5スレ>>892


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前回のあらすじ
前座回


早朝、というにはまだ早く
小さな星たちが輝きを徐々に失いつつある程の朝である
街ほどではないが、村というほどでもない、トキワシティ
そこには、旅に胸を躍らせる少年が歩を進めていた


「何もこんな早朝に行かなくても・・・」
と、本音を漏らすソル
それに対して擁護するコメントはなく
「まだ寝ていたいなら寝ててもいいよ?」
と、俺が声をかける程度だった
「・・・いえ、大丈夫です」

「そういやあの御姫さんは?」
「姫?」
「・・・私のことを言いなさっているのならば、ここにいますよ」
ああ、またあの子か
「何かご用でも?」
「ああ、いやな、名前がないと不便だからな、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかってな」
「そういえばまだ聞いて無かったよね」
「そうですね――、まぁ、『姫』でよろしいですよ」
「なんだ、名前がないのか?」
「それはまた、いずれお話致しますのでその時までは」
この会話で気がそれたせいなのかそれ以降、姫はあまり会話に入ってこなくなった

道路に出てくる敵をヒトカゲやソルが蹴散らしながら一行は進む
しかしここまで、敵はあっけないほど簡単に倒れていく
一方の姫は外に出ようとすらしていなかった
それが俺の頭の片隅で少しだけ気になったのだが、バトルに気を取られ結局片隅に置かれたままになった

「気になってはいたのですが主人様はどこへ行かれるのですか?」
と、それまでボールでおとなしくしていた姫が声を上げる
「トキワの森っていうとこ――」
と続き
「と思ってたんだけど、一応博士に頼まれた図鑑作りもしないといけないからね」
といいタウンマップを取り出し、目的地を指でさした
「22番道路?」
それに問いの一言を返したのは、質問した主である姫だ
それにヒョウは少し驚いた、彼女はもえもんだ
だから、人の言葉は野生でも身に着くだろうが、文字まではわからないはず
よほど頭がよいのか、誰かから教えてもらったのか
ソルなどは教えてもらった口だ、半分強要だったような気もするが
「うん、水辺のポケモンも多いみたいだからね。それに――」
「それに?」
「水に弱いのが約一名、慣れとかないとね」
ヒョウの笑顔は、その時のヒトカゲには悪魔に見えたそうだ


22番道路

そこは草むらが多く、しかしきちんと整備されている
野生のもえもんへの配慮も込めた造りだ
小さいが、ポケモンが住むには十分な池もあり、住みやすい環境となっている
だからといって、人が通るには難はなく、けもの道は少ないほうだ

「よし、ついた」
一言、それに次いで軽く一息つく
「って言っても、そんなに遠くなかったがな」
苦笑しつつヒトカゲが言う
「けどまぁ、野生のすみかにしては手入れが込んでるな」
「確か――、ここチャンピオンロードに繋がってるみたいだね」
タウンマップには、手書きで”ちゃんぴおんろーど”と書かれていた
あの父はもう少しちゃんとしたほうがよいのではないかと、ヒョウは思った
思考の途中で珍しくソルが質問をしてきた
「そのチャンピオンロードとは一体何ですか?」
「あー、簡単にいえば腕試しの場かな」


喋りながら奥へと進んでいくヒョウ一行
会話をしていても片手間で敵を蹴散らしてしまうあたりは、ヒトカゲは他と違うんだと思った
まぁ、ソルも必死で片手間で片付けようとしてるのは――、放置で
「カントー各地にあるジムに行ってバッチを全部もらってくると行けるらしいよ」
「詳しいな」
「親父が昔挑戦したことあったんだってさ、・・・最初はバッチがなくて忍び込んだらしいけど」
「ははっ――あの方らしいですね・・・っ!」
苦しそうに答えるソルは、誰から見ても健気であった
一方姫はと言えば、ボールから出ようともしていなかった
それに少し腹がたったのか、気合いを入れて殲滅していった
「一応バッチ全部集めて挑戦したんだけど、3人倒してそれで終わったって言ってた」
「そういえば、あれは手持ちも偏っていたし、荷物にキズぐすりすら入れてませんでしたわね」
と、いきなり会話に入ってきた姫
他のものは挙動をやめ、ソルは相手に一発痛いのを食らった


―――あら?、タイミング違えたかしら?
やや間があって、そのあとからは普通に会話と殲滅と掃除が始まった
これは―――、世に伝わる放置プレイというものですわね・・・!
いいえ、負けません、と心で言葉を放った後にまた会話に交じって行こうとした
悔しそうにヒョウの方を見る姫は、あるいは健気であったが誰からも可愛く見えた
「で、まぁ3人目はソルの親父さんが一方的に倒していったんだってさ」
「ええ、あの馬鹿は型にはまると恐ろしく強かったですわ」
ややあって、挙動が微妙におかしくなったが、先ほどよりも早く治っていった
き、厳しい!厳しいですわねこの力量差!、しかも耐性出来てますわよ・・・!
だが、彼女にも変なところで負けたくないプライドが働いた
これは挑戦状ですわね――!?いいでしょう・・・受けて立ちますわ!
「あー、――」
と、仕切りなおしを試みた姫の言葉は次のヒョウの言葉で遮られる
「あれ・・・?――あそこに何か倒れてないか?」


