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 萌えっ娘もんすたぁ ミュウツーの逆襲

 0/ミュウツー生誕逸話

 ――南アフリカで新種の萌えもん、ミュウを発見。

 ある調査隊がもたらした情報は一人の研究者を文字通り燃えさせた。
 この世で一番強い萌えもんを作ろう。
 その研究者に浮かんだことは直ぐに実行されることとなる……。

 ◇

 ミュウの細胞からつくられた素体は、ミュウツーと名づけられた。
「……それでどうなのだ、ミュウツーは」
「ええ、完璧にコトは進んでいます。後、数ヶ月すればこの素体もちゃんとしたカタチになって成長すると思います」
「そうか……。元となったミュウは何処へ?」
「残念ながら、逃げられました。……ミュウは僕の気持ちが読み取れたのでしょうな」
「ふぅん……。それも仕方あるまいな。だが、この計画だけは成功させろよ」
「承知しております」

 数ヶ月して、ミュウツーは人型となり、歩き回れるまで成長した。
 この時のミュウツーはとても素直で、彼女を作った研究員は彼女によって癒されていた。
『……情が映る、とは本当のコトだな。まさか、こうなろうとはな……。
 ユキナもいれば、尚良かったのだが……』
「……? どうしたの?」
 研究者の憂いのある表情を読み取ったのか、ミュウツーはそう言った。
「いや、なんでもないよ、ミュウツー。君には関係のないことだよ……」
「……そう……。でも、そんなに落ち込まないでね、わたしまで悲しくなっちゃうから……」
「ああ……。ごめんな」と研究者はミュウツーの頭を撫でた。

 いつしか、彼はミュウツーをこのままロケット団に渡したくないと思い始めた。
 ロケット団に渡した所で、悪い事に使われるのは目に見えている。
 そうなったらクローン技術の実験の過程で出てきたフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメをミュウツーに手渡し、自分はミュウツーの強大な超能力で自殺し、研究所も破壊してしまおうと思っていた。
 そして、その時が来た。
「それじゃ……ミュウツーは渡してもらおうか。成熟したという報告を受けた」
「なっ……! そうはできない……。お前ら、門番のサイホーンたちはどうした!?」
「殺したよ。呆気なかったがな……フフッ……」
『くっ……サイホーン……すまない……!!』
「では、ミュウツーを渡してもらおうか…… ?」
 ロケット団員が何かに気づき、その方向に目を向けた。
「ほお……。ミュウツー自らご登場か……。さあ、ミュウツー嬢、こちらに」
「嫌。私はここに残る。永遠にこの人を護る」
「なん……だと……。貴様、ロケット団に逆らうつもりか!
 所詮、お前など作られた生命の癖に生意気を言うな!」
 それを聞いたミュウツーは、凍りついた。
「……嘘。私が作られた……生命……!?」
「嘘なものか。貴様を作った奴は直ぐ近くにいたんだぞ……?
 ふん……まあいい。無理にでも連れて行くぞ……。スリーパー、やれ!!」
 ロケット団員の命令でスリーパーは超能力で捕獲を試みるが。
「――何をやろうっていう気……? 無駄だよ」
 ミュウツーはその攻撃を軽く受け止めてしまった。
「くっ……私の攻撃が効かないなんて……!」
「――少し」
 ミュウツーは自分の腕を上げ、スリーパーに向けた。
「――頭、冷やそうか」
 ミュウツーはサイコキネシスを目の前の敵に放った。
「……!! くっ……。頭が割れちゃう……ッ!! あ、あぁぁぁっ……!!」
「――! ど、どういうことだ……!?」
「悪いな……。こいつはフーディンにスリーパーの細胞も混ぜている。
 そんじょそこらの萌えもんで、ミュウツーに対抗できるわけがないだろ」
「うふふ……これで、デッドエンド。
 この彼女が惜しいならこの後、萌えもんセンターに連れて行くことね」
 ミュウツーがその威力を最大限まで引き出す。
「あ、あぁぁくぁwせdrftgyふじこlp;@ッッッッ!!!!」
 そしてスリーパーはその場で泡を吹いて気絶した。
「くそっ……」
「ふ……。ミュウツーは貴様らには渡さんぞ」
「ふんっ……! また来るぞ」
 そう言って、ロケット団員はスリーパーをボールに戻し、研究所をあとにした。
「……私、怖いよ」
「大丈夫だよ……。君の力さえあれば、大丈夫だ」
「うん……」

