朝になって目を覚ます。カラカラとランターンはまだ寝てるようだった。
しばらくして二人が目を覚ます。
「よう、おはよう」
「…おはようございます」
《おはよう》
「飯できてるのたべるか?」
二人に尋ねる。
「いただきます」
《はやくして》
「落ち着けカラカラ。飯は逃げねーから」
ちゃっと準備してテーブルに並べる。
「あの、お手伝いします」
ランターンが俺に言う。
「ん?じゃあこれ持ってってくれ。カラカラ、おまえも少しは見習え」
「いいんですよ。ごはんいただけるんですから。これぐらいしないと」
「ホントに見習った方がいいぞ、カラカラ」
ってもう食ってやがる。
なんだかここは居心地がいい。
この人はご主人様よりも優しいし、カラカラちゃんといると妹ができたみたいだ。
でもここはあたしの居場所じゃない。
いつまでもここにいちゃいけないんだ。
「おい、聞いてるか?」
「えっ?」
なにか話してたみたいだけど全然頭に入ってない。
「えっと、なんでしたっけ?」
その人に尋ねる。
「だから、このあとお前のご主人様のところに行くって話しだよ」
胸がドキッとする。
「どうする?もとのご主人様のところに行くか?それともここにいるか?」
「ここにいるってのはどう言う意味ですか?」
「俺たちと一緒にいるっていみだよ」
何でそんなことを聞くのかわけがわからない。
普通はそんなこと聞かないはずだ。そんなこと聞かないでそのままご主人様のところに行くはずだ。
なんでそんなこと聞く必要がある?胸がざわざわする。
この人たちと一緒にいたい。でもご主人様のところに帰らなくちゃ。
あたしはどうしたい?悩む必要はないはずだ。戻りたいって言えばいいだけだ。
あたしは……
「ご主人様のところに帰りたい…です」
「そっか。普通はそうだよな。じゃ、一時間ぐらいたったらいくぞ」
当然の返事だ。でも、返事を返すまでが長かったな。
記憶が戻りつつあるのか、それとも純粋に悩んでくれてたのか。
どっちにしろ行けばわかるか。
昨日バトルしていた時間より早い時間に、昨日の場所に行く。
案の定、昨日のトレーナーがいる。
「やっぱここにいたか」
「あ?お前は昨日の…」
「ご主人様ーー!」
ランターンがそのトレーナーの方に駆け寄っていく。
「ご主人様…さびしかったですよ…」
「…おい、どういうことだ」
「どういうことってなにがだ?俺はその娘をおまえに返しにきたんだが」
俺はキレそうなのを抑えて冷静に質問をかえす。
「こんな使えないやついらねーって言っただろ!お前もそばによってきてんじゃねーよ!」
「えっ……?」
状況が飲み込めない。あたし捨てられたの?なんで?あたしが弱いから?
そうだよね。弱かったら捨てられるに決まってるよね。
そうだ。やっと思い出した。
昨日バトルに負けてそのまま捨てられてこの人に拾われたんだ。
多分かわいそうだったからとかの理由だと思う。
でもまた負けたら捨てられるんだろうな……。
「弱くなんかねーよ」
その人はそう言い切った。
「は?何言ってんのお前?俺、こいつのせいで何回も負けてんだぞ?こいつのどこが弱くないって言うんだよ?」
そうだ。そのとうりだ。なのになんで?
