4スレ>>305


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 唐突だが今俺はある種の危機に瀕している。
 俺の目の前には見るからにみすぼらしい萌えもんと呼ばれる生物が一体……いや、一人。
 そのみすぼらしい萌えもんは物陰に隠れながら、恐ろしいものをみるような眼で俺を見つめている。
 俺の両サイドには少々大きめのリュックサックと萌えもん達を収納し、持ち運ぶ為のアイテム、
モンスターボールと呼ばれる球状のカプセルが六つほど転がっている。
 それらを一瞥した後再び物陰に隠れている萌えもんへと視線を移す。
 隠れていた萌えもんは俺が視線を外していた間少し物陰から出ていたのだろう、
俺が視線を自分に向けたかと思うと同時に素早く物陰に隠れ、またおどおどとした視線で俺を見つめ返してきた。
 その萌えもんの様子に軽く頭痛を覚えながら俺は今おかれた状況と、
相棒として頑張ってもらわねばならない萌えもんのあまりにも頼りない様子に、心の底から深い溜め息を吐いた。






 それは今から三日前の話となる。
 その日、俺は町から少々外れた場所にあるお気に入りの木の下で寝ながら、
いつもと変わらない少々退屈でそして怠惰な時間を過ごしていた。
 そうそう、俺が住んでいる町の名前はマサラタウンと言って、
ここはあの有名な萌えもんリーグチャンピオンであるサトシという名の少年が住んでいた町である。
 住んでいた、と言う表現なのは、彼は今から約一年前に萌えもんの旅に出ていて、今もたまに帰ってくる程度だからだ。
 ちなみにオーキド博士とは、萌えもん研究の第一人者で萌えもん図鑑を作ったその人である。
 さらに、博士の孫であるシゲルは初代萌えもんリーグチャンピオンだった、
という事で萌えもんトレーナーと研究者の間では超がつくほどの有名人である。
 あぁ、シゲルが初代チャンピオン『だった』、と言うのには訳がある。
これは本当かどうか知らないが、彼は僅かの間だけその座に君臨していたが、
ライバルであるサトシにすぐさまその座を奪われた、と噂されているのだ。
 もちろんこの事について本人は何も語らず、確認も使用とは思わないので真実は今も闇の中だ。
 さて、ここマサラタウンは萌えもんチャンピオンが出た町として有名という事は既に話した通りである。
 この町が有名になる事は良いことだとは俺も思う。良い事だとは思うのだが……ただどうしても俺は素直に喜ぶ事は出来なかった。
 この町が萌えもんの事で有名になればなるほど俺は嫌な記憶を思い出ださずにはいられなかった……あの忌まわしい記憶を……

「チッ、また嫌な事を思い出しちまったな。ここなら何も考えずにいられると思ったんだが……」
「やーっぱりここに居た!」

 小さく一人愚痴ると同時に聞こえてきた女の子の声に、俺は寝ていた体を起こすと同時に声の主を軽く睨む。
 声の主、白い帽子を被ったロングヘアーでミニスカートの女の子は俺の視線を物ともせずに近づいてくると、
鋭く俺の脳天に手刀を振り下ろす。

「……何をする。」
「何をするも何も、いつも私の事を不機嫌そうに睨むなって言っているのに少しもやめないアクトが悪いのよ。」
「左様か。」
「左様よ。」

 そう言って仁王立ちになりながら不敵な笑みを浮かべる女の子。いきなり人の脳天に手刀をくれやがったこいつの名前はスミカ。
 澄んだ華、と書いて澄華なのだが……まぁ、本家に習ってカタカナ表記で良いだろう。
 スミカとは、彼女が住んでいる家と俺の家が近所という事で小さい頃からの付き合いだ。
 簡潔に言えば、使い古された設定である幼馴染と言う関係だ。
 ちなみに、彼女もサトシ、シゲルと同じくポケモントレーナーの間では少々有名のようだ。
 流石にチャンピオンにはなれなかったが、その実力は二人に迫るものがあると言われているほどで、
トレーナーの間ではカメックス使いのスミカと呼ばれている……らしい。
 後これはどうでも良いことだが、俺とスミカの位置関係からスミカのスカートの中が見えそうなものだがここは健全、
不可思議な力で絶対防御されている事を追記しておく。
 なので、どんな下着とか聞かれても答えようが無いから各自で勝手に想像、もとい妄想しておけ。

