5スレ>>129


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ある孤島で始まった。
ある萌えもん達の戦い。

世界で一番悲しき争い・・・。

「あんたぁ何なのよ!!!」
「あんたの、コピーよっ!!!」
フシギバナは戦う。自分と。
「私は一人でいいのっ!ますたぁと一緒なのは私だけっ!」
「ますたぁは私のもの・・・本物に勝てば私が本物っ!」
リザードンは戦う。自分と。
ギャラドスは。ライチュウは。ウツボットは。マニューラは。
戦う。自分と。
ミュウは戦う。ミュウツーと。
コピー達は戦う。本物の座を手に入れるために。
オリジナル達は戦う。自分の居場所を守るために。
それぞれが繰り出す一撃は悲しく、辛い。
俺はいつしか涙を流していた。
この悲しい戦いに。
自分で自分を傷つけるようなこの戦いに。
「嫌だ・・・こんなの・・・」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
心から出たかのようなその叫びは空しく響く。
止められない。
コピーもオリジナルも必死で戦う。
それはもう止められない。
そう分かった時、体は勝手に走り出していた。
ミュウ、ミュウツーの所へ。
「もう・・・やめてくれ・・・」
「下がりなさい!邪魔です!」
ミュウは辛辣な言葉を渡す。
やめたい。戦いを。
それはどの萌えもんも同じ・・・
だが、やめる事は出来ない。
レッドも分かっていた。
萌えもん達も分かっていた。
ミュウも分かっていた。
ミュウツーは分かっていた。が、やめない。
コピー達も分かっていた。が、やめられない。
ミュウとミュウツーは最後の一撃を放とうと地に降り立った。
全てが吹き飛んでしまいそうな力を両手に込める。
それらが放たれた時、レッドは間に立っていた。
「早くっ!どきなさい!」
ミュウが叫んだ時はもう遅かった。
「人間っ・・・!」
ミュウツーが叫んだ時はもう近くまで一撃が迫っていた。
「レッド!!!!!!!!!」
フシギバナは走っていた。
レッドの元へ。
自分の主人の元へ。
最愛の人間の元へ。
2発の一撃の位置が一致した時、辺りはものすごい光に覆われた。
全ての萌えもんの動きを止めさせるほどの光がスタジアムにほとばしる。
「・・・いって・・・」
レッドは地に伏していた。
そして状況を思い出し、振り返る。
そこには・・・

フシギバナが倒れていた。

力の衝撃を受け、体は薄白い光につつまれていた。
「フシギバナ!!!」
叫んで、走り寄る。
返答は無かった。
なんの反応も返さずただそこにあり続けた。
フシギバナの目は開いたまま、涙を流していた。
生物として生きてはいた。
だが、フシギバナとして死んでいた。

「お前のせいだ・・・」
「お前のっ!!!!!!せいだっ!!!!!!」

レッドはミュウツーに向けて走った。
ミュウツーは手をかざした。
レッドは後ろへ吹き飛ばされた。
立ち上がり、またミュウツーへ向かって走る。
また、吹き飛ばされた。
また・・・。
「なぜ・・・」
ミュウツーは小さく呟く。
「なぜたった一匹の萌えもんのためにそこまで怒れる?」
率直な質問。
心に浮かび上がった謎。
「こいつが好きだから・・・好きだからに決まってるだろ!!!」
叫び、走る。
今度は吹き飛ばされず、そしてミュウツーに掴みかかった。
「なんで・・・こんな事するんだ・・・」
大粒の涙を流しながら訴える。
「フシギバナを・・・返してくれよ・・・」
ミュウツーは黙って聞いていた。
そして感じていた。
萌えもんに対する愛を。
ひとつ知った。
人間と萌えもんの間にも愛は生まれると。
コピーとオリジナルの戦いが止まった。
コピー達はミュウツーの元へ。
オリジナル達はミュウの元へ。
それぞれついた。
ミュウは語りかけた。
「貴方が人間を憎むのは分かります。人間たちは自然を破壊し、私達萌えもんの住処を奪う。人間たちは私達萌えもんを捕まえ、争いの道具にする。
私達萌えもんを物の様に扱い、時に人間たちの理由によって殺される。それでも中にはこんな人間もいる・・・」
ミュウツーは黙って聞いていた。そしてレッドに語りかける。
「もっと早く・・・お前の様な人間に会えればよかった。」
それは優しく、慈愛に満ちた声だった。
そしてゆっくりとフシギバナの元へ歩いていく。
「ミュウ・・・私のオリジナルであるお前が私は憎い。だが」
「・・・」
ミュウは黙って聞く。
「憎んでもそれは仕様が無い事だ。私は私、ミュウツーとして生きていく。」
ミュウは微笑んで答えた。
「どっちがオリジナルという事ではなく、どっちもオリジナルなのです。」
「そうだな。」
ミュウツーも少しだけ、微笑んでいた。
「この子を助ける。手伝ってくれ。」
「もちろんです。」
ミュウとミュウツーは手をかざし、目を瞑る。
それが終わった時、フシギバナは目を開けた。
ミュウツーは誰にも聞こえないような、フシギバナにだけ聞こえるような声でいった。
「お前はいい主人を持っているのだな。」
フシギバナも小さく答える。
「当たり前じゃない。」
ミュウツーはふっと口角を上げるとゆっくりと離れていった。
「れっ・・・」
フシギバナが叫ぼうとした時、すでに主人は目の前にいた。
レッドは力強く抱きしめる。
「よかった・・・よかった・・・」
幼い子供のような声を上げてレッドは泣いていた。
「もう・・・大丈夫だって!なんたって私よ?」
フシギバナは強がって笑う。
「そう・・・だな・・・」
「・・・・・・大好きだよ。」
「・・・俺もだ・・・」
2人の姿は確かに愛だった。



