5スレ>>424


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「……みんな、分かっているとは思うが、もし誰がどうなっても、恨み事は無しだ。
 マスターの事だから、捨てるなんて事はまずないだろう。ボックスを通して博士の所か、もしくはジムには置いてくれるはずだ」
「うん!」
「…そういえば、プテラは?」
「さっきボクが見てきたけど、まだ寝てたよ」
「…は、はい…」
「せやな。…で、何でこうなったんやったっけ?」





この物語の発端は、今日の朝…いや、もっと詳しく説明するなら、一週間前に遡る。






      - ゴーグルシリーズ番外編    『リストラ大騒動!』 -





     * * *



「…トキワジム、リーダー…?」
「らしいな。昨日セキエイリーグから通達があった」
「受けるのかい?」
「条件は決して悪くないんだよな…旅の資金調達なんかも結構厳しいし、
 あんまりいつまでも、大した目的もないままフラフラしてるのもどうかと思うし。
 …受けるなら、早めに返信した方がいいんだろうけど」

「じむりーだー…ですか?」
「ああ。…もしそうなったら、皆でそこで暮らすことになるけど。
 お前らはどう思う?」
「あたし、興味あるー!」
「ボクもいいよー!」
(…こいつら何も考えてねぇ…ま、旅の目的ももうないしな…)


     * * *



…これが、一週間前の話。今俺は、荷物の運び込みが終わり、やっと一息ついたジム内の一室にいる。
ジムの建物自体はだいぶ古かったらしいが、俺が任命される前に修繕され、新築同様となっていた。

が。…仕事はかなりの量がある。

トレーナーの募集、ジム設備の改造、それにメインメンバーの部屋割り。…しかし…

「やっぱり、切り詰めるしかないよな…限りがあるんだし」






「…今の、聞いたかいシャワーズ」
「…はい」

フーディンとシャワーズが、部屋の出入り口のそばで身を隠しながら話しあっていた。

「…切り詰めるといえば、やっぱり…アレですよね」
「それしかないだろうね」

現在、マスターの手持ちは自分たちを含め、7人。バタフリーはまたどこかへ旅立ち、
ファイヤーはともしびやまへと帰って行った。ほかの捕まえた萌えもんは希望する者は逃がしてある。(博士がデータをとり終えたため)

だが、ジムリーダーとしてバトルに使用できるのは6人まで。
すなわち、誰か一人が戦力から外されてしまうのだ。

「ど、どうしましょう…」
「…みんなを集めて、この話をしよう」








…そして、現在に至る。結局、各自主人にアピールをして、自分を戦闘に出してもらうようにお願いするつもりらしい。

(…でも、みんな単に暇だからなんでしょうね…)
(それは言わない約束だよ、シャワーズ…)






     * * *


昼下がり。書類の整理もひと段落し、俺は体を思い切り伸ばす。…肩凝ったな…
と、唐突に背後に気配。反応するより早く、視界が塞がれた。

「だーれだ?」
「…いや、訛りで分かるぞフライゴン」
「やっぱあかんか…マスターは騙せへんなぁ」

と、手が外される。椅子に頭を持たせかけると、フライゴンに後ろから抱きすくめられた。

「…何してんだよ」
「んー…マスター、凝っとるね、だいぶ」
「さっきまで慣れないデスクワークだったからな…」
「ふぅん…ほな、ウチが解したろ。横になってほしいし、部屋行こか」
「ん、ああ…」

フライゴンに連れられて、俺は別のベッドがある部屋に移動する。


「ん…どうや?」
「あ゛ーー…フライゴン、お前意外とこう言うの得意だったんだな…」

フライゴンがうつぶせになった俺の背の筋肉を的確に解していく。もともと力があるので、
こういうマッサージには向いているのかもしれない。

「よし、終わり!どや、マスター!」
「お、だいぶ体が軽くなったな…サンキュー、フライゴン」

体を起こし、ベッドから降りようとする――と、フライゴンに無理やり押さえつけられた。

「あかんでマスター、まだ全部は終わってないんやから」
「…?でも、マッサージはもう一通り終わったんじゃないのか?」
「いーや、まだ残ってんねんな、これが。最近マスターお疲れ気味みたいやし…
 特別にちょっと元気のでる…っと、暴れんといてや?」

…がちゃり。

「って、ちょっと待て!何で手錠かけんだよ!しかも縛るのかよ!?
 お前いったい何をする気だ!?」
「ん、ええからええから。ほないくで?」
「え、ちょ、ま、なんか柔らかい感触がって、アッー!!」



