2スレ>>374


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―――前書き―――


えーと……本当にごめんなさい!!

今回の話、マスター同士の喧嘩がメインになっちゃいました……(滝汗
しかもリアル喧嘩というか一方的だし……。何故こうなってしまったんだ……。
弁解すると、次回以降のお話はモンスター同士のバトルにしようと思って
いるんですけど、その前フリを書いているうちに妙に長くなってしまったというのが
今回のやっちゃった感全開の内容の原因だったりします。

あれです、面倒な人は真ん中あたりから出てくる萌えもん(フシ●●ウ)が
出るあたりだけ読んでください。
次回以降はしっかり萌えもんを(っていうかパルシェンを)出していく予定なので、
お話の中継ってことでご容赦願います。

というわけで、あまりにも萌えもんとかけ離れた内容の(笑)、第三弾をどうぞ~





   ―――Majestic Shellworks03―――



「こンの……ボケがッ!!」
黒づくめの男のコブシが再び頬にめり込み、そのまま僕は倒れ込んだ。
「う……くっ……」
頬が焼けるように痛い。そっと触るが、既に何度か殴られたのもあって既に腫れ上がっていた。
もうすぐ夜になろうかという時間。夕日ももうすぐ落ち切ってしまうだろう。
山吹色に染まる草原はここからも見える。
僕は、さっきまでパルシェンと練習していた場所からほど近くの林へと連れて来られていた。
この黒づくめの男はどうやらロケット団の団員であるらしい。上司からノルマ言いつけ
られたノルマ――― 一定数以上のポケモンを連れて来なければならないという ―――を
未だこなせず、今日中に出来るだけ集めておかなければいけないらしいのだ。
そこでこの草原にて通りかかった人々を襲っては、ボールを奪っていたのだという。
どうやら僕も、先ほどパルシェンの訓練をしていた際に目をつけられていたらしく、
一人になった所を狙われた。
(こんなことなら、せめてケンカなんかするんじゃなかったな……)
そう思ったが、もし彼女が負けてそのまま相手に奪われた時の事を考えたら、頭が狂いそうになった。
(そうだ、最悪の事態に比べたら、こんなのまだまだじゃないか……!)
「なんやその目は。 そんなんなってもまださっきのオンナ連れて来られへん言うんか! ア"ア!?」
「でき……ないっつってんだろ……何度言えば分かるんだ、このノータリン……!」
「こ! ……ンガキャあ……!!」
「あ……が!」
倒れ込んだ僕の腹に蹴りを入れる黒づくめ。胃液が逆流して吐きそうになるがなんとか堪える。
「なんやねん、このアホンダラ。 はよ連れて来いっつってんやろが!」
「ぐ……うう……」
今すぐ泣いてしまいたくらいの痛みが体を襲う。……でも、それでも耐えなければいけない時という
ものがある事を僕はそのとき強く感じていた。
と、その時だった。ボールから出てくる時に灯る独特の光が辺りを照らしたと思った直後。
あまりに場違いで物静かな口調の声が響いた。
「……そのあたりにしておいた方が……」
僕は声の方向に目を向けた。
ちょうど黒づくめの後ろ辺りに一人の少女が立っていた。
木々の隙間からうっすらと差し込む夕日が、彼女の緑色の艶やかな髪を照らしている。
アンニュイな表情から感情を汲み取る事は難しいが、逆にそれがその娘の
魅力のひとつであるようにも感じられた。
息を呑むようなその光景に、僕は一瞬だけ痛みを忘れる事ができた。
「その方は何をしても……きっと折れないと思います」
「ああ? なんやねん、フシギソウ。骨くらい折んのなんか簡単やわ」
「いえ。……心が、です」
そういって、フシギソウと呼ばれた少女がこちらを見下ろした。
朱みざしたその瞳は蠱惑的なほど綺麗で、僕は引き込まれそうな気にさえなる。