「あん?生き倒れとかなら見慣れてんだろ」
「いや、・・・珍しい恰好だし、怪我してるみたいだしさ」
確かに珍しい恰好だった、赤い恰好したもえもんはこのあたりでは見かけない
その赤い恰好をしたもえもんはうつ伏せになって、背中に大きく裂かれた傷がある
傷は深く、骨まで露わになっている
「恰好やインパクトなら私も負けておりませんのに・・・」
そんな姫のつぶやきに誰も気づかず、ヒトカゲが様子を見ている
「――、こりゃあまずいかもな、おい、そこの拗ねてる奴」
「だれが拗ねていますかっ」
「自覚はあるみたいだな、お前と同種みたいなもんだろ?」
意を突かれた姫はまだ拗ねながらもそのもえもんに近づく
その赤い恰好をしたもえもんは図鑑に記録され、コイキングだと分かった
「人使いの荒いですこと・・・」


「―――、少し離れていてください」
何かに気づき、姫が言う
姫はゆっくり息を吸い、アクアリングを使った
水タイプのわざで、味方の水ポケモンを回復させるわざだ
「ふぅ―――。」
次に使ったのは、みずのはどうだ
攻撃技のみずのはどうをつかったのは皆が驚いた
「あの、姫?、それってまずいんじゃあ・・・」
「静かに――」
ヒョウは静止されて口をつぐむ
他のもの、ここに住む者たちも皆息をひそめた
それにヒョウは気づき、あたりを見回してみた
とても真剣に見守っている、よほど大事なんだろうか
      • それはそうか、同じ場所に住んでるんだもんな・・・


「―――終わりました」
わざを使い終わった姫は少し疲れた顔で言った
その言葉に皆は反応をよせず、それぞれそのコイキングに近づいていく
「ですが――」
と続いた言葉にまた静けさが走る、しかし止めずに姫は言う
「とれーナの手持ちになりもえもんセンターで治療を受けるか、トレーナーの道具が必要ですわね」
一瞬のざわめき、それは心配の意図でざわめかれたのか
「まぁ、トレーナーも道具もありますが」
「って、俺のこと?というかなんで物扱い何ですか姫・・・」
うるさいですわね、ともらしながらも問いかける姫
「さて、どうしますか?」


と、他大勢の中からオニスズメが口を開いた
「あ、あたし等は別に関係ない・・・、最初からそんな傷があって――」
―――そうか、後ろめたさから見ていたんだ
最初からそれを察していたのかはわからないが姫は
「そんなことはどうでもよろしいですし、また貴方達に問うた覚えもございませんが?」
手厳しく言い、またそれに答えさせるがごとく
パシッ―――
響いた音はコイキングの頬を叩いた音だ
「ふむ、そうですか――ヒョウ、捕まえなさい」
「め、命令形!?主人としての威厳なしなの!?」
「黙りなさい、威厳なんて端からありません」
何か大事なものを失ったヒョウは地に崩れ落ち他のもえもん達に慰められていた
「それよりはやくボールに入れてくださいな」
「・・・いいけど、その子の意見はいいの?」
「既に聞き届きました」
「――え?」
そんな暇があったかと思い返しても、コイキングをひっぱたいたこと以外にアクションは見られなかった
と、流石にこれ以上待たせては姫の機嫌とコイキングの体力が耐えかねる
心のうちでため息をつきながらヒョウはボールをコイキングに当てる


もえもんセンター 一階ロビー
「流石に強引だったんじゃねーか?」
「わかっておりませんわね――これだからオスは・・・」
「まぁ、よろしいではないですか、あれはどうみても避けられていましたし」
「そう――やはりメスは察しがよくていいですわ、オスなどよりよほど高貴で――」
「あーはいはい、悪うごぜーました」


「コイキングの容態はどうなんですか?」
「幸いにも、処置が適切で今は落ち着いています、傷跡も濃くは残らないでしょう」
「そうですか――」
正直他人事とはいえ安心している、もう他人ではなくなっているが・・・
「あの、コイキングにあってもいいでしょうか?」


