5スレ>>125


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「ま、す、たぁああぁぁあっ!!」
「!?…どうした、ライチュウ…珍しいな…」

日曜、朝。俺を叩き起こしたライチュウは、興奮した様子で何か叫んでいる。

「外、そとが真っ白!雪だよマスター!」
「…ん?どれ…」

カーテンを開けてみると、一面の銀世界。
うす曇りの空と、地面に深く積もった雪。マサラタウンはもともと冬は雪の多い、白の町だ。
今までも何度か降ってはいたが、まさかここまで積るとはな…。

「ね、ね!すごいでしょ!?」
「そうだな、昨日は相当降ってたからな…どれ」
「きゃあっ!?」

とりあえず窓も開けて、直接外を眺める。

「んー、これは雪かき必要かもな…あれ、ライチュウ?」
「は、早く閉めて…」

ライチュウの姿が見えないが、とりあえず声に従って窓を閉める。…うぅ、寒い…

「…人のベッドで何してんだお前は」
「だって寒いんだもん」
「…俺も寒いんだが」
「じゃあ入ればいいじゃん」

…躊躇った俺が馬鹿みたいじゃねーかチクショウ。
とりあえずライチュウにずれてもらって二人で毛布をかぶる。

「うー、寒…ライチュウ、後で全員で雪かきすることになると思うから覚悟しとけ」
「えぇー、やだよ、寒いもん」
「まぁそう言うな、今日は他にも面白いイベントがあるはずだ」
「??」


     *  *  *


「うぅぅぅ、寒いよぉ…」
「ら、ライチュウ…だいじょうぶ?」
「キュウコン、くっつかせてーっ!」
「あ、ボクもボクもーっ!」

「だーっ、お前らくっ付いてないで手伝えよ!終わらないだろ!?」

自宅前。俺達はみんなで道路の雪かきを進めていた。

「いや、マスター…さっきからずっと言おうと思っていたのだが」
「何だよ、フーディン?」

「雪をどかすだけでいいのだろう?」
「ああ、まぁな…」
「…えい」

轟っ!
…大きな音とともに、家の前の道に深く積もった雪が一掃された。

「…………」
「片付いたよ?これくらいなら造作もない」
「念力って言う手があったな、そう言えば…
 とりあえず、戻るか…みんな、戻るぞー…って」

振り向くと同時、雪玉が飛んできた。避けられない…と思った瞬間、その雪玉は爆砕して消えた。
どうやら隣にいたフーディンが念力で防いでくれたらしい。

「…お前ら何してんだよ」
「「雪合戦ー!」」

…ライチュウ・キュウコンとフシギバナは分かる。…なぜか母のウインディが混ざっている事もまぁいい。
シャワーズ。お前が止めなくてどうするんだ。フーディンも気づいたら雪玉を念で飛ばしてやがる。

「…帰るか」

もう昼前だし、元気なやつらは遊ばせておいたらいい。
家に入って防寒具をとり、キッチンの義母に雪かきが終わったことを告げる。

「お疲れ様です、マスター。飲み物、用意してありますよ」
「ああ、ありがと」

バタフリーから暖かいココアを受け取って、今に向かう。
こちらも仕事を終わらせたらしいフライゴンとプテラが、椅子でテレビを眺めていた。
全員寒さには弱いので、家の中の仕事をこなしてもらってきたのだ。

「マスター、随分早いお帰りやなぁ」
「それに、他の皆はどうした?」
「フーディンが一瞬でやってくれた。でもって今は雪合戦中。なんなら混ざってくるか?」
「「「寒いから嫌(や・だ・です)」」」

…適当なところにすわって、何とはなしにテレビを眺める。

「そういやマスター、今日節分やったっけ?」
「そうだな。今年の鬼役、父さんがいないからどうするか――」
「それなんですけど」

バタフリーが軽く咳払いして、俺に何かを手渡した。

「お母さまがこれをマスターにと。
 今日は夕食の用意が多いので、自分たちでやるように、ともおっしゃってました」
「…なんだこれ?」
「言いにくいのですが…」

袋を開けると、鬼の面が出て来やがった。しかも結構本格的な。


「今年はマスターが鬼をやるように、とのことです」

「……マジ?」
「マジです」




     *  *  *


豆まき。

炒った大豆(炒り豆)を撒き、蒔かれた豆を、自分の年齢(数え年)の数だけ食べる。
また、自分の年の数の1つ多く食べると、体が丈夫になり、風邪をひかないというならわしがあるところもある。
豆を撒くことには、鬼に豆をぶつけることにより、
邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがある。…らしいけど。



「鬼はー、外ーっ!」
「うおぉぉぉぉぉっ!?」
「福はー、内ーっ!」
「いででででで!…って、ちょっと待て!それは屋内に撒くんだろが!何で全部俺狙いなんだよ!?」

…しかし、8人から一斉に豆を投げられる身としては、正直痛いだけだ。
到底よけきれる量じゃねぇだろ、これ!?

