5スレ>>907


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萌えもんNO.73 ドククラゲ。

俺の手持ちにもドククラゲがいる。
でも、ドククラゲは名前の通り、毒がある。
だから、ドククラゲやメノクラゲなどを持つトレーナーは結構気を付けなければいけない。
そのため、俺はドククラゲと居るときは触手があたらないように注意している。
そういや、水着の人達ってどうやって回避してるんだろうか。物凄く不思議だ。
……まあ、その話は置いといて、だ。
今現在、ドククラゲと睨み合って互いに隙を窺っている。
俺の手にはドククラゲのボール。あっちは今にも飛びかかって──いや、抱きつこうとしている。

「いいか、落ちつけ。そしてそこに座れ」
「マスターこそ、そのボールをしまってじっとしてて下さい!」

こんなやり取りがもう数十分になる。
お前、草むらのド真ん中でナニするんだよ。
視界の隅では他の皆がこっちを見て呆れたり、笑ったりしている。
……って、お前ら何で草むらの外にいるんだよ。何、傍観者になってんだよ。

「……なあ、いい加減やめない? この茶番」
「茶番!? 今、茶番って言いましたね! これは私にとって死活問題なんですっ!」
「どこがどーなって、死活問題なんだよ。三十文字以内で説明しろ」
「毎日一回はマスターに抱きつかないと禁断症状が……」
「残念、二文字オーバーだ。よって諦めろ。それ以前に抱きつく以外もするだろ!」
「だって、何処ぞの女狐が──」
「このパーティーで女狐って言ったらキュウコンになるからな?」
「その通りですっ! この前マスターに膝ま──」

その時、俺達二人の間に炎が横切った。
火炎放射だ。このタイミングで火炎放射を放つ奴なんて一人しかいない。
二人揃って、それが飛んできた方向を見ると。そこには──

物凄い笑顔のキュウコンがいた。

「…………ねぇ?」
「「すいませんでしたぁぁぁぁああああ!!」」

二人でジャンピング土下座。
プライド? なにそれ、食えんの?
だって、今のキュウコンに何か言ったらそれこそ葬式とかの過程をすっ飛ばして火葬されるし。
キュウコンは、フンッと鼻を鳴らしてボールの中に入っていった。

「ふぃ~、怖かった~」
「お前が余計なこと言うから……」
「だったら、私にも膝枕をしてください~」
「………………え?」
「何ですかその『冗談もその辺にしろよ』みたいな反応」
「あ、うん、また今度。何時かきっと」
「分かりました、五日後にしてくれるんですね」
「もうヤダ、このドククラゲ」

何を間違えてこうなったのか。不思議だ。
他のドククラゲもこうなの? ねぇ?
懐いてくれるのは、まぁ……嬉しいけどさ。見た目美少女だし。でも限度を分かってないというか、愛情表現の仕方が激しいというか……
そういや、何でコイツはキュウコンに膝枕したの知ってるんだ? ボールに入ってたはずなのに。

「フッ、隙ありぃぃぃ!!」
「ハッ、しまったぁぁぁぁ…………ぐふっ」

ドククラゲの触手が脇腹に命中。
うわぁ、身体が痺れて動けない。意識も遠のいてきた。
意識が無くなる前、最後に見たのは息を切らして、危ない笑顔で向かってくるドククラゲだった。

おい、草むらの外にいる娘達。誰か止めろよ、キミ達のマスターがピンチだぜ。



────

………目が覚めた。
そして、一言──

「知らない天井d──」
「マスター! やっと起きたんですか! 一時間二十三分と四十五秒も待ったんですよっ!」
「…………せめて最後まで言わせろよ」

名言が、名言がぁぁぁぁぁぁぁぁ………
……ま、今そのことは置いといて。
本当に知らない天井だ。気絶する前は外だった訳だし、何処かに運んだんだろうか。
てか、身体のあちこちが痛い。攻撃を喰らった脇腹以外で、何か痛い。

「なあ、ここ何処だ?」
「あ、えっと。ここは近くにあった萌えもんセンターですよ」
「ふーん、運んできてくれたの?」
「はい、途中で三回程落しましたけど」
「おいこら、ちょっと待て。何落してんだよ」

お ま え の せ い か !
もうちょっと優しくできんのか、仮にも俺は主だぞ? ご主人様だぞ?

