4スレ>>126


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ガーーーーーーーーピンポン♪
「5階、ドラックストアでございます。」

機械的なアナウンスがエレベーター内に響く。

俺達はエレベーターを降り、屋上へ続く階段へと向かう。

「お父たま、今の乗り物にもう一回乗りたいです。」

歩いている俺の服を引っ張ってもう一回をアピールするのはこの前生まれたばかりのトゲピーだ。

俺はトゲピーを抱きかかえると

「帰りも乗れるからその時にまたな。」

そう言って屋上の扉を開いた。
扉を開けると心地のよい風が流れ込んでくる。

「さて、あとはみんなの分のミックスオレを買うだけだ。」

そう言って自販機に向かい硬貨を投入する俺。
ピッ。

ガコンと言う音とともに一本のジュースが出てくる。
俺はそれをトゲピーに手渡す。

「ねー、お父たま、これはなんですか?」

缶を眺めながら受け取ったトゲピーが疑問の声を上げる。

俺は二度目のボタンを押しつつ

「それはミックスオレって言う飲み物だよ。
 美味しいし、元気になるんだよ。」

そう言ってトゲピーのほうを向くと、なぜかトゲピーが持っていたのはミックスオレではなくサイコソーダ。

アレ?俺ミックスオレ渡さなかったっけ?
と思い二本目の缶を取り出すと

それもサイコソーダであった。

「あーきっと業者の人が入れ間違えたんだな。
 しょうがない。
 ちょっとお店の人呼んでくるからここで少し待っててくれ。」
 
そう言って俺は屋上の階段へ走る。

がトゲピーは生まれたばかりの萌えモンであり、俺を父だと思っている。
よって離れたくなかったトゲピーは置いていかれまいと俺の元へ走ろうとする。

ここで問題だったのはトゲピーが先ほど渡されたサイコソーダを持っていたこと。
走り出したためにその缶を振ってしまった事。
小さい足がもつれて転んでしまったこと。

そして転んだときに飛び出た缶が

「よーし、屋上到着一番乗り~♪
 ピカチュウより早い~♪」

「アンタがスタートのときにずるしたからでしょーが!!!」

そんな事を言っているトレーナーの

「ぎゃん!」

頭に当たって

「ひぃああああああああ、冷たい冷たいいぃぃぃぃぃ!!!!!」

中身がぶちまかれた事だ…。



クロスオーバーSS「二人のトレーナー。そしてヘタレは伝説と出会う。」




あの後、服がびしょびしょになっていた彼を連れて、マンションまで戻ってきた。
と言うのは

「アナタがこの子のめんどうみないからいけないんでしょーが!
 どーにかしなさい、どーにか!」

と隣にいるピカチュウに説教されたので

家も近いので炭酸水に濡れた服の洗濯を行い。
その間に彼に風呂に入ってもらうことにした。

「ぁ、お風呂場はそこだから。
 服はそこにいるラッキーに渡しておいてね、洗っておいてくれるから。
 ポケモン達は悪いんだけどそこらへんでくつろいでてくれる?」

俺はテキパキと指示を出す。

いきなり他の人を連れて部屋に戻ってきたことに俺の萌えモン達は驚いていたが事情を話すとなーんだ。
とほっとしたような表情を見せた。

「(小声で)ダーリンってばあの子が女の子だって気づいてないみたいね。」
「(小声で)主殿は鈍感でござるからな、言われるまで気づかないと思うでござるよ。」
「(小声で)まーしょーがねーんじゃねーか?あいつの胸の薄さじゃ気がつかないのも無理はないと俺は思うぜ」

「「ねぇねぇ~。何を話してるの~。」」

なにやら小声で話していたフリーザー・エンテイ・グラードンにホウオウ・ルギアの天然コンビが興味ありげに近づく。

「いやいや、主がここに主以外の人を連れてくるなど初めてのことで珍しいと3人で話してたでござるよ。」

エンテイがうまく話をごまかす。


まぁそんなことはほっておいて

「なにやってるのさ、ほら君たちもそんなところ(玄関)でぼーっとしてないでほら、奥に入ってくつろいでなよ。」

なにやら俺の部屋の中を見たときから6匹が6匹、固まったように動かなかったからだ。

その硬直からいち早くぬけたのは先ほども俺に食って掛かってきたピカチュウだった。

「どーしてこんなに伝説萌えモンがいんのよ!!!!!!!!!!」

ぁ、噴火しました。

あれって炎タイプの技だよな?

