5スレ>>269


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「ハッキリ言うよ。君…………死 ぬ わ。」
「はぁ…そうですかぁ………ってえぇ!!??」

本当に自分が出したのかと疑わんばかりの奇声が教会に響く。
「じょ…冗談…ですよね!?」
「なんで占い師が冗談なんて言わないとだめなんですか。
そんなんじゃぁ商売あがったりですよ~」
なんて、あっさりした答えが返ってくる。
続けて、
「多分、私の見たところだと…せいぜい七日以内ですね~…
死因は……恐らく他殺…いや自害…?」
…死因まで出るなんて驚きだが、自害…つまり自殺。
どうしてまだ少ししか来ていないこの場所で自殺なのかと疑問に思ったが、
それは心の内に留めた。
「ど…どうも有難う御座います…」
「顔色悪いよ~?もっとしゃきっとしなさいよ~男の子でしょう?」
俺は顔には出さず、声にも出さず
((しゃきっとできるわけがねぇ~!!))
と心の中で叫んだ。

「それじゃぁ、またなんかあったらいつでも呼んでください~」
「は……はぁ…」
「ピカチュウさんも。さよなら~」
「さよなら~」
どうやらネンドールの家はトンネルの近くらしく、俺達の向う方向と逆の方向に帰って行った。
もう日も落ち、辺りは月明かりに照らされている。山奥特有の冷たい風が心地よい。
……心地よいのだが……
「はぁ~……」
と、ため息ばかりついていた。途中、ピカチュウに、
「ため息ばっかりついてると、幸せが逃げちゃいますよ~」
なんてことを言われたが、幸せどころじゃないモヤモヤした気分はため息でしか解消できなかった。


真っ暗な空に、ひとつの黒い影が。
―――――「アレか…"カギ"は…アレを消せばボクは……」
どこからか人の気配がしたので振り返ってみると、遠くに一人のチャイナ服の女性が。
「あ、ウィンディさん!」
どうやら隣町へ行っていたらしく、買い物袋らしきモノをぶら下げたままピカチュウの手振りに応えていた。
―――――「来たれ風よ…我が欲するは敵を切り裂き岩をも破る刃…」
一瞬強い風が吹いた。次の瞬間、
―――――「来たれ災厄の風…"かまいたち"!」
虚空の風が刃となって…
ドガガガガァッ!!!
「どぉぉぉぉう!?」

「…どうやら間に合ったようだな…。」
さっきまでいたところから100m程移動している。
ちなみにさっきまでいたところは、その部分のみ小石すらないまっさらな道になってしまっていた。
「おぉ~さすがウィンディさんです!よっ足早っ!」
俺はどうすることもできないまま、ただウィンディに抱きかかえられぼーぜんとしていた。
「…ここは危ないな…一気に戻るぞ、しっかり掴まっていろ…」
「了ぉ解です~」
「は…はい」
こうして、俺は早速死の恐怖を味わったのである…。
―――――「…逃がしたか…まぁ構わない…いつでもボクはやれる…ボクは……!」
強い風が吹き、黒い影は消えていった。――――その頬の涙とともに―――。


ウィンディに別れとお礼を告げ家に戻った。
「あぁ~詠唱攻撃っすねぇ~」
「詠唱?」
セツナは家に戻り、ナッシーに話を伺っていた。
「魔法みたいなカンジっスかねぇ~強力な技になるほど、素で使うには負担が大きいんっスよ~
んで、詠唱で体への負担を和らげるんっス。詠唱でしか使えない技もあるんっスよぉ~?」
「それが、さっきの"かまいたち"とかです。ほかにもあるんですけど…、私が使える所で言うと、"かみなり"です。
でも私には詠唱付きでも負担が大きすぎてあんまり使えないんですけどね…」
さすがのこの世界でも万能ではないことが分かったが…
詠唱なんてさながらRPGじゃないか…と思いつつ、電気も出せるんだし、アリか…なんて軽い気持ちで考えていた。


夕飯も終え、貸してくれた部屋に戻り、ベッドに横たわる。
『ここ』のこと、彼女たちのこと、『自分』のこと……
「いきなり死ぬって言われてもなぁ…」
でも。
「でも実際襲われたし…いったい何なんだ…」
ウィンディが居なかったら…俺は…
今更ながらに恐怖が襲う。
「……寝るか…」

