我が仰向けで漫画を読んでいるとトスっと軽い衝撃が我の腹部を襲った。
漫画をどけてみるとイーブイの顔が現れた。
「? イーブイではないか?」
「つまんなーい。あそぼー」
「妹君はどこへ?」
「わかんなーい」
「そうか。……ふむ? その服は?」
イーブイが着ているのは黒いワンピース風の服にフリルをこれでもかと付けた品。
いわゆるゴシックロリータと言う代物らしい。
「ははうえのしんさくー」
「そうか」
そう言ってイーブイの頭を撫でる。
相変わらず母君の職業は不明である。ある時こうして衣装を作ったと思えば、
どこだかの社長さんが尋ねて来たり、R団とか言う悪党が尋ねて来たり…。
警察が来ないんだから悪い事はして無いと思う……多分。
「ぁ、おやつのじかんー」
「いつもの戸棚に入って無いか?」
イーブイが壁掛け時計の時間を見ておやつの時間だと察知したようだ。
おやつは基本的には母君が用意をする。用意していない時は我に札束を渡す。
……おやつ如きに札束なんて必要は無いと思うが。
「とどかないー。とってー」
「あぁ、了解」
漫画を枕元に置いてのっそりと動き出す。
そして、キッチンへ。とりあえず、母君の言った通り、言った順番で戸を開ける。
間違えて開けた時には何が出てくるか……想像するだけで恐ろしい((((゚Д゚;))))
無事、今日のおやつとやらをゲットして寝ていた場所にのっそりと帰ってくる。
「イーブイ。おやつゲットしてきたぞ」
「わーい」
今日のおやつはポッ〇ーらしい。
小さな袋を開けてやってイーブイへと渡す。
「ありがとー」
そのまま漫画の続きを見る為に寝っ転がって漫画を取る。
気が付くとまたポテっと我の腹にイーブイが乗っかる。
ちらっと見てみると『えへー』っと言った様な感じで満面の笑みを浮かべる。
「こぼすなよ」
「ん」
ポリポリとリスが木の実を齧るように少しづつ齧って行く。
その音を聞きながら漫画を読み続ける。
しばらく、経って漫画を読み終える。
ふとイーブイを見てみるとまだポッ〇ーを齧っている。
その様子を見てピーンと何かが閃く。
「イーブイ」
「んにゅ?」
「そのお菓子の楽しい食べ方教えてやろうか?」
「たのしい!? うん! おしえておしえて!!」
子供特有の超音波攻撃を至近距離で喰らって少し耳がキーンと音を立てているが無視をする。
「じゃ、1本借りるよ」
イーブイに断ってポッ〇ーを借りる。
そして、それをおもむろに口に咥え―――――――
「やぁ、兄君。昼間はお楽しみだったようだね?」
「はぁい!? な、何の事ですか!? 母君!」
「はぁい~」
母君はデジカメの液晶を見せた。
そこに移ったのは―――ポッ〇ーゲームをする我とイーブイ。
しかも、ご丁寧に動画。咥える所からの完全版である。
「あ…」
「…………死ぬかね?」
「……はい」
「介錯仕る」
平和な町に我の悲鳴が響き渡ったのは言うまでも無い。
電波が降って来た。-Fin-
最終更新:2007年12月21日 00:35