5スレ>>227


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マサラタウン マスター宅二階

「マスター?おーい、マスター。」
「ん?」
ゆっくりとこちらへ歩いてくるギャロップ。
微妙な笑みからして、また何か変なことを企んでいるに違いがない。
「何だ?また何か企んでいるのか?」
「やですよぅ、私がそんな事考えるわけないじゃないですかぁ。」
語尾を延ばす所や、妙な笑み。
俺は身の危険を感じ、俺は堪える体制を取っていた。。
「マスター、お馬さんごっこしましょ?」
「はい!?」
予想できなかった発言に、つい、マヌケな返事をしてしまった。
てっきり「ふみつけ喰らってみたくないですかぁ?」とでも言われると思っていたのだが・・・
「えーっと、お馬さんごっことは?」
「それはもちろん、マスター。上に乗って目的地まで行くのよ。」
普段強気な振る舞いをしていても、馬らしいところがあるものだ。
妙な笑みは、未だにギャロップの顔から伺えるのが気になるが・・・
「まぁそれならいいけど・・・俺は何をすれば?」
「まずはぁ・・・四つんばいになって・・・」
ふむ・・・斬新な乗せ方でもするのだろうか。
俺は特に考えずに、言われた通りに四つんばいになった。
「それでは行くわよ。」
「ほへ?」
この体制でどうやって乗れというのだろうか?
そう考えていると、腰の辺りに重みが感じられるようになった。
振り向き、背中を見てみると・・・
万遍の笑みを振りまくギャロップ様が居た。
「ちょ、おま、これどう考えてもお馬さんごっこじゃないだろ!」
「あら失礼。ちゃんと『マスターの上に乗って』って言ったわよ。」
「あのー・・・そのセリフに『の』と言う単語は入っていなかったような・・・」
「あら、マスターは頭どころか耳まで悪くなったのかしら?」
そういいながらギャロップは、俺の尻を叩いてくる。
さらりとすばらしいことを言ってたが気にせいだろうか?
取り合えず尻を叩くのをやめさせる為に、大人しく従うことにした。
「はぁ・・・まぁいいとして。」
俺の問いかけを聞き、ギャロップは尻を叩くのをやめて答えた。
「正直物は可愛らしいわよ。」
「はいはい・・・で、どこ行きたいんだ?」
「セキエイ高原。」
「はい?」
「このままセキエイ高原まで行くわよ!」
「リアリー?」
「セキエイ高原まで行くわよ!」
「行かないわよ!」
余りにもすばらしいことを言うから、口調が移ってしまった。
同時に立ち上がり、背中に乗っかっていたギャロップを落とす。
今はマサラタウンの家の二階だ。
ここから一階まで降りることすらできるかわからないのに・・・
セキエイ高原までといえは無茶すぎる。
腰を痛めて済めば御の字だ。
「あたた・・・急に立ち上がらないでよ。」
後ろを見てみると、先ほど素晴らしいことを口走ったギャロップ様が頭を掻きながら倒れている。
ここで一発、マスターらしくガツンと言わないと・・・この先、ギャロップが何を言い出すか分からない。
不安になった俺は決心して、倒れたギャロップに立ち寄った。
珍しく気合を入れた俺を前にして、ギャロップは戸惑いの表情を隠せないみたいだ。
顔が『?』になっている。
よーしガツンと言うぞ・・・
「で、セキエイ高原へ行きたいのか?」
ガツンと・・・?
あれ?
戸惑っているギャロップを見ていたら、不思議と俺の18番『スーパー紳士』が発動してしまった。
しかも、ご丁寧に手まで差し伸べてやがる。
我ながらよくやるもんだ。
「え・・・ええ。」
ギャロップは更に戸惑っている。
しかし、直ぐに我を取り戻したのか、俺の手を取って立ち上がった。
「よいっしょ・・・っと」
立ち上がった後、ニ、三度尻を払ったギャロップは後ろにある俺のベッドに腰掛けた。
「で、セキエイ高原へ連れて行ってくれるの?」
早く、とでも言うように急かす。
既に準備は済んでいるとも言いたいのか、浮いた足をぶらぶらとさせている。
「連れて行ってやるけど・・・何か持ち物ないのか?」
「マスター。」
「それは持ち物じゃない。」
「じゃ、付属品?」
「どちらかと言うと取り巻きと言った方が正しくないか?・・・ってオイ!」
「うふふ。」
何気なく乗せられてしまった俺を見て、ギャロップは笑い出した。
「何もいらないわよ。マスターさえ居ればね。」
そういってウィンクをするギャロップ。
「じゃ、取り合えず持ち物は俺だけとして・・・あ。」
「なぁに?」
「他に、どろり濃厚カルピス原液欲しい?」
「いらないわよ、そんなもの。」
そですか。
「それじゃ、行こうか。」
俺はギャロップに手を差し伸べて、からそういった。
「うん!」

