5スレ>>383


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※どうも、零です。
新シリーズ第二話なわけですが、新シリーズっていうのもなんなのでレイ本編とでもしましょうか。
オリジナル要素、DP要素が多いですが、ご了承ください。
お暇があれば是非どうぞ。





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       Ray Side Story... -ⅱ-

          それぞれがそれぞれのラブソング


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「ん、んん~…ふわ…」

青年は深い眠りから目覚めた。
窓外からは燦々と、心地よさを与える光が差し込んでいる。
ここはもえもんセンター、その宿泊施設の一室。

「おはようございます、ご主人様」
「んあ?」

青年の隣には、既に起きていたハクリューの姿。
彼女は常に早起きで、主人の起きる前には必ず起き、必要な準備をしているのだ。
ワタッコは、青年を跨いだハクリューの逆隣で気持ちよさそうに眠り、ムウマージの姿はその部屋にはない。
青年は、いまだ眠い目でハクリューを眺める。
頭は未だに冴えず、いつもの朝ではあるが、そのいつもの状況を飲み込むにはもうしばらくかかるだろう。

「大丈夫ですか?もう9時ですよ?」
「んあー?……うん、おはよぅ…」

そんなやり取りにハクリューは微笑む。
こんななんでもないやり取りの中にも、こんなやり取りを交わせ合えるという絆を再確認するのだ。
それは、ムウマージ、ワタッコも然りなのだが、朝に限っては双方とも青年より早く起きることはない。
ハクリューはまた、この寝起きの可愛い主人を一人占めできることにも嬉しさを感じるのだ。

「ふふ、寝起きのご主人様はやっぱり可愛いですね」
「ふえ?」
「いえ、なんでもないですよ」

青年は、未だ覚めない目、冴えない頭で何かを考え、ハクリューはそれを眺め、しばらくの幸せに浸る。
行動を開始するのは、青年の目と頭が冴え始めてからだ。

「今日はどうするんです?」
「んん?んー…昨日はジム戦だったっけ…?」

昨日、青年達はタマムシジムのエリカを倒し、バッジを手に入れてきたのだ。
エリカの得意とするは草タイプであり、相対してもお互い影響は少ない。
拮抗した実力同士のぶつかり合いであった。
基本的に1vs1であるジム戦、苦戦をしつつも、試合の流れ、繋がりを考えた持ち前のコンビネーションで勝利をもぎ取ったのだ。
もちろん青年は例の少女のことも聞いてきたのだが、彼女に心当たりがある様子はなかったよう。
もし会えば伝えて欲しいと告げ別れて、その一日を過ごしたのだ。
今日はその翌日なのである。

「んー…もう情報もないしなぁ、少女と会ったら教えて欲しいともエリカさんに言っといたし…」

そろそろ青年の目、頭も冴えてきた。

「たまには遊ぶかー…」

ここまでの道のり、ひたすらに進んできている。
長く旅していれば、今日の様な空白ができるもの、その空白に遊び、息抜きをするのが青年達のスタイルである。
息抜きといっても、街をブラブラして、買い物をして、外食をして、またブラブラして、そんなちょっとしたことで、特別なことでもない。
しかしそれでも、彼女ら青年のもえもん達にとっては幸せなのである。

「どう?」

ハクリューはパァッと顔を輝かせ、嬉しさを顔に表した。

「いいんですか?」

しかし努めて大人の態度で、あくまでも冷静に返す。
その様子を見、今度は青年が、ハクリューのことを可愛らしいと思う。

「うん、可愛いハクのためだ」
「ふふ…」

二人の間には、なんとも心地よい暖かさに包まれた。
青年は、その空気に幸せを感じつつも、その照れを隠すかのようにいそいそと準備に取り掛かる。
その手始めに、部屋には姿のないムウマージを起こすことから。