「まずはそっちが優しくなってください。特にベッドの上で!」
「心を勝手に読むな。それと最後のは却下だ、そもそも何もしてないからな?」

俺の手持ちは全員心が読めるの?
ドククラゲってエスパーじゃないよ、むしろエスパーには不利だから。

「キュウコンさんにはあんなに優しかったのに……、ハッ! まさかもう既にキュウコンさんとデキて──」
「アホか! 何言ってんだお前は!」
「じゃあ、誰とデキてるんですか!?」
「誰ともデキてない!」
「だったら今直ぐパンツを脱いでください!」
「何でそうなる!」
「確認するんです! まだ誰ともデキてないかどうかをっ!」
「そんなのしなく──ッ!」

ドククラゲは俺が脱がないと分かると、自分の服を肌蹴させた。
み、見てないよ? 二つの柔らかい脂肪の塊なんて。

「しなくてもいいから、取りあえず服を元に戻してそこからどけ!」
「や、やっぱり、胸なんですか!? 大きい胸が良いんですか!?」
「だから何でそうなる!」
「だって、だって……私の胸を見てもまったく反応してないじゃないですかっ!」
「おまっ……年頃の乙女が何処に視線を向けてんだよ」
「うぅ……」

そこまで言うと、ドククラゲは部屋の隅で、体育座りになって泣きだした。
えー、もう。面倒くさい……

「あー、その、なんだ。俺は別に胸の大小じゃ……………………なくてだな。単に、お前が何時もそうやってくるから慣れただけであって……」
「……なんですか、今の物凄い間は」
「……な、何でもない」

え、ほら、俺も男だし。分かるだろ?
俺は別にロリコンではないし、一般の思春期の男子なわけで……
やっぱり、さ……うん、これ以上は言わん。
で、今現在部屋の隅でメソメソと泣いているドククラゲをどうするか……

「まあ……また今度埋め合わせするから、さ。今の所は泣きやんでくれ」
「うぅ……シクシク」

なんてこった、ドククラゲが俺からの誘いに乗らないなんて……
何時もなら飛びついてくるのに。

「ほ、ほら。取りあえず今は泣きやんで──」
「───くら……」
「え?」
「膝枕……してください。キュウコンさんだけ特別なんて嫌です……」

ぷぅ、っとまだ涙の痕が付いている頬を膨らませてこっちを見る。
だから何で俺がする側なのか、普通男がされる側だよね? ねぇ?

「えっと、俺がドククラゲに?」
「はい」
「ドククラゲが、俺にじゃなくて?」
「それじゃあ意味ないじゃないですか」
「………ハァ」

溜息を吐くと、ベッドの上に胡座をかく。
一瞬でドククラゲの頭が膝の上に来たけど、あんまり気にしないことにする。
しかしまあ、何で俺がする側なのか。されたことはないってのに。
べ、別に膝枕されたいって訳じゃないんだからねっ!
と、頭の中で叫んでいるとドククラゲから声をかけてきた。

「あの……」
「ん?」
「ありがとうございます」
「……どういたしまして」

何て返せばいいのか分からないのと、単純な照れからぶっきらぼうに返してしまった。
やっぱり、こういうのって男はされる側だと思うんだ。
でもまあ、手持ちとの交流と思えばいいか。……ん? いいのか?

「あ」
「今度はどうした」
「さっき、埋め合わせするからって言ってましたよね」
「…………い、言ったか? そんなこと」
「はい、言いました。と、いうことで──」
「待て待て待て、何がと、いうことでだ! 何する気だ、服を脱がすな!」
「ふふっ、マスターったら。何をって、ナニをするに決まってるじゃないですかぁ」
「待て、そう落ちつけ。素数を数えろ──ってお前も脱ぐなっ!」
「埋め合わせ、しましょうよ。これで既成事実を作って………あっと、シュミレーションしてたら鼻血が」

俺はその後、萌えもんセンターから逃走を図った。
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