3スレ>>705


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えー、みなさんこんにちは。へタレトレーナー(♀)でございます。

今回、自分たちは現・萌えもんリーグチャンピオンさんの試合を観戦しに来ました。

隻腕の戦士として大変有名なあの方です。

そう、チャンピオンさんの試合を観戦しに、来た・・・のですが



・・・前日に興奮しすぎて、うまく眠れなかったのが駄目だったのでしょうか神様?






『ヘタレの奮闘記。隻腕のチャンピオンとすったもんだ編』








「あ、ごめ…さい……ター、寝ちゃって……」

「…………」

「マスター!早く……と迷惑…るっつうの!」



あー、なんか声が聞こえる…でも、起きる気力が湧いてこない…



「ん、にゃ……あと15分だけ……」

「はぁ、……この人数……るか?」

「…のも…と思うぜ」

「だよな……」


うー…聞いたことない声…?

ん? なんか…ひゅうう、って掃除機のうなる音っぽいのが…聞こえて







「 W A I T !!」







核弾頭が落ちてきたのかと思いました(言い過ぎだ)。




「「「「うわぁぁ!?」」」」



「……兄弟、なんで『待て』なんだい」

「ガーディ達に叫ぶ命令じゃこれが一番いい慣れてるからな。音量が大事」

「なるほど……」


核弾頭から逃げようと(本当に核弾頭だったら音が聞こえた時点で死んでます)
慌てて起き上がると、目の前には背の大きな男の人と…えーと……


カラスの人がいました(酷)。



「え、あ、へ?」

「よく眠れたか?」

「え、あ、はい……へ?え!?ここどこ!?」

「リーグ決勝戦のグランド兼チャンピオンの住居」

「えっと……チャンピオン戦を見学に来て……えっと……」

「そのまま最終戦が終わっても眠ったまんまで係員が気付かずにゲートを閉めた。
 君ら全員連れて空飛べる子はいるかい?」

「む、無茶いうなよ!マスター一人でも飛ぶのはかなりきついって!」

「だそうだ。生憎俺も手持ちに君ら運べるのがいないんだ。
 セキエイ高原のほうのゲートは開けられるけど、チャンピオンロードを
 この夜に抜けるのは無理だろうから泊まってきな」


…えっとえっとえっと、確かチャンピオンの試合をみんなで見に来て、
確かに途中まではこの目で見ていたのに……ああ、そうだ。



あの目。



バトルをしている、チャンピオンのあの目を見たとき

なんだか、一瞬だけ視線があった気がして

すごく『 ぞわぞわっ 』てきて、憧れるような痺れるような怖いような

今まで感じたことの無い感覚に呑まれて


ふっ と、意識が遠のいたんだ。




それで・・・ってちょっと待った。

今目の前にいるこの男の人、チャンピオンそっくり・・・



ていうかチャンピオンその人だああああああああ!!!?




「∑え、えぇぇぇぇぇぇぇうわぁ!?」



目が覚めたら本物のチャンピオンが目の前にいたなんて。
誰が想像できますか?

しかも自分ヘタレトレーナーですよチャンピオンから最も遠い位置に存在する生き物ですよ??


……気がついたらベンチからひっくり返っていましたよ。そりゃあもう盛大に。




―――――
―――



「ほ、ほんとにすみませんでした……ご飯までいただいて……」

「礼なら作ったラプラスに言ってくれ。まぁそっちの子が片付け変わってくれたからよかったけど」

「片付けまでやらされたら明日は休みをもらうところよ」

「す、すみません……」

「明日の朝一にゲートあけるよう手配しといたから、それまではゆっくりしてきなよ」

「あ、ありがとうございます……」


そういってそそくさと自分の萌えもんたちの下に走る。



「アンタが起きないからこんなことになっちゃったじゃない!どうしてくれるのよ!」

「まぁまぁ。でも戦い方を参考にしたいって見学にきて、肝心の戦いの中眠ってたらだめよね」

「久々においしいご飯食べれたから私は……ってそういう問題じゃない!
 とにかくなんで寝てた、もといいきなり気絶しちまったのさ!」

「面識もない人に迷惑かけるのはよくないの」

「あうあうあう、ご、ごめんなさいごめんなさい……ひえぇ……」


あうあああ、いつものこととはいえ皆の視線とツッコミが痛い。
そしてチャンピオンさんたちの視線も痛い痛い。

チャンピオンともなると、こんな一般人以下のトレーナーなんかとは
縁が無いだろうし、きっと見てて腹立つんだろうなあ…orz

なんだかとても申し訳なくなってきて、チャンピオンからあわてて背を向けた。

こんなちっぽけな自分が、チャンピオンと同じ空間にいることが
本当に申し訳なくて、背を向けたまましゃがみこんでみた。


と、しゃがみこんだ瞬間いきなり頭部に走る衝撃&もふもふ感。


「わ、え、何!?」

「あ~そぼ!」


あわてて上を見ると、そこにはもっふもふの毛皮を身にまとった
ちっちゃいガーディの姿が。

いやそんな、いきなり遊ぼう、と言われましても…

なんてアワアワしていたら、フシギソウがこっちにやって来て
「じゃあ、なにしてあそぶー?」と、ガーディ君に話しかけてきました。
新しい遊び相手を見つけた嬉しさからか、何だか顔がきらきら輝いて見えます。

タイプがくさ と ほのお なので、大丈夫かなとハラハラしましたが
全く問題は無いみたいです。
ふたり仲良く、私の周りをぐるぐる走り始めました。
どうやら遊びは追いかけっこに決定したようです。



