俺達は今船上にいる。
いくら俺が戦闘狂だからといって戦場ではないが。
クチバの港からサントアンヌ号という船に乗り、バトルフロンティアとかいう場所に向かっているのだ。
萌えもんバトルの為だけに作られ、バトルを極めたフロンティアブレーン達によって統べられている。
まさに聖地というべき場所だろう。
狐とハピナスは何故かダレた顔をしていたが理由は判らない……。
―――
「俺に荷物……?」
船員が部屋に持ってきた布の塊は何故か温かく、中に何かが入っているようだった。
……いや、これでも俺は結構不気味な物が苦手なんだよ。
「ガーディです、手紙も入ってます。」
手早く布を解き中を改めているハピナス。
……あけなかった俺が馬鹿みたいじゃないか……。
「ずいぶん小さい子ねぇ、手紙は……ふむふむ。」
慣れた手つきで抱え上げ手紙を読む狐。
「……妙に慣れてないか?」
仕方なしに煙草を消し窓を軽く開け換気しながら問う。
さしもの俺もあの小さいやつのいる場所で煙草など吸ってられん……。
「慣れてるわよ、妹くらいいるわ。」「私にも姉妹はいますから。」
「そうか……。」
おかしいな……フロンティア行きを決めてから妙に機嫌が……。
「このガーディ男の子ですね。」
ふかふかの毛をもぞもぞ触りながらいうハピナス。
「いっそこっちに乗り換えちゃおうかしらね。」
寝てるガーディにほお擦りをしながらいう狐。
いや……俺何か悪い事したか……?
―――
巷ではもうすぐクリスマスです。
しかしご主人様は何故この時期にフロンティア行きを……。
クリスマスパーティくらい開こうと思ってたのに。
「ご主人様、質問してもよろしいですか?」
思ったんだから聞いてしまえって所です。
「……んー」
ここは船の甲板、煙草を吸いたいが為に5時間はここにいるよう。
狐さんはお部屋でガーディちゃんの様子を見ています、まだ起きていないのですが。
「なんでこんな時期にフロンティアに? 年明けで落ち着いてからでもいいと思うのです。」
今日は天気がいいのですが些か寒く声の震えを消すのに苦労しますね。
「……あぁ、あっちで少しあるんだ、それより最近機嫌悪くないか?」
ご自身のジャケットを私に羽織らせながら言う。
「機嫌なんて……明日が何の日なのかご存知ありませんか。」
私も狐さんも好きでついて来てる、でもまさかクリスマスを好きな人と祝えないのは……。
「……到着すれば判った事なんだが……フロンティアはこの時期一面を銀世界に染める。」
はい……?
「カントーじゃ雪は降らない、だから早いうちにフロンティア行きを決めた。」
……は……?
「フロンティアから戻るのは1月の10日だ、思い残す事はしないだろうが。」
「あの、ご主人様? バトルフロンティアは修行のために行くのでは……?」
こんな説明初めて聞いたのですが。
「年末年始くらいゆっくりさせたいと思ったんだがまさか修行したいのか。」
……この人は本当に。
「場所が悪いです、せめてリゾートエリアにしてほしかったと思います。」
狐さんは考えてる事が判る、らしいですけど私はまだまだみたいです。
―――
あとがきにさせてください
何とか、何とかここまで…フロンティア編は前回のリーグ編より短いので続編でご容赦…CAPRI
最終更新:2007年12月22日 22:58