5スレ>>928-1


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第一章:世界の創造

01世界が始まる前に存在していたのは、混沌と、そこにたゆたう一つの卵だけだった。
02卵の中には、一人の少女が眠っていた。
03少女はずっと、上も下もない闇の殻の中で独りで浮遊していた。
04どれ程の間眠っていたのかは誰にも分からない。
05しかし確かなのは、“その時”に少女が殻を破り目覚めたということだ。
06目覚めた時、少女は当然ながら孤独だった。しかし寂しいと思うことはなかった。
07ただ分かるのは、自分にはアルセウスという名前がついていることだけだった。
08少女は理由もなく無気力に浮遊していた。
09腕を伸ばしてみる。しかしその手には何もつかめなかった。
10白い衣を纏った自分の姿を眺めながら、少女は再び眠りについた。

11再び目覚めた時も、少女はひとりぼっちだった。
12最初の目覚めと違ったのは、少女が悲しげな顔をしていたことだ。
13少女は夢を見ていたのだ。
14自分と同じ姿形をした人々と一緒に青や緑、黒や白の色をした世界で戯れる夢だった。
15そこで少女は初めて楽しいという感情を知り、夢から覚めることで悲しいという感情を知った。
16少女は膝を抱えて涙を流した。すると涙は頬を伝わずに白く輝いて宙を舞った。
17「これは……そうだ、これは光。光よ、私の元に集まれ」
18すると少女が命じた通り、少女を光が包み込んだ。
19次に少女は言った、「私が降り立つ大地よ、ここに現れよ、大気よ、大地を包み満たせ」
20大地と大気を創りだして光と共に降り立った。
21そこには、上と下、光と闇という秩序があった。
22何もない“無”の中から“有”を創造する、それが少女の能力だった。
23そして少女は思い立つ、「この大地に、さっきの素晴らしい世界を創ろう。
24我が名前――アルセウス。この名の下に、我が素晴らしき世界を」
25この時、『神』アルセウスが誕生された。
26神となられたアルセウスは、集めた光を全て投げ上げられた。
27光はそこに留まり、高いところから神と、神が立つ大地を照らし始めた。
28アルセウスは光を太陽と名付け、太陽がある世界を空と呼ばれた。
29それは、夢の中で見た白い世界を形作るものであった。
30アルセウスは大地の果てを見ようと、太陽から逃げるように駆け出された。
31すると空の色が青から赤へと変わり、やがては光が届かなくなった。
32気付けば神は黒い世界に立っておられた。そこは白い世界の反対側であった。
33そこで大地の一部を切り取ると、空に投げて浮かべられた。
34小さな大地は穏やかな輝きを持ち、アルセウスはこれに月という名をお与えになった。
35しかし空はまだ暗かったので太陽の一部を小さくちぎって空に浮かべ、これを星と名付けられた。
36また、太陽の当たらない世界を夜、当たる世界を昼と呼ばれた。
37少女は空がゆっくり動くようにし、そのまま眠りにつかれた。

38次の日、神は太陽の光で目を覚まされた。
39「さあ、これで白い世界と黒い世界が出来た。次は青や緑の世界を――いや。
40あの世界には私によく似た存在がいた、それを創ろう」
41そしてアルセウスは衣の裾を引き裂き、四人の分身を創られた。
42姿形はオリジナルによく似ていながらも、少しずつ違っておられた。
43それぞれに“空”、“地”、青い世界、緑の世界の創造を割り当て、役割にちなんだ名前を授けられた。
44まずアルセウスは青い世界の妹に“水”を創らせられた。
45「水よ湧け、世界に満ち、命をはぐくむ海となれ」
46次に緑の世界の妹に、大地を“草”で覆わせられた。
47「草よ茂れ、大地にはびこり、命をはぐくむ糧となれ」
48“空”の妹は風と雲を創り、大地を潤す雨を降らせられた。
49“地”の妹は海のために大地をへこませ、その分だけ別の場所を盛り上げられた。
50盛り上がった大地は山と名付けられた。
51それぞれが仕事を終えると夜がやってきて、五人は草の上に並んでお眠りになった。

