リレーSS ズバット
…いけないことだってわかっているのに
「はぁっ…、はぁっ…」
こんなことしてちゃだめだってわかってるのに…。
「ま、ますたー、はぁっ…」
身体が止まらない。
どうしても…おさえきれない。
チュー、チュー。
おいしい。
おいしいすぎるよ…。
マスターの…血。
このまえ、草むらで怪我をしたますたーの血をなめてから
わたしは血のあじがわすれられない。
ひとなめで、天にものぼってしまいそうなほど。
したにしみる血のあじは、どんなたべものよりもおいしい。
それから…、わたしはみんなが寝静まったころ、
ますたーの血をすうようになった。
そのあじは、あのときのんだものよりもずっとずっとおいしい。
ますたーをすべてのみほしても足りないほど…。
こわいよ、こわい。
チュー、チュー。
でも…少しだけ、少しだけなら…マスター許してくれる…よね?
「…ごめんなさい、ますたー」
小さく、あやまってしまうわたし。
わかっていてもわたしが止まらない。
わたしがボールに入ったとき、ますたーが身体をゆらすたびに、
血のあじをまた、おもいだしてしまいそうになる。
最終更新:2007年12月16日 12:55