2スレ>>669


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※この話は、自分こと560の初SSと、二作目SSの後に起きた話だと思ってください。

 作品ごとの時間軸が無茶苦茶になってます。申し訳ありません orz





今日も流れる水が綺麗なハナダシティ。

しかし、そんな和やかムードをぶち壊す

阿呆な萌えもんトレーナーが約一人。



「たのもーーーーーっ!」



バーーーーーーーーーーーン!!



勢いよく扉を開けて、逆光を背負ってかっこよく登場!




――― ドスンッ!ガゴッ!



「∑ふぎゃっ!? あいた、いたたたた痛い痛いっ!

 ちょ、あの、じ、ジムリーダーさーん!? た、助けてぇーーー!!」



・・・しようとしてキッチリ扉に体を挟まれ、見事なまでに情けない登場をかましてくれたのは

前回オツキミ山を越えた勢いで、そのままハナダジムに乗り込んできたものの

華麗に返り討ちにされたヘタレトレーナー(♀)でした。





『ヘタレの奮闘記。ハナダジムですったもんだ編』





「はあ、また来たの?」

「はい、また来ました」


呆れ顔で呟くのは、ハナダジムリーダーのカスミ嬢。

何だかんだいって、敵であるはずのへタレを扉から助けてくれた良い子です。


対するへタレは萌えもんの皆に

「お前はどこまでへタレなんだ」「アホか」「もはや芸術レベルのバカね」と

口々に罵られ、しゅんとしています。



「ていうかちょっと、どうしたのよアンタその腕は!?」


カスミ嬢の視線の先には、包帯とギプスでがっちがちに固められているへタレの右腕が。


「あー、まあその、ちょっと色々ありまして・・・骨折しました」

「・・・一体どんな特訓したらそうなるのよ」

「そんなわけなので手加減してやってください」

「お断りよ!」

「全治二ヶ月ですよ?」

「知るか!!」

「あーう」


全く緊張感の感じられないトレーナー二人の不毛な会話に、
まずはピカチュウさんがキレました。


「ちょっと、漫才やってる場合じゃないでしょ!?
 はやくバトルを挑みなさいよこのヘタレ!!」

「∑ぎゃん! ピカチュウさんもうちょっと手加減してー!」

「いつまでもふざけてるアンタが悪いっ!」


いつも通り強気なピカチュウさんにゲシゲシ蹴られ、涙目になっているヘタレを見て

カスミさんも

「萌えもんに虐待されるトレーナーなんて、初めて見たわ」 と呆れ返っています。


とまあ、そんなこんなでヘタレのHPが0にならない内に…という
カスミ嬢の配慮もあり、速やかにジムリーダー戦が開始されました。



「行くのよヒトデマン!」

「は~いっ!」

「フシギソウ、頼んだっ!」

「了解ダンナぁ!」


まずはお互い一人目。
フシギソウ対ヒトデマンの試合から、戦いの火蓋は切って落とされた!


「ヒトデマン、“スピードスター”!」


先攻はヒトデマン。
絶対によけられない技、スピードスターがフシギソウの体にぶち当たります。

ですが、へタレ陣も再び負けるためにやって来たわけではありません。
特訓の甲斐もあり、負けじとフシギソウは立ち上がりました。


「フシギソウ、“はっぱカッター”!」


属性の関係もあり、フシギソウのはっぱカッター1回で倒れるヒトデマン。


「ふふっ、少しは成長したみたいね。
 
 でもここからが本番。 行きなさい、スターミー!」


前回ヘタレ達をこれでもかというほどに叩きのめした張本人、
スターミーが前に躍り出ました。

そのあまりの無双っぷりにトラウマを植えつけられ、スターミーの姿に
思わず怯むヘタレでしたが、なけなしの度胸を振り絞りフシギソウに指示を出します。


「準備はいい? フシギソウ」

「いつでもおっけーだよダンナ!」

「スターミー、“れいとうビーム”!」

「フシギソウ、でんぐり返し!」

「っ、はぁ?」

「おりゃーーーっっ!!」


スターミーから れいとうビームが発射されたその瞬間、フシギソウは
ごろんごろんごろんっ!と勢いよく前に転がって、れいとうビームを避けきりました。


「ちょ、そんなのアリ!?」

「今だフシギソウ! 特訓の成果を見せる時だ!」

「いっくぞぉー!

