2スレ>>39


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「だ~い~ち~を蹴って~、ら~いだ~じゃ~んぷ~」
ご機嫌な調子で歌いながら、ぴょん、とイシツブテがはねる。
歌詞にあわせたつもりだろうか。
「く~ちゅ~か~い~て~ん~……っと、だ~いふ~う~しゃ~」
でんぐり返しは空中回転とは言わないなぁ。
でもかわいいから許す。
「いなづまおよぶ~ら~いだぁきっくぅ!」
てやっ、と勢いよく足を蹴り上げる。
ライダーキックって飛び蹴りだよなー、なんて考えつつも、ついつい頬が緩んでしまう。
「てき~をしずめたら~いだぁちょっぷぅ!」
大きく振りかぶった両手を掛け声と共に振り下ろす。
ライダーチョップは片手だぞー、と声をかけつつ、あのちっこい体を抱き上げてしまいたい衝動をなんとか抑える。
そんな俺の苦悩など知らずに、イシツブテは意気揚々と歌のシメに入った。
が。
「お~お~らいだ~、かめ~んら~い~だ……あぶっ!」
「うお!? だ、大丈夫かイシツブテ!」
見事にこけた、とても綺麗に顔からずっこけた。
慌てて駆け寄り、すりむいたおでこをさするイシツブテを抱き起こす。
気持ちよく歌うあまり足元がおろそかになったらしい……あーあ、泥だらけだよ。
「大丈夫か? どっか痛いところ、あるか?」
「う、うぅ~……」
イシツブテは俺の問いに答える代わりに低くうなり、ぎゅっと目をつぶる。
ごしごし、と小さな拳で目元を拭うと、ぴょん、と俺の腕の中から飛び出て、俺のほうにしっかりと向き直り。
「――だいじょうぶ! ひーろーはなかないもん!」
そう、胸を張って宣言した。
「……ああ、そうだな。 ヒーローは、泣かないよな」
「うん!」
にっこりと笑うその小さな、けれど頼もしい相棒の頭を、俺はくしゃくしゃと撫でてやった。
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