 ◇

 だが、ロケット団はなんとしてもミュウツーを連れて行こうと何度も研究所へ向かったが、迎撃されてしまう。
 遂にロケット団は総力戦に持ち込む。
 ロケット団ボス、サカキを筆頭に、ミュウツー捕縛に乗り出した。
「……ここか」
「ハイ、ここが……! 出ました、ミュウツーです!」
 誰もいなくなった研究所にミュウツーがいた。
「ほぅ……これがミュウツーか……」
「――バカな人間風情が。何度乗り込もうと、この私がお前らなどに捕まる訳がなかろう」
「口調だけは一丁前だな……。だが、私はお前を捕縛する。さあ、いけ」
 サカキはストライクをボールから出した。
「……マスター、奴を気絶させれば良いのだな?」
「無論だ。ストライク、シザークロスの後、みねうちだ。それだけは忘れるな。
 後はそれが決められるように適宜動け」
「イエス、マイロード」
 そう言うと、ストライクはミュウツーに向かった。
「ふん。虫の貴様如き……!」
「それはこっちの台詞だ、ミュウツーとやら」
 ミュウツーはサイコキネシスをストライクに向けるが、"こうそくいどう"で、ストライクはかわした。
「いくらのお前でも、身のこなしが早いと狙いも定まらんだろう!
 ――てぇいっ!!」
 正面からストライクは両腕の鎌をミュウツーに向け、切り裂く。
「ぐっ……! くそっ……。貴様……ぁっ……!!」
「――安心しろ、"みねうち"だ。マスター、モンスターボールをミュウツーに」
「よくやった、ストライク。戻れ」
 サカキの声にストライクは彼の元へ戻り、彼はミュウツーに向けモンスターボールを投げた。
「……捕まったか。今まで貴様らは何をしていたのだ」
「す、すいません、サカキ様……!」
「まあ、いい……。撤収するぞ」
「了解です!」
 そしてロケット団はその研究所から姿を消した。

 ◇

「……くっ、ミュウツーが……!!」
 研究者は連れて行かれる様を見て言った。
「……ご主人……、ミュウツーは……」
「ロケット団に……連れて行かれた……!
 すまない、お前たち……兄弟同然の彼女を……守れ……なかった……」
「……ご主人……。わ、私、ミュウツーのあとを追う……!」
「リザードンッ!? 何を言っているんだ、君は!!
 相手はロケット団だぞ!? トレーナーもいない君たちが戦いを挑んだって……!」
「違うよ。だよねフシギバナ、カメックス」
「ああ。ミュウツーが連れて行かれたのなら、私たちもついていくだけ」
「そうだぜ、マスター。安心してよ」
「………。仕方ない、無理はするなよ。それと私は死んだ事にして、ここを破壊してからにしてくれ」
 フシギバナたちはその言葉に驚く。
「なんで……!?」
「ここはない方がいい。ない方が、いいんだ……」
「……分かった。マスター、お元気で……!」
「ああ。では何処かで会えるだろう……。ピジョット、僕を何処かへ連れていってくれ」
 研究者はピジョットをボールから出した。
「何処って何処へ?」
「何処へでもいい。とにかく何処へでも……」
「……了解、ご主人様。では、しっかり捕まってください!」
 研究者を乗せたピジョットは、夜の闇に消えていった。
 そしてその後、フシギバナ、リザードン、カメックスは研究所を破壊してミュウツーのあとを追った。


 1/ミュウツーからの招待状

「ねえ、マスタァー、やることないの?」
「あのなぁ……年がら年中、やることがあるかって。
 だったら、サンダース。釣りの手伝いをしろ、お前の電撃で」
「そんな事言ったら、他の釣り人に迷惑がかかるよ?」
「……チッ」
 サンダースのマスターはそう舌打ちした。
「………。くそっ、つれねぇ……」と、竿を引いた。
「ああ、もうっ、キャモメがバカにするかのように鳴いてやがる。
 サンダース、あいつら全部打ち落とすか脅かせ。癪に障ってたまらん」
「えー、そんなコトしたら可哀想だよ、主にキャモメが。
 それに短気なのはマスターの悪い所だよ。ほら、直さないとネ?」
「……むぅ、分かった。サンダース、別の場所に行くぞ」
「うん」
 マスターの歩きにサンダースはついていった。

 そして、場所を変えながら釣りで格闘すること数時間……。
「だあああっ! くそったれ! 萌えもんセンターで休むぞ!」
「はぁ……マスターの短気……。少しは粘ろうよ……」
 それを見たサンダースは溜め息をついた。
「もう、日が暮れかけてるだろうが……。肩のメガヤンマが鳴いてるしな」
「……なんでこんなのが私のマスターなんだろう……。でもそれについていく私も私だけどね」
「なんか言ったか、サンダース?」
「何も言ってませんよ、マスター。……はぁ」
 何度ついたか分からない溜め息を吐きながら、サンダースはボールに戻った。
「それじゃ、行くか……」

 彼は近くの萌えもんセンターに行くが……。
「え、ジョーイさんが行方不明?! それじゃ、ここ開いてないんですか!?」
「それがそうなのよ、ごめんね」
「……仕方ない、別の萌えもんセンターに行くか……」
 そう言って、彼は別の萌えもんセンターに向かって歩いた。