―――――――――
―――――
―――

『セツナ~これ買って~』
『む~り。高けぇもん』
ショーウィンドウに飾られたケーキをねだる少女と、それをあっさり受け流す少年の姿。
((あれは…俺?))
当のセツナはそれを別な視点から見ている。夢だと気付くのに時間はかからなかった。
(("夢"だって気付けるのか…どうでもいいな。))
それは、とても懐かしい光景。とてもとても、平凡で、和ましくて、暖かだった。
まるで、今この瞬間に世界が終っても、この2人は幸せだと言わんばかりの、そんな風景。
((隣にいるのは……誰だ…?))
見ようとしても、思う通りに行かない。夢だから。
場面が移り変わる。小雪の降る中、2人は手をつないでいる。
『わぁ~雪だ~ なんかいいよね!雪って!』
『ハハハッやっぱりお前は子供だなぁ~』
『む、子供って言うな~!てか、歳離れてないって言ったじゃん!』
『そ~だったな~わりぃわりぃ』
少年…セツナは少女の髪をなでる。どこにでもありそうな、素朴で、幸せそうな風景。
((……))
見ている方のセツナは無言だった。噛み締める様に、その風景を眺めていた。
((これは…俺の過去なのか…))
そんなことを考えていると再び場面が移り変わる。―――雨の中、倒れるセツナと…
『もうこうするしか…ごめんなさい…ごめんなさい…っ』
泣きながら謝り続ける彼女。倒れたセツナの腹部からは赤黒い血がとめどなく溢れる。
その血に負けないくらいの雨と、彼女の涙。
そして……
パァァッ・・・
彼女とセツナの体が光に包まれる。そして――――


ガバァッ!!
そこは、優しい光の射し込む一室。
「ハァ…ハァ…やっぱり…夢、か……」
―――――――3日目。

昨日と同じようにリビングに出、朝ごはんを食べる。
食後。
「あ~セツナさ~ん ちょっといいっスかぁ~?って忙しいわけないっスよね~」
ひどい言われようだな、と思ったが事実なので何も言い返せなかった。
「なんですか?」
「村長から、『伝えたいことがあるので家に来てください』っていう伝言っス。
たぶん昨日のことももう伝わってると思うんで、そのことだと思うっスよ~」
「はぁ… ところで、電話もないのにどうやって?」
「あぁ~、私エスパータイプなんっスよ。で、エスパーはテレパシーが使える、と そういったところっス。」
「へぇ…簡潔にどうも…」


そんなワケで、この日も村長の家に赴くこととなった。
…やっぱりピカチュウはついてきた。
「なんでついてくるんだ?別についてきてくれなくても構わないのに…」
「え?だって楽しいですもん!昨日だって色々ありましたし♪」
確かににいろいろあった。死の宣告されたり、襲われたり、電撃食らったり…
「…っておぉい!楽しむなよ……お前…Sって言われないか?」
「…? Sってなんですか?」
「…いや、なんでもない…」
ピカチュウに楽しまれていることに少々ながら不機嫌になりながらも、村長宅に到着。
昨日と同じ部屋に入り、早速話を始めた。


「昨日襲われたようですが…お怪我がないようで安心しました…」
「あ…はい。ウィンディさんのおかげです…」
と、他愛も無い話もここまで。
「早速ですが、セツナさん。」
「はい…?」
「貴方には今から隣町に行ってもらいます。」
「どうしてですか?」
「貴方は昨日襲われましたよね?ネンドールの占いでは7日間は危険だ…と、そう言われたはずです。
そこで、貴方には優秀な護衛の方をつけてもらうことにしました」
「それで、隣町に…」
「はい。貴方に何かあっても大変ですし、万が一貴方の周りの方に危害が加わっても大変ですし」
「そう…ですよね……」
考えてもいなかった。自分の周りのことなんか。
昨日だって、ピカチュウも危なかったはずなのに…。
「訊かれる前に言っておきますが、『ここ』に死の概念はなくとも、怪我はします。
まして、人間の方には"死"はありますので、特に気を付けてくださいね」
「はい…わかりました」


村長宅を出発する。歩き始めてしばらく沈黙した後…
「あの~…村長さんにちょこっとキツい言い方されてましたけど、気にしないでくださいね?
村長さんはあれでも心配してるんですよ…私のことも、あなたのことも…」
「…そうなのか…でも…」
「だぁぁっ!暗い!空気悪いですよっ!!」
急に手をつかまれ…
バチチチィッ!!
「ほぎゃぁぁ!す…すまん!わかったからっ!」
「うむ。わかればよしっ」
手を放される。昨日の今日で…だが、やっぱり電気はきつい…
「んじゃっ気を取り直して!いざ行かん隣町~」
「お……お~…」
「ノリ悪いですよぉ~?ほらほら、もっと手ぇ上げて!声上げて!おぉ~!!!って!」
「お…おぉ~…!」
「むむぅ… ま…元気になってよかったです」
「ありがとな…」
「湿っぽい!男なら気にするな!さぁ行きましょー!」
…なんて、他愛も無い話をしながらトンネルへ、隣町へ向かうことにした。



続け…





あ と が き
まず、3話目読んできただき、本ッッッ当に有難う御座います!
心の底から、海より深く山より高い感謝をっ!
3日目の中ほどまで終了です。……自分で言うのも何なんですが…
カ ヲ ス … ! orz
なんかもう…あれですね…なんでもありって感じで…もう…ね…
少し投稿に間が空いてしまったのに、特に理由はありません。
((どこぞの魔法少女見てたなんていうことは秘密……。))
さて!今回はここいらでお別れということに。
止めてくれ、と言われれば止めるというスタンスはそのままに…。
それでは、また次回お会いできることを祈って。
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