「ねえねえ、このワンコくん、チャンピオンのところの子よね?」

「うん、そうみたいだね」

「…この際開き直って、この子貰っちゃわない?」

「∑うえええええええっ!!?
 ちょ、スピアーさん何恐ろしいこと言って」

「だってこのガーディ、よくみたら他にも沢山いるのよ?
 それにこのくらい小さかったら、まだまだ里親募集中の年頃よ」

「いやでも、そうかもしれないけど、チャンピオンがこんなヘタレなんかに」

「ヘタレだからこそ、よ!
 あの人アンタのこと女とは気づいてないみたいだし、
 どうかこのひ弱なトレーナーにお情けをー ってな感じで泣き落とせばイケるわよ!
 強い男は弱い男を嫌うけど、ソイツに対して優越感を持つのも真実!
 その辺をうまいことくすぐれば、絶対大丈夫だって♪」


…なーんてスピアー姉さんが言うもんだから、何だか本当に土下座すれば
貰えるような気がしてきたよ…



「どーする?交渉してみる?」

「…とりあえず、今日はやめとこう。向こうも疲れてるみたいだし。
 …明日、聞いてみるよ。アドバイスありがと、スピアー」

「ん。そうこなくっちゃ♪」


スピアーの言葉が終わったと同時に、フシギソウと追いかけっこをしていた
ガーディ君が私の膝の上にダイブしてきました。

ものすごくびっくりしたけれど、膝の上ではもふもふの仔ガーディ君が
機嫌よさげにころころと笑っていました。




―――――
―――




「あ、昨日は本当にありがとうございました!」


音がするぐらい頭を下げる。

いや本当、ものすっっっごくお世話になってしまったのだし
これじゃ足りないくらいだ。土下座しても足りないくらい。

でも、土下座はこのあとの交渉に取っておきたいから、今はこれで
最大限の感謝を自分なりに表そう。


「気にしなくていいよ、ガーディの相手してもらったしね」

「あ、そのことなんですが……あの……その」

「ん?」


ほら、言え!逝ってしまえ ああちがう違う!逝くにはまだ早い自分!

夕べ決意したんだろ!? 旅の恥は掻き捨てって言うし、言っちまえ自分!!!



「あの!……この子もらってもいいでひゅっ!?……くぅ……!!」



∑ぎゃあああああ! このクソ大事な場面で舌噛んだぁ!!

うあああ、チャンピオンの顔が凄く凄く怖い表情に変わっていくー!!



「この子……っつうとガーディ?」

「あ、ひゃいそうです……」

「ガーディ?だそうだがどうするよ」


頭の上で舟をこいでいるガーディに、チャンピオンがたずねる。


「んー?……」

「牧場でまったりしてるかその子と一緒に旅するかどっちがいいよ」

「マスターの頭の上がいい……」

「人が提示した選択肢から選べっつに」

「むー……じゃあこの子と一緒にいく~」

「ひゃゎ!?」


心臓がパンクしそうになりながらも、いつでも出来るように
土下座の準備をしていたら、仔ガーディ君はチャンピオンの頭から
私の頭へと飛び移ってきた。

自分もされて初めてわかりました。
チャンピオンさん、バランス感覚も一流なのですね。
自分は見事にひっくり返りましたよ…

そして仔ガーディ君もすごいですね。
私が盛大にひっくり返っても、頭の上からビクともしませんでしたよ。



「だそうだ、そいつよろしく頼むよ」

「え、あ……はい!ありがとうございます」

「じゃあね!ますたーまたそのうち会いに来るから!」

「おう、次は挑戦者ゲートからこいよ」

「え、そんな自分がチャンピオンリーグになんて……えぇあう」

「さ、悪いけどそろそろこっちも準備があるんでこれで」

「あ、本当にありがとうございました!!」

「おう」





―――――
―――





「―――というわけでガーディくん!」

「これからよろしくねー!」

「よろしくな~」

「よろしくね…」

「うはー、毛皮もっふもふ気持ち良い~~~!!」

「ほんとほんと、肌触り最高~~~♪」

「ちょっとちょっとピカチュウにプリン、ガーディはおもちゃじゃないのよ。
 もっと丁重に扱いなさーい?」

「そーいや名前はどーすんだよマスター?」

「せっかくチャンピオンさんから譲ってもらったんだし」

「名前、付けたほうがいいわよね?」

「まあ、私たちは今までどおり名無しでいいけどね~」

「っていうか、今更名前付けられるってのも、ねえ?」

「私たち全員、名前がないのが当たり前の世界で生きてきたもんね~」

「うえええ、名前かあ・・・うーん、どーしたらいいんだろ・・・」



ふと振り向くと、スピアーがガーディの方を見て微笑んでいるのが見えた。

それは、いつも通りの笑顔にも見えたし


どこか、寂しそうな笑顔にも見えて




「・・・スピアー、どうかした?」


「ん? ううん、何でも~?
 
 ただ、頼りになりそうな子だなあって、そう思っただけよ♪」






その深い深い、安心しきったような微笑みに


心が、すごくざわざわした。







彼女の、その笑顔の真意を知ったのは


この日から、少し経った後。




++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

※時間軸的に、このお話は「スピアーさん語る」に続きます。
 ていうか無理矢理繋げさせて下さい orz

 SD氏、仔ガーディ君と素晴らしいSSをありがとうございました。 
 仔ガーディ君はちゃんとレギュラーになりますのでご安心を。

  あと、ドンカラスさんとスピアー姉さんの二人は曲者同士仲良くなれそうだなと勝手に思いました。
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