「うし、準備もできたし早速いくか!」
「おおー!」「ふぁ~あ…」
ここハナダシティのはずれ、ハナダの岬に1人の少年が居た。
本来はマサキという男の家だが、少し前からちょいちょい現れ、更には住み着いていた少年がこいつである。
なぜ住み着いたのかといえば、単に行き倒れたのと、萌えもんのデータを見るのが目的である。
萌えもんのデータを見るのは、少年がある萌えもんを追い求めているからである。
マサキは気にしてないからいいのかもしれないが。
少年は今日、ようやく、2人のパートナーを連れて旅を再開する。
「あのなぁカビゴン。もう少ししゃきっとできねぇのか。」
「眠い…ムリ…」
「カビゴンちゃん!ちゃんとしなきゃダメだよぅ!」
「おお、ウツドンの言うとうりだ。もっと言ってやれ!」
「寝るときはベッドかボールの中じゃなきゃ!」
「そっかー、じゃあボールに戻るー」
「そういうことじゃねーだろ!カビゴンも勝手にボールの中に入るんじゃねぇ!」
少年の怒声もむなしく、ボールの中に戻るカビゴン。
この少年、そうとうな苦労症なのかもしれない。
「はははっ、今日もにぎやかやなぁ。」
「うるへー、ほっとけ。」
このジョウト弁の男がマサキだ。
「いやいや、にぎやかなのはええことやでー。これからまた1人かと思うと寂しくてしゃーないわ。」
「じゃあカビゴン置いてってやるよ。寝てばっかりでやくにたたn…」
「なんか言った…?」
いつの間にかボールから出たカビゴンの“のしかかり”が少年に決まる。
少年の上にうつぶせになるカビゴン。
床にキスする少年。
少年は何も言わない。…いや、言えない。
「あーあ…大丈夫でっか?」
「ごしゅじんさま!だいじょーぶ?!」
少年がやっとの思いで言葉を発する。
「……死ぬ…たすけ…」
「ほら、カビゴンもそろそろよけてやりーな。」
「…あててんのよ。」
「カビゴンちゃん!おりなきゃご主人様しんじゃうよぅ!」
「いやいや、意味わからへんし。」
嗚呼無念、少年はここでリタイアのようだ。
まことに残念である。
~Fin~
「勝手に…終わらしてんじゃねぇ…」
カビゴンをボールに戻し脱出した少年。
「ん?終わらすってなんのことや?」
「いや、こっちの話だ。」
「まぁ、どうでもええわ。それよりこれからどうするんや、ルキ?」
ルキとはこの少年の名前である。
「ああ、そうだな……とりあえずシオンにいる従妹にでも会いに行くか。家出中って聞いたけどな。」
「はぁ~。なんか大変そうやなぁ。」
「んなことねーよ。あそこの親父が過保護なだけだし。18…だったはずだしな。」
「そう言うなら大丈夫そうやな。ま、また来たらよっていけや。」
笑顔でそう言うマサキ。
押しかけたのに、何日もルキを泊めてあげたりととてもいい人である。
……変な詐欺にあいそうで心配である。
「おう!泊めてくれたり萌えもんのデータ見せてくれたりサンキューな!」
ルキも、満面の笑みで返す。
旅の出会いと、祝福をこめて。
※ ※ ※
「ごしゅじんさま、今回もダメだったね」
ウツドンがルキに話しかける。
「ああ、ここもダメとなると……後はグレンの研究所か?」
ルキはマサキの家の前に、オーキド研究所にも寄っている。
各地の萌えもんの研究施設を行脚しているのだ。
ある萌えもんを見つけ出すために。
「あの萌えもん……絶対見つけ出してやる…!」
~後書き~
|’’)ノやぁ、ひなですよー。
今回はほんぺんでわなく番外編と言うかなんというか……
ほんぺんじゃなくてごめんなさいorz(待ってる人なんていないと思うが
今回の話は本編とリンクしてたりしてなかったり。
まぁ、深くはかたりません。察してください(爆
でわこれで
|’’)ノシ
最終更新:2008年05月24日 21:36