「…てーか、フーディン!おまえ明らかに念力を使って豆飛ばしてるだろ!
 なんだよこのホーミングミサイルみたいな動きの豆は!?」
「誰が念力を節分に使ってはいけないと言ったかな?」
「そういう問題じゃねーだろ!」

「よーし、じゃあ次はウチが燃える豆をやな」
「じょ、冗談じゃ…!」

やってられるか畜生!俺は飛びだして、家の外へと逃げ出す。
後ろで、「鬼が逃げた、追えー!」なんて無責任な叫びが聞こえてきたが、無視しよう。





うう、寒い…コートは来てるが、靴は普通のだから雪の冷たさが若干沁みる。
雪まで降ってきたな…そろそろ戻ろうか、とも思ったが、今戻っても確実に豆の的にされる。
鬼の面はもともと首にかけているだけだから、これを外しておこう。

「ふぅ…どうしようかな…どっかで時間を潰そうか…ハラ減ったな…」

当てもなく、雪の夜を彷徨う…そういえば、ここに引き取られたころは、
よく夜中にふらふら抜け出して街を歩き回ってたっけ。

…裏切られたとも知らず、幼心に両親のいる自分の居場所を探しまわって。

…今思えば、本当に馬鹿なことだったと思う。そんな居場所なんて、もうどこにもないのに。

…今の俺には、居場所はあるのだろうか。

「マスター」

後ろから、声をかけられた。振り返ると同時に、傘が頭上に掲げられる。

「豆まき、終わりましたよ」
「…シャワーズ?」
「みんな探してます。全く、幾らなんでもいきなり飛び出して逃げちゃって……って、どうしたんですか?」
「え?」

俺に傘を差し出しているシャワーズが、逆の手を伸ばして何かを拭う。

「…何か、あったんですか?」
「別に何もないけど?」
「でも…マスター、泣いてますよ?」
「…俺、泣いてたのか」

触れてみれば、確かに目は濡れている。

「なんでだろうな。…さびしかった、のかも」
「…それじゃ、早く帰りましょう。みんな待ってますよ」
「そうだな、帰るか…」

傘を受け取ってさして、二人で雪道を歩いて帰る。

「…シャワーズ」
「はい?」
「寒い?」
「いえ、大丈夫で」「嘘つけ」

ばさ、と。脱いだコートをシャワーズにかぶせる。一瞬落ちかけたようだが、すぐに掴んだ。

「上着も着ないで探しに来てくれたのは嬉しいけど、風邪ひくぞ」
「でも、マスターが」
「俺はもともと厚着してるから平気だ。いいから着ろ」
「…はい、ありがとうございます」

雪の道を、二人で傘を掲げて、帰っていく。歩きながら、俺は直感で感じ取っていた。

…きっと、俺の居場所は、ここにあるんだ。これから、ずっと。



   おしまい。



















「恵方巻き?」
「そうだ。今年は南南東だったかな…とりあえず、決められた方角を向いてそれを食べきると
 今年一年健康に過ごせる…らしい。食ってる間はしゃべるなよ」
『はーい』

「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「………う゛」

「わーっ!マスター、キュウコンが喉に詰まらせちゃった!」
「み、水だ水!キュウコン、これ飲め!」
「ん、げほ、げほげほっ…ま、ますたぁぁ…」
「大丈夫か!?」
「どうしよう…わたし…今年…」
「…あー、まぁアレだ、おまじないみたいなものだから、気にすんな。な!」
「…で、でも…」

「仕方ない、母さんにいってもう一つ恵方巻きを貰ってくるか…」


「むしろマスターの恵ゲフゥッ!?」
「はーいそこまでやでー。お子様の前でそれは禁止~」
「ど、ドラゴンクローはさすがに…グハッ」



















あとがき。

一日で書くのはしんどいです、ストームです。

節分という事で書いてみましたが、結局何がしたかったのかわかりませんでしたね。

次回こそもっとちゃんとしたものを書きたいものです。

読んでくださり、ありがとうございました!
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