「「しんそくっ!」」
もえもんバトルで、二人のウインディが戦っている。
ほぼ互角の戦いを繰り広げた二人は、最後の技も同じものを選んだ。
ぶつかりあうウインディ、衝突で砂埃が巻き起こり、結果がわからない。
二人のトレーナーが、手に汗を握り、視界がはれるのを待つ。
やがて砂埃は風に流され、満身創痍で立つウインディと、同じ状態で地に伏すウィンディが現れた。
「なぜ、私は負けた?」
倒れたウインディが悔しそうな顔で問う。
「なぜ? 簡単なこと!
あなたに足りないのはッ! 情熱思想理想思考気品優雅さ勤勉さ!
そして何より―― 速さが足りない!」
(ネタで返すなよ)
勝った方のトレーナーが、呆れ顔で自分のウインディを見る。
勝ったウインディは、どこか満足気な顔だ。
「そうか、私の実力不足か」
「「「え?」」」
倒れ伏すウインディを除いた全員が、予想外と言った顔をしている。
「ますた~……試合に勝って、勝負に負けた感じ~」
ネタが流れて、真面目に返答が帰ってきたウインディは、目に涙を浮かべている。
「気持ちはわかるから、泣きそうな顔するな」
相手方のトレーナーを見ると、謝罪を込めた目でトレーナーと勝ったウインディを見ている。
込められたのは、空気読めなくてすまない、といったところか。
「?」
負けたウインディは、三人の様子の意味がわからず、ただただ疑問符を浮かべていた。
最終更新:2008年01月10日 00:15