「とりあえず…むぅちゃん!朝だ!!」
「むにゃ…?」

まだまだ眠いとわかるムウマージの声、その声と共に、青年のすぐ背中のその敷布団から、ムウマージの姿が現れる。
彼女はなにより睡眠を妨害されるのを嫌うため、“かげうち”を応用した技で主人の影に潜み、常にそこで睡眠をとっているのだ。
その影の世界は、影の主の声しか届かない、外界からの干渉を拒絶した世界。
主人である青年の影に潜む彼女に届くものは、青年の声のみである。

「もう朝でしか…」
「うん、おはよう」

睡眠にはうるさいムウマージ、寝起きは常に悪く、ゴーストであるが故に朝に弱い。

「うー…みゃー…」

その弱々しい声と姿に、青年の心はさらにくすぐられる。
少々ふざけ合ったりもして、彼女の目もまた覚めてくるのだ。
さらに、その騒がしさに目を覚ましたらしいワタッコが、青年の頭、彼女にとってのホームポジションへと飛び乗る。

「おお、わたぽん、おはよう」
「わはー♪」

これで全員集合。
楽しい一日が始まるのだ。
空はどこまでも快晴、絶好のデート日和であった。





青年達は、街中をしばらくブラブラ、ふざけ合ったりもしながら歩き回った後、その途中にふと見つけたファーストフード店で昼食を取る。
時刻は正午を迎えて間もない頃だ。
燦々と輝く太陽もまだ衰えを見せていない。

「このあとどうするかー」

店内で食事を取りながら涼んでいる青年達。
青年も、彼女達も、ブラブラするのにもそろそろ飽きてきている。

「あたち技マシン欲しいでし!技マシン!」

提案をしたのはムウマージ。
朝とはうってかわってハイテンション、目はキラキラと輝いている。
いつもは冷静なムウマージといえど、やはり主人との一時に幸せを感じるのだ。
もちろん、長い旅の中、技マシン程度いくらでも買えるほどのお金は貯めてきている。
青年はいくらでも買ってやるつもりであった。

「おお、むぅちゃん、何が欲しいんだ?」
「マスタースパーk…じゃなくて“10まんボルト”!」

しかし、その技マシンの名前を聞いて、少し怪訝に思う。

「なんで…?」
「やっぱ攻撃はパワーだZE☆」
「…口調変わってるぞ…パワーなら“はかいこうせん”じゃだめなのか?」

電気はハクリューの担当なのである。
ハクリューも“10まんボルト”は覚えているし、青年には少し躊躇われた。

「それはファイナルスパーk…いや、まぁ、それはそれでいいんでし!また別にマスタースパーk…じゃなくて“10まんボルト”が必要なんでし!」

青年には意味がわからない言動。
最近ムウマージが熱中してるゲームかなんかの影響か、と思いつつ、いつの日かなにかのお礼で貰ったゲームコーナーの景品交換券のことを思い出す。
“10まんボルトは”ゲームコーナーの景品。
無駄になるくらいなら、と買ってあげることに決める。

「まぁ、いいか、金もかかんないなら…ハクにわたぽんはなにかあるか?」
「あ、えと…」

急に話を振られたハクリューだが、なにやら心当たりのあるように声を漏らす。
青年とムウマージの会話を聞きつつ、実はハクリューも何か欲しいものを考えていたのだ。
頼もうと切り出してはみるものの、何故か少し顔を赤らめて躊躇う。
ワタッコは食べるのに夢中で呼ばれたのにも気づいてなかったのだが、それはいつものこと。

「あ…いや、ご主人様と…いれるだけで」

ハクリューは、言いたいことを全て飲み込んで、顔を伏せてしまう。
青年には、それは恥ずかしがっていることなのだと、ちゃんとわかっている。

「なぁ、そんな恥ずかしがるような仲じゃないだろ?それともそういうのが欲しいのか…?」
「ちっ!違っ!そういうことじゃないんですけど…」

わかった上で、あえて悪戯をして、その反応を楽しむ。

「なになにー?」
「ん?ああ、ハクはえっちだから変なことされないように気をつけなきゃだめだぞ?」
「ご主人様っ!」

少しやりすぎな悪戯に、さすがにハクリューは怒り出す。
もちろん、本気ではなく。
さらに、

「なにやってるんでしか、さっきから」
「ん?嫉妬?」
「なっ!?ち!違うでし!」

馬鹿らしいと思って注意をしたムウマージもまた、青年の悪戯に巻き込まれる。
ムウマージは慌てて否定をするが、まるで肯定するかのように顔を赤くしてしまう。
そんな姿を見て、青年はさらに悪戯をする。