 彼の行った萌えもんセンターには、人が多く集まっていた。
「あれ、これどういうことですか?」
「それが、最寄の萌えもんセンターが閉鎖されていて、こんな感じで……。
 回復には時間がかかりそうだから、暫く待ってくれる?」
「はい、分かりました……」
 その後、少年はイスに腰掛けた。
「まいったなぁ……」
「……あれ、ミキヤじゃないか。お前もこんな所で足止めか?」
「よお。久しぶりだな……、ユキヒロ。どうだ、そっちの調子は?」
「リーグ制覇して、ロケット団追い出した後だよ」
「お疲れ。……"しかのくに"には行ったか?」
「いや、場所知らないからさ、行ってない」とユキヒロは言った。
 ユキヒロはミキヤの知り合いで、シャワーズが彼の相棒である。
「それにイーブイシスターズが、お前のサンダースに会いたがっているぞ」
「どうしてまた」
「エーフィが特に会いたいんだとよ」
「へぇ……まあ、いいや。暫くそこらで会話して来ても良いぜ、サンダース」
 サンダースが入っているボールをミキヤは投げ、外に出した。
「うん、ありがとう、マスター♪」
「お、それじゃ、エーフィ出てこいよ」
 ユキヒロもエーフィの入ったボールを投げた。
「……マジで良いのか、ユキヒロ?」
「当然。まあ、ゆっくり話せや」
「サンキュー」
 そう言ってエーフィはサンダースと話し始めた。
「……俺のサンダースとお前のエーフィ、仲良さそうだな」
「どうやら、そうみたいだな。まあ、俺のPTで唯一のオスだからな。
 肩身が狭い上に、ブラッキーの目から逃げたかったんだろうな」
 なるほど、と手を突くミキヤ。
「確かにブラッキーは、いろんな意味で怖いな。ヘルガーもヘルガーで怖いが」
「だな。"あく"タイプや"はがね"が出てきた理由は、エーフィみたいなエスパーが強すぎるというのもあるだろうからな。
 それでだ、イーブイ量産するなら手を貸すぜ。こいつらを使ってさ」
「そうだな。この二人ならやれそうな気がしないでもないな」
 恋人の様に話し込むサンダースとエーフィを見て、ミキヤは言った。
「ユキヒロさんですか? お届けモノですぅ」
「ありがと。……ン? 立体映像?」
 ユキヒロは、デリバードから渡された物を見た。
「どんなのだ?」
「さあな……。とりあえず、音声聞いてみようぜ」
 ポチっとなと言って、彼は音声のスイッチを押した。
『……突然のお手紙、失礼いたします。
 貴方様を優秀なトレーナーと見込んで、我が主の住む島へご案内いたします。
 場所はナナシマの一つの島である、2の島のミュウツー城でございます……』
「……2の島? 2の島って言ったら大して何もないような気がするけど……。
 あんな所に城なんてあったか?」
「さあ……。2の島にそれがあるなんて聞いた事がないぜ?」
「ともかく、いってみるか、2の島にさ」
 ミキヤはユキヒロにそう提案した。
「んだな。……どうやら、他のトレーナーにもそれは行き渡っているみたいだな」
 ユキヒロに言われ、ミキヤは周りを見た。
 確かに同じような会話が聞こえる。
「2の島にそんなのあったか?」
「ミュウツーって誰だ? 萌えもんなのか?」
「聞いた事ねぇよ。2の島にミュウツー城とか」
「けど、招待されたからには行くしかないんじゃねぇか?」
「そうだな。行くか」
 考えていることは一緒、か。
 ミキヤはガヤガヤを聞いてそう思った。

 ◇

 2の島へ行く港には、船はなかった。
「どうしたんですか、一体?」
「どうもなぁ、海が荒れているんだよ」
 ミキヤは船員に言われ、見ると確かに荒れていた。
「どうしても無理なのか……」
「ああ。こんな状況、ここに勤めて初めてだからなぁ……」
「しゃーねー……か」
「だな……」
 ふたりが溜め息をついたとき。
「……ン? 君たちもここで足止めを?」
「ああ、どうやらそのようでさ。……って、貴女は……! か、カナミさん!?」
 ミキヤは話しかけてきた少女に驚きを隠せなかった。
「え、カナミ……? うおっ、マジか! まさか、アイドルでリーグ制覇した女の子がいたとは……!
 すげぇコトがあるもんだな……」
「ま、まあ、そうなんだけどね……。で、私もミュウツーって奴に招待されたから来たけど……。
 行くには強行突破しかないわね」
「カナミさんもそう思いますか」
「ええ。私にはラプラスがいるから」
「……そう言えば、俺にはシャワーズにグレイシアがいた」
「グレイシア? 水面を凍らせるのか」
「ああ、まあそんなところだ。……で、ミキヤ、お前にはスターミーがいたじゃねぇか」
「おっと、そうだった。
 それじゃ、行こうか……。2の島、ミュウツー城へ」
 そして、ミキヤたちは豪雨の中、2の島へ向かって行った。


 2/ミュウツー城へ

「……何もかもが揃ってきたというわけか」
「その様ですね」
「では、私自らが出向くとしよう……。案内はお前に任せる」
「イエス、マイ、ロード」
 その後、ミュウツーはモニターが多く設置されている部屋を使いの女性と共に出た。

 ◇

「うわっぷ!」
 ミキヤの顔面に海水がかかった。
「大丈夫ですか、ミキヤさん!?」
「あ、ああ……。ゴーグルかけてなかったら目がヤバかったぜ。気にせず進んでくれスターミー」
「ラーサ!」
 そう言ってスターミーはミキヤを背に乗せ、泳ぎ続けた。
「どう、そっちは!?」
「なんとかな! カナミさん、ラプラスは楽そうだな!」
「まあね! でも辛そうよ!」
「さいですか! ……ユキヒロは!?」
「……え? なんかいったかぁ?!」
 ミキヤは水面から上がってきたユキヒロを見て唖然となる。……ダイビングとかせこい。
「なんもねぇよ、先進みやがれ」
「……? あ、あぁ……」
 ざぶんっ。
「……スターミーにダイビング覚えさせたらよかったかなぁ」
 潜っていくユキヒロを見てそう思った。
「……かなちゃん、何か見えてきたよ!」
「え? ……あ、ホント! ミキヤ君! 前方を見て!」
「ン!? お、マジだ……。ここか、ミュウツーの城は……」
 2の島にあるミュウツー城。
 ミキヤたちはその城の近くまで来ていた。

