※どうも、零です。
企画、もえもん学園を舞台にした、零作、第一弾です。
この物語は、ストーム7氏、[End]氏の作品の、ハクリューアングルの物語です。
お暇があればぜひどうぞ。
「ん…ふわぁ~…」
朝の日差しを感じて目を覚ます。
――ハクリュー、私立もえもん学園の三年生。
そして横で眠っているのは幼馴染みのサンダース。
私の部屋で遊んでて、そのまま泊まってくなんてことはよくあること。
まぁ家も隣だし、屋根伝いにお互いの部屋を行き来できるしね。
「んにゃ…サンダースぅ~…起きて~…」
「んん~?…あと5分~…」
「また?・・・も~…」
これもいつものこと。
まぁまだ早いし、もうちょっと寝かせてもいいかな。
階下に降りると、お姉ちゃんが朝食をとっていた。
私の姉であるカイリューは、もえもん学園の教師。
新任であり真面目な性格なので、朝早くに学校に行き準備をしている。
「あ、おはよぅ~お姉ちゃん」
「おはよう!ご飯できてるよー」
「うん、ありがとう~」
ご飯はあとで食べよう、サンダースはまだ寝てるし。
と思ってると、居間のドアが開き、ミニが入ってくる。
私達がミニと呼んでいるミニリュウは、もえもん学園の一年生、ちょっぴり内気な子。
姉としてはちょっと心配。
「おはよぅ・・・お姉様・・・ハク姉ちゃん」
「「おはよう」」
これもいつもの、代わり映えのない風景、しかし居心地のいい風景。
「それじゃあね」
「「いってらっしゃーい」」
お姉ちゃんを見送って、シャワーも浴びて、髪も整えて、制服も着て、あとはサンダースを呼びにいく――。
いつもの日常――。
**********
「――きて!」
「んにゃ?」
「――起きて!サンダース!ほら!」
目を覚ますと目の前には制服姿のハク。
もうそんな時間なのか、まだ眠いなー。
――サンダース、私立もえもん学園の二年生。
「あと5分~――」
「ダメ、早くしないと遅れちゃうよ」
「うぇ~・・・」
相変わらずハクは厳しいなー。
何回も起こすけど起きてくれない、とか言うけどうそだよ絶対!
とりあえずご飯を食べて着替える、準備なんてものの10分で終わる。
「寝癖ついてるよ?」
「ふえ?いいよ、これくらい、さぁ行こうー!」
ウチ、ハク、ミニ、三人で学校へと向かう。
**********
――――――放課後――。
**********
数学のこの問題ちょっとわからないな、今日お姉ちゃんに聞こう。
そう考えてると、横から声がかかる。
「ねぇハクリュー」
「あ、はい、シャワーズさん」
シャワーズさんだった。
生徒会メンバーの一人で、成績優秀な美少女。
私もよく勉強を教わっている。
「この問題わかる?」
「あ、私もわかんなくて・・・今日お姉ちゃんに聞こうと思って・・・」
「そっか~」
「明日の朝に教えますよ」
「あ、うん、ありがとう」
「いえ、いつも英語も国語も教わってますし・・・」
「ありがとうついでにもう一ついいかな?」
「はい?」
「今日生徒会があるんだけどさ、会長と私しかいなくて・・・少し手伝ってもらえないかな?」
「はい、いいですよ」
「ありがとう、ごめんね」
「いえ、大丈夫ですよ」
今日は剣道部はお休み、バレー部もお休みだろうから、ミニはお姉ちゃんと帰るだろうし、大丈夫だろう。
サッカー部はたしかあったかな。
生徒会室へ向かうと、生徒会会長であるところのサンダーさんがいた。
会長さんはもうすでに仕事を始めていた。
いつも思うけど、とても立派な方。
シャワーズさんも立派だし、やっぱり生徒会ってすごいな。
「お疲れ様です、会長」
「ああ、シャワーズ・・・とハクリュー?」
「お疲れ様です、会長さん」
「手伝ってくれるのか?」
「はい」
「いつもいつもありがとうな」
「いえ」
生徒会とは、シャワーズさんを通じて知り合い、今では頼り頼られる関係になっている。
**********
仕事もほぼ片付いて、もう一息という頃。
ざわ・・・ざわ・・・。
「なんか外がうるさいな、誰だよ騒いでんのは・・・ったく。」
なにやら外が騒がしくなってきた。
会長さんが、注意せんと扉へ近づき、思いっきりあける。
「うるせえぞあんたら!ここをどこだと思ってんだよ!」
「サ・・・サンダー・・・。」
