3スレ>>472


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 この陽光が緋に染まる頃には俺はこの場所にいないはずだ。

そう確信できるだけの風格を備えたやつがまたここに来る。

前に来た時、もう少しの信念の強さがあればそれだけで負けていたはずだ。

そいつがまた来る。

狐も俺もその報告に心を躍らた。

広場の木々を抜ける風に喜びに打ち震える己が身をさらし、来るべき時を待っていた。

……早く来い、早く俺と、……俺達と戦え。

―――

 ……風が止んだ。

静かに、ゆっくりとゲートが開いていく。

フィールド……そしてこのセキエイ全体の空気が変わっていく。

……来た、ようやく来た、ヤツが。

狐もその髪を美しい焔のごとく揺らめかせ闘気を隠すことすらしない。

ハピナスですら来る戦いへの意思かその瞳を鋭くゲートへ向けている。

止まった風を自ら巻き起こすかの様に一人のトレーナー、

そして付き添いその命を委ねる者に続く6人の影。

「来てやったぜ、ここまで顔パスとは、随分あんたに買ってもらったようだ。」

……俺自らが運営、そして四天王達に下した要請。

隻腕のトレーナーが来たら俺の元に通す事。

「……御託はいらん。」

「そういうなって、形式はダブルバトルでもシングルでも構わないか?」

…………。

「……好きにしろ。」

射抜く視線を向ける。

「好きにしろって事はないだろ、少しは話を聞いたらどうだ。」

少し苛立ち俺に食って掛かる隻腕。

「ルールなんて要らないわよねぇ? 戦えればそれでいいのよ。」

陽炎を立ち昇らせのそばに立つ狐が気って捨てる。

「それでもチャンプかよあんたらは……、もういいこっちで勝手に決めさせてもらうぜ、ダブルバトルにさせてもらう!」

「……狐、ハピナス。」

やつの先鋒はキングドラとブラッキーか。

……突き崩す!

『公式リーグチャンピオンマッチ、開始。』

アナウンスが流れまず動いたのは……。

「キングドラ雨乞いだ、足元崩してやれ!」

刹那の内に空を黒雲が多いつくし激しい雨を降らしていく。

「……ハピナス、狐の補助。」

返事はなくリフレクターを展開し、狐にかかる雨をさえぎり……

その刹那。

「キングドラ! やれ!」

一足飛びに間合いを詰めリフレクターを維持するハピナスへキングドラが迫る!

「…………ッ! 耐えろ! 狐回り込め!」

「甘い、あんたも見くびりすぎだ!」

気迫に答えキングドラが繰り出したのは水の波動。

しかし、そこは龍の力を持つもの。

雨で濡れたフィールドの水すらも操り広範囲の水を噴き上げる!

「……これじゃ近付けないわね……。」

憎憎しげに呟く狐。

「……やってくれる……、狐吹き散らせ!」

「……軽く言ってくれるわねっ!」

降り注ぐ雨すらも消え行く超温の熱気を溜め込みはじめる狐。

この時に紫煙の主が犯したミスに隻腕以外は誰も気付くことはなかった。

―――

「今のうちだキングドラ、補助をつぶしちまえ!」

――狙いは最初からハピナスか……!

「はぁぁぁぁぁ!!」

キングドラが気迫を伴いハピナスを蹴り上げる!

「やって……くれます……!」

空中でなんとか体制を整えるハピナスだが……。

水を足場追撃しキングドラは高く空へ舞い踊る。

「散れ!」

足と首をロックしひざを背中に押し当てそのまま地へと吸い込まれる二人。

ハピナス戦闘不能のアナウンスを遠くに聞きながら隻腕は勝利を確信していた。

―――



中書き

初の前後編です。

次回までお待ちください……。CAPRI
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