セキエイ高原

お馬さんごっこしながらではなく・・・
ピジョンに此処まで連れて来てもらった。
何故かピジョンは、セキエイ高原に着いた途端に機嫌が悪くなった。
・・・まぁメロンパンでも買ってやれば戻るだろう。
「マスター、こっちこっちー」
広場の隅に設置されたベンチの上で、俺を呼ぶギャロップ。
取り合えず今はピジョンの事は忘れておこう。
感づかれて何されるか分からないからな。
そう考えながらベンチに駆け寄り、ギャロップの隣に座った。
「はい、よっこらセッ・・・」
「はいはい、いつも爺くさいわねぇ」
俺のささやかな楽しみを奪うギャロップ。
ギャロップが家に来てから、そんなささやかな楽しみが出来なくなってしまった。
「まぁ確かに楽しいけどさ・・・」
「ん?なあに?」
「んや、なんでもない。」
つい考え事を口にだしてしまった。
ギャロップは不思議そうにこっちを見ていたが、直ぐに正面の景色に視線を戻した。
「どうせ馬鹿なこと考えているんでしょ。」
「うるへー。」
『お前のマスターはいつもバカな事考えてる』って言ってやろうとしたが・・・
自分に跳ね返ってくるからやめておいた。
「そんなことより見てみなさいよ。」
「ん?真ん丸い月でも見えるのか?」
「見えるわけないじゃない。景色よ景色。」
そう言いながらギャロップは俺の頭を正面の景色の方へ強制的に動かした。
さり気無くギャロップを凝視していたのがばれたかと思ったが・・・
そんなことはなかった。
俺は、言われたとおりギャロップと同じように、正面を見てみた。
澄んだ空気のおかげか、かなり遠くの景色まで目に飛び込んでくる。
山、森、家、川、海・・・
色々なものが交わっている。
自分がちっぽけな男では無いと証明するために、ベンチの先にある崖まで俺は走った。
「雪山決戦ーーー!!」
崖の先で叫んでみる。
微かに見える下に居る人影は、当たり前だがこちらに気づかずにめまぐるしく動いている。
「おーい、恥ずかしいから帰っておいでー」
「はーい。」
仁王立ちをしながら、下に見える人と違うと実感していたところで、後ろで呆れ顔をしているであろう、ギャロップ様に呼ばれた。
既に、どちらがマスターなのかわからなくなって来ている気がする。
情けないと思いつつベンチに戻ると、ギャロップはクスクスと笑っていた。
俺は再びギャロップの横へ座り、楽しそうにしているギャロップの頭を撫でてやった。
笑うのを止め、気持ち良さそうに目を細めるギャロップ。
少しはマスターらしいことできたかな?
等と考えていると、相変わらずな余裕の声が聞こえる。
「相変わらずバカねぇ。」
「うるへー。」
こちらはこれで精一杯だっつーの。
「ほんと・・・何にも変わらないわね。」
「ん?」
「あら、昔この場所でやった事覚えてないの?」
何か俺はここでやらかしたのだろうか?
ちょっぴり不安になってきた。
「まさか俺が『四天王待ってろよー!』とか叫びながら全力疾走したとか?」
「あ、ちょっと近い。」
マジですか。
「覚えてないの?チャンピオンロードで毒を喰らった私をお姫様抱っこで全力疾走しながら運んだのを。」
そういえばそんな事をもあった。