52次の日も世界の創造は続き、少しずつ世界に変化が生じ始めた。
53まず雨雲からは雷が生じた。
54山は爆発して炎と岩をまき散らし、大地に眠っていた金属が現れた。
55日の光が少ない地域では大地や海が凍ったり、雪が降ったりした。
56神は新たに分身を創り、妹たちに“電気”、“炎”、“岩”、“鋼”、“氷”を割り当てられた。
57「次は生き物を創るとしよう」
58アルセウスはそう呼びかけ、妹たちと眠りにつかれた。

59次の日、神々は生き物を創り始められた。
60水の中には魚、森の中には虫、空には鳥を生み出された。
61とりわけアルセウスは自分たちの似姿として、萌えもんと人間という生き物を作りたがられた。
62アルセウスは萌えもんを神の力の一部を持つ存在として、自分の髪の毛から創造された。
63人間は萌えもんを使役する存在として、土くれに息吹を吹き込んで創造された。
64妹たちもそれにならい、多くの萌えもんと人間をお創りになった。
65萌えもんと人間は神が見た夢の主人公であり、姿形が神によく似ている。
66しかしそれでいて多種多様な風貌を持っている。
67神が当初創造された萌えもんと人間は神の似姿のままで、女の姿をしていた。
68「夢の中では彼女らには男というパートナーがいた。
69それらの創造を忘れてはならない」
70こうして、世界には女と男が生まれた。

71ありとあらゆる生き物が、神の意志のままに繁栄し、世界は多様化していった。
72強い力を持ち希少なドラゴンを抑える“竜”の妹、
73森の中を縦横無尽に埋め尽くす虫を支配する“虫”の妹、
74世界を支配し始めた人間を統べる“闘”の妹を、アルセウスは創られた。
75心が宿った生き物には魂が宿ることを発見し、それが及ぼす影響をも知られた。
76そこで、萌えもんや人間の死後に世界を彷徨う魂を統制する“霊”の妹、
77霊が生き物に宿ることで生まれる不思議な力を掌握する“超”の妹、
78悪霊が自然に作用して生まれた自然の中の害を管理する“毒”の妹、
79それが人間や萌えもんに作用して生まれた心の魔物を制御する“悪”の妹を創られた。

80気がつけば姉妹は17人になっておられた。
81萌えもんと人間の数もどんどんと増え、多様化していった。
82それぞれがそれぞれの分野を司るようになると姉妹はあまり会わなくなられた。

第二章:特別な萌えもん

01神々は、能力の代行者として強大な萌えもんを創りだされた。
02まずアルセウスは、時を司る時間萌えもんディアルガ、空間を司る空間萌えもんパルキア、
03鏡の異空間を支配する反骨萌えもんギラティナを引き裂いた服から創られ、
04それから人間の心を象徴する存在として、知識萌えもんユクシー、
05感情萌えもんエムリット、意思萌えもんアグノムをやはり服から創られた。
06妹達はこれに倣い、三人組の萌えもんを作ろうと思い立たれた。
07まずは世界を構成する三つの柱、海と陸と空を司る萌えもんである。
08“水”の妹は海底萌えもんカイオーガ、“地”の妹は大陸萌えもんグラードン、
09“空”の妹は“竜”の妹と協力して天空萌えもんレックウザを生み出した。
10これが、二つの属性を持つ萌えもんの始まりである。
11三人はまた、これらとは別の役割を与える萌えもんとして、
12潜水萌えもんルギア、巨大萌えもんレジギガス、虹色萌えもんホウオウを創造された。
13この三人にはそれぞれ、さらに三人のしもべもいた。
14ルギアには空を飛び回る“三鳥”、
15冷凍萌えもんフリーザー、電撃ポケモンサンダー、火炎萌えもんファイヤー、
16レジギガスには大地を形作る要素の“三ゴーレム”
17岩山萌えもんレジロック、氷山萌えもんレジアイス、黒金萌えもんレジスチル、
18ホウオウには地を駆け回る“三聖獣”、
19雷萌えもんライコウ、火山萌えもんエンテイ、オーロラ萌えもんスイクンである。
20“超”の妹は他の妹たちと協力しながら多くの強力な萌えもんを創造された。
21独りで創られたのはDNA萌えもんデオキシス、三日月萌えもんクレセリアである
<この時“悪”の妹はクレセリアの対として暗黒萌えもんダークライを創られた>。
22“鋼”の妹と協力して願い事萌えもんジラーチ、
23“草”の妹とは時渡り萌えもんセレビィを、
24“竜”の妹と共に夢幻萌えもんラティアスとラティオスの兄妹を創造された。
25最後に次元の異なる世界を繋ぐ番人として、莫大な数のシンボル萌えもんアンノーンを創られた。
26“鋼”の妹は“炎”の妹と火口萌えもんヒードランを創り、
27“草”の妹は感謝萌えもんシェイミを創造された。
28これらは人の前には滅多に姿を現さぬ萌えもんである。