 ◇

「戻れ、スターミー」
 陸地に上がりミキヤはスターミーをボールに戻した。
「……これがそうなのか」
「そうね……。なんでこんな所に城なんか建てたのかしらね」
「さあな……。それじゃ、向かおうぜ」
「ああ……。けど、その前に服とか乾かしたいな。つめてぇままじゃ風邪引いちまうぜ」
「だな」
 ユキヒロの提案でミキヤたちは別のところで、暖を取る事にした。

「メタモン、頼むぜ」
「お~け~。テントにばけらった~」
 ボンッ!
 ユキヒロのメタモンはテントに化けた。
 そしてミキヤたちはメタモンのテントの中に入り服を脱いで、下着だけになる。
「……んじゃ、こっちはブースターを出すわ」とカナミはブースターをボールから出した。
「なんですか、マスター?」
「私たちを暖めてくれるかしら?」
「了解です」
 ブースターは自分の温度を少しだけ上げた。
「……あったけぇ」
「だな……。んじゃ、こっちはリザードンを」
「やめろ。リザードンだけは勘弁してくれ……。お前のリザードンは冷静なのが気に入らないんだ」
 ユキヒロはミキヤの行動を止めた。
「んでだよぉ。人の萌えもんにケチつけるなよぉ」
「まあまあ……。それにしても……着やせするほうなんですね、カナミさんって……」
 ミキヤの言葉に自分の顔をぺチッと打つユキヒロ。
「……ま、まあ、ね……」
「いいねぇ……。胸おっきくて、触りたいなぁ」
「……セクハラ発言したわね。ブースター、ミキヤ君の髪の毛をちょっと焦がしなさい」
 ブースターは、カナミの命令どおりにミキヤの前髪を1cmほど焦がした。
「うひゃあっ!?」
「マスターにセクハラ発言禁止ぃ。次はマジ焼き起こすよ」とブースター。
「す、すいません」
「ったく……。お前はそういう変態体質だから、彼女出来ないんだぞ」
 ミキヤはユキヒロに図星を突かれ、唸った。
「……それじゃ、グラードンでも呼び出すか。一時的にでも日を出さないと外に出れねぇしな」
「え、ユキヒロ、なんで持っているんだよ」
「なんでって。ホウエン地方に知り合いがいるんだよ。
 そいつが、カイオーガの方が良いって言い出しやがったから、グラードンとトレードしたのさ。
 それじゃ頼むぜ、グラードン」
「了解だ、主」
 グラードンは外に出て、豪雨を止めた。
「うおっ、流石特性『ひでり』。晴れてきやがった」
「でも晴れているのは、俺たちの周りだけどな」
「そっか。んじゃ、向かうか」

 ◇

 ミュウツーの城に到着したミキヤたち。
 既に他のトレーナーも集まっていた。
「ようこそ、我が主の城へ。他のトレーナーの方々も既に集まっております」
「ふぅん……。で、その主であるミュウツーは何処にいるんだ?」
「――お前らの目の前だ」
 城の主であるミュウツーがそう言って、ミキヤたちの目の前に現れた。
『……愛想のない奴。けど、んー……、人間を信用していないというかそんな感じが取れるなァ』
 ミキヤはミュウツーを見て、そう思った。
 それが見当違いでもいい……。ミュウツーがこんな奴なのは……。
「なにボーっとしているんだよ、ミキヤ」
「いや、なんでも……」
「それで萌えもんに過ぎないお前が、トレーナーに何のようだ? 潰しあいでもさせるのか?」
「違うな。私はお前たちトレーナーに反抗するためにだ」
「は? 冗談言うものではなくてよ、ミュウツー。
 まさか、萌えもんである貴女が萌えもんを操るって言うの? 飛んだお笑い話ね……!」
 カナミは怒りの色を隠せない。
「その根性、叩きなおしてあげる! ヘルガー、やってしまいなさい!」とカナミはヘルガーを繰り出した。
「黒犬バスカヴィルでもいう気か……。まぁ、いい……」
 ヘルガーを前にしてミュウツーは言った。
「――食らえ」
 ミュウツーはシャドーボールを作り出し、バレーボールのアタックの様に投げつけた。
「……!! ……ッ!!」
 ヘルガーは、シャドーボールの直撃を受け壁に激突した。
「ヘルガー!?」
「だ、大丈夫です、マスター。私は無事です。ただの超能力野郎と見切った私が悪いのですから」
「その通りだ」
 勝ち誇ったかのように言うミュウツー。
「ただの超能力野郎ではない。フーディンやスリーパーとは格が違うのだ」
「チッ……」
「ふ、反抗されたのは久しぶりだ。……案内しろ」
「イエス、マイ、ロード」
 そして使いの人は、ミキヤたちを案内した。

