3スレ>>675


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・ルナトーンの日記

○月×日
不覚にもトレーナーに捕獲される。
今までずっと捕まらずに逃げてきたのに、悔しい。
唯一の救いは、私を捕まえたトレーナーが比較的寛容だった事だろうか。
お陰で、こうして普段はボールの外で自由に行動出来る。
日記を書きたいと言ったら、トレーナーは快くペンとノートを貸してくれた。

…でも、絶対に心なんて許す物か。
今まで散々私の仲間達を連れ去っていった奴の仲間なんかに。

○月△日
…今日は兎に角疲れた。
何を血迷ったのか、あのトレーナーは私をバトルで使うつもりらしい。
冗談じゃない、何で私が…まあ、弱い相手を選んでくれた事には感謝するけれど。
ああ、もうダメだ、文が浮かばない。

○月□日
今日も一日色んな場所を歩いた。
今までずっとともしび山から出た事が無かった私には、色々と新鮮だった。
…バトルで引きずり回されなければもっと良かったのだろうけど。
そういえば、私が相手の子に勝つとトレーナー…彼が私の頭を撫でてきた。
…馴れ馴れしい。

○月▽日
今日は大きな船に乗った。
今まで私が居た、ともしび山のある島から遠く離れた場所に行くらしい。
…だが、それよりも驚いたのは、私が住んでいた島の大きさだった。
まさか、たった2日で歩き回れてしまう程度のモノだったなんて。
彼の話によると、これから行く場所はもっと大きな島だという。
私といえば、好奇心半分、恐怖心半分と言った所だろうか。
何がともあれ、明日が少し楽しみではある。

○月∵日
明け方、港に着いた。
周囲を見ても陸地ばかりなのがとても新鮮だ。
彼曰く、此処は「クチバ」という場所らしい。
これから何処へ向かうのか尋ねると、セキエイ高原という場所へ向かうのだそうだ。

そう言えば、彼の連れている他の子達と今日初めて会話した。
彼女達はどうやら彼をとても信頼しているらしく、会話の中で沢山彼の事が出てきた。
まあ、確かに想像していたトレーナーと比較すれば彼は「お人よし」の部類に入るのかもしれない。

○月■日
目的地へ向かう途中、バトルに参加していた子が進化していた。
青い髪のポニーテールの…同性の私から見ても綺麗な女の子。
彼女は、その姿から似ても似つかない…可愛らしく、しかし巨体な女の子になっていた。
心なしか、喋り方までおっとりしていたような気すらする。
…私は進化するのだろうか?と、彼に聞いてみると、苦笑しながら大丈夫だよ、と頭を撫でてきた。
子供扱いするなと言いたい。
彼はお人好しだが、頭を直ぐに撫でる癖は良くないと思う。

☆月○日
目的地手前に差し掛かると、其処には何やら物々しい建造物があった。
所々に警備員が立っており、彼に「バッヂは?」と何度も尋ねていたが…一体此処は何なのだろうか。
周りの子達は何だか見慣れているのか堂々としていたけれど。

しばらく歩き、川を渡り、また歩くと今度は洞窟が見えてきた。
他には大きな岩壁があるだけ。
此処が目的地?と尋ねると、他の子は首を振って上を指差していた。
…どうやら、洞窟に入って登るらしい。
勘弁してほしいものだ。肉体労働は苦手なのに。

予想通り、洞窟の中は複雑に入り組んでいた。
妙な仕掛け、比較的強いトレーナー達。
…まあ、私と他の子達にとっては大した事は無かったのだけど。
数時間歩き、登りを繰り返していると、漸く洞窟を抜けた。
目の前には、立派な建物が。
どうやらリーグ、という場所らしい。
彼の目的地は此処だったようだ。
だが、今日は此処まで。私も疲れたし、彼も何やら準備があるようだから。

☆月Э日
朝起きると、何時もはまだ眠っている筈の他の子が既に起きていた。
表情も何処か緊張したものに変わっていて、多少不安になる。
彼も準備を終えていたのか私達に歩み寄ると、今日やるべき事について説明してくれた。

どうやら彼はこのリーグのチャンピオンに挑むらしい。
此処はトレーナー達の頂点を目指す者が来るのだそうだ。
ただ、チャンピオンに戦いを挑むにはその前に4人のトレーナーを倒さねばならないらしく、今までのようにはいかないと彼は言っていた。

彼は、数週間前に此処に挑んだのだそうだ。
その時は4人のトレーナーを倒す所までは行ったらしいが、チャンピオンに手も足も出ずに叩きのめされたらしい。
…正直、チャンピオンは卑怯だと思う。
こちらは6人なのに、相手は実質30人なんて不利にも程があるじゃないか。
そりゃあ彼だって負けると言うものだ。
だが、そう言う私を彼は笑いながら、優しく撫でて。
「でも俺達は強いんだから、それ位のハンデは無いとな?」と、楽しそうに言っていた。
何故だか、撫でられていたのに嫌では無かった。

その後は…4人のトレーナーを問題なく撃破。
それぞれ使ってくる子に特徴があった物の、それに合わせてコチラが有利なように彼はバトルを導いていた。
こうしてみると、改めて彼の腕を実感する。
そして、問題のチャンピオンだが…

…残念ながら、辛くも敗北してしまった。
私の油断に一因はあったのだと思う。
今まで敗北した事が無かったから、甘く見てしまっていた。
まさか、一撃で昏倒してしまうなんて。
目を覚ましたときには既に全てが終わった後。
何時もは元気な他の子達が項垂れ、彼の姿は無かった。

暫くして戻ってきた彼は笑っていたが…目元が真っ赤になっていた。
心配させまいとしていたのだろうが、あれでは逆効果だ。
…次は、絶対に負けないようにしよう。
流石に何度も泣かせるのはこちらも気分が悪い。

ああ…何時の間にか…私も、他の子達と似たようになって来てしまってるのかも知れない。
前の私なら、彼が泣いても何とも思わなかったはずなのに。





「…へぇ、こんなの書いてたんだ」

パタン、と日記を閉じる。
セキエイ高原から帰る為に、部屋の整理をしていたら出てきたこの日記だが…恐らくルナ(ルナトーン)の物だろう。

そっか、口数が少ない子だったけど…結構、信頼してくれたんだな。
それに心配までしてくれるなんて、正直ちょっと嬉しい。

「おい、入るぞ―――何を、読んでるんだ?」
「ん?
日記だけど。ホラ」
「…な…っ!!
き、き、貴様…っ、わ、わわ、私の…私、の…っ!!!
わっ、忘れろっ!!全て忘れてしまえぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

…何時にもなく赤いルナの顔を見た瞬間、俺の意識はブラックアウトした。
後に残ったのは、ノートだった燃えカスと、廃墟と化した部屋、そしてボロ雑巾のようになった俺。
記憶に無いが、音を聞いて駆けつけたカイリ(カイリュー)達が二次災害を引き起こしたらしいが、それは別のお話。




教訓。人の日記は勝手に読まない事。
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