第三章:姉妹の分裂

0117人の萌えもんによって、世界は支配されていた。
02「お聞き下さい、お姉様。先日、このようなことがありました」
03全員が集まったある日、“虫”の妹がそう言われた。
04「私は世界中の森を歩き回っているので、度々人間と会うことがあります。
05何人かの人間は、私をお姉様の名で呼びました。
06しかし私がいくら否定しても、彼らは聞き入れませんでした」
07すると他の何人かの妹達も同じようなことがあったと口にされた。
08「では私は『アルセウス』という名を捨てよう。
09これからそれは我々一族の名となり、萌えもんや人間が神々と呼ぶものに取って代わるだろう。
10そして私はここに新たな名を名乗ろう」
11長姉が自分に与えられた名前は、人間の言葉で“人間と萌えもんの特質”を表す言葉であった。
12それから“悪”と“毒”の妹が一歩前に歩み出て言われた。
13「お姉様、お姉様は私たちを創って下さいました。
14私たちに取っては姉と言うよりもむしろ母のような存在だと思っています」
15「そしてお姉様は世界を秩序という物で支配した偉大なお方です。
16しかし、この世界にはただ一つだけ無秩序な物が存在しています」
17「それは、私たちです。私たちに序列を下さい、お姉様」
18“悪”の妹が最後にそう付け加えられた。
19それに長姉はお怒りになって、「それは出来ない。
20なぜなら、君らひとりひとりは私であり、私は君らなのだ。
21我々はアルセウスという、みな等しい存在としてここにある。
22上下関係などどうして必要だろう?」
23妹たちは顔を見合わせた。まずは“空”の妹が宣言された。「では、二番目はわたくしでしょう。
24空はお姉様が初めに創ったものの一つですし、空は世界の上を覆って存在していますから」
25次に“大地”の妹が呟かれた。「でも、そもそも大地がなければ何も存在しなかったんだしね……」
26それから“水”の妹が、「ところで、水は空にも大地にも存在していますわね」
27最後に“草”の妹が言われた。「空の姉様には敵いませんが、草は水を吸って大地を覆い尽くしているのですよ?」
28神が最初に創った四人の妹たちは口々にそう主張なさった。
29他の妹たちもじっとしてはおられなかった。
30まず“格闘”の妹が口火を切られ、「地上を支配してるのは人間だろ? だったら人間に一番近いアタシが二番目だよ!」
31次に“霊”の妹が言われた。「でも人間は幽霊を恐れるのよ……」
32それに“電気”の妹も続かれた。「雷を恐れない人間もいないでしょう?」
33それから“超”の妹が踊りながら言われた。「私が持つ超能力こそが、お姉様の創造する力に一番近いのではありませんか?」
34負けじと“竜”の妹が啖呵を切られ、「人間だろうが萌えもんだろうが、何者もアタシに敵うはずがないさ!」
35冷ややかに“氷”の妹が言い放たれた。「あなたたちは何を言っているのです? 私が二番目になれば済む話でしょう」
36“岩”の妹がいじらしげに「序列に固執するなんて……私は興味ありませんからね!」
37“鋼”の妹が静かな声で、「……誰にもお姉様のすぐ下は譲らない……!」
38最後に“炎”の妹が言った。「おっ、これはどうやら戦いの流れかな?」
39互いが互いをにらみ合い、一触即発の状態だった。
40誰が止める間もなく、アルセウスたちは戦いを始めてしまわれた。