 ◇

「ここが……?」
「……にしてもいろんなトレーナーが集まってるのな」とミキヤ。
「あ、あのブラッキーは変態冥王の……」
「俺と同じ名前を持つ迷惑な人か!」
 ミキヤはそう言ったが「ちげぇよ、バカ。ドライトさんだよ」とユキヒロは言った。
「……おー、ユキヒロ君か、君も呼ばれたのかい?」
「ええ、どうやらそうらしくて。ドライトさんもそうですか?」
「まあな。……うちのブラッキーもカティアもミュウツーは嫌いらしい。
 同じ個体をハナダの洞窟で見つけたが、彼女らの親がこてんぱんにのされた記憶があるらしくてな、敵意むき出しだったよ」
「カティア……? 新種のポケモンか?」
 ミキヤはユキヒロに聞いた。
「バカ、サーナイトだ。ドライトさんの嫁だよ」
「ぶっ!!」
「こら、ミキヤ! そこで噴出すな!!」
「いや、だってよぉ……どう見ても黒髪じゃねぇじゃん」
 ミキヤの言葉にドライトは驚いたようだ。
「ま、まさか……。君はカティアを知っているのか!?」
「え、ええ……。グリニャールの方なら知ってますけど」
「……やはりそうか。それなら、分かるだろうな。
 どうしてサーナイトに私がカティアという名前を付けたのかを」
「……あ、あれ? 怒らないんですか、ドライトさん」
 吃驚したように言うユキヒロ。
「怒らないさ。カティア・グリニャールを知っているなら、怒りはせんよ」
「ドライトさん……。この人、誰ですか?」
「あぁ、こいつはミキヤっていうトレーナーだよ、カティア」
「そうですか、よろしくお願いしますね、ミキヤさん」
 にこっと微笑みながらカティアは言った。
「………。へぇあ」
 バタッとミキヤは倒れた。
『あちゃあ……。サーナイトにやられるなんてな。……こいつにラルトス渡したら狂喜するだろうな』
 その様子を見てユキヒロは思った。
「カティア、間違ってもメロメロはしてないだろうな?」
「……ごめんなさい、マスター。使っちゃいました」
「はぁ……。しょうがない、ラルトス」
 ドライトはラルトスの入ったボールを投げた。
「な、なんですか、マスター……?」
「そこでぶっ倒れている奴をマスターとしてみてやってくれ」
「え、ええっ? そ、そんな、私……無理ですよぉ……」
 ぶるぶると震えながら言うラルトス。
「ラルトスちゃん、大丈夫だよ。この人は変態って言われてるけど、大事にしてくれるよ」
「カティアちゃん……。う、うん……」
 ぶっ倒れているミキヤに近づいてラルトスは顔をぺちっと叩いた。
「ま、マスター……お、起きて下さいよぉ……」
「……ふぇ? ……こいつ誰?」
「四の五の言わずに図鑑出せ、バカモン」
 ユキヒロにそう言われ、起き上がったミキヤは図鑑を取り出し、ラルトスに向けた。
『ラルトス おくびょうポケモン』
「おくびょうポケモン……? それでおどおどしているのか……」
 ミキヤは微笑んで「可愛い奴……」と抱きしめた。
「あ、あうあうあう……」
「ふふふ……」
「……ミキヤ君、凄く幸せそう。……ラルトスはあうあう言ってるけど」
「あれがあいつのホントの顔だよ。本当に可愛い奴には、あの表情見せるんだよ。
 ……ただ、直ぐに化けの皮がはがれるけどな……」
 そうなんだ、というカナミ。
 数分後、微笑みがニヤニヤにミキヤの表情が変わった。
「……ホントだ」
「ミキヤぁ、ちっこいのに手を出したら犯罪でジュンサーさんのお世話になっちまうぞ」
「――はうぅっ!!」
 ミキヤはラルトスを抱きしめながら驚いた。
「……まあ、手を出すならサーナイトにしてからにした方がいいぞ」とドライトはさらりと言う。
「まっ、マスターッ!!」
 ドライトのサーナイトは顔を赤くしながら言った。
「あ、あぁ、ごめんなカティア」
「もぅっ……」
「――トレーナーの皆様、大変長らくお待たせしました。
 我が主の命により、皆さんには戦ってもらいます」


 3/ミュウツーの本懐

「ふざけるな、戦えるわけ無いだろう!? それだったら、ミュウツー!!
 お前がこの俺と勝負をしろ!」
「……ふん。まあ、いいだろう……」
 ミュウツーが、ミキヤの目の前に現れた。
「こい、ミキヤとやら。私の仲間たちが貴様の相手をしよう」

