3スレ>>761


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皆さまこんにちは。ヘタレトレーナー(♀)と愉快な萌えもんたちです。


前回はとんでもない目に会いました。


何せハナダシティからクチバシティへと向かう途中

ロケット団の人たちにとっ捕まってしまって、気がついたら


……タマムシシティに……いて……





心が激しく折れました orz








『 ヘタレの奮闘記。 豪華客船ですったもんだ編 』








「――― はい回想終了!!
 
  今日も今日とて前向きに全力で空回りしていくぞアハハハハハーーーァ!!!」



「…ねえ、何いきなりテンション高くなってんのアイツ?」(ピカチュウ)

「予想外の苦労と心労で疲れてるんでしょ」(スピアー)

「そらまあ、なあ…」(オニスズメ)

「いきなり犯罪集団に捕まってアジトに連れ込まれて、辛くも脱走できたものの
 全く見知らぬ遠い土地に、放り出されたも同然になってしまったのだから」(二ドリーナ)

「…自棄(やけ)にもなるよ、そりゃあ…」(フシギソウ)

「しかも、帰り道も壮絶だったしね…」(プリン)

「ああ、全くだ…」(オニスズメ)

「もうあんなのこりごりよ~…」(ピカチュウ)

「勝負を挑んでくるトレーナー全員に事情を話して、戦いを諦めてもらって(レベルが違いすぎるから)
 亡霊騒動の街をおっかなびっくり抜け出して、
 光の届かない洞窟を、手探りで一週間かけて歩き回ってやっと抜け出した。なんて…」(二ドリーナ)

「やめてやめて二ドリーナさんやめてええええ!!!
 思い出したくも無いこと思い出させないで嫌あああああああああ!!!!」(ヘタレ)



…とまあ、本当によく生きてここまで辿り着けたよなあ…と自分でも思うほどの
苦労と苦戦を何とか乗り越えて、いま自分たちはクチバシティの港にいる訳です。

お目当てはもちろん、クチバの港にやってきている豪華客船・サントアンヌ号の観光。
そして、秘伝の技を所持しているという船長さんにお会いすることです。

萌えもん大好きクラブの会長さんから頂いた、サントアンヌ号のチケットを
係員さんにちゃんと見せて、いざ噂の豪華客船内へ!



「はあ~~~…やっぱりすっごいなあ~~~」

「私、船に乗るのはじめてー!」

「アタシもはじめて~!」

「わたしもー!」

「私も…」

「ていうか、ほぼ全員そうだろうよ」

「もっと派手派手しいかと思っていたけれど、案外すっきりしているのね。
 でもってしっかりとお金はかけているみたいだし…」

「そうだね。よく見るとどれもこれもシンプルに見えるけど、凄く高そうだなあ…」

「ま、私たちはいわゆる貧乏人だけど、粗相のないようスマートにいきましょうね」



緊張しながら船の中を歩いていくと、出航まで暇を持て余しているらしいお客さんたちから
バトルを申し込まれることもありました。

みなさん、お金持ちなのに気さくな良い人たちばかりで、私みたいな貧乏人が乗り込んでいても
にこにこ話しかけてくれました。

船のクルーさんたちも良い人たちばかりで、ここから眺める海はキレイだよとか、
キッチンに間違って入ってしまったときも、こっそり隅っこで自慢のお料理を味見させてくれたりしました。

(とてもおいしかったです)



「は~、お金持ちの人って心が広いんだね~」

「まあ皆が皆、そういうわけじゃないと思うけど…」

「でも確かに、この船の人たちは良い人たちばっかりだね~」

「これなら、船長さんも大丈夫そうね、マスター」

「うん!」



二ドリーナの予想に同意し、船員さんに教えてもらった船長室へとまっすぐに
向かっていく私たち。



しかし、そこで待っていたのは






「おー? なんだ、マサラにいた馬鹿じゃねえか」

「まさかこんな所まで来てるとはなー」

「お前みたいな貧弱もんが、よく生きていられたな」

「へへっ、違いねえや」

「ほんと、ほんと」




げらげら、げらげらと 耳障りで下品極まりない声が耳にこびりつく。


こいつらは、こいつら は … … …




「…ダンナ、こいつら」

「うん。…前に話したこと、あったよね?」

「へーえ、こいつらが、あの」

「…マスターのこと いじめてたっていう」

「最低最悪の下等生物集団、ね」

「なんだって!?この虫!」

「あなた達は、その虫以下の存在よ」

「あんだとこのクソアマ!!」

「だってそうじゃないか。男の癖によってたかって、女ひとりをいじめてたんだろ!?」

「立派に虫以下じゃない!」

「へっ、それが何だってーんだ」

「弱いやつを馬鹿にして何が悪い?」

「この世はな、弱者が虐げられて当たり前の世界なんだよ!」



げらげら、げらげら。


下劣で下品で、最低最悪の連中の声なんか、聞きたくないのに

耳にこびりつく。脳みそから離れない。

こんなの聞きたくも無いのに。



うるさい。

うるさい うるさい。



あああ、うるさい、うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいいいいいいいっっっ!!!






