5スレ>>364


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「マスター、おい起きろよマスター!」

朝早く、相棒の一言で起こされる俺。

「ん…何だよドラピオン…こんな朝早くから……」

無理矢理起こされたためまだ開かない瞼をゴシゴシ擦り、俺は相棒・ドラピオンを見た。
長い髪をサラッとばらつかせ見下ろす相棒はやや若干不機嫌そうだった。

「ん。」
「…ん?」
「早く結って!」

手渡された2つの白いリボン。
俺はそれでこの後すべきことを理解した。

「あぁ、すまんすまん……でも、何で今日はこんなに朝早いんだ…?」
「今日は朝から友達と出かけてくるって言ってたじゃんっ!! 聞いてなかったの!?」
「…あ、そういえばそうだったな…」
「もう、バカ…」

相棒はそう言うと俺に背を向け、ベッドに腰掛けた。
俺は手早く長い髪を2つに分け、さらに3つに分け、三つ編みを作り出す。

何時だったか、相棒がまだスコルピだった頃はこんな事もせず可愛がっていたのだが、
ドラピオンに進化してからというものの、心境に変化があったのかわからないが、やけに俺を突き放すようになってきた。
お年頃なのだろうか…? 好きな♂の子でも出来たのだろうか…? その理由さえ話してくれないからわかるはずもない。
こうして、三つ編みを俺がしだすようになったのも進化した後だったな…
最初いきなり三つ編み作れって言われた時は相当苦労したな…3時間もかかって相棒にキツイ事言われたっけ…
今じゃもう手馴れて…それでも40分はかかるか…ただでさえ長い髪の毛を三つ編みに、さらにそれを2つ作るとなればね。

「マスター。」

後ろを向いたまま相棒が話しかけてくる。
へぇ、珍しいこともあるもんだ…

「何だい?」
「…今日、何の日か覚えてる?」
「えっと……なんだっけ?」
「…なんでもない…!」

何なんだ…? 今日の相棒は何かおかしいぞ…?
それに今日は…一体何の日だ?

「おいおいドラピオン…、気になるじゃないか。一体何の日なんだ?」
「何でもないっていってるでしょ! ねぇ、手を動かしてよね!!」
「あ、ごめん……」

何か怒られた。共にいた時間が一番長いとはいえ、相棒にそういわれると凹むなぁ…
…と、一本目できたっと。後はリボンをつけて…

――――――――
――――――
――――
――


「ほら、出来たぞ。」

もう一本にもリボンをつけてやる。
あれから、相棒は一言も喋ってくれなかった。
ポンと軽く背中を押すと相棒は立ち上がり、自分で翠のリボンを三つ編みの付け根に結びつけた。

「ほら、マスター。マスターも出かける準備してよ!」
「え!?」

振り向きざまに放った一言に俺は驚いた。
あれ、友達と出かけるんじゃなかったのか…?

「早く!」
「あ、あ、あぁ…!」
「先に、玄関で待ってる…。」

何で相棒に怒鳴られるんだろう…
急かされるまま俺はパパッと着替え、相棒の待つ玄関へ急いで向かった。
ドアに鍵をかけ、相棒を見ると…

「…………」

じっと俺を見つめている。ドラピオンになってからあまり目を合せてくれなかったのに…何で今更…

「ねぇ…」
「ん?」
「もう一度聞く。 今日は何の日だか覚えてる?」
「…えっと…ドラピオンの誕生日?」
「違うっ!!」

大きな声が朝から響いた。そして、相棒はボソリと…

「…今日は…マスターと出会ってから一周年の記念日だっ……」
「…え、今何て…?」
「出会ってから一周年記念だっ!!!!」

再び声が響く。
あぁ、そうだったか…!
去年の今日、俺はまだスコルピだった相棒と出会ったんだった…
すっかり忘れてたけど、相棒はちゃんと覚えてたんだな…

「あ、ごめん…すっかり忘れてたよ…」
「…もう…二度も同じ事言わせないでよね…」

当の本人は顔を真っ赤にし、俺をにらんでいた。

「忘れていた罰だ…っ 今日一日私に付き合ってよね!」
「あ、あぁ…」

元からそのつもりじゃなかったのか…? と言いそうになったがここは堪えた。
また何か言われそうだからな。

スッ…
相棒が手を差し出した。顔をそむけた状態で。

「…………?」
「……手。」
「あぁ。」

俺は相棒と手をつないだ。
するとグイッと引っ張られた。

「行くぞっ!」
「お、おい…! 何処へ行くんだ?」
「マスターは黙ってついてきて!!」

…あぁ、進化したといえども、相棒は相棒なんだな。
姿も性格も変われど、相棒が俺をどう思ってるのか、それは変わりないことに気付いた。
なんだったら普段から俺にきつく当たらなくてもいいのにな…

思えば、相棒と出会った日も、今日みたいな雲ひとつない快晴だったな……






「…別にマスターが好きだからこんなことしてるんじゃないんだからね……」
「…へ?」
「…もうバカッ!!」
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