「…っ…ぐすっ…」
一人、私は泣いていた。
見知らぬ土地への旅。
家族と一緒だった私は、立ち寄った森の誘いを振り切れなかった。
―おいで、おいで―
その声無き言葉に誘われるように、私は森の奥へと歩を進めた。
そして気がつけばそこは知らない場所。 一緒だった両親は何処にも居なかった。
声なき言葉はもう聞こえない。
懸命に父と母の名を呼ぶ私。 けれど、その声に答えは無く、聞こえるのは静寂のみ。
いつの間にか日は暮れ、月が世界を照らし出す。
両親は見つからず、一人ぼっちで森の奥の開けた場所で泣きじゃくっていた。
「どうしたの?」
声をかけられたのは突然。
顔を上げると、私の前には一人の少女がいた。
月夜に照らされた世界の中で、手に持った分厚い本と赤くて長い髪が印象的だった。
「…ぐすっ…おかーさんと…おとーさんとはぐれちゃったの…」
「そう…だから泣いているんだね」
「…」
少女は私の隣に座った。
一人ぼっちじゃなくなった…それだけで少しだけ元気が出てくる。
「どうしてこんな奥まで? ここは大人でも滅多に来ない場所だよ」
私は此処までの経緯を話した。
「そう、森の声の誘いに乗ってこんな奥まで…女の子にしては少し活発すぎるんじゃないかな?」
「…っ…じゃあきみはどうなの?」
「私はいいんだよ…キミとは違うんだから」
「…なにそれ?」
それからは他愛の無い話ばかりだった。
もっぱら少女の話す夢物語のような話が中心だったが。
「ぜったいいないよー ちきゅうぐらいにおおきいクジラなんてー」
「居るんだってばー ソイツはいつも退屈してて遊んでばかりいるんだよ」
「へ~」
「でも体が大きすぎるから、遊び道具も大きくて、いつも他の皆が迷惑しているんだ」
「それぐらいのおおきさだと…おもちゃはにんげんよりもおおきいよね…それじゃあたいへんだ」
それから少しの時間が過ぎた。
「もう夜も更けてきたね…」
「うん…」
「キミはもう元気になったみたいだけど…私もそろそろ帰らないといけないんだ」
「そんな…」
少女との別れ。
それは同時に再びの孤独を意味していた。
だが―
「私がここから居なくなったらキミはまたひとりぼっちだ。だから―」
そう言うと、突然少女から光が溢れた。
「私がキミの両親の所まで送ってあげるよ」
光はどんどん私を包み込む
思えば、こんな森の奥に少女が居ることがおかしかった。
あぁ―少女は人間じゃない…ヒトの姿に進化した生き物―萌えもんだったんだ…
「これで…おわかれなの?」
「さぁね? 今度はいつ会えるかな?」
光が眩しくて目をあけているのが辛くなってきた。
そして私が見たのは少女の背に生えた翼と―
「でも…また会えるといいな。 だから―じゃあね、また会おう」
白から急速に色が変わっていく景色。
それは―虹色―
その後、私は森の近くで眠っているところを両親に発見された。
こっぴどく怒られたには怒られたがが、それよりも無事であることを喜んでくれた。
迷子になっている時に出会った少女のことは話したが、夢だと思われ信じてもらえなかった。
だがあの時の記憶…それは薄れることは無く…
―数年後―
「行っけえ!」
私の指示に従い、私の相棒のポッチャマが相手の萌えもんを攻撃する。
その一撃を食らった敵は、そのまま倒れ…起き上がらない。
「ズガイドス、戦闘不能! よって挑戦者の勝利です!」
「やったぁ!」
あれから数年、私は新しい萌えもん図鑑の作成の手伝いをしている。
その合間に各地のジムを回り、バッジを手に入れている(まぁ、現在1個目なんだけど…)
この世界にはいろんな萌えもんがいる。
それを探して旅を続ければ…またあの少女に出会えるかもしれない。
―じゃあね、また会おう―
その言葉を胸に秘め、私は旅を続けよう。
DPパッチもうすぐ配布(かもしれない)キタ―――(゚∀゚)―――!!
そのままのノリで作成
DPなのにシンオウと関係の薄い娘の出番ばっかり…でもいいの、嫁だから(ぇ
最終更新:2008年04月11日 21:31