 くらえ!“緑符・はっぱカッター”!!」


なんだかどこかで聞いたようなフレーズの言葉を紡ぐと同時に、フシギソウから
スターミーに向かって何枚もの葉っぱが飛んでいきました。

いつものフシギソウが使うはっぱカッターとは異なり、
葉っぱは一箇所を集中して攻撃するのではなく
一枚一枚がスターミーの全身を攻撃していきます。

右から左から降り注いでくるはっぱカッターに、一瞬スターミーは戸惑い
体を震わせましたが、持ち前のすばやさで葉っぱの包囲網からさっさと抜け出し、
一瞬後にはフシギソウの目の前に立っていました。


「“れいとうビーム”よ!」


ああ悲しきは属性関係。

草萌えもんに効果がばつぐんな氷の技を真正面から浴びてしまい、
フシギソウはばったりとその場に倒れてしまいました。

幸か不幸か、氷漬けという惨い姿にはなりませんでしたが。


「ああ、フシギソウ…!
 うう、頑張ってプリン! スターミーに“うたう”攻撃!」

「はぁい!


 ちゅ~ちゅるっちゅ ちゅ~るちゅっちゅ
 ちゅ~ちゅるっちゅっ ちゅ~るちゅっちゅ
 ちゅ~ちゅるっちゅ ちゅ~るちゅっちゅ
 ちゅ~ちゅるっちゅっ ちゅ~るちゅっちゅ
 ちゅ~ちゅるっちゅ ちゅ~るちゅっちゅ
 ちゅ~ちゅるっちゅっ ちゅ~るちゅっちゅ

 ぱぱぱ ぱ~ぱ~ぱっぱ~ぱぱーぱぱぱ~
 ぱ~ぱぱ~ぱぱぱ ぱぱぱぱぱ~
 ぱ~ぱーぱっぱ~ ぱぱーぱぱ~
 ぱ~ぱぱ~ ぱぱぱ~♪」



「… …
 … … あのちょ、何を言って…?」(カスミ)

「ん~、何だったっけこの曲?」(ピカチュウ)

「確かコレは…一面の曲のはずだから…」(スピアー)

「“妖魔夜行”だっけ?」(オニスズメ)

「あー分かった!“ほおずきみたいに紅い魂”だ!」(ヘタレ)

「ピンポーン! マスター正解!!」(プリン)

「あーそうだそうだ、それだった」(オニスズメ)

「案外分からないものね…」(二ドリーナ)


「――― って! 何訳の分からないことをグダグダ言って」
 
「あ、寝た」

「ほんとだー」

「∑ 嘘でしょおぉおおおっっ!!?」


オニスズメとピカチュウの言葉に慌ててカスミさんが振り向くと、
そこにはプリンの歌(?)であえなく爆睡してしまったスターミーさんの姿が。



「…あああああもう、アッタマ来たぁ!

 起きなさいスターミーッッ!!」


カスミ嬢はその手に握った すごいきずぐすりを、スターミーの体に一気に噴射しました。

もちろん効果はてき面。

どうやったらあんな歌で眠れるのかは全く理解できませんが、
プリンの歌でぐーぐー眠っていたスターミーさんは、すごいきずぐすりのお蔭で飛び起きました。


「スターミー、“10万ボルト”よ!!」


凶悪な光を宿した電流が、プリンの体にぶち当たる!


