「サイコソーダ♪ サイコソーダ♪」
街についたら、サイコソーダを買ってもらえると約束してもらったゼニガメは、機嫌よくトレーナーの先を歩いている。
満面の笑顔でスキップまでしているところから、かなり上機嫌だとわかる。
トレーナーは、そんなゼニガメを苦笑しながら見ている。
「ほんとにサイコソーダが好きだな」
「大好き! つぶつぶがどんどん出てくるのを見るのも楽しいし、しゅわわ~っていう感触も面白いし、美味しいもん」
「そこまで好かれたら、サイコソーダも満足だろうなぁ」
即答したゼニガメに抱いたトレーナーの正直な感想だ。
そんな二人の少し先に人が立っている。どうやら現地のトレーナーらしい。
そのトレーナーは、二人をみつけると近づいてくる。
「ゼニガメ、どうやら萌えもんバトルすることになりそうだ。ひとまずサイコソーダのことはおいてけ」
「わかった」
バトルの最中まで浮かれ続けてはいけないと、ゼニガメは頷く。
バトルが終って、勝ったのかトレーナーは相手から賞金をもらっている。
バトルに勝って二人とも嬉しそうにしているかというと、そうでもない。
トレーナーは呆れ顔で、ゼニガメは顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。
「そこまでサイコソーダ好きだったんだ。
早く街について飲めるといいな」
「あうぅ」
トレーナーの言葉にゼニガメは答えることなく、恥ずかしそうに俯くだけだ。
ゼニガメが恥ずかしそうにしている原因は、バトルの最中に使った技にある。
使ったのはあわ。
効果とダメージは同じだったが、見た目がいつもと違ったのだ。
あわを使った瞬間出たのは、小さくたくさんのあわ。
相手は見たことのない新技かと思っていたが、サイコソーダの話をしていた二人にはわかった。
炭酸飲料の気泡だ。
それを理解した瞬間から、トレーナーは呆れた表情になり、ゼニガメは恥ずかしそうにしていたのだった。
最終更新:2008年02月03日 23:10