3スレ>>770


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嫌な夢を見た

―ヒトの因子が強すぎる…失敗か―

やめて…わたしはなにもしていない…■■さないで

―ヒトの身勝手で生み出され、身勝手で消されるのはイヤじゃないか?―

いや…嫌…わたしは…私は…

―お前…同属じゃない…■■■■■か―

見捨てないで…見捨てられたら私は何処に行けばいいの

―できそこないが…私を■すのか?―

やめて…やめて…やめろ!


「アヤメさま」
「う…ん…?」

現在カントーに停泊中客船・サントアンヌ号 そこの客室
そこに滞在していた私、ハブネークのアヤメは、侍女としてつけられているツチニンに起こされる

「おはようございます…お目覚めは如何ですか?」
「…わかっている癖に聞くのね…いえ、見えていないのでしたわね」
「申し訳ありません」

ツチニンは目が見えない
それが何故侍女をやるとかいえば、視覚以外の感覚が優れている事と、万一の場合の護衛も兼ねているからだ
見た目はメイドの格好をしたツチニンだが、中身は特殊訓練がなされ、並の萌えもんを凌駕する

「貴女が謝る事でもありませんわ それよりも」
「はい、ご主人様は今朝早くに到着いたしまして、只今お待ちいただいております」




「久しぶりさね、アヤメ」
「貴方は相変わらずのようですわね、レオーネ」

今回こんな場所までやってきたのは、昔馴染みであるドンカラスのレオーネの連絡を受けたからだ
昔馴染みと言っても相当な昔の話、向こうから連絡を入れるというのも珍しいことだ

「いい夢は見れたかい? キミのために上等な客室を用意したんだけど」
「えぇ、お陰でうなされるくらいに上等な夢を見られましたわ」

レオーネと会うということで、ものの見事に昔の事を思い出してしまった
全く…そういった感情は振り切ったと思っていたんだが…

「そうか…で? キミは相変わらずのバトルジャンキーなのかい?」
「不仕付けな言い方ですわね そういう貴方は羽振りが良さそうです事」

私が剣の日々を生きる間に、レオーネは「ヒトの経済」に興味を持ったらしい
株式から地上げ、密売、売春、果ては傭兵組織 おおよその金になる事をやっている
気がつけば彼は裏社会で大物になっていた

「で? 今回わたくしを呼び出した用事はなんですの?」
「そうだったね ねえアヤメ、キミはまたボクらに協力する気は…」
「ありませんわ」
「だろうね」
「確かにわたくしもヒトが憎くないと言えば嘘になりますわ」

自分の背中、今は『無い』尻尾…
本来あり得ない萌えもんの特徴を隠せる事、それが私の異常だ


私は正常に生まれた萌えもんではない 私はとある研究施設で生まれた
その研究施設で行っていた事 それは『ポケモンが萌えもんへと進化した因子』の研究だった
萌えもんとは、ポケモンがヒトにより近づくために進化し知能と言葉を手にいれた存在
ではその進化の因子を探れば萌えもんはヒトにさらに―いや、ヒトにもなれるのではないか
そんな意思の元に研究が進んだ
そんな研究成果の一つが私だ その内容は明らかに狂気だった

『ポケモンがヒト型に進化できるなら、ヒトがポケモン型に進化できるはず』

つまり萌えもんの進化の逆、ヒトの遺伝子から無理やりに萌えもんにされた存在
…だが、生み出された私は失敗作だった ヒトの因子が強すぎて中途半端になってしまったのだ
その結果、自分の意思でモンスターたる証である尻尾を隠せるようになった
だが、そんな結果を研究者は認めなかった
失敗作の烙印を押され、処分されそうになった…が、タイミングが良かった
研究所のとある萌えもんが暴走し、それに便乗して私たちが逃亡したのだ
逃亡後、ヒトに復讐しようと思った事もあった
だが、ヒトに負け、勝てる手段を探し剣術を始ると、そんな感情も鈍化していった
剣術を学び、強者と死合を重ねるうちに、そちらのほうが楽しくなってきた
腕を磨くために何でも屋家業を始め、旅をしながらヒトを斬っていたら気がつけば復讐はどうでもよくなっていた