   - 過激な内容により 放送できません -



同時刻、ジム内の一室。

「…なるほど、なかなかやるね、フライゴン」
「…フーディン、あなた水晶玉も使えたんですか…?」
「エスパーだからね」
「答えになってませんよ」

「…それよりも、ライチュウ達は外に出したかい」
「ええ、今なんとか。…見せられませんよね、まだ」
「…だね」






「はー、酷い目にあった………」

…まぁ徹底的に仕返しして今は部屋に寝かせておいたが…

リビングに入って、ソファーに体を預けて何気なくテレビをつける。
と、唐突にソファーがわずかに沈む感覚。見ると、すぐ横に小柄な白金の萌えもんがくっついていた。

「何してんだよ、キュウコン」
「い、いえ…」
「…あとお前もだ、ライチュウ」
「えへへー」

反対側にはライチュウがくっついていて、何やら体を寄せてくる。

「マスターはさ、妹や弟っていないの?」
「ん?…あー…あのバカ兄貴しかいなかったな、実の兄弟姉妹は。義父さんのところには萌えもんはいっぱいいたが…
 人間は親だけだったからな、いないと思うぞ」
「妹とか弟って、欲しい?」
「そーだな…たしかに、年下の友達もいなかったしな…ちょっと興味はある」
「じゃあ、あたしたちが今日はマスターの妹になってあげる!」
「がんばり、ます…」

「…いや、なぜそうなる?」

まぁ、こいつらは…俺より4つ年下の14歳だから…年齢的には問題ないんだろうけど。
だからっていきなり妹にしろって言われても困るんだが…

「おにーちゃーん♪」
「お、お兄ちゃん…」
「暑い暑いくっつくな!というかお前らは何がしたいんだ!」

いやそりゃ可愛いけど!この時期にこの場所で両側からくっつかれたら暑いって!

「あ、あたし何か飲むものもってくるね!」
「わ、わたしも…」

と、二人が同時に離れて後ろのキッチンへ向かう。どうやら食器棚から何か取り出したいらしいが…
俺も席を立ち、二人の様子を見に行こうとして――
食器が大量に割れる音が響いた。

「………大丈夫か、二人とも」

…見たところけがはないが、二人とも体を震わせている。
皿やカップ…ざっと10枚は割れてるな…どうやったらこうなるんだか。

「ま、マスター…」
「うぅ………」
「あー…とりあえずお前らそこに立って、体から破片を落とせ。踏むなよ?」

まぁ、食器くらいなら買い替えも効くし。

(…?あれ、このカップ、誰かのお気に入りだったような…まぁ、割れたものは処分しとくか…)



同時刻(以下略)


「あーあ…無理するから…フーディン?」
「……………」
「ひょっとしてあの食器、フーディンのお気に入りの…」
「…まぁ、次は私が行こうかな…
 あの二人には後でお仕置きでもしておくとしよう」
「…トラウマにならない程度にしてあげて下さいね…
 …あれ?フシギバナが行きましたね」




皿を片づけ、キュウコンとライチュウを着替えに行かせて、一息つく。と、
キッチンにラップで蓋をされた何かがあるのに気がついた。黒とも茶ともつかぬ球体…のお菓子…

「…おはぎ、か…?」

何やら書き置きがしてある。…ご主人様、おやつにどうぞ、か…
こいつホント器用というか、料理ウマいよな…

「どれ、ひとつ貰っておくか」

器から取り、そのまま齧ってみる。餡の甘さと僅かに形の残ったもち米の触感が――!?

「――――――ッ!?」

何やらおはぎにあるまじき堅い感触に引き抜いてみると、そこには銀色のとがった針。
…気のせいか、これどっかで見たような展開だなぁ…

「ご主人様ー、おはぎ食べた―?」
「うぉぉぉっ!?」

自分でも凄い声をあげて飛びのく。フシギバナが満面の笑顔で背後に立っていた。
お、落ち着くんだ俺――――KOOLだ、KOOLになれ!!

「おいしかった?」
「いや、それ以前にこの針はいったい…」
「うん、ボクの新しい個性♪」
「…は?」

…理解できない。フシギバナが続けて解説を始めるのを待つ。

「ボクね、あんまりパーティの中でも目立ってないと思うんだ…ハードプラントとか料理とかいろいろあるけど、どれも地味だし…
 だから、最近本で読んだ『ヤンデレ』ってのを身につけてみたいと―――ご主人さま?」
「……………」
「…泣いてるの?」
「……フシギバナ…頼む…頼むからお前はそのままでいてくれ…そのままで充分だからホントに」
「…?う、うん、わかったー」



同(ry

「……………」
「…恐るべし天然バカっこ、と言うべきかな」
「……………」
「シャワーズ、間違っても鉈とか持ったりしないようにね」
「え、えぇ、はい、そうですね…」
「じゃあ、私も行こうかな。…というより、シャワーズはやらないのかい?本妻の余裕というやつかな?」
「いえ、ただ単に思い付かなくて…」





この建物の風呂はなかなかに広い。3,4人くらいなら、手足を伸ばしても充分に浸かれる浴槽もある。

「はぁ………今日はなんか色々大変だったな…」

汗を流して一息つく。考えることが多い上に、なぜか皆が妙によそよそしい。
と、脱衣所に気配。…洗濯か何かか?