チャンピオンロードで戦った生意気なトレーナーによって毒を掛けられたギャロップを担いで走ったこと。
「奥に居たトレーナーとか、怒鳴り散らして戦わずにセキエイ高原まで私を抱きながら、駆け抜けちゃってさ。」
一呼吸入れいる内に、頭の後ろで腕を組むギャロップ。
「そのままポケセンへ特攻して『早く治療しろー!』って叫んだのよね。」
そう言い切ると、またクスクスと笑い始めた。
「あの時は、まだまだ駆け出しのトレーナーだったよな。」
「あら、今は熟練とでも言いたいのかしら?」
軽くこっちを向いて、俺の手を握ってきた。
「でも私、嬉しかったのよ。全力で守ってくれるマスターが居てくれるから、全力で戦える私がいるんだってね。」
「・・・」
そんな事を思っているなんて考えても居なかった。
俺は当たり前のことを当たり前のようにしているだけだった。
「だから何も変わって無いのよ。今もまだ、私を信用してくれる。」
そういってから、前髪を掻き分けるギャロップ。
俺は握られていた手を握り返した。
「当たり前だろ。いつでも信用できる奴じゃなきゃこんな所まで一緒に来ないさ。」
「まぁ信用しなくなっても別にいいんだけどね。」
「何故に?」
俺が問いかけると、手を強く握ってきた。
「どーせ寂しくなって帰ってくるでしょ?」
頼っているのは、ギャロップだけではないと分かっていて俺に聞いたのだろう。
「まぁな。」
俺は答えた後、つい笑ってしまった。
今更ながらいとおしく感じるギャロップの頭を撫でてやった。
横目で見てみると、万遍の笑みを浮かべながら嬉しそうな顔をしている。
「よし、それじゃ一発かますか?」
「何を?」
俺がそういうと、不思議そうにこっちを向いてきた。
俺は頭に乗せていた手をどけて立ち上がる。
そしてベンチに座ったままのギャロップのほうを振り向いて言った。
「何をってそりゃーもちろん二度目の四天王制覇さ。」
俺の唐突な発言に、ギャロップは驚きの顔をした。
「制覇って・・・私達二人しか居ないわよ?他のみんなは休暇とかいって、ピジョン以外は温泉へ行かせたじゃない。」
「呼べば来るだろ・・・って。」
そういえば何故か機嫌をそこねたのを思い出した。
メロンパンあげて機嫌を直したとしても、直ぐに戦闘は無理だろう。
それに今はメロンパンがない。
「まぁ二人で何とかならないか?」
「そんな事やってみないと分からないわよ。」
ギャロップは軽く笑いながら言うと、ベンチから立ち上がり俺の腕を引っ張り始めた。
「ほらマスター。やれることは全力でやっちゃおう!」
「はしゃぎすぎて特攻するなよ。」
「私がマスターを守る剣となるから、心配はいらないわよ。」
「じゃあ俺はギャロップを守る盾にでもなるか?」
「うふふ・・・お願いしちゃおうかしら。」
笑いながら腕を引っ張るギャロップ。
向かう先には四天王が待ち構える屋敷。
「それじゃ、行けるとこまで行くわよ!マスター!」
「あいさ!」

声を掛け合いながら、屋敷へ入っていった少年と少女。
彼らからしたら、この屋敷内の勝負の結果はどちらでも良いのだろう。
それが、二人での結果であるから。
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