 ◇

 そして、ミキヤたちはトーナメント場に出た。
「じゃあ、行くぞ。ミュウツー」
「何処からでもこい」
「それじゃ……行ってこい、俺の親愛なる相棒よ!」
 ミキヤはリザードンを繰り出した。
「ではこちらもリザードンで相手をしよう。いけ」
「ああ、やってやるさ」
 そして、リザードン同士の空中戦になった。
「こいつっ……!」
「甘いな……。ふんっ!!」
 ミキヤのリザードンがドラゴンクローを放つがかわされ、ミュウツー側のリザードンが同じ技で反撃する。
「……ぐっ!」
「おらおら、まだまだだっ!!」
 敵のリザードンがミキヤのリザードンの翼を切り裂いた。
「しまったっ……! くっ……!!」
 リザードンはバランスを崩し、地面に向かって落ちていく。
「ふん、口ほどにも無い……。同族の癖にこんなに弱いとは」
「――メタモン! リザードンを受け止めろ!」
 ユキヒロはリザードンを受け止める為、メタモンをボールから出した。
「ら~さ~。ばけばけらった!」
 メタモンはバンギラスに姿を変え、落ちてくるリザードンを受け止めた。
「……ッ!? バンギラス……?」
「ちがうよ~ぼくだよ~リザードン~」
「……なぁんだ、メタモンか……。ありがとうな」
「ううん~き~に~し~なくていいよ~。降りれる?」
「なんとかな、よっと……。翼にダメージを受けたが、立てるから大丈夫だ」
「そ~なんだ。それじゃ、ばけらった!」
 ドロン、とメタモンは元の姿に戻った。
「……ふん。ほかに相手する奴はいないのか?」
「それじゃ、俺が相手だ。お前にカメックスがいるのなら、こっちもカメックスだ!」
「便乗して私もやらせてもらうわ! いきなさい、フシギバナ!!」
 ユキヒロはカメックスを、カナミはフシギバナを繰り出した。
「ならば、こちらもそうしよう」
 ミュウツーはカメックスとフシギバナを差し向けた。
 リザードンをボールに戻したミキヤは「くそっ……。このまま指をくわえて黙っていられるかッ」と次のボールに手を掛けている。
「いけッ! ステディ!!」
 ミキヤはサンダースの入っていたボールを投げた。
「……それって、ボクのこと、マスター?」
「決まってるだろ、サンダース! ユキヒロのカメックスには電撃を当てるなよ!」
「うん、任せてよ、マスター!」
 ステディと言われたのが嬉しかったのか、サンダースは張り切っていた。
「カメックス、援護するよ!」
「おっ! お前はミキヤのとこの!」
 サンダースはカメックスの前に立っていた。
「それじゃ、カメックス、一旦離れて!」
「……? 何か策があるのだな……。承知した」
 ユキヒロのカメックスは、その両手を離した。
「バカめが。これで終わりだっ!」と敵のカメックスがキャノン砲を向けた瞬間。
「にひひ……。終わりなのはお前のほうだよ♪ うりゃあああ!!」
 サンダースは電撃を送った。
「うっ……! ぐあぁあぁあぁあぁああぁ……!! あぁ……」
 ドスーンという音がして、カメックスは倒れた。
「むっ……? なるほど、援護か。考えたな」
「ふん……。カメックスの弱点など承知済みなのさ。カナミのフシギバナよ、どうだ!?」
「ちょ、ちょっと苦戦中……。あうっ!」
 カナミのフシギバナは、一歩引き下がった。
「味気ない相手だコト。とどめにリーフブレードで首ぶった……。なっ!?」
 敵のフシギバナが止めを刺そうとした瞬間、葉っぱの刃は二つに分割された。
「―――フシギバナは殺させない。その前にお前を殺す……」
「……貴様……! 虫の癖に……」
 怒ったハッサムがフシギバナの前に立ちはだかった。
「虫が草に恋しちゃ悪いっていうのか……?
 生憎な、俺はストライクだった頃からフシギバナの騎士だ!」
「は……ハッサム……。あ、ありがとう……」
「ふ……。言ったろ、お前は俺が護るって。サイホーンなんかよりずっと騎士らしいだろう?」
「う、うん……」
 フシギバナは照れながら言った。
「さあて、そこの草野郎……。覚悟しやがれ」
「く、くそっ……。虫の癖して生意気なッ!!」
 敵のフシギバナは、ヘドロを固めた爆弾のような物をハッサムに投げつける。
「……今、何かしたか?」
 ハッサムの身体にヘドロがついたが、直ぐに流れ落ちた。
「効いていないッ!? ヘドロ爆弾がッ!?」
「俺は鋼の鎧をつけた虫だぜ? 毒技は通用しないのさ。お前が毒を持っていようと関係ないのさ!」
 ハッサムは自分の鋏をカチカチと鳴らした。
「いくぜ! メタルクロー!!」
 鋼鉄の鋏は、フシギバナを切り裂いた。
「がっ……! く、くそっ!」
「もういい。フシギバナ、下がれ」
「けど、ミュウツー!」
「私が下がれといったら下がるんだ」
「……うん、分かった」と、フシギバナは下がった。
「俺たちの勝ちのようだな、ミュウツー。それとも次はお前自身か?」
「いや……、お前たちのコピー萌えもんたちがお相手をする。さあ、出て来い」
 ミュウツーの後ろのドアから現れたのは……。

