2スレ>>954


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 『萌えもんリーグの聖火』


「ご主人ー。ボクあと何回岩押せば良いんですか?」
「すまん。まだまだ掛かりそうだ……」
「えぇー……」

 今俺は1の島にある“ともしびやま”に来てる。
 何故かって?
 まぁまた色々あったんだ……。

 俺はサンダーを捕まえてから、三人目の伝説の鳥萌えもんを探す旅に出ていた。
 火の鳥伝説の元になった伝説の鳥・ファイヤー。
 カントーを虱潰しに探したけれど、見つけることはできなかった。
 他の二人にも聞いたが、
「そんな事を聞くの為に私を呼び出したのか!? 私が知るわけ無いだろう!」
「まぁ元よりお前には期待してなかった」
「なんだと!? 貴様……!」
 少しフルボッコにされた。

 ちなみにサンダーの方は、
「ごめんね。ボクも知らないんだ」
「そうか……」
「あ、ちょっと待って。……ほんとは自分で確かめた事しか言いたくないんだけどね。その……聞いた話だと数年に一回、何処かの山に降りて人間と会ってるらしいよ」
「ほ、本当か!?」
「う、うん。聞いた話だから、真偽のほどはわからないんだけど……」
「いやいいよ。ありがとう!」
「そう……がんばってね」
 と、かなりうれしい情報をくれた。
 その情報を元に山を中心に探したが、時期がずれていたのかファイヤーに出会うことはできなかった。

 そんな事をしているうちに季節は廻り、また萌えもんリーグが開催される。
「ちゃんと仕事してくれよチャンピオン」とワタルにお願い(カイリューのはかいこうせんによる脅し付)されてしまったので、またリーグに出ることになった。
 んでだ、そのお願いのついでにある頼み事をされたんだ。
 ――ポケモンリーグの聖火の火種を採ってきて欲しい。場所はナナシマの1の島にある“ともしびやま”の頂上だ。
 それが俺がこの“ともしびやま”にいる理由である。
 たぶん、というか間違いなく、この山の頂上には最後の一人・ファイヤーが居る。
 そう思ったからこそ、手持ちにサンダーを加えてきた(フリーザーは呼べば来るので手持ちには居ない)。
 そして冒頭に繋がるわけだ。

「ご主人ー。ボクあと何回岩押せば良いんですか?」
「すまん。まだまだ掛かりそうだ……」
「えぇー……ねぇご主人ー。ちょっと休みましょうよー。ボク疲れました」
「わかった。そうしよう」

 ワンリキーもずっと石を押していて疲れたみたいなので、少し休憩することにした。
 頂上はまだ遠いが、このペースで行けば1・2時間後には頂上につけるだろう。

「ふー……疲れたぁ」
「帰りにともしび温泉入りに行ってやるから、もう少し頑張ってくれよ」
「はいー」

 ワンリキーと共に暫しの休憩を楽しむ。

「ねぇご主人」
「なんだ?」
「本当にファイヤーさんは居るんですか?」
「居る、と思うんだけどなぁ。ま、居なかったらワタルをフルボッコにするからいいさ」
「えー」

「はくしょん!」
「どうしたワタル。風邪か?」
「いや、誰かが噂でもしてるんだろう」

「さって、休憩終わり」
「えー」
「えーじゃない。十分休んだだろ?」
「でもー」
「デモもストもない。あんま文句言ってると帰りに温泉入らないぞ」
「精一杯がんばります!」
「……現金な奴だな」

 そんな会話をしながら山を登っていく。
 頂上に近づくにつれ、段々と気温が上がってきた。

「暑い……」
「暑いですねー」
「頂上はまだか……こんな長い階段登ったこと無いぞ」
「え? 二千段以上ある階段を登ったことあるって言ってたじゃないですか」
「体感の話だ。山のぼって階段はキツイ……」
「ひ弱ですねぇ」
「普通の奴よりは体力はあると思うぞ……よしっ、頂上だ!」
「わー。何もないですねー」
「マジかよ……」

 ワンリキーの言うとおり、頂上には何もない。
 いや、何もないわけではない。
 頂上にたどり着いた者達が休む休憩所などはある。
 だが、目的のものが居ない。

「無駄足だった、って事ですかねー」
「糞ッ! ワタルめ。帰ったら肩慣らしついでにボコボコに……ん? なんだ?」

 遠くから羽音が聞こえる。
 音は段々と近づいてきている。
 どうやらこっちに向かってきているようだ。

「誰かが近づいてきてますねー。しかも空から」
「みたいだな。ファイヤーか」
「さぁ? どうなんでしょうー?」
「待ってみるか」
「ですねー」

 体感で数分後、音の主が現れた。
 美しい、燃えさかる炎の翼をもつ伝説の萌えもんが。

「私に何か用か? 人間」
「ああ……火種を貰いに来た。あと、個人的な用も」
「ふん。まだあの道楽を続けているのか……まぁ古き友との約束だ。くれてやろう」

 ワタルに渡されていた角灯を鞄から取り出す。
 そこにファイヤーがぶっきらぼうに羽根を放り込む。

「それで? 用と言うのは? 聞いてやらんでもないぞ」
「ああ、ちょっと待ってくれ」
 サンダーをボールから出し、胸元の羽根を取り出し吹く。
「やあ、久しぶりだねファイヤー」
「久しいな。未だに雷を食べる生活を送っているのか?」
「そんな仙人みたいな生き方したこと無いよ」
「おや、私の記憶違いだったか? いつも雷雲に隠れているから、てっきりそうだと思いこんでいたようだ」