今ちょっと近くで叫ばれたんで耳がキーンってなってるんですよ。
ほら、ピカチュウ以外の5匹も耳押さえてるじゃないですか。
ぁ、トゲピー泣くな。

どうにかこうにかキーンとなっている耳を押さえつつ

「いや、まぁ成り行き?」

「成り行きって何よーーー!!!」

またも噴火するピカチュウさん。

とりあえず指に手を当てて、もう少し静かに喋るようにジェスチャーで伝える。

すると何かを決意したかのように

「まぁあのヘタレが出てくるまで、ゆっくりと聞かせなさい。」

そう言って奥のコタツの一角を陣取った。

「勝手にコタツを陣取るのはどうかと思うが…。」

「まぁまぁ、相手の人もくつろいでいいって言ってるし、ダンナが出るまでくつろごうよ。」

そんなやり取りをしながらもコタツに入ってくる残りの萌えモン達。


そうして、俺はどうやって伝説の萌えモンをゲットしたかを話し始めた…。








しばらくしてその爆弾は突如やってきた…。


「あーさっぱりしたー。
 ねぇねぇ、フシギソウ、私の服どこー?」

  ・・・ 
その女の子はバスタオル一枚だけを身にまとい、リビングに入ってきたのだ。

目の前の変化についていけず唖然となる俺。

当然だと思う、何せ俺は男の子だと思っていたのだから…。

「きゃああああああぁぁぁ!!!!」

叫び声と同時に床に座り込む女の子。

「いーから、早く脱衣所に戻る!
 服はあと!」

強引にピカチュウに蹴られるように(実際に蹴っていた)脱衣所に戻る女の子。

そしてくすくすと笑いながら

「ご主人様、服が乾いたのであの子のところに渡しますね。」

となにやら楽しそうに告げるラッキー。

「すいません、ダンナがあんなんで…。」

申し訳なさそうに頭をたれるフシギソウ。

いやまぁ、服に関しては事前に用意が出来なかったこっちにも非があるんだけどね…。

「にしてもあなた、あんなふうに女の子が出てきても平気なのねぇ。」

何か意味深な言葉を含みつつスピアーがこちらに目を向ける。

「まーほら、うちにも同じような奴がいるからな。」

そー言ってちらりとホウオウとルギアに視線を向ける。

本人達は何のことだかわからず首をかしげているが

「そうですよ、ホウオウ様もルギア様もちゃんと着替えてこちらの部屋に出てきてください。」

スイクンがここぞとばかりに言い聞かせるが

「ぇーだってお風呂上りは熱いから涼しい格好でいたいよー。」

と我侭を言うルギア。

何やら言い争っているのを尻目に

「まぁこう言うわけなんだ。」

と告げた。


すると

「決闘よ!」

いきなり脱衣所のドアが開いてピカチュウが俺に向かってそんな言葉を投げかけた。

「決闘?」

俺は何のことだかわからずに聞き返す。

「そうよ決闘よ!
 アイツが泣いてて、泣かしたあんたは悪者。
 だからアタシはアイツのためにあんたを倒すの!」

どうやらタオル一枚の姿を見られたのがよほどショックだったらしい。
それであの子は脱衣所で泣いてて、それを見たピカチュウが俺に喧嘩を売ってきたと。
ふむふむ、こんなところか…。

「ちょっと、ダンナが泣いてるからってそれはまずいって。
 だって相手は伝説萌えモン持ってるんだよ。
 勝てないって。」

「そんなのやってみなきゃわかんないでしょ!」

止めようとしたフシギソウだが、そんなの関係ねぇとばかりに食って掛かるピカチュウ。

その様子を見て本当に彼女達はあの子のことを思ってるんだなぁと思うと自然に笑みが浮かぶ。

「いいよ。やろうか。」

あっさり俺の口から出た言葉に驚いたのは

ピカチュウでもなく、相手の萌えモン達でもなく

自分の萌えモン達であった。

まぁ進んでバトルなんていつもやらないからな。








そんなことがあって俺たちは今、タマムシシティにあるバトル会場で向かい合っている。
カントーにある大きな町のいくつかにはこうして誰もが利用できるトレーナーバトル専用の会場があるのだ。