「じゃあバトルしてみるか?その娘とお前の手持ちで」
「ふん、やってやろうじゃねーか。お前さっさとあっちいけよ」
その人のところに戻る。
「悪いな。こんなことになって」
「だったらあんなこと言わないでほしかったです」
その人にいやみを言ってやる。
「どうせ負けるんですから」
ごつんと頭にげんこつを食らう。
「いたっ!?」
「お前まで馬鹿みたいなこと言ってんじゃねーよ。いいか、俺の指示聞き逃すなよ?」
「わかりましたよ。やればいいんですね?やりますからげんこつしまってくださいよ」
「わかればいいんだよ」
笑いながらグーを元に戻してる。
どうせ負けるんだ。負けたら野性に戻るのかな?いいや、あとで考えよう。
あいつまだ集中仕切れてないな。
まあいいか。始まったらいやでもするだろ。
「準備はいいか?」
俺は相手に言う。
「は、ウォーミングアップにちょうどいいぜ」
相手がボールから萌えもんをだす。
「ギャラドス、相手して来い」
「わかりました」
…案外楽に勝てそうだなこりゃ。
ランターンはおびえてるか…。よし。
「ランターン、何でビビってる?」
「そりゃビビりますよ~。そっちこそなんで楽しそうなんですか?」
「いやな、楽に勝てると思ってな」
わからない。
何で勝てると思えるのかわからない。
そんなことを考えてる間にバトルは始まる。
「ギャラドス!“かみつけ”!」
「うわあああああ!!」
ギャラドスが叫びながら突っ込んでくる。
足がすくんで動けない。もうだめだ――
「横に飛べ!!」
あの人の声が聞こえる。
「は、はい!」
言われるまま横に飛ぶ。
少しかすったけど…かわせた?
いつの間にか足も動く。
「よし、動けるな?」
あの人に尋ねられる。
「はい、大丈夫です!」
「くそ、まぐれがでたのか!?ギャラドス、もう一度だ!」
またギャラドスが突っ込んでくる。
「少し下がって、“でんじは”!!」
「はいっ!」
その人の言うとうりにする。
するとビシッとという音がして“でんじは”がギャラドスにあたる。
「なっ…!くそっ!ギャラドス動けよ!」
ご主人様が動揺している。あたしも驚いている。
「ランターン!“十万ボルト”!」
「あっ、はい!」
言われるまま電気のかたまりをギャラドスにぶつける。
「うあっ!」
ギャラドスはそのままたおれる。
「あたし……勝てたの?」
「嘘だ!まぐれに決まってる!」
「まだそういうことが言えるのな」
「おまえいったい何をしたんだよ!」
「なんもしてねーよ。水・飛行タイプのギャラドスに電気タイプの技ぶつけりゃそうなるだろ」
「ぐっ!でもあんなやつで勝てるわけが…」
バシッ!!
俺はそいつを思い切りぶん殴る。
「萌えもんのこと信用してねーやつが勝てるわけねーだろ。トレーナーの指示が悪かったら勝てるバトルも勝てなくなる。よく覚えとくことだな。」
少しはすっきりしたな。
「そうだ、ランターン。」
「……あ、はい!なんですか?」
勝てたことに驚いているのかぼーっとしてたランターンに言ってやる。
「お前もう好きにしていいぞ。あいつのとこに戻ってもいいし、野性に返ってもいい。自分で決めて好きなようにしろ」
「そうだ!俺のとこに帰って来い!また一緒に……」
「ふざけんなよ?一回捨てたやつがグダグダ言ってんじゃねーよ。あくまでもランターンが自分の意思で決めるんだ。わかったか?」
「は、はい……もう何も言いません…」
自分で決めろなんて言われたのは初めてだ。
いいままでそんなこと言ってくれる人なんていなかったから。
だったらあたしは…
「あなたについて行きたいです…。だめですか?」
「こっちには断る理由はねーよ。なあ、カラカラ?」
《いっしょにいこう?》
「本当に自分の意志で決めたからな」
認められて本当にうれしかった。
あたしはホントの仲間を手に入れられたんだ。
「これからよろしくお願いしますね?」
「ああこっちこそよろしくな」
~あとがき~
長くなって申し訳ないですorz
さてたまには設定なんかをすこしばかり。
カラカラ
無口にしたせいで毎回空気になりやすい娘orz
今回もほぼ空気。一応最初の萌えもんなのにね。
できれば活躍させてあげたいけど作者の文才のなさのせいで活躍できないorz
ランターン
出現場所は鹿Vre基準(作者がそれしかプレイしてないから)なので本当なら七島にいかないと仲間にできません。
でも出したかったからこんな形に。ごめんよランターンorz
この娘にのってグレンまでいくことになります。
最初に何にも決めてなかったから最初と言葉使いが変わってる気がしてならないですorz
ではこの辺で。
次回できたらそこで会いましょう。ではまた。
感想とかよろしくです。
最終更新:2008年01月07日 21:16