3スレ>>560


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りれーSS アーボ編

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「お前が好きだ。」
……はっ?
今、なんて?
「昔から……ずっと、お前のことが好きだったんだ。」
…なに、それ?
あたしの事が…好き?
「…子供のときから、あの空き地で遊んでた。そんな時、俺と同じくらいの子がやってきて…」


そう、貴方との出会いは、"あの"空き地だった。
……独りで寂しそうにしてたから思わずあたし、草むらから飛び出してしまった。
…子供だったとはいえ、ニンゲンの子に近づくなって、あれほど言われていたのに。
あたしは、その子に接触してしまった。
「何してるの?」
あたしは独りで佇んでいる子供に話しかけた。
「………。」
子供は少し警戒しているようだったが、しばらくしてあたしに打ち明けてくれた。
「ぼく……何もしてないのに…いじめられたんだ。俺たちの遊び場に入ってくんなって……。」
…よく聞けばそこで先に遊んでいたのはこの子だったらしい。
そこに、別の子達がここへやってきた。
縄張り意識が強いのはニンゲンもあたしら萌えもんも変わりないんだな。そう思った。
それでも……それでも、それは寂しいことだと、あたしはそのとき思った。だからその子に告げたの。
「あたしに、まかせといてよ。」
それがあたしの罪だった。


ある日、空き地が取り壊され、ニンゲンたちの建物が建った。
あたしは居場所を奪われ、この別の空き地に移り住んだ。
あたしがトレーナーでもないニンゲンに接触してしまったから、空き地は取り壊されてしまったのだろうか?
今ではもう確かめられないけど、あたしが子供達を襲ったことは、きっと関係してる。
その時はただ、驚かしてやろうと思っただけだった。だって、その子を苛めた子供達が許せなかったから。
それ以来、もう二度とその子と会うことは無いだろうと、そう思っていた――


「俺は…そのとき決めたんだ。"萌えもんマスター"になって…世界中を旅して…」
それなのに――
「お前に、もう一度会って、この気持ちを伝えるって!」
また出会ってしまった。トレーナーと野生同士で。
まさか好きだと思われていたなんて…
でも、ダメなの。
あたしはその言葉に応えられない。
「す…好きだなんて、言われても…あたしとあなたじゃ…」
そう、あたしとあなたは
"萌えもん と ニンゲン"
"野生児 と トレーナー"
"戦う者 と 操る者"
それをとってもつり合うものでは…ないわ。それに…
「ねぇ、考え直して?見てよ、これ――」
震える声をあげながら私が彼の目に晒して強調したのは、下半身。私の足は、蛇の体よ。
それは確実な"ニンゲン"との違いを私の意識に植えつけていた。
それなのに…それなのに!私ったらどうして…
「あたしの身体は、貴方みたいに足が無いのよ!わかる?あなたと違うの!」
ニンゲンなんかに、恋しちゃったんだろう――
「……貴方の気持ちはわかったわ。だからもう行って――」
「違うなんて最初からわかってる!」
彼が叫んだ刹那――
ばっ!
貴方はそう言って、私の身体を強く包み込んだ。
私の時が、止まった――
一瞬、鼓動が止まってしまって、死んでしまうんじゃないかって思った……。
「わかってるさ…違うことってくらい。でも…」
あたしは何がなんだかわからなくなっていた。はっきりとしていたのは、貴方の声だけ――
「足が無いだと?それがなんだ…。萌えもんとニンゲン?それがなんだよ!
"違う"ことが何だって言うんだ!!俺はそんな垣根に囚われはしない!!」
段々と脳が痺れてゆく――
「……そんなこと言われたら…あたし…は…」
貴方なしでは、生きていけなくなってしまう――
「いいんだ。ゆっくり考えていこう、萌えもんのこと人間のこと――」
――堰は切られた。
あたしはだらしなく彼に荷重を預け、声をあげながら涙を流した。
止まった時が、再び動き出す。…今までは独りで刻んでいた"時"。
これからは、二人で刻むために――

- 完 -
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