「……いつの間に。俺のカティアまでコピーしやがって」とドライト。
「お前たちがスタジアムに出る前だ。全てコピーさせてもらった」
「ざけんな」
 ミキヤはコピーたちを見て、怒りを露にする。
 ミキヤたちの目の前には、己が萌えもんのコピーが存在していた。
 サンダース。サーナイト。エーフィ。ブラッキー。ブースター。ハッサム……。
 ミキヤ、ユキヒロ、カナミそしてドライト……。この場にいるトレーナーの全ての萌えもんがコピーされていた。
「……これがボクのコピー? はん、胸小さいね! 私の方が大きいもんね!」
「くっ! そういうお前だって!」
 ミキヤのサンダースは、コピーとくだらない言い合いを始める。
「貴女が私、か……」
「そういうことよ。さあ、マスターの嫁の座を譲りなさい、オリジナル」
「――なるほど、そういう手段に出るのね、貴女は。ダメよ、マスターにこの身体捧げたから」
「……!!」
「獣姦とか思ったでしょ。私は萌えもんだけど、心は一人の女の子だもの」
 ドライトのサーナイトは、コピーを口で圧倒していた。
「………」
「………」
 カナミのハッサムは、互いに威嚇していた。
「……マスター、動揺しているの感じるよ」
「そうか……。ラルトスには分かるのか……。ああ、思いっきり動揺しているよ。
 嫁が二人に増えたって考えるとざわざわしてくるぜ」
「………」とラルトスは沈黙した。
「さあ、コピーたち。トレーナーの持つオリジナルを攻撃しろ」

「―――そんなコトはさせない」

 ふわふわと舞いながらスタジアムに降り立ち、現れたのは。

 南アメリカで見つかり、絶滅した筈の少女。

「――ミュウ。貴様か!」
 ミュウツーはぎりっと奥歯を擦った。


 4/終焉、そして

「……あれは、ミュウだ」
 ドライトは降り立った彼女を見て言った。
「ドライトさん、知っているのか!?」とユキヒロ。
「ああ。南アメリカで見つかったが、のちに絶滅が確認された萌えもん、ミュウだ。
 フーディンよりも賢く、なんでも覚えられる。
 諸説では彼女のDNAから全ての萌えもんがこの世に現れたという」
「……そんなミュウがどうして」
「簡単な理由さ、ミキヤくん。ミュウツーの暴走を止める為だろう。
 私たちが入れる場所は何処にもない。ただ、彼女たちを見届けるしかない」

「ミュウツー、こんな虚しい争いはやめなさい」
「はい、そうですかとはできん。私はミュウ、お前から作り出された虚しい存在さ。
 人に愛されたことなど……」
「それはないわ」
 ミュウはミュウツーの言葉を否定した。
「貴女だってあの人に愛されていたのよ。……愛していた娘を失い、私まで失った彼は壊れた。
 壊れた結果、貴女を生み出した。でも、成体にしていくうちに貴女を可愛く思ったのよ」
「――黙れ! そんなもの、私は信じはしない!!」
 ミュウツーは怒鳴るが、ミュウはそれにひるむコトは無かった。
「いいえ、続けさせてもらうわ。
 ……私は全てを見ていた。貴女が力ずくでロケット団に拉致されたコトも。
 あの後、彼は立ち直れなくなって、何処かへ消えてしまったわ。
 消息は分からない。でも、生きているわ。愛していた人が消失してしまった事に苦しみながら……」
「五月蝿い!」
 ミュウツーは怒りに駆られ、ミュウにシャドーボールを投げつけた。
「………。貴女がどう思うとも、これは全て事実なのよ!!」
「喧しい! 喧しい! 喧しいッ!! 私は愛情など何も信じない!!
 そんなものはちっぽけなものだ! それを私自身がこの身で知っている! 覚えている!!」
 ミュウツーは両手に黒い塊を生成し始めた。
「貴女がその気なら、私も対抗させてもらいます!」
 ミュウも同じように両手に黒い塊を生成し始めた。
「……ッ! ラルトス、お前はここにいろ」
「マスター、無茶だよ!」
「ミキヤさん、無茶です! あの二人に割って入ったら死んじゃいますよ!」
「――俺を止めるな、ラルトス、カティアッ!!」
 ミキヤはミュウとミュウツーの間に割って入った。
「うおおおっ!! やめろぉぉぉっ!!」
「……! バカな、人間が!?」
「……! ダメです、ミキヤさんっ!!」