「っきゃあああああああああああああああっっ!?」

「プ、プリンーーーっっ!!」


カスミ嬢の怒りがスターミーにも届いたのか、10万ボルトはプリンの急所に直撃。
一発KOでした。

しかもプリンの体を真っ黒こげに焦がすという、嬉しくないオプション付きで。


「…ひ、ひどい…」

「何言ってんのよ! 最初にあたし達のことコケにしたアンタが悪い」



悪いんじゃないの。

と 言おうとしたカスミ嬢でしたが、その言葉は発せられることはありませんでした。


何故ならば、向かい合って立っているヘタレから

尋常じゃない雰囲気を感じ取ったからです。


例えるならそれは、噴火直前の火山のプレッシャーといいますか

…まあ、そんな感じの禍々しい何かが、ヘタレの周囲から噴出するのを感じたのです。


そしてそれは、彼女の勘違いではありませんでした。




「… … よくも … … よくも … …

 … … … … よくもプリンをおおおおおおおおおっっっ!!! 」




その時のヘタレの表情は、いつもの府ぬけた顔からは

考え付かないくらい険しいもので


「あれは人じゃない。鬼の顔だった」


と、後にカスミ嬢に言わしめたほど

恐ろしいものだったそうです。



「ピカチュウーーーッ!」

「∑ は、はいぃぃっ!」

「向かって右側のスターミーの腹部に“ 電気ショック ”!」

「い、いえっさーー!!」


いつものへタレとは全く異なるその雰囲気に押され、ピカチュウは素直にヘタレに従いました。

指示された場所にでんきショックをぶつけるピカチュウ。


対するカスミ嬢は、属性的には不利だとしても、スターミーの体力はそれしきの技一発で
それほど削られないこと知っていたので、大して慌てませんでした。


「ふん、甘いっ! スターミー、“みずのはどう”よ!」


しかし、スターミーから みずのはどうは放たれません。
命令を無視している、というわけでは無いようです。
ただ、スターミーはその場からピクリとも動かないのです。


「す、スターミー? なにやってるの!? はやく技を…」

「分からないのか? 今のスターミーは、動けない」

「な、なんですって!?」


いきなり口調の変わったヘタレに驚きつつも、負けじと言い返すカスミ嬢。

ですが、そうすることでスターミーが再び動き始めるということはなく



「急所にでんきショックをぶち込んだ。あと数秒はマトモに動けないはずだ。

 ――― ピカチュウ! もう一度スターミーの右腹部に“でんきショック”!!」




ハナダジムリーダー戦は、ヘタレのその声で終わりを迎えました。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



「…マスター、マスター?」

「っ! …あ、二ドリーナ…」

「おいおい、しっかりしてくれよ。バトルは終わったぜ?」

「あたし達の大勝利でね!」

「へへへ…ま、まだちょっと体が痛いや…でもやったね、ダンナ!」

「ね、ねえ、もういつものアンタよね?
 も、もう怒ってないわよね? ね?」


しぼんでしまった風船のように、さっきまでの覇気がすっかりなくなり
その場に立ち尽くしていたヘタレの元に、
二ドリーナ、オニスズメ、スピアー、フシギソウ、ピカチュウが駆け寄ってきました。



「…あ、そうだプリン!

 ∑うわああああああああああ! プリンがこんがり焼きプリンに…じゃなくってえ!
 し、しんじゃ駄目だプリンーッ! は、はやく萌えもんセンターに行かないとおおお!!」


「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!
 さっきの急所、って…
 なんでそんなこと、アンタに分かったのよ!?」

「あぁ、それはフシギソウが“はっぱカッター”を使ったとき
 スターミーの色んな所にはっぱを当ててきたでしょう!?

 それで、右のお腹辺りに はっぱが当たった時、スターミーすごく嫌そうな仕草をしたからっ!
 だからスターミーの急所はそこなんじゃないかなって、カマかけただけっ!」

「… … な」

「ああああそれじゃ私はこの辺でっ! プリン! プリンしなないでえぇーーー!!」






……とまあ、嵐のようにやってきて

嵐のように去っていったヘタレたちでしたが



カスミ嬢からバッジを貰い忘れていたことに気がついたのは、この数日後だったそうです。






教訓:最大の敵は自分自身(ど忘れ的な意味で)
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