1スレ>>499


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「いけっ、エレブー!」
そう叫び、俺は相棒の入った萌えもんボールを投げる。
ボールが接地すると同時、紅の光が放たれ、そしてエレブーが現れる――はずだった。
「……あ、あれ?」
だがしかし、手元に戻ったボールをキャッチしても、そこにエレブーの姿はない。
まさか空のボールを、とも思って慌てて手の中のボールを見つめるが、それは間違いなくエレブーの入っていたボール。
「えーっと……何? ハプニング?」
相手のお嬢様(確かに身なりはいいが、まさか自分で『お嬢様』と名乗るとは驚きだ)も、なにやら心配げな表情でこちらを見ている。
敵にまで心配されるとは、ある意味最悪ではなかろうか。
「いや、なんというか……おかしいな、どこ行ったんだ?」
出て来るまいとは思いつつ、カバンを逆さにして振ってみる。
が、もちろんそんなとこに入っているわけもない。
やばい、本当にどこに行った――少々本気で焦り始めた、そのとき。

「――天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ! 悪を倒せと俺を呼ぶッ!」

唐突に、俺たちのはるか頭上のほうから威風堂々たる叫びが響いてきた。
「うおっ!?」
「ちょ、何っ?!」
突然降り注いだ声の方向を思わず振り仰ぐと、そこには。
「……え、エレブー?」
とても誇らしげな表情で切り立った崖の上に立つ、エレブーの姿があった。
状況把握が追いつかずポカンとアホ面を晒している俺の顔を見てにやりと笑い、なにやらポーズを決めなおし、明後日の方向を向いてエレブーは再び叫ぶ。

「聞け、悪人共……俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」

そしてエレブーが叫び終わると同時、崖の岩肌が軽く吹き飛ぶほどの爆発が、エレブーの背後で起きたのであった。
「……えーっと、あれ、君の趣味?」
うっ――とりと、自己陶酔に浸るエレブーを指差し、胡散臭そうな目で問うお嬢様。
「仮面ライダーなんか見せるんじゃなかった……」
先日、久々に里帰りしたときの己の愚行を大いに悔やむ。
こんなことになるのなら、懐かしいからなんて理由でDVDを借りてきたりしなかったのに。
頭を抱える俺の姿を見、少々同情したのだろうか、お嬢様は軽くため息をひとつつくと、まぁいいわ、と肩をすくめ、俺の背中を軽く叩いた。
「まぁ、とりあえず君の萌えもんが見つかったんだからよかったじゃない。 早くバトルをはじめましょ」
「あ、ああ……」
そう促され、なんとか気を取り直す。
とりあえずこのバトルが終わったら説教だな、と固く心に誓い、崖の上に向かって大声を出す。
「おーい! もう満足しただろ、さっさと降りてこーい!」
腹の底から、そう叫んだ。
まず間違いなく、向こうにも聞こえただろう。
――聞こえただろうに。
「……降りてこないわね」
「……まさか、アイツ」
おそらく、お嬢様と俺がまったく同じことを想像し、顔を見合わせたのとほぼ同時。

「……お、降りれない……」

名乗りのときとはまったく違う、半泣きの消え入りそうな声が、俺の耳に届いたのであった。
「ならどうして登ったぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ていうか、なんで登れたのよ……」


――その後、お嬢様の萌えもんたちにも協力してもらい、エレブー救出作戦が発動されたのは言うまでもない。
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