3スレ>>863


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『人工色違い』


「ようやく帰ってこれましたね」
「ちょっと遠かったねぇジョウトは」
 
  ジョウトのもえもんに会いに鼻血マスターたちは、ジョウトまで足をのばしていた。
 見たことのないもえもんとの出会いに悶えながら、トレーナーたちと戦ってみたりして、ジョウトを旅していた。
 ジョウトにいるすべてのもえもんに会えたわけではないが、伝説もえもんに会えたので、一区切りして帰って来たのだ。

「それにしてもジョウトのトレーナーは強かった……」
「四天王クラスがごろごろいましたからねぇ」
「アイテムつぎ込んで、ようやく勝てたもんね。おかげで赤字」
「まあまあ、いいじゃないですか。最近は、収入が多かったからまだ余裕がありますよ」
 
 足に抱きつくメリープを撫でながらフシギバナは言った。
 このメリープは、ジョウトで仲間なった一人。どことなくほんのりと赤いのは、色違いなのか。
 その様子を羨ましそうに少女は見るが、見るだけにとどまっていた。

「仲間が増えたから、無駄足だったわけじゃないし、たまには強い人と戦うのもいい経験だ」
「珍しいもえもんも見れましたし、いいことのほうが多かったですよ」
「ホウオウのこと? 綺麗だったよねー。仲間にできなかったのは、残念だけど」

 うっとりとホウオウのことを思い出す少女。

「かわりに、ルギアっていうもえもんの情報を教えてもらえたじゃないですか」
「ヒントが海の神ってだけじゃ、どこにいるかわからなかったけど」

 もらったヒントをもとに、なみのりで海上を探してみたが、みつかることはなかった。
 適当な場所で釣竿をたらしてみて、ルギアが釣れないかなーなんてやったりもした。
 それで伝説もえもんが、釣れたりしたら、それはそれで問題だっただろう。

「ホウオウだけじゃなくて、ベイリーフもいたじゃないですか、筋肉のすごい」
「エ、エートナンノコトカナー? ワタシハシラナイナー」

 かたことで喋る少女の様子を見て、フシギバナはしまったと焦り、反省する。
 少女にとって、あのベイリーフは許容できない存在だったらしく、見た途端気絶。
 そして目覚めると、筋肉ベイリーフの記憶を封印していた。
 少女にとって筋肉ベイリーフは、トラウマに近いものになっていたのだ。

「そうそう! 仲間も増えましたね!」

 すで出た話題だが、話をそらすためフシギバナは、再び話題にした。
 それは功を奏したようで、少女の様子は普段のものへと戻った。

「メリープにヒマナッツ、ウパー、アリアドス。みんな可愛いいよー!」

 そう叫んで少女は、近くにいるメリープに抱きつこうとする。
 メリープは、びくっと驚き、フシギバナの足にしっかりと抱きついた。
 少女がメリープに抱きつくことはできなかった。
 メリープが怖がったのを見て、抱きつくのをやめたわけじゃなく、フシギバナに止められたからだ。

「マスター、忘れたんですか? メリープに抱きついちゃ駄目です」
「だってあんなに抱き心地がいいのに! 我慢できないよ!」

 メリープが少女を怖がっているから、抱きつくのを禁止しているわけではない。
 ただ怖がるのならば、フシギバナも止めない。
 少女に害意があるわけではないし、次第に怖がることがなくなっていくのをわかっているからだ。
 別の理由があって少女は、メリープに抱くつくことを禁止されていた。

「鼻血を止められるようになったら、いいですって言ってるじゃないですか。
 忘れたわけじゃないですよね? 初めて抱きついたとき、メリープを鼻血で染めたこと。
 毛に染み付いて、血を洗い流すのに苦労したんですから。
 完全には抜けないで、今もほんのり赤いし」

 メリープが赤いのは、色違いというわけではなかった。
 抜けきれなかった血の色なのだ。

「無理だよ! これはもう本能だもの!」
「それでも少しくらいは、止められるはずです」
「うう~。いいもんいいもん! プリン抱いてくるからぁ」

 泣きながら走り去る少女。宣言したとおり、プリンを抱きにいったのだろう。

「ますた、泣いてたよ?」

 心配そうに、フシギバナを見上げてメリープが言う。
 メリープも少女が嫌いなわけではない。嫌いならば、仲間にはならない。
 ただ、テンション高く接してくる少女に、慣れていないだけだ。

「本気泣きじゃないから大丈夫ですよ」
「本気泣き?」
「一回見たことがあるだけですけどね」

 思い出すのは、最後まで人間を怨みとおしたもえもんのこと。
 それを振り払って、メリープを誘いもえもんセンターへと歩いていく。
 そこにマスターがいて、プリンを抱いているだろうから。
 やりすぎは止めないと、などと考えながらフシギバナは、メリープと手をつなぎ歩いていった。
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