「マスター、いるかい」
「フーディンか?どうした?」

扉越しの声。どうやら声の主はフーディンらしい。
気のせいか、なにやら衣擦れの音も聞こえるんだが…あれ?前にもこんな事があったような…

「…お前、まさか…」
「失礼するよ」

反応する間もなく扉が開くと、タオルを体にまきつけたフーディンが風呂場に入ってきた。
湯気越しに見えるシルエット…こいつやっぱ小さいな。何がとは言わないけど。…とか思ったら小突かれた。

「あいたっ!?」
「マスター、今何か失礼な事を思っただろう」
「…無言で心を読むなよ」
「今のは女の勘だ。…さて、マスター、せっかくだし背中でも流そうか?」
「…ああ、頼む」

なぜかコイツだけは風呂に乱入されてもあんまり気にならない。
それは別にフーディンをどうでもいいと思っているわけではなく、信用しているって事なんだろう。
シャワーズとはまた別の点で、俺にはフーディンが必要だと分かっている。
フーディンも、自分には俺が必要だと思っているのかもしれない。

「…フーディン、洗ってくれるのは嬉しいんだけどさ、念力だと力が強すぎて痛いんだが…手でやってくれ」
「タオルなしで素手でやれと?…全く、マスターは…」
「…お前後で覚えとけよ」

俺としては念力でタオルを動かすんじゃなくて手で押さえてほしいんだが。
念力だとどうしても細かい力加減がきかないみたいで痛いんだよ。

「これでいいかい?前も洗おうか?」
「お前の場合本気で何をするか分からないから遠慮しとく」

二人で微妙な距離を置いて浴槽に浸かる。


「…フーディン。もう30分くらい立つんだが」
「…もうかい?分かった、上がろうかって――!?」

浴槽から体をあげた瞬間。フーディンがバランスを大きく崩し、床に倒れた。

「…大丈夫か?」
「の、のぼせちゃったみたいで…」
「…ったく」

タオルを巻き直して、簡単に水分をぬぐった後で脱衣所にあげてシャワーズを呼びに行く。
あいつはいったい何がしたかったのやら。





しばらく後。

「…大丈夫ですか?」
「失敗したよ…のぼせた私に欲情するかと思ったんだけど」
「体調を心配してくれた事に感謝すべきだと思いますよ?」
「まぁ、それもそうか…」





     * * *




「…結局、いまいち効果はなかったみたいだね、みんな…」
「ですね…」
「というか、誰か我に状況を説明してくれないか」
「ま、まぁ、別に誰かが抜けるって決まった訳やないんやし…」

と、部屋の扉が開く。

「お、みんなここにいたか。ちょっと来てくれ。話がある」
「「「―――!!」」」








で。その後、ジムの部屋が足りないという事でどうにか部屋割りを考えていたのだが、
いろいろ計算していくと他にも足りないものがいっぱいあって、リーグ本部に改築を依頼する――という話をしたんだが。

「お前ら、どうした?様子がおかしいみたいだけど――」
「ご主人様のバカーっ!」
「なっ!?」

フシギバナにののしられながら抱きつかれた。

「紛らわしいです、マスター…」
「シャ、シャワーズ?」

俺の手をとり、自分の顔に当ててるシャワーズ。ちょっとまてなぜ泣く。

「心配させおって、このこのーっ!」
「痛い痛い痛いよせってフライゴン!」

頭頂部に拳を押し付けぐりぐりと擦りつけてくるフライゴン。てか痛いからホントに。

「…やれやれ。まったく人騒がせな主人だよ」
「お、おい――」

フーディンが肩をすくめて部屋を出て行く。
…よく分からないが、まぁ、いいか。
たまにはこんな滅茶苦茶な日も、悪くはないだろう。








おしまい。






































「…フーディンおねえちゃん…」
「どうしてあたしたち、縛られてるのかな?かな?」

「いや、悪気はないって分かってるんだけどね…あのグラス、凄く高かったんだよ…
 デザインも珍しくて気に入ってたから―――体で返してもらおうかと」
「えーーーっ!?」
「そ、そんな…」
「じゃ、覚悟してもらおうか」

「「きゃーーーーーーーっ!!」」
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