2スレ>>575


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 鈴の音色が響く。

リ~ン……リ~ン……。

小さく、それでいて決して拭えない存在感を備える澄んだ音を響かせている。

リ~ン……。

音の源は暇そうに木に寄りかかる狐のペンダント。

「こないわね。」

確認する必要もない。

「……たまにはそんな日もあるだろ。」

チャンピオンルームを森に変えて以来、何故か携帯灰皿の所持を義務付けられた。

もちろん狐にだ、チェーンスモーカーである俺からすれば容量が足りない……。

……いや、壁のポケットの中には携帯灰皿はごまんと入っているが。

「いい音色ね、この鈴。」

……口が裂けても言えないが、俺の手作りだ。

「こんな綺麗な鈴のついたペンダント、売ってるものじゃないわね?」

…………

「……判ってるなら聞く必要ないだろ。」

今日3箱目の封を切り、新しい煙草を取り出し……。

「最近煙草減ったわね、気でも使ってるのかしら。」

いつの間やら足元に座り込んで俺に寄りかかっている狐。

「自覚はないんだが……お前に言われるならそうらしい。」

……どうもいけないな、最近はペースをもっていかれている。

狐の横に座り深く煙草を吸い込む。

「暇なのはいいのよ、マスターと二人だけでいられるのだし。」

森の部屋にしてから2週間、ずいぶんと狐は素直になっている。

「でも来ないのは問題よ? 防衛しないと給料入らないんだから。」

……遠まわしに禁煙しろって目が言ってるな。

「無理だ、これだけはやめられる気がしない。」

狐に正された癖はいくつかある。

倒した相手のトレーナーに背を向けて紫煙を昇らせる。

仕草だけで指示をしバトルをする。

狐の尻尾を掴む。

……後いくつかあったが無意識の行為は覚えていない。

「あら、私は煙草嫌いじゃないわよ。」

言うなり、吸い込み吐き出す前の俺の口から直接吸い上げる狐。

「……私はキュウコンで萌えもんだけど、煙草だってお酒だってするわ。」

……自分でやっておいて赤くなって顔を背けるとは随分面白いやつだ。

少しだけ手荒に(何度でも言うがこれでも優しくだ)こちらを向かせ、

「何よ、文句でも……」

喋り続ける口を塞ぐ。

お互いに静かになっているその部屋の入り口に……。

……終了時間ギリギリに到着したチャレンジャーが、

真っ赤な顔で立ち尽くしているのを見つけるのはこの少し後の話だ。


―――



後書きに見える何か。


今日はペースが速いようですねぇ…。CAPRI
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