「あうあうあうぅぅぅ、どうしよぅぅ、伝説萌えモンになんか絶対に勝てないよぉぉぉ。」

すごい勢いで小さくなっている少女。

「アンタがそんなんでどーすんのよ!
 最初っからあきらめてたらどんな試合だって勝てないでしょーが!
 勝てないとかじゃなくて勝つつもりでやるの!」

「そうだよ、ダンナ。
 私達はダンナだからついてきてるんだからさ。」

なにやらピカチュウとフシギソウが慰めている。
ぉ、どうやらやる気になったようだ。


「ルールは公式戦と同じ、手持ちは6匹の1VS1の勝ち抜け試合、いいね?」

相手が頷くのを確認して

一つ目のボールを腰から取り出す。

電光掲示板に『FIGHT!!』の文字が点灯されると同時にボールを投げた。

相手の一匹目は先ほどまで慰めていたフシギソウだ。

そして、俺のボールから飛び出したのはグレイシアだ。

「ひゃううううう。見たことない萌えモンだよぅ。どうしよう?」

なにやら必死に手元の図鑑を弄ってグレイシアを見ている。

でも試合は開始しているので

「グレイシア、『かげぶんしん』。」

無数にグレイシアのぶんしんが現れフシギソウを取り囲む。

「えぇぇ!グレイシアってシンオウ地方の萌えモン!?
 そんなのしらないよぅ…。」

「いーからさっさとフシギソウに指示を出す。
 アンタが指示出さないからフシギソウが困ってるでしょうが!」

と少女が顔を上げるとすでにフシギソウの周りにはあられが降り注いでいた。

「うそぉぉぉぉぉ、相手増えてる、ってか寒いっ!」

よく見ればフシギソウは必死になってあられをよけていた。

「ダンナーーー。私はどうすればーーー?」

「ええと…。こうなったら”緑符・はっぱカッター”だ!」

なにかよくわからないフレーズがついていたが『はっぱカッター』か?と思ったのが悪かった。

葉っぱが集中的に集まり敵を攻撃する『はっぱカッター』とはちがい、それは一枚一枚がグレイシアに迫る。

『かげぶんしん』しているとはいえすべての分身に当てられるだけの葉が次々とグレイシアにヒットしていく。

「きゃああぁ。」

そんな声とともにグレイシアの体に一枚の葉の刃がぶつかる。
グレイシアが打たれ弱いのを知っている俺はすぐさまボールに戻す。

電光掲示板には相手のフシギソウに○の印が記された。

「嘘、一発で…。」

相手は唖然としているがまだ勝負の途中である。
俺は次の相手となるろこんを繰り出した。

「ろこん、『おにび』だ。」

俺がそう告げると小さな炎がフシギソウのはっぱに着火する。

「フシギソウ、『つるのむち』!」

が、それと同時に繰り出されたむちがろこんの体にヒットする。

ろこんはそのむちで倒れ起き上がらなくなってしまう。

だが、それは相手も同じようでフシギソウも起き上がれなくなっていた。

お互いに萌えモンをボールに戻す。

電光掲示板は両方とも×印がしるされた。 

すぐさま互いにボールに手をかけ三匹目を出す。

相手はピカチュウ、こっちはトゲピーだ。

「トゲピー、『ゆびをふる』。」
「ピカチュウ、『アイアンテール』!」

両者の声に従いそれぞれの萌えモンが技を出す。
互いの距離もあってか、先に発動したのは『ゆびをふる』だった。

なにがおこるかわからないこの技。
どんな技が出るのかと思えば…

「お父たま、これ楽しいです~♪」

ご機嫌に跳ねていた…。『はねる』まったく意味を持たない技だった。

だがタイミングは良かった。丁度放たれた『アイアンテール』を跳ねてかわせたのだから…。

「ピカチュウ、そのまま『でんこうせっか』!」

でも次の攻撃はかわすことが出来ず、トゲピーは吹き飛び、俺の胸にすっぽりと収まった。
案の定目を回していたトゲピーは戦闘不能、これでこちらの残りは三体。
まだ終わってはいない。

「いけっ、みにりゅう、『でんじは』だ。」

すぐさま現れた4匹目のミニリュウ。そこから繰り出される『でんじは』

相手のピカチュウがマヒする。

が、相手のピカチュウはマヒをものともせずに突っ込んできた。

「ピカチュウ、『たたきつける』!