そこには、会長さんと仲のいいランターンさんとシャワーズさんと仲のいいエアームドさん。
ランターンさんは壁に張り付いて微妙に泣きそうになっている。
それを見た会長さんはすごくご立腹。
「これちょっとまずいんじゃ・・・」
「かもね・・・」
でも、私達では会長さんを止められそうにない。
「・・・おい、エアームド。」
「なんでしょうか生徒会長」
「てめえ!ランターンに何したんだ、コラァー!」
「ちょっとまってそれは誤か、ギャーーーーーーーッ!?」
「だ、駄目だよサンダー!うわぁああああッ!」
予想的中。
ランターンさんがいじめられていると思った会長さんの怒りの放電、もはや雷クラスの放電だった。
とっさに飛び出たランターンさんが電撃を受け止めたが、エアームドさんにも被弾してしまった。
飛行タイプにはひとたまりもない一撃。
扉の裏では放電を浴びまいと隠れているシャワーズさんがいた。
私は、電撃が届かない程度の距離にいるからよかったけど。
「サンダー!違うんだって!エアームドはただ僕と話してただけで・・・その・・・ゴニョゴニョ。」
「え?なんだって!?そうは見えなかったんだけどな・・・とりあえずこいつどうしよう。」
「と、とにかく白目むいてるしソファーに横にしとかないと駄目だよ。」
「あ、ああ。お願い。」
とっさにかばったランターンさんがいなかったら、エアームドさんがモロに電撃を浴びて、危ないところだった。
**********
数分後、エアームドさんが起きた。
「…ホント、ランターンが庇ってくれなかったら死んでた…ありがと、ランターン」
「ううん、僕はサンダーの電撃、浴び慣れてるから。でも今日のはかなり強力だったなぁ・・・。」
「勢いとはいえ、あたしもちょっとだけ本気出しちまったしな、悪かったよエアームド。」
「気にしないで。疑われるような事をした僕も僕だ」
ランターンさんは会長さんを、エアームドさんはシャワーズさんを迎えにきたようだ。
そろそろサッカー部も終わる頃、私もサンダースを迎えに行こう。
「会長、こっちの仕事終わりましたよ」
「お疲れハクリュー。悪いな、結局最後まで手伝わせて。
今日はあたしとシャワーズしかいなくてさ、助かったよ」
「剣道部も今日はお休みでしたから・・・それじゃあ、私はこれで失礼しますね。」
「ああ、お疲れ。またよろしくな。」
「お疲れ様です、ハクリュー。さて、あたしらも帰ろうか。」
「うん。」
最後にシャワーズさんとエアームドさんの会話を耳に残しつつ、生徒会室を後にする。
**********
今日の部活が終わった。
今日は結構疲れたなー。
「サンダースー!!」
どこからともなく声がする。
この声は・・・。
「あ、ハクー!!」
やっぱりハクだった。
今日は剣道部ないんじゃなかったっけなー。
「部活お疲れ、帰ろっか」
「うん、今日は休みじゃなかったのー?」
「生徒会を手伝ってたんだ」
「へぇー、そんなんだー」
また生徒会を手伝ってたのか、いつもいつも大変じゃないのかなー。
まぁハクがいいならいいんだけどね。
「あれ?ミニは?」
「う~ん・・・お姉ちゃんと帰ってるはずだけど・・・」
「ふーん、じゃぁ久しぶりに二人で下校だねー!」
「そうだね」
「じゃぁ帰ろう!」
「うん」
**********
二人で他愛もないことを喋って、笑って。
家に帰ってまた会って、遊んで。
そんな『いつも』が、代わり映えのない『いつも』だけど。
すごく、楽しい。
これが、幸せ――なのかな――。
~~あとがき~~
最初は何気ない日常を書くつもりだったんですけど、なんだか最後妙な展開に;;
もう少し量と展開が欲しかったかな・・・?
まぁなんにせよ、今回はハクリューとサンダースにスポットをあてて、ハクリュー視点とサンダース視点、途中三箇所に説明がはいってる、そんな構成になってます。
この物語は、ストーム7氏、[End]氏の作品を舞台にしたものです。
お二方と、この企画に携わった全ての方々に、深く感謝いたします。
最後に、こんなものに付き合っていただき、本当にありがとうございました。m(__)m
第二弾、できあがったらまた見てもらえると嬉しい限りです。では。
最終更新:2008年01月30日 20:08