5スレ>>317


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私はキングラー。主人と供に旅をしていた萌えもんである。
話せば長くなるが、主人は伝説に伝わる「薬草」を求めて旅をしていた。
私はその旅の途中で出会い、主人と供に旅を続けていた。
―――そして、その目的は達成された。

「そんな所で何してるんだ?」
「あ…、主人…」
「暇だろ? ちょっと買い物に付き合ってくれないか?」
「買い物…ですか? 急に何故でしょうか?」
「今日は――」
「あぁ、そうですか」

私は直ぐに主人の言いたい言葉に思い当たる。
今日は3月14日のホワイトデー。
1ヶ月前のお返しを返すための買い物らしい。

「それにしても前日から用意…とかしなかったんですね?」
「い、いやな、用意はしようと思ってたのだがな…」
「デパートで何を買うか迷ってこの日まで買えずに居た…と?」
「……判ってるじゃないか」

主人の私達に対する優柔不断な態度はどうにかならない物かと思いながら主人の隣を歩く。

「それで何を送るつもりですか?」
「んー、無難にマシュマロとかクッキーとか?」
「…手作りチョコのお返しが既製品ですか」
「そこで迷ってるんだがな」
「……いっその事、主人1日占拠権でも与えればいいじゃないですか」
「止めてくれ。あいつ等にそんな事したら俺が死ぬ」

主人は朴念仁。私に他の萌えもんへのプレゼントを相談されるとは…。
私だって主人からのプレゼントが欲しい。そう思う。
そんな想いを抱きつつ主人と私はデパートへと到着した。

主人と私はデパートを回ってゆく。
マシュマロやクッキーを基本として質を厳選する様子である。
私も主人のパートナーとして少しだけ口を出した。
主人も私の意見をちゃんと聞いてくれてそれなりのプレゼントを買った。


「……さて、全員分買ったし」
「全員…分?」
「ん? 何か言いたそうだな?」
「5人分…ですよね? そのプレゼント」
「あぁ、コレでいいんだよ」
「…?」

5人分のプレゼントを持った主人はデパートを出てゆく。
私達は全部で6人である。5人分…と言う事は一人だけ貰えない。
そんな心配を他所に主人は家路へとすたすたと歩いてゆく。




家に着くとファイヤーが2階のベランダに居た。
私と主人に気が付くとベランダから降りて声を掛けてきた。

「青年! どこに行ってたんだ?」
「おう、ファイヤー。ちょっと買い物にな」
「む…。今日は何の日か覚えてるのか?」
「憶えてるから買い物に行ったんだよ」

そう笑いながら主人は紙袋の1つを渡した。
紙袋を受け取ったファイヤーは見る見る内に不機嫌な顔から笑顔に変わってゆく。

「それ、お返しな。配らなきゃいけないからまた後でな」
「ありがとうな」
「おう」


家に入るとリビングでTVを見ているホウオウとルギアが居た。
リラックスぶりは持ち主であるはずの親父をも越える。

「ここに居たのか。あれ? 母さんは?」
「買い物だよ。調味料が切れたって言ってた」
「何だ…俺に言ってくれれば買ってきたのに…」
「邪魔しちゃ悪いって言ってましたよ」
「……何に気を使ってるんだか。
 それと、コレ、お返し」
「ありがと! お返しが貰えるとは!」
「お返し……ですか? あ、この前のイチゴ大福ですかー」

相変わらずルギアはバレンタインデーとホワイトデーについて理解していないらしい。
主人がフリーザーやサンダーの居場所を聞くとキッチンに居ると言う。
どうやら母親不在の間の火の番のようだ。

主人と私はキッチンへと向かう。
弱火で煮込まれて居る鍋を焦げ付かないようにかき回すフリーザーと、
微電流を撒き散らしながら調理器具を洗うサンダーが居た。
少し役割が逆だろうかと突っ込みたくなったが。

「よ。手伝いなんて珍しいな」
「珍しいとは心外じゃな。まぁ、頼まれただけだしのぅ」
「お世話になってるんだから、頼まれた時ぐらい手伝わなきゃ」
「…そうか。ありがとうな。それと、コレ、お返し」
「ん? あ、手が離せないんでの。そこのテーブルにでも置いといてくれの」
「ワタクシのも同じように」
「ん、判った。ここにおいて置くな」

主人は手近なテーブルに紙袋を置いた。
コレで買ってきた紙袋は全て無くなった。
と言う事は―――

「さて、キングラー。俺の部屋に行くぞ」
「…はい」

落胆しながら主人に続く。
伝説のお方達は特別な存在で私なんかより……。

「ほら、入れって」
「……」
「ちょっと待ってろよ?」

私を部屋に入れ、ベッドへと座らせると主人は机をゴソゴソと漁る。

「……主人、無理に私のを探さなくて―――」
「何を勘違いしてるんだ?」
「ぇ?」

私の言葉を遮る様に主人は私の首に何かを掛けた。
見てみると綺麗な青い石が光るネックレスだった。

「これ…は?」
「お返し…だ。少し値が張ってな。あいつ等には買ってきたぐらいのモノしかやれなかったが」
「あ………ありがとうございますっ」

私の目から熱いのが溢れ出す。

「あぁ、泣くなって」
「ご、ごめんなさい」
「それと暫くはあいつ等にはコレの事は内緒な」
「ぇ? あ、はい」
「それと今日のお礼だ。明日1日お前と一緒に居る」
「―――」

主人からのプレゼントは暫くの間、私と主人だけの秘密となった。






―――数日後、他の5人にバレて主人は5人とのデートとプレゼントを約束させられていたが。



-旅人とほわいとでー Fin-
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