 ミュウとミュウツーの巨大シャドーボールがミキヤに。

 ――当たる瞬間。

 ――ミキヤの目の前にはボロボロのサンダースとエーフィが。

「サンダース、エーフィ……」
「……ッ。ま、マスター……死んじゃ、ダメ……。ラルトスちゃんの為に……」
「そ、そうだぜ、み、ミキヤさん……ッ!
 それに、サンダースを、めとる、のは、こ、の、俺なんだから、よ……。
 なあ、サンダース……」
「何、エーフィ……」
「俺……お前の為だったら……こんな目に遭えるん、だぜ……。
 それだけ真剣なんだぜ、お前への恋は……よ……」
「い、や……。死なないで、エーフィ……。ぼ、ボクだって……」
「……っふ。もう、身体、うごかねぇや……。あとで来てくれないと、すねるぜ……俺はよ……」
 そしてエーフィは何も言わなくなった。
「……エーフィ……。嘘でしょ……。目を開いてよ……、エーフィ……!」
 満身創痍のサンダースがそう言いながらエーフィを揺するが、エーフィの反応が無い事にサンダースは絶望する。
「く……くそおおおおおぉぉぉぉぉっ!! ユキヒロの相棒が……ユキヒロの……相棒が……!!
 俺さえ、割ってこなければこんなコトには……!!」
 泣き崩れるミキヤとサンダース。
「………これが……萌えもんの、人への愛情……。萌えもん同士の……愛なのか……!」
「そうよ……。人間は感情があるから涙を流せる。萌えもんも感情があるから涙を流せる。
 そして、愛している度合いが強ければ強いほど、愛している人が死ぬと心を揺さぶられ、悲しむ。
 貴女を作り、私を愛してくれた彼も同じ人間なのよ……」
「……そうか。これが愛情。そして……。
 すまない。力を貸してくれるか、ミュウ。このエーフィとやらをこの世に引き戻す」
「ええ、喜んで」
 ミュウとミュウツーが、エーフィの元へ近寄り、彼に柔らかい光を送る。
「何する気なんだよ、お前らはッ!!」
「……落ち着いて、ミキヤさん。私たちはこの子をここに連れ戻すの」
「そう、なのか……。君は……なんで俺の名前を知っている……?」
「私はミュウっていうの。ここに降り立った時、ラルトスを介して貴方の心を全て見せてもらったわ。
 ……優しくて素直なのよ、貴方は。『変態』という仮面を被って」
 ミキヤはただ、ミュウの言葉を聞くしか出来なかった。
「傷が、癒えていく……!? これは一体……!!」
「あ、あれ……ボクの身体が何事も無かったかのように動くよ!?」
「……お、俺もだ……。こ、この光は……」
 そして数刻。エーフィが目を覚ました。
「……ちぇっ……。サンダースを守って逝けてカッコよかったのによ」
「こ、この野郎……! 戻ってきやがって……ああ、もうっ……!」
「ぐえっ! き、気色悪いって、ミキヤさんッ!!」
 エーフィはミキヤに抱きしめられて気味悪がっていた。
「……あ、あれ……。サンダース、なんでお前は泣いてるんだよ……」
「エーフィ……。ボク……嬉しくて泣いているんだよ……!
 もう、エーフィの……バカ……!!」
「サンダース……。もう無茶はしないよ」
「バカバカバカぁっ……」
 ミュウはそれを見てくすっと笑った。
「……ふふふ。これで万事解決かな……」
「……ミュウ。私はこのコピーたちと人のいない場所へ消える。
 それならば、私たちも幸せに暮らせるだろう」
「いいんじゃない、それも。……それじゃ、私も行こうかな」
「何処へ……何処へ行くんだ、君は……」
「さあ? 私はオオスバメたちの様に渡り鳥よ。
 ……でも、ミキヤさんならいいかな。そ・ば・に・い・て・も」
「だ、だめですぅ!
 ま、まままっ、マスターの傍にいるのはボクとラルトスちゃんだけなんだからッ!!」
「ウフフ、冗談よ。じゃあまた何処かで」
 そう言ってミュウとミュウツーは、ミキヤたちの目の前から消えた。
「……あ、一つ忘れていたわ。記憶を消しておかないとね……。
 ここで起きた悲しい記憶を全て閉じ込めなくちゃ」

 1、2の……ポカンッ!

 ◇

 その後、ミキヤが気がついたのは、2の島の萌えもんセンターだった。
「……あれ、夢でも見ていたのか?」
「さあ……なんでだろうね……。ボクも気がついたらココにいたんだ」
「そっか……」とミキヤは言った。
「……しっかし、気味の悪い夢だったような気がする……」
「そう? ボクは、半分夢じゃないと思うんだ」
 サンダースの言葉に疑問が湧いたミキヤ。
「ほら……ボクの傍にエーフィが」
「エーフィ、か……。何か思い出せそうなんだが、何も思い出せないんだな」
「んもう、マスター、しっかりしてよぉ!」
「すまんすまん……」
 だがその時、ミキヤはエーフィが動かなくなって悲しんだ記憶が無いのはミュウがその記憶を思い出せないように封じ込めたのか、と思った。
「……気がついたのか、ミキヤ」
「おう、ユキヒロ。……エーフィがいつもより増してサンダースの傍にいるのだが」
「こいつは……。エーフィは完全にお前のサンダースを好きになってるな」
「……そうみたいだな。それじゃ、今から4の島の育て屋の老夫婦に預けようか」
「だったら、私も混ぜなさいよ!」
 カナミがそう言った。
「カナミさん……。でもいいんですか、アイドルチャンピオンの貴女がそれで……」
「気にしない気にしない! チャンピオンはアヤセに譲ったし、三人で旅しましょ、ネ?
 ……それにミキヤくんには発言の責任とって貰うからねぇッ……」
 カナミは軽くミキヤの首を締め上げた。
「ぐえええっ、い、痛いっ」
「……フフッ、冗談よ。ちょっと発言のお仕置きをしたかっただけ。それじゃ、行きましょ!」
 カナミはミキヤを降ろし、一人先に萌えもんセンターをあとにした。
「ったく……。ラルトスと同じで可愛い奴」
「全くだな、ミキヤ」
 そして彼らは新たな場所へ踏み出す。
 彼らを待ち受けている新たな出来事とは……。


「……頑張ってね、ミキヤ」
 ミュウは、彼らに悟られないようにその様子を見ていた。
「彼ならきっと、素晴らしい萌えもんマスターになれるわ。そうよね、貴方……」
 そう言い残し2の島を飛び出し、次の場所へと向かった。

 おわり。
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