5スレ>>122


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フシギバナの事はよく分からないが冗談が出るという事はまだ余裕なのだろう。
俺たちはまず一戦、勝利した。
「余裕すぎてつまらないわぁ~」
あまりにあっけなく終わってしまったからかフシギバナは不満を漏らす。
「そう言うなって。しかし・・・」
妙に気になってくる。相手萌えもんの消えた訳。
あれはなんなのだろうか・・・フシギバナも負けたら・・・
「どしたの~?」
「いや、何でも・・・」
不安を与えないために、言わないのがいい。
そう思い口をつぐんだ。

2回戦が始まる前。
トレーナー達の前にミュウツーが現れた。
負けたトレーナーは一斉に理由を求める。
「なぜ、消えたのだ」「萌えもんはどうなった」と。
ミュウツーはただ一言。
「傷ついた萌えもんの体力を回復させている」とだけ言い放つ。
あまりの威圧感。圧力。重圧。
トレーナー達はただ黙る事しか選択肢を与えられなかった。

「なんか隠してるね。あの萌えもん」
ケイさんが疑いの表情を見せながら話しかけてくる。
「でしょうね。誘拐ですよ、これは。」
明らかな事実を言葉にする。
その時、あの威圧的な視線を強く感じた。
ミュウツーを見ると、笑っていた。
よく分かったなとばかりに。
ぞっと寒気がした。

そして2回戦は始まった。
ただ一つ1回戦と違った事。
負けたら萌えもんを失う。その事実が明確となった事による必死さ。
それだけが加わった萌えもんバトルが始まる・・・。



俺はフシギバナを失う事なく決勝戦まで勝ちあがった。
誰もが抱く疑問。「勝ってどうなるのだろうか・・・」。
だが気にしている場合ではない。
勝たなければ失う。己のパートナーを。
そして来る。
避けられない時間が。

「レッド君・・・やらなくてはいけないのか・・・」
「なんとしても避けたいんですがね・・・」
こんな時どんな顔をすればいいんだ・・・。
相手を蹴落としてでも勝ちたい。
それを素直に伝えるのはどうにも出来ない。
負ける事は出来ず、相手を思い負けたいと願えば明らかな嘘になる。
言葉を交わす事自体愚かな行為かもしれない。
「バナちゃん・・・」
リザードンは今にも泣きそうな目でフシギバナにその意思を問う。
「リザ・・・ごめんね・・・やらなくちゃいけない・・・」
フシギバナも、意思を答える目は潤んでいた。
トレーナーも萌えもんも、誰も望まない決勝戦が今、始まった。

「フシギバナ。お前に任せる」
初めての指示。任せる。
「・・・れっど・・・」
どうすればいいの?攻撃していいの?
そう訴えるような目で俺を見る。
「リザードン、好きなように戦っていいぞ」
ケイも同じような指示を出す。
「ますたぁ・・・」
リザードンも目に涙を浮かべて普段通りの、期待していた指示を求めていた。
レッドとケイが思った、友達だから戦いにくい。
ただのバトルならまだしも負けたら萌えもんを失うのだ・・・。
それは萌えもんにも言える事だった。
つい数時間前一緒に風呂に入った仲なのに。
この勝負で決着がついたら一方は消えてしまうのだ。
「ごめん・・・」
「え・・・?」
フシギバナは一瞬呟き、辺りを黄色く染める。
「バナちゃん・・・」
リザードンはこれを空中に避け、フシギバナの決意を理解する。
限界まで息を吸い、吐く。
その吐息は赤く、何もかもを燃やし尽くすような熱を持つ。
視界のせいか一瞬判断が遅れたフシギバナは植物の葉で防御を試みた。
一つ一つの技。これらを使うのがこれほど辛い。
お互い泣きながらの勝負。
その時。リザードンの足を鞭が巻きつく。
「あっ」
地上に引っ張られ、その先にはフシギバナ。
「リザ・・・あたしが助けるから・・・待っててね。」
フシギバナは辺りに自身の花びらを舞わせ・・・
リザードンの腹部に一撃を食らわせた。
黄色い煙幕が晴れた時、勝負は終わっていた。
リザードンの姿は無く、フシギバナはただただ泣いていた。

「ケイさん・・・」
かける言葉がなかなか見つからない。
「・・・」
黙るケイに一言、やるべき事を告げる。
「俺、フシギバナと一緒にリザードンを・・・他の萌えもん、助けますから!」
ケイは静かに背を向け、ありがとうと小さく残し去っていった。

「おめでとう。」
ミュウツーはにっこりと祝福した。
冷たい笑顔。腹の底から怒りが沸いてくる。
「礼なんていらない。萌えもん達を返してくれ。」
笑顔は崩れず、俺だけに聞こえるくらいの声で言った。
「いいですよ。もう役に立ちませんから。」
スタジアム右の扉が開き、いなくなっていた萌えもん達が走ってきた。
リザードンもその中にいた。
ケイは抱きしめ、フシギバナはわんわん泣いていた。
他のトレーナー達もパートナーの帰還を喜んでいた。
そこに大きな音が響いた。
スタジアム左の扉が開き・・・萌えもん達が走ってきた。
体に妙な模様が出来、殺気をまといながら。
「みんな、聞いてくれ。あれは私が作り出した諸君のパートナーのコピーだ。存分に楽しんでくれ。」
「やめなさい。」
薄く小さく、しかししっかり聞こえてくる声があった。
姿を現した萌えもんが一人。
色は薄ピンクに長い尻尾。
ミュウ。
「現れたか。私のオリジナル・・・!」
「萌えもんのコピーなんて許しません。」
「黙れ!私だって作られた!人間に!望んでなかった!」
「だからと言って・・・コピーを作ってどうするつもりなのです!」
「人間たちに・・・復讐する。」
ミュウとミュウツーは自在に宙を舞っている。
ミュウは暖かな赤、ミュウツーは冷たい青の光に包まれて。
2人の中身を表したかのような光が交わった時、
オリジナル(original)とコピー(copy)の戦いが始まった。







6話・・・ですかね。
伝えたい空気ってのがありましたがうまく伝わったでしょうか?
映画がメインなので伝わりやすいかなぁとは思ったりしてますが。
それではまた。ご愛読ありがとうございます。
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