2スレ>>895


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01

街から大分離れた山の麓。
空は高く、風は柔らかく。
人と自然が手を取り合うような、そんな絵本のような町。


「何年ぶり……だったかな」

「またあの娘に会えるのかぁ……」

「あらら、ウィンお前親父の相棒に惚れてたのか」

「あ、いや別にそういうわけじゃ」

「……ウィンは嘘をつけない」

「まったくだ。ウィンは素直だ」

「あー!ますたーもサン姉も酷いや」

「褒め言葉のつもりなんだがな……」

「マスターは私たちにも嘘を吐くから……」

「場を和ませる言葉の文ってのは理解されないもんだなぁ」

「あや?」

「気にするな、些細なことだよ。
―っと、見えたぞ」


トレーナーやってると実家に帰る機会も少ないもんだ。
いや、元々根無し草の性分があったから、のほうが正しいな。

あの耄碌爺に
「うちの牧場にたくさんの子がいたほうが楽しいだろう。
わしもお前の親父も昔はそうやって外に出たが今はこっちの仕事が忙しい。
というわけでアー坊、お前の出番というわけだ」

「意味がわからん、俺が親父の代わりにここの仕事をやればいいだろ?
そうすれば慣れてる親父が外にでれる。そっちのほうがよっぽど効率が―

「可愛い子には地獄を見せろというのが我が家の家訓でな……」

「それは暗にここが天国だとでも?」

「わしの牧場が地獄とでも?」

「口が過ぎた、気にしないでくれ。外にいけばいいんだな?」

「物分かりのいい孫で安心したよ、お前の親父は強情でな……」




まぁ言うほど社会は俺にたいして冷たくなかったのは幸いだった。
故郷……か、親父は元気にしてるだろうな。
爺は……まぁ死んでても気にすることじゃねぇな、たぶん死んでねぇだろうし。


「フリーザーはあいつの故郷に戻ってったしな、フリーザー見せれば親父ども喜びそうだったんだが」

「この場所しらないんだよね……まさか帰ってこないとか?」

「そのうち見つかるだろ、適当に方角だけは教えといたし」


―――――

―――




「親父~爺~生きてるか?手土産はないが帰ってきたぜ」
軽く声を張り上げる。
ご近所さんには多少迷惑だろうが逆に俺の帰郷が知らせれるから問題ない。
あとでご近所回りするよりはこっちに来てくれたほうが楽……ってのは失礼な話か。


「おぉ、アー坊帰ってきたのか。ざっと3年ぶ……どうしたその右腕?」

「右腕っていわれても俺の目には自分の右腕が見えないんだがな」

「右腕失って逃げてきたってわけではないのか、安心した。
でも随分物騒な世の中になったんだな、腕一本落とされるとは」

「街中で騒動は起こしてないよ。ちょいと秘境の地でやらかしてね」

「まぁ死んでなくて何よりだ。お前が俺らより先に死んだらここが潰れちまう」

「爺なんかあと50年は現役でいそうなんだがな」

「違いねぇ、ま、せっかく帰ってきたんだ。中はいんな」




「だいぶでかくなったか?」

「俺の腹か?」

「どうみても凹んでるとおもうんだけどな、牧場が、だよ」

「あぁ、そりゃお前が連れてくればその分広くせにゃならんからな」

「生計たってんのか?自分で大量に捕まえてアレだが」

「安心せい、爺が昔なんて呼ばれてたか忘れたのか?」

「無敗の帝王。だろ?まだ貯蓄はあるわけか、恐ろしい話……でもないか、
そういや俺もチャンピオンリーグに挑戦したよ」

「ほぅ、勝ったか?」

「勝ったらここに帰る暇がないとおもうんだけどな。7年防衛してたやつに挑戦したが負けたよ」

「7年!?」

「なんだよ……7年も防衛したチャンプだぜ?事実強かったよ」

「まぁ最近はチャンプがころころ変わるらしいから7年は異例か、
爺は十数年チャンプに居座って負けることなく引退だったからなぁ」

「まぁ四天王にはキッチリ勝ってきたからそこだけ評価してくれ。
あと爺にはこの話はしない方向で頼んだ」

「この話きいたら爺は間違いなく怒るだろうからな、ハハ。
安心しろ、爺は昔の知り合いと外にいったよ。2週間は戻ってこない」

「昔の知り合い……ねぇ。ま、そういうこともあるのか」
爺がいないのは気が楽だがどうなのかねぇ、いない間にまた出てくとあとが怖いしな……
少々ながい休暇になるがまぁいいか。
あの試合ならトレーナー生活を最後にするには十二分だ。


―――――

―――




さ、我が家の扉を開けて―

「ん、アー坊じゃないか!」

玄関付近にいたのだろうか、聞きなれた声とともに突撃してくるひとつの影。

「の、ちょ、リン姐さんまっ――

ドコッ

「……っつう」

「久し振りじゃないか!元気だったか!
そうそう、ウィンのやつはどうしてる?今日はきてるのか?」

「リンさん!」

「おぉウィンも久しぶりだな、元気にしてたか?
アー坊のサポートは……サンがいるから問題ないな」

「……(コクリ」

「リン姐重いって……」

「アー坊、仮にも女性にむかって重いってのはどうなn」

「っつうかリン姐一人の重さじゃないと思うんだがなんで―


理由はすぐにわかった。リン姐(親父のウインディ)以外にも何匹かいたからだ……

えー……わらわらとまぁガーディがたくさんついてきてますね。



「あー……これリン姐の子供?」

「私と、ウィンの子供だ」

「はぁ!?」

「なんだ、ウィンから聞いてないのか?」

「聞くわけないだろ、そもそもウィンとリン姐がそんな仲だったこと自体初耳だっつに」

「そうか、まぁそういうことなんだ」


リン姐がどいてくれる。えっとガーディたちは1,2,3…7匹か。
一向にどいてくれずにおれの身体にしがみついてる。動いてない分数えやすかった。

犬好きなのは代々なのかね。無邪気にじゃれてくるこいつらが可愛くて仕方がない
……っとその前に、だ。

「ウィン?ちょっとばかし聞きたいことがあるんだが」

「あ、えっと……ますたー!僕荷物おいてくるね!」

「あ、逃げんな馬鹿!どのみち後で問いただすんだから今聞けっつに!」
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