「それでは。私はもう行く。」
「ええ。お互い頑張って生きていきましょう。」
ミュウとミュウツーはそう言い交わすと宙に浮いた。
「申し訳ありませんでしたね。ご迷惑おかけして。」
「大丈夫だ。フシギバナももう何もないようだし。」
「お詫びとお礼を兼ねて、これを。」
ミュウから手渡されたもの。丸い宝石のついたネックレスだった。
「それと重ね重ね申し訳ないのですが・・・記憶を消させていただきますね。」
「それがいいかもな。なんたって・・・こんな事があったんだ。」
「ご理解頂き有難うございます。では。私も失礼しますね。」
「元気でな。捕まらないように。」
「ええ。貴方になら捕まってもいいかもしれませんが。」
ミュウは笑いながら軽い冗談を口にする。
「えっ!!!嫌っ!!!」
冗談と知ってか知らずかフシギバナは率直に拒否した。
「勘違いすんなよ・・・まったく。」
「むぅ~・・・」
レッドとミュウに笑われて照れるフシギバナ。
「それではまたいつか。お目にかかる事があればよろしくお願いしますね。」
「ああ。じゃあな。」
「ばいばーい!」

ミュウが飛び立った後、スタジアムに光が溢れる。
「いろいろあったなぁ・・・」
「だねぇ・・・」
「ありがとうな。」
「なんでよ・・・」



「お~い、フシギバナ~」
「・・・・・・・・・にゃはっ!」
「寝惚けんな。そろそろ行くぞ~」
ここは萌えもんセンターの仮眠室。
相変わらずフシギバナはアホ全開。
「れっどぉ~・・・どこ行くのぉ~・・・?」
「・・・さぁ?どこだろう・・・」
「じゃぁ寝る~・・・」
「ダメだって!ほら!行くぞ!どっか適当に!」
「むぅ~・・・」
レッドとフシギバナは歩き出す。
新たな町へ。新たな冒険へ。
その首には不思議な不思議なネックレス。

「フシギバナ~」
「ん~?」
2歩ほど後ろを歩くフシギバナに声をかけるレッド。
それに返事を返すフシギバナ。
「ほら。」
そう言って手を出す。
フシギバナの顔がぱぁっと明るくなった。

手をつないで行こう。どこまでも。いつまでも。

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「ねぇレッド~」
「あぁ?」
「目ぇ瞑って!」
「何でだよ・・・」
「何でもするっていったじゃん!」
「そう言えば・・・しょうがない。瞑るだけでいいのか?」
「うんっ!」
「あいよ。」
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7話!これで一段落ですねぇ。
映画っぽく、なおかつオリジナリティを出したつもりなんですが・・・いかがだったでしょうか。
楽しめたのであれば嬉しい限りです。
また適当に気が向いたら書きますので・・・次回作もどうぞよろしくお願い致します。
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