みんなの気持ちは、私と同じだったらしい。

私の叫び声と共に、みんな一緒になって最低最悪の男三人に飛び掛っていった。

もちろん、私もみんなと共に奴らへと飛び掛る。



「∑うおおっ!?ぎゃ、ギャラドス!」

「ちぃっ! ニャース! ピジョン!」

「マダツボミ! パラセクト!」



まったく、こういうことにだけは勘が鋭い連中だ。
あっという間に自分の周りに萌えもんたちをボールから出し、自分の守りを固めてしまった。

ならば、取るべき行動は唯一つ!



「ピカチュウでんじは! プリン10万ボルト!

 二ドリーナみだれひっかき! オニスズメみだれづき!

 スピアーダブルニードル! フシギソウはっぱカッター!」



自分でも驚くくらいスムーズに口が動いた。
まるで呪文のようにすらすらと、六人全員に指示を出す。

そして、みんなも驚くくらい的確に指示した技を繰り出した。
技を向けるべき相手の名前すら言っていなかったというのに、全員私が
思い描いていたとおりに攻撃してくれていた。


まずはピカチュウとプリンの連携でピジョンが倒れる。
(ロケット団アジトでちょろまかしてきた技マシン(10万ボルト)が、こんな所で役に立とうとは)

次にスピアーとオニスズメの集中砲火を受けたマダツボミが倒れる。

そして、二ドリーナとフシギソウの攻撃を正面から受けてしまったニャースが倒れた。


まずは3人。

1ターンでここまでやれたのなら上出来だ。



「くそっ、使えねえ!」

「自分の弱さを人のせいにするなっ!」

「ゴミの言い訳は見苦しいぜ?」

「そうでもしないと、自分を保ってられないんでしょー」

「ほーんと最悪だわコイツら!アタシあんたの萌えもんで本当に良かった!」

「私もそう思う!」

「鎮魂歌を歌ってやる価値もないね!」

「墓石を立ててやる価値もないと思うわ」

「~~~っ!! てめえらいい気になってんじゃねえ!!」



今日ばかりは私にではなく、下劣な三人組に対してのみ毒舌を披露してくれる六人。
非常に頼もしく感じていると、今度は後ろに下がっていた奴が前へ躍り出た。


「ギャラドス!かみつくだ!!」


私たちと違い、技名を指示されただけでは誰に技を繰り出していいのかギャラドスは困っているようだった。

まあ、ためらっていたのは数秒だけで、すぐ彼女は標的をオニスズメに決定して飛び掛ってきたのだが。


馬鹿が。

その数秒が命取りになるというのに。





――― がしっ!!





「……っっ!?」



大きく口を開けて飛び掛ってきたギャラドスは、両目をまん丸に広げて
私の目を見つめ返していた。

無理もない。


その牙を、素手でわしづかみにして「かみつく」を止めたのだから。




「…ピカチュウ、でんきショック」




ギャラドス自身には何の恨みもなかったけれど、あまり暴れられてもやっかいなので
撃沈してもらうことにした。

私の指示に従って、ピカチュウがでんきショックを打ち放つ。


もちろん、その無防備な口内に。




ばたり。

ギャラドスが倒れたのを確認して、最後のひとりへと視線をむけようとして
気がついた。

先ほどまで居た場所から、そいつが姿を消していたことに。



「パラセクト!きのこのほうし!!」



気がついた時には遅かった。

横っ面からパラセクトの「きのこのほうし」を勢いよく浴びてしまった。

やられた。人間が萌えもんの技を止めていいのなら、萌えもんが人間に向かって
攻撃してたとしても、なんら不思議は無かったのに。



「…ッ、う…!」



どっと眠気が襲い掛かる。

思わずその場に膝をついてしまう。



…まだ眠るわけには、いかないんだ


アイツらを、退かせるまでは!!




包帯が取れて間もない右腕に、自身の牙を突き立てる。

ああ、痛い、痛い!

でも痛みのおかげで、眠気がすこし飛んでいった!



「スピ、アー!」

「分かってる!」



それだけで分かってくれるとは思ってなかったけれど、スピアーは私の狙い通り
ダブルニードルでパラセクトを攻撃してくれていた。

急所にでも当たったのか、パラセクトはスピアーの一撃で倒れてくれた。




「――― っっ!!」

「ち、ちくしょう!覚えてやがれ、てめえら!」

「だから6人フルでいつも持ち歩くようにしようって言ったじゃんか!」

「うっせえよ馬鹿!」

「んなメンドイこと、いちいちやってられっか!」



騒がしい足音を立てながら、最悪の人間どもはその場から逃げていった。




……ああ、やったんだ、わたし……

アイツら…自分と、みんなの力で……追い払えた、んだ…




「は、はは、ははは……や…っ、た……」





あの、私をいじめてきた、アイツらを…

やっと、自分の、力で……!





まぶたの裏に、なつかしい 顔が

ふと、浮かんできた。



それは、言葉はキツイながらも、昔の私を守ってくれた


たったひとりの、としうえの こども。




今はもう、お礼すら伝えられない 遠くの人。






(… … … にい、さん …やった、よ … … …)








私の意識は、深く深くへと 沈んでいった。
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