白、純白だ
その部屋は白で埋め尽くされており、色と呼べるものは機械に映った画面しかない
少女は起きていることに気がつかず、その画面をただじーっと観ている
耳も目も正常だが、曖昧な、現実味のない寝起きの感覚が夢を見ているような現実に書き換えられている
ガラッ――
ここにきて、初めて音を聞いた気がする
そこで自分が起きていることに気がついた
「失礼しまーす・・・、と――見つけた」
人の声、それに反応したように少女は起きた
ガバッ!
「うおっ、びっくりした――」
と、少年の声が聞こえた
「えーっと、――こういうときは――、大丈夫だった?」
その問いに少女は答えられず、あわてた様子でこち少年を見ている
「あー、もしかしてどういう状況かわかんないのかな」
それに応えるように何度もうなずく少女
「そっか、じゃあ簡単に言うけど――」


「――って訳で、俺は今君のマスターってことなんだ」
簡単に先ほどまでの状況を話した
それを聞いて、少し不安そうな顔をしている
「まぁ、君の元の持ち主が見つかるまでの間だけのマスターって訳だ」
それを聞いて、安心したみたいだ
だが、ある大事なことに気づく
「・・・―――!」
首下にあるはずの、お守りがない
「これ?」
と、近くの棚に置いてあった小さなお守りのようなものを差し出す
「・・・――あっ」
とだけ言い、ひったくるようにお守りを掴む
少女はそれをギュっと大事そうに握りしめていた
「・・・よっぽど大事なんだ」
「――ご、ごめっなさ・・・」
「あー、いいよ、うん、俺も悪かった」
「・・・あの、ありが・・・とう――ございます」
「あはは・・・俺が助けたわけじゃないんだけどね」
「で――も、ありがとう、ございます」
「そっか、じゃあどういたしまして、かな」
やっと、というほどの時間がかかったわけではないが、少女に少し笑みが浮かんだ
そこで、少女の起こした上半身がフラッと倒れる
「よっ・・・と」
そこに、意あっまで影も見えなかったヒトカゲが現れる
「大丈夫か?」
「は・・・はい」
「――って、お前いつの間に・・・というかお前らまで・・・」
少年が後ろを見ると、そこにはにやけ顔の姫と、なぜだか無表情のソルがいる
「いやまぁ、いい雰囲気だったし壊すのもなぁってさ」
「何がいい雰囲気だよ、お前らも勘違いするなよ」
「まぁそう騒ぐなって、お嬢ちゃんにも迷惑だぜ?」
「あ、あの迷惑じゃっ」
「それじゃあ退散すっかな、いくぞ」
「なんでお前が仕切ってるんだ、俺って主人の威厳ないのかな・・・」


騒がしい集団が去って、少女は一息する
――面白い人たちだったなぁ
と、閉められたはずのドアが開いた
「そうそう、明日には回復するそうだから、昼には出発する――って、なにしてるの?」
少女は驚いて布団から後ずさりして身を構えていた
「あ・・・・・」
少年の顔が見えて、安堵と、少し頬に赤みがかかる
「え、えっと――そ、そうだ」
と、疑問気味の少年に対して問うた
「どうして、私が他の人のもえもんだって・・・」
「だって君の持ってたあの道具、お手製みたいだったし、結構大事にされてたからね」
それを聞いて少女は安心したのか、寝転がってしまった
「それだけ?」
「あ、はい」
「うん、それじゃあまた明日――っと、そういえば名前言ってなかったね」


「俺はヒョウ」
「えっと、名前は・・・、コイキングって言うのかな?コイキングです」












あとがき

お久しぶりですねことこです
春ということもあり、最近になってやっとプロット書き始めたりで投稿遅れました
いやー今回は素晴らしい控え目っ子回でしたねー(;´∀`)
私もろに保護本能もりもり出てましたよ、はい
自分でもこれだけ書いたのは驚いてます、楽しかったです、えへへー
どうでもよろしいですが変な女は暫定「姫」になりました
たぶん物語の中盤までは明かされないことでしょう、(>ω・)てへぺろ
まぁ話すこともなくなったのでそろそろ終わりましょう、ではまた次回




姫 「えー、こちらは主様の処刑上でございます♪」
?1「結局今回も?1のままかい!」
主 「ヒイィ!カメ縛り逆さづりはご勘弁をー!」
?1「織田真理!さあせいなるほのおに焼かれなさい!」
主 「あ、ちょ、そ、そんな棒入らないっ!入らないってば!イ゙ェアアアアァァァァ」


?1「今回は主が不在なので、代わりに私たちが進行していくよ」
姫 「次回こそは貴方登場するらしいですわよ?」
?1「また嘘情報じゃないでしょうね?」
姫 「ええ、主様が『フヒヒwww?1たんかわいいよwwww』とかほざきながら書いていましたから」
?1「さーて、今回の処刑は――」
主 「まってタモーレ!言ってナイーヨ!」
?1「問・答・無・用――!」
主 「イ゙ェ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ」


姫 「次回はトキワの森と思いきや・・・っと、これデジャビュを感じざるを得ないのですが」
?1「別にいいのよ、とりあえず2番道路で私たちに処刑される回よ!」
主 「ちょっwネwタwバwレw」
ツールボックス

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