そんな、緩やかな空気の流れる冗談に笑い合いつつ、時間は過ぎていくのであった。





――夕刻。
美しき茜の映える空が、街を同じ茜に染め上げている。
ムウマージは嬉しそうに、鈴の音をかき鳴らして空を漂いまわり、ワタッコは青年の頭の上でスヤスヤと夢の中。
青年の傍らを付き添うハクリューは、空の茜のせいか、はたまた別の要因か、頬を朱に染めている。
彼女らには、それぞれ、朝はまだつけていなかったはずのブレスレット、リボン、ネックレスをつけている。
ムウマージの左腕には、“やすらぎのすず”の音が美しいブレスレットに。
ワタッコの頭には、“きせきのタネ”が光る黄色いリボン。
ハクリューの首にぶら下がるのは、“りゅうのキバ”が神秘に映えるネックレス。
どれも、彼女らのために青年が特注したオーダーメード。
それぞれの思い出の品を装飾品に加工したもので、今日作ったもの。
青年は、彼女らへのプレゼントを選んだ時のことを思い出す。

――これなんかどうだ?――
――なんでそんなセンスないんでしか――
――え~?でも腕を振って音なって、可愛いじゃん!――
――べ、別に…まぁいいでしけど――

――おお!似合うじゃん!――
――ホント!?可愛い?可愛い?――
――ああ、世界一可愛い、宇宙一可愛い――
――わはー♪――

――これいいじゃん、綺麗綺麗!――
――で、でもっ!こんな高価なもの…――
――ずっと身に付けたいんでしょ?――
――ッ!そ、そんな大きな声で言わないでくださいっ!――

それぞれの反応に、また絆を深めていく。
そうやって一緒に旅して、これからも一緒。
そんなことを思って、微笑みを浮かべる。

「なに笑ってるんでしか?」

そう言って青年の方へ振り返るのは、嬉しそうに笑うムウマージ。
いつもはなかなかみせない笑顔は、飛び切り可愛いもの。
青年の隣を歩くハクリューも、また同じように青年の方を見る。
その表情にはいつも以上に暖かさを含んで。

「いや、なんでもない」

青年は、たいしたことではない、と、首を振る。
こんなことを考えていたと知られたら恥ずかしい、とも思って。

「そういえば――」

即座に話題を変えようとして、不意に少女のことを思い出す。

「結局エリカさんからは連絡なかったな」
「そうですね…」

情報がなければ、また明日から虱潰しで探していくしかない。
今までは情報を頼りに進んできたが、今はまったくその情報がない。
本当の虱潰しになるのだ。

「やっぱり――」

やっぱり先に進んじゃおうか、青年はそう言おうとしたが、言いかけて、ふと、美しい和服の女性の姿が視界に入る。
その姿は紛れもなく、昨日タマムシジムで闘ったエリカさんその人であった。

「噂をすればなんとやら、かね」
「ふふ…ですね」





~~あとがき~~
第二話、いかがでしたでしょうか。
あんまりストーリーの内面とは関係ない話。
ほのぼのラブ(?)ストーリーを目指してみましたが、どうなんだか…w
最近はいろいろと表現とか描写とか目まぐるしく試行錯誤してますので、多々おかしいところはありますが、どうか大目に…;;
突っ込みとかどんどんくださいm(__)m
今回のそれぞれがそれぞれのラブソング、とかいうタイトル。
まぁ適当(ぇ)なんですが、内面に突っ込んでないということでちょっと小シリーズ化してみようかな、とか考えてます。
恋の行方やいかに!って感じで乞うご期待、or、not乞うご期待ください。
最後に、こんなものに付き合っていただき、本当にありがとうございました。m(__)m
第三話、できあがったらまた見てもらえると嬉しい限りです。では。
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