……だが、その瞳はどこか、寂しさと諦めを示していたように思えた。
互いに見つめ合う事数秒、黒づくめが苛立ちを隠せない様子で割り込んできた。
「なんや、お前。俺がお前のマスターやぞ。わかっとんのか?」
男がフシギソウの頭を掴み、引き寄せ、睨み付けた。
フシギソウは悲しそうに目を伏せて、「すいませんでした、マスター」と小さく呟いた。
それを見て僕は、なぜだろう、自分が殴られた時よりも激しい感情に襲われた。
怒りか、同情か、嫉妬か、それともその全部か。感情が体の痛みを越えて、動けと命じる。
「おい、この低脳野郎」
「……ア"ア!? なんやとゴラァ!! ……ああ?」
僕は普段使わないような言葉で相手の注意を引き、いきなり立ち上がって殴りかかった。
「うあああああああ!!」
「……ったく、そんくらいでやれる思うなや……こんボケカスが!」
しかし僕の手はいとも簡単に払いのけられ、逆に頬を殴り返された。
今度は反動もあって大きく吹っ飛ばされ、木に叩きつけられる。
「うう……」
呻く僕を見て、黒づくめがため息をつきながら言った。
「あかん、めんどくさいわ、コイツ」
男がひらひらと、そう痛そうにでもなく僕を殴った手を振る。
「フシギソウ。お前、代わりに痛めつけといて」
「「……え?」」
僕とフシギソウの言葉が重なった。
「……マスター……それは……」
「簡単なもんや、さっき俺がやってたんみたいな事したらええねん」
「……でも……」
同じモンスター同士での闘いは、互いが互いに力あって、その上で行われる真剣勝負である。
だが、この場合は―――
「やれ、っつっとんねん」
「…………」
男が睨みを効かせると、フシギソウがすごく悲しげな表情でこちらを見た。
「……………………ごめん、なさい」
そう呟くと同時に、彼女の背から数本の蔓(つる)が延び生えた。
その蔓が小気味良い音で地面を叩くと、草の生い茂る地面にくっきりと抉られた跡が残っていた。
黒づくめがタバコをふかしているのを一瞥し、その後に少女の瞳を見てから僕は目をゆっくりと瞑った。
痛いのも死ぬのも嫌だけど、それ以上にこの娘の重圧となるのが一番嫌だ、と。
そのとき何故か僕はそう思えた。
そして、黒づくめのあの嫌らしい笑いと、ケンカ別れしたパルシェンだけが僕の唯一の心残りだった。
「ごめんな、パルシェン」
そして、ヒュッ、っと空を裂く音がした瞬間。僕の体を抉らんとする蔓の鞭が―――
「こんな時に謝るな、馬鹿」
―――パルシェンに受け止められていた。
「はあ……疲れた……。走るのなんて何ヶ月ぶりだったか……」
荒く息をつくパルシェンの姿に、僕や黒づくめだけでなくフシギソウすらも驚きの表情を浮かべていた。
「なんで、パルシェン、ここに……?」
「オマエが怪しい奴に襲われてるとかいう話を聞いてな。仕方ないから探してやった。感謝しろ?」
仕方ない、と彼女は言ったが、その嬉しそうな顔は彼女の心配の程を察するに十分だった。
僕もパルシェンに何か言うべきだったのに、こんな時に限ってなかなか思いつかない。
「そんな顔をするな。全く。……あと言っておくが。私にだって謝る理由があるんだぞ」
と照れた様子でぽつりと言った。
さっきの辞世の句のような一言を聞かれていたのか……。
「……さて、このままさっさと帰りたい所だが。その前にアイツ等をとっちめてやらんとな」
ニヤリと笑うパルシェン。その視線の先には、苦虫を噛み潰したような顔をした黒づくめと、再び無表情に戻った
フシギソウが並んで立っていた。
パルシェンには色々と言いたい事はあるけれど。
「ああ、その通りだ……!」
その前に、僕には―――リベンジという―――するべき事が今あるのだった。
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