第四章:神々と人々

01アルセウスたちの戦いは伯仲し、長引いた。
02戦い続ければ続けるほど、神が創造した世界は破壊されていった。
03そこで最初の神は一つの策を打ち出された。
04妹ひとりひとりを眠らせ、萌えもんや人が近づけない場所に封印されたのである。
0516人の妹を世界のどこかに隠すと、神は再び孤独になられた。
06神は自らの行いを悔やみ、涙を流された。
07神々がいなくなったのを、人間達は不思議がった。
08そこで最初の神は神であることを捨て、人間の世界に降り立たれた。
09敬虔にアルセウス神を信じている人間の王の前に姿を現し、言われた。
10「人間たちよ、心して聞きなさい。
11私は、あなたたち人間と萌えもんを特別な存在として作り出しました。
12他の生き物が持っていない物を、あなたたちは持っているのです。
13それを見失った時、私は世界に裁きを下すでしょう」
14神は人間の代表と約束を交わし、静かに立ち去られた。

15神は疲れたので、自分も眠りにつきたくなられた。
16それから自身の右腕を萌えもんに作り変えて世界に放たれた。
17その萌えもんは、他の萌えもんに姿を変えてどこかに忍んでいる。
18そうぞうもえもんアルセウスは、今も世界のどこかから我々を見ているのである。
19いつか神々は再び目覚め、我々の前に今一度姿を現すこととなろう。


解説(一部筆者注)
第一章
14海と森、昼と夜。
16神が孤独を恐れていることと、悲劇が歴史を作る事の暗示。
41第二章を含め、タマゴ未発見種は神の衣の一部から創られている。
43この名付けは神にしか理解できない言葉で付けられている。その為、地域や時代毎に違う名で呼ばれるようである。
62-63萌えもんと人間の決定的な違い。(なお、神の体の一部からの創造は日本神話、土くれからの創造は旧約聖書)
67-70萌えもんの世界では女性優位。
この章ではタイプごとの妹が創られた順番が記述されているが、これらは序列・優劣を意味しない。
第二章
10進化するとタイプが変わる種がいる理由はこれでは説明しきれない。ある種の神話的解釈。
12ルギアとレジギガスはそれぞれ水、地面タイプを持っていない。タイプに関係のない創造がなされるのか、本当は別の妹により創造されたか。
13このことから、3という数字は神聖な数字とされる。アルセウス、ルギア、ホウオウ、レジギガスは後に「トリオマスター」と呼ばれる。
25アンノーンは“超”の妹一人に創られたのではないという説もある。
第三章
04かつてはこのように神は我々と近い場所にいたようである。
11「心」「協和」「知恵」「ことば」など諸説あるが「愛」であるとするのが有力である。
12-18萌えもんも人間も争う存在であるという暗示。
第四章
06アルセウスの本質を現した一節。
12解釈は諸説あるが、第三章11節が示す物か。
13アルセウス専用技「さばきのつぶて」
16このため、長姉は右肘から先を失った姿として描かれる事が多い。
17ここで生まれた萌えもんはミュウとメタモンであるとされる。
19いつ目覚めるのかわからないので、この先いくつもの逸話が生まれることとなる。
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