案の定、みにりゅうは叩きつけられて伸びてしまった。
俺はみにりゅうをボールに戻すと5匹目を出す。
5匹目はラプラスだ。

「ラプラス、『あやしいひかり』!」
「ピカチュウ、『十万ボルト』!」

先に当たったのはどうやら『あやしいひかり』らしい。
『十万ボルト』を出さずにあいてのピカチュウはマスターである少女の元に近づくと

「いい、アンタはもっとアタシ達を頼ればいいのよ!
 アタシ達だってそれを望んでるんだから!
 だから…。もっとアタシを頼りなさいよぉぉぉぅぅ。」

目の前で泣き出してしまった。
しかも少女の体に顔を当てて盛大に…。

電光掲示板は無残にもピカチュウに×印を記すのであった。



「次っ、プリン、『うたう』!」
「こっちも『うたう』だ!」

いちまんねんと、にせんねんまえからあーいーしーてーるー。

わーたーしーに、かえーりなーさーい。きーおーくーをーたーどーりー。

はっせんねんすぎたーころから、もっとこいしくなーった。

やーさーしーさーと、ゆめのー、みなもとーへ。


「創聖のア○エリオンだ!」
「魂のル○ラン!」

プリンの歌う曲に俺が突っ込み、ラプラスが歌う曲に少女が突っ込む。

二人揃って

『なんでこの人(子)がこの曲を知ってるんだ?』

と思っていた。

そんな間に両方の萌えモンは眠ってしまい。

電光掲示板は両者に×がしるされた。

「ラスト!頼むぞラッキー。」
「次はオニスズメ!」

なんか向こうは驚いた様子だ。
そんなにメイド服姿のラッキーが戦闘に出るのに違和感があるのだろうか?

「ラッキー、『小さくなる』!」
「オニスズメ、『みだれづき』!」

向こうのオニスズメが連続でつついてくるが小さくなったラッキーがそう簡単に当たるわけがない。

「ラッキー、『どくどく』」

そう告げるとなにか小さな塊をオニスズメは飲み込んだ。
すると徐々にオニスズメの顔色が悪くなり始めた。

このまま猛毒で落とせると思ったさなか

「オニスズメ『つばめがえし』!」

なっ!

よたよたしながらも突っ込んできたオニスズメの一撃が的確にラッキーをとらえる。

両者戦闘不能

電光掲示板はそう示し

勝者に少女の名前を映し出した。









試合後、やってきた少女に向かって

「俺の負けだな。」

と言って笑うと

「どうしてですか?
 どうして伝説の萌えモンを使わないんですか!?」

いきなり怒鳴られた。

おどおどしていた子だったからこんな風に怒鳴るなんて思っても見なかった。

「手加減したつもりですか!
 そんなバトルで勝っても嬉しくありません!」

ぁーそうか、そう言う風に映ってしまうのか…。
でもこれだけはひきたくないんだ。

「俺は、萌えモンとはいえ、誰かが傷つくってのはあまり見たくないんだ。
 だから伝説の萌えモンは使わない。
 彼女達の力は強大だから、使ったら必ず誰かが傷ついてしまう。
 そんなのは俺は嫌だ。」

そう言って彼女は何かに気がついたようだ。

何か言いたそうだったが言葉を飲み込みそのまま駆け出した。

会場から出る前でしっかりとお辞儀をして去っていった。
お辞儀をして出て行くときに転んだのが少女らしい。






センターで萌えモン達を治療して
家に帰ってくるとフリーザーが俺に話しかけてきた。

「ダーリンよかったの、本当の事言わなくて?」

「本当のこと?」

「ダーリンが、今日の試合で一切攻撃技を使わなかったこと。」

そう、俺は今日一回たりとも攻撃に属する技を使っていなかった。

「別に構わないさ。それにきっとあの子は気がついているよ。」

そうやって笑う俺を不服そうにフリーザーは

「どうしても危ないバトルだったらちゃんと私達を使ってよ。
 じゃないとダーリンが本当に危ない目にあうかもしれないんだから…。」

そう言うとフリーザーはボールの中に入っていった。

「戦うか…。
 どうしても戦わなきゃならないときがきっと…。」

その呟きは誰にも聞かれることがなく、ただ夜の月だけが彼を照らしていた。
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