「キミの気持ちがもうヒトの復讐に向いていないのはもうわかっていたさ」
「一応復讐組に義理は果たしたつもりですわ 正直言えば本末転倒だと思いますけど」
「そうだね、僕の場合は利益優先だけど…研究所で虐げられてた連中がクローン萌えもんで人間に復讐なんてね…」

そうなのだ
未だにヒトへの復讐を考えている連中は、研究所のデータを盗み、そこからクローンを作って兵隊としている
私は、その話を聞いたころにはもう復讐心を鈍化させていたので、義理で遺伝子データを渡しただけだった
それを優先的に進めているリーダー格は何をやっているのだろう
現在は調整役のレオーネが奔走しているために大きな騒ぎは起こっていないが…



少し風に当たりたくなったので、レオーネと甲板に行こうと部屋を出る

「レオーネ、貴方はまだヒトを憎んでいますの?」
「うーん…憎んでいない、といえば嘘になるかな まぁ、僕の場合ヒトが居なくなったら困るわけだし」

彼の考え方は利益優先だ ヒトを恨んでいてはお金にならない
と、通路の向こうから誰かが来る
少年―いや、身なりはそうだが少女か―と数人も萌えもん トレーナのようだ

「まぁ、善良な一般人はね…あんな小さい男の子を憎めと言われてもね…」
「そうですわね…あとレオーネ、あの子男の子の格好してますけど女の子ですわ」
「えっ!?」

慌てて見返すレオーネ と


「おー? なんだ、マサラにいた馬鹿じゃねえか」
「まさかこんな所まで来てるとはなー」
「お前みたいな貧弱もんが、よく生きていられたな」
「へへっ、違いねえや」
「ほんと、ほんと」

少女を罵倒する…下種

「…ああいう輩はどうですの?」
「…好きにはなれないね…弱者を踏みにじるか…」

レオーネと意見が合った 少女のかわりにのしてしまおうかと考えたが

「おぉ バトル?」
「存外にあの娘、やりますわね」
「あぁ、胞子が…」

「――― っっ!!」
「ち、ちくしょう!覚えてやがれ、てめえら!」
「だから6人フルでいつも持ち歩くようにしようって言ったじゃんか!」
「うっせえよ馬鹿!」
「んなメンドイこと、いちいちやってられっか!」

負けてもなお口汚い下種
追撃をかけるか…? と、レオーネが傍らに呟く

「ツチニン」
「御用でしょうかご主人様」
「今出て行ったヒト三人 人数を集めても構わん 最低でも一人」
「了解いたしました」

…必要は無さそうだった



「で?キミはどうするんだい?」

しばらく談笑の後、レオーネは帰る事となった
用事は仕事関連はおまけだったようだ

「そうですわね…そろそろカントーも飽きてきた頃ですわ」
「だったら、この船にでも揺られるかい?」
「はい?」
「キミに用意した船室、一応宿泊じゃなくクルーズとして取ってあるんだ キミがよければこのまま乗っていっても構わないよ」

思わぬ幸運 数日は優雅な思いが出来そうだ

「ありがたく使用させていただきますわ」
「そうかい あ、ツチニンはいるかな? よければ世話もさせるけど」
「う~ん…そうですわね、折角ですし」
「そういうわけだ、しばらく頼むよツチニン」
「畏まりました」



汽笛を鳴らしながら港を離れていくサントアンヌ号
しばらくはこのカントーともお別れだ
しばし離れていく景色を眺め部屋に戻ろうとしたとき

「あら?」

さっきの少女がそのまま眠っていた

「ツチニン、船員に連絡を 折り忘れた乗客がいるわ」
「はい」

どうやら、少しは退屈しない船旅になりそうだ…




ハブネーク姐さんことアヤメさんの過去話&560氏のヘタレトレーナーの話のクロス
560氏に許可はとりました さて、これから(主にヘタレが)どうなるのでしょうか?
尚、アヤメという名前をつけてくださったぺる氏にこの場で感謝を
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