 なんだか既に険悪な雰囲気だ。
 ここにフリーザーが来たらどうなるのだろう?
 ……想像するのは容易い。

「ご主人。なんかもの凄く険悪な雰囲気ですけど、どうしましょう」
「巻き込まれないように戻っておけ」
「はーい」

 ワンリキーをボールの中に戻す。
 これで喧嘩が起きた時に巻き込まれるのは俺だけだ。
 生き残れるかな……。
 そんな事を考えていると遠くから羽音が聞こえた。
 フリーザーが到着したらしい。

「私を呼……ファイヤー。久しぶりだな」
「ああ、久しいなフリーザー。アレだけ人間嫌いだった君が人間に自らの羽根を与えるとは、ずいぶんと丸くなったものだ。いや? 実は人間と歩み寄りたかったのかな君は。雪山で遭難した人間を助けたりしていたし……」
「ボク達の中で、一番に人間に羽根をあげた君が言えた事じゃないよね」
「それはそれ。これはこれ、だ」
「わ、私は、そいつに私を操る資格があると思ったから羽根を与えただけだ!」
「ツンデレか?」「ツンデレとは違うと思うよ。新しい言葉を覚えたからって、すぐ使おうとするのは駄目だと思うな、ボクは」
「き、貴様らぁ……」

 フリーザーは今にも爆発しそうだ。
 この表現は爆発、でいいのか? まあいい。
 というか、羽根にはそんな意味が込められていたのか。吃驚だ。
 何となく嬉しいぞ。

「冗談だ。あまりカッとなるなよ。熔けてしまうぞ?」
「私は氷ではない!」
「まぁ、挨拶代わりのくだらない喧嘩は程々にしてさ、アレについて話すんでしょ?」
「あ、ああ。そうだったな。ファイヤー!」
「何か?」
「話がある。コイツが探していると言う、黄金に輝く伝説の萌えもんについて、だ」
「どう考えてもホウオウだろう。それは」
「貴様は……。まぁそうだろうと私も思っていたんだが」
「確証が得られないからわざわざ三人で集まった、と言うところか。まあ今奴が何処にいるかは私も知らないが、ね」
「世界中飛び回ってるからね……時の神並に居場所が掴めないよね、あの人は」

 ちょっと待て。今重要な事をさらりと流さなかったかこいつらは。

「ああそうだ。ルギアは? 未だに海底でぼーっとしてる?」
「人間にベタボレ。それはもう、恋する乙女のように毎年自分を崇める祭が開かれるのを心待ちにしている、と言う話を聞いたな。想像するとなかなか滑稽だ。来年はその光景を眺めに行こうと思う、君たちも行くか?」
「遠慮するよ」
「行くとしても貴様とは行かん。それに、貴様は言える立場ではなかろう……昔惚れた人間との約束を律儀に守っているのだからな」
「それはそれ。これはこれだと言っただろう?」
「他人の恋話は何時の世もネタにされるって事だろうね。よくよく考えると、ボクが一番人間と接点がないんだよね」
「影が薄いからだろう?」「影が薄いからだろう」
「それは、言わない約束じゃなかったかな?」

 ああ、今度はサンダーが爆発しそうに……。
 某マサラタウンのリセットマンと違い、感電して生きている自信はないので止めに入る。

「ストップストップ! で、俺があの日見た萌えもんは誰だかわかったのか?」
「ホウオウだ。虹の麓に住んでいる、と貴様ら人間の間では言い伝えられている存在だ。まぁ出会えただけでも幸運と思うんだな。捕まえよう等とは思わないことだ」
「もう一度出会える確率は、色違いの萌えもんと出会える以下の確率なんじゃないかな」
「私達も長い間生きているが、実際にあったことがあるのは数回だ」
「そうか……」

 あの日出会った黄金に輝く美しい萌えもん。
 まぁ名前がわかっただけでも、良しとするか。

「用件は終わったな? さあ去ね。疾く去ね」
「言われなくても居なくなるさ!」
「じゃあね」

 話が終わると、早々にフリーザーは飛び去り、サンダーはボールに戻ってしまった。
 彼等の仲は、相当悪いらしい。
(話してる時は結構仲が良い感じだったんだがな)
 そんな事を思いながらファイヤーの羽根が入った角灯を鞄に仕舞い、ともしび山を後にする。
 ちょっと温存してあったマスターボールを投げたくなったのは此処だけの秘密だ。




オマケ

ともしび温泉
in女湯
「温泉~温泉~楽しいな~」
「泳がないの。はぁ……気持ちいい。ねぇポニータ。あなた胸大きくなったんじゃない?」
「そ、そんなこと無いよ? ね、ねぇサンダーさん。温泉、どうですか?」
「ただのお湯なのに、気持ちいいんだね。温泉って」
「でしょう?」

in男湯
「へへへ羨ましい会話だなぁ。マスターは女湯覗きに行かないんで?」
「行かないよ。何処かの変態じゃないんだから……萌えもんの裸を見てどうなるって言うんだ?」
「……少々、主は達観し過ぎな気もするな」
「ホント、年頃の男とは思えねぇな。枯れてるんじゃねぇの?」
「失礼な……」


コメント
ちょこっと難産だった。
ポケモンリーグ等の設定は色々適当に弄ってます。
没になったシナリオに、ファイヤーが仲間になるのもあったけど、書けなかった。
ワタルのはかいこうせんネタは、初代からプレイしてる人にはわかるはず。
ルギアが惚れてる相手、ってのは言わなくてもわかりますよね。
お風呂ネタは、いつかちゃんとやりたい。この主人公じゃなくて、もっと普通な人で。
もう少しだけ続きます。
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