を思ったらしい。全くもって…………嬉しい限りだ。






「俺の隣でリュリュが笑ってくれるなら」    「私の隣であなたが笑ってくれるなら」





             『二人は無敵。負けるわけが、ない』








さぁ出かけよう。


もう一度この町から。


もちろん今度も








リュリュと一緒に
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