「で、何用だ。人の脳天に手刀を繰れたんだ、それなりの用があるんだろうな?」
「ん? 用なんて無いわよ。あえて言うなら間抜け面をしてるであろうアクトをからかいに来ただけ。」
「オーケー、歯ぁ食いしばれ、倍返ししてやるから。」
「ごめんなさい、嘘よ。だからその力いっぱい握り締めた拳を下ろして。」

 俺の雰囲気と、拳に込められた力を見て敏感に危険を感じ取ったのか、両手を上げて素直に謝るスミカ。
 少々納得いかないが、相手が素直に非礼を詫びたのにそれを許さないのは格好悪い、
という事で行き場を無くした拳から力を抜き、下ろす。
 俺から攻撃の意思が無くなったと判断したのか、スミカはほっとした表情になると本当の用件を俺に伝える。

「アクトのおば様が呼んでいた、って事を伝えにきたの。」
「母さんが? ったく、何の用だよ。」
「アクト、また何か変な事しでかしたんじゃないの?」
「またとはなんだ、またとは。と言うか変な事ってどんな事だよ、この馬鹿者。」
「ちょっとぉ! 少し軽口叩いただけでなんで馬鹿呼ばわりされなきゃならないのよ!」
「気にするな、俺は気にしない。」
「アクトが気にしなくても私が気にするのよ!」

 後ろで何やらギャーギャー騒ぐスミカを無視して実家の方へ足を向ける。
 そうして一歩を踏み出すと同時に、後ろから先ほどまでの元気な声とは違う暗く、寂しげなスミカの声が聞こえてきた。

「ねぇ、アクトはもうトレーナーに戻らないの?」
「……その話はもう終わらせたはずだろ。」
「でも! でも、昔はあんなに……」
「昔の俺はもういない……あの時、あの場所でもう俺の旅は終わったんだ。」

 それだけ告げると俺は家に向けて歩き出す。
 スミカはそれでもまだ何か言いたいようだったが、俺がもう脚を止めないとわかると寂しそうに俺の背中を見つめていた。
 俺はそんなスミカの雰囲気を背中に受けながら歩き続けた。少し痛む心を引きずりながら……



○登場人物紹介
【アクト】
本編主人公。過去に何かあったのか現在は無気力な生活を送っている。
本編を見る限りでは冷たく、とっつきにくい性格のように見えるが、心根は優しい人物……かもしれない。
昔は萌えもんトレーナーとして頑張っていたようだが……?

【見るからにみすぼらしい萌えもん】
アクトと旅に出る最初の萌えもん。今はまだどんな萌えもんかは不明。
どうやら臆病な萌えもんのようだ。
みるからにみすぼらしい萌えもんといえば……?

【スミカ】
本編主人公の幼馴染で、アクトのライバル……の予定。
ノリが良く、素直な性格で、カメックスを従える有名な凄腕トレーナーのようだ。
アクトと恋人同士の関係になるかどうかは……話の流れとSSスレ住人の反応次第である(笑)

【サトシ】
名前だけ登場。本編では彼が旅に出てから一年以上が経過している設定である。
脳内設定ではアクトの弟分にしようと思っているのだが……実行できるかどうか(マテ
最初に選んだ萌えもんはぴかちゅう。

【シゲル】
名前だけ登場。本編では彼が旅に出てから一年以上が経過している設定である。
扱いは本家と同じサトシのライバル的存在。
最初に選んだ萌えもんはふしぎだね。

【オーキド博士】
本家の時間軸から一年以上経っても元気に萌えもん研究をしているどえらい博士。
スミカ、サトシ、シゲルの最初の相棒を渡したのは彼である。
本編の設定としてアクトとも顔見知りの関係である。



***チラシの裏***
どうも初めまして! 皆様のSSを読んでいたら無性に書きたくなって衝動的に書いてしまいました。
そして出来上がりを見てみると……なんだこれ? 萌えもんが少しも出てこないじゃん(滝汗
次回がもしあれば主人公であるアクトの永遠の相棒となる萌えもんが登場、発覚します(多分

ちなみに、世界観は鹿Ver.です。
ので、萌えもんの分布やらジムリーダーの設定も基本的に鹿Ver.に準じます。
ただ、話の流れや個人的趣味のせいで色々ありえないことが起きます事を今の内に追記。
と言っても、そこまでいけるかどうか……(汗
あ、後鹿Ver.ではジムリーダーと再戦ができるので、それを利用しながら実際にゲームをしつつ書いていきます。
……ぶっちゃけ言わなくても良いことですが一応、という事で(爆
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