5スレ>>154


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-ドクターの日記-



 コレは、とある人間も萌えもんも診る診療所で起きた…。

 ある騒動の、発端である。


「……あら?」


 ナース帽をかぶったウインディが、主であるドクターの書籍を掃除中。

 ある本が、1冊書棚から転落した。

 どこから落ちたのだろう、と疑問に思いつつソレを手に取るウインディ。

 そこには、こう記されていた。

 『日記』と…主の筆跡で。


「……………」


 ソレを思わず開こうとし…。


(い、いけない。こんなことしちゃ)


 ぶんぶん、と自らの出来心を戒めるように首を振り日記を…恐らくここであろう、と思う場所へ収める。

 そして、掃除の続きを始めるのだが…。

 思うように集中できていないのか、ふかふかの尻尾がそわそわとしている。


「ちょっとくらいなら、いいんじゃないのかい?」

「っ?!」


 突然の声に、総毛立ちで驚くウインディ。

 声がした方を見てみると、そこにはヤミカラスがいた。

 窓の外にある木の枝に腰掛けた格好で。


「よ、っと」


 軽く翼をはためかせ、窓から書斎へ侵入するヤミカラス。

 そして、無造作に主の日記へ手をかけ…。

 ウインディにはたきおとされた。


「…痛いじゃないか」


 涙目で頭を押さえながら抗議の声を上げるヤミカラス。


「そんなことしたら、だめでしょ」

「そう言うウインディも、葛藤してたじゃないか…」


 腰に手をあて、めっ。と言うものの…ヤミカラスの言葉にぎく、とするウインディ。

 その隙を見逃さず、ヤミカラスは言葉を放つ。


「ソレに、もしかすると主人は…私達にも言えない悩みを記しているかもしれない」

「ぅ、ぅー…」


 更に悩むウインディ、彼女には思い当たる節もあった。

 最近、ドクターが不意に溜息を一人で漏らしている所をしばしば目撃しているのだ。

 心配して聞いてみてもはぐらかされ、心配ないよと言われてしまう為それ以上聞けてはいないのだが。


「確かに日記を盗み見るのはプライベートの侵害だ、褒められた好意ではない……しかし」


 俯き言葉を一拍置くヤミカラス、自然とウインディも会話に引き込まれていく。

 策士である、この娘。


「私達にも、言ってくれないマスターの心を知る事で。力になれる事もあるんじゃないかな?」


 どう? とウインディに問いかける。

 ウインディは、困ったように唸り。悩み、尻尾をソワソワさせながら…。

 小さく、頷いた。

 そうと決まれば話は早く、日記を取り出し……。

 恐る恐る、逸る気持ちを抑えながら二人して主の日記を開く。


「「?!」」


 その日記には、彼女達にも決して相談しなかった主の悩みが。記されていた。




○月10日
 朝、目が覚めると枕に毛が8本ついていた。櫛で髪を整えてると、5本抜けた。




 凄く、凄く空気が重かった。


「「……………」」


 二人して、顔を見合わせる。

 口に出さずとも、お互いの顔には同じ事が書いてあった。


『そりゃそうだ、こんな事相談できない』


 いそいそと、無言のまま日記を元あった場所へ戻す。

 ソレとほぼ同時に…。


「ウインディ姉ー、ヤミちゃんいるー?」


 部屋の外から、二人を探すカイリューの声が聞こえる。

 一瞬心臓が飛び出そうになる二人であったが、ソレを押し殺し…。


「どうしたの?」


 書斎から出、カイリューに声をかけるウインディ。

 ヤミカラスもその後ろからひょっこりと顔を出す。


「あ、いたー。 えっとね、マスターが二人探してたよー、今ロビーにいると思う」

「うん、わかった」

「ん、了解」


 カイリューも二人を探しに来ただけだったのか、3人で主の下へと向かった。




 その夜、ウインディとヤミカラスは普段以上に。

 主に優しかった。


「ドクター、これ好きだったよね?」


 そう、ニコニコ笑いながらドクターへ好物であるから揚げをよそう。


「ドクター、こってるねぇ…お疲れさまだよ」


 ドクターの肩を揉むヤミカラス。

 普段と違う二人の様子に、ドクターは思わず不思議に思い…。


「え、えっと…何かあったのかな?」

「「何もないよ」」


 にこやかな、二人の異口同音に首をかしげつつも…深くは聞かないでおこう。と思う。


「マスターマスター!」


 そんな中、カイリューが何かが入った袋包みを嬉しそうにドクターへと手渡す。


「…コレは…?」

「開けてみて!」


 ニコニコとしながら、ドクターに勧めるカイリュー。

 何だろう、と少し楽しみにしながら包みを開けるドクター。

 ソレは…。


「毛糸の帽子、かい?」


 肩を揉んでいたヤミカラスが、ひょこ。と覗き込む。


「そういえば…カイリュー、四苦八苦してたわね」


 むー、と唸りながら毛糸の帽子を編んでいたカイリューを思い出し。くすりと笑むウインディ。


「酷いよウインディ姉ー」


 ぷくぅ、と頬を膨らませ抗議するカイリュー。


「嬉しいな…でも、なんで急に?」


 帽子に込められた想いを感じ、顔がほころぶドクター。

 そして、カイリューは爆弾を投下した。




「うん! マスター…最近頭寒そうだったから!」






どっとはらい






あとがき

 ごめん、電波が…降りてきたんだ。





 
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