5スレ>>444


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≪日常≫―――毎年に300日以上ある日のこと。

 
 小さくもなければ大きくもない、綺麗ではないが汚くもない。今時では珍しい中流家庭の一軒家。
 そのドアを薄紫色の角が生えたモルフォンは同様に平凡な木製のドアを三度ノックした後でドアノブを捻り扉を開けた。

「マスター、入りますよ~……って、うわぁっ」

 入るなり顔を顰める。彼女の眼に入ったのは散らかった大量の本。
 何かの辞書や高校の教科書や故人が書いた小説や人気のライトノベル等々と世間的に「本」に分類されるものが床一面を覆い隠していた。
 そして広がる(散らばる)本の森の中で眠れる美女……ではなく青年が一人いる。

「……」

 慣れているのか呆れる様子も無く、モルフォンは念力で足場を造りつつ青年へと近づいていく
 ある程度まで距離を詰めると「すぅ」という音と共に周囲の息を思いっきり吸い込むと……

「ンンムゥゥマスタァァァァァァァ―――!!!!!」

 モルフォン の なきごえ!! ではなく普通の叫び声。単純だが寝ている者には効果大だろう。
 突然であったはずの大声に青年は驚いた様子も無く瞼を開けるとゆっくり上半身を起こした。
 欠伸をすると右目を擦り、モルフォンへと顔を向ける。すると不機嫌そうな顔をする。

「なんだ、モルフォンじゃないか。安眠中の僕を起こすとは一体何事だ」
「夕飯の時間でしたから……っというより部屋で六時間も引き籠っておいて何だとは何ですか!!」」
「もうそんなに経ったのか。光陰矢の如しとはまさにこの事だな」

 反省する様子も無く呑気に首を掻き始めた青年にモルフォンは思いっきり溜息を吐いた。
 その後で後ろへと振り向き夥しいとも表現できる程にある本達へと目をやると 

「それで、この大量の本は一体どうしたんですか」
「どうしたも何も店で買ってきたに決まっているだろう」
「………まさか、また生活費を削って?」
「《生活費》とは大袈裟だな。あれは俺の《お小遣い》だろうが」
「………」

 再び大きな溜め息を吐く。小さな声で「頭が痛い」と溢すと青年へと向き直り

「とりあえず御飯を食べましょう。その後で絶対に整頓をしてください」
「面倒だな」

 下は向き少しは自嘲する気はあるのだろうが、小声では無い普通の大きさで呟くと、
 その後すぐに何かに気づいたのか「ん?」と同時に顔を上げると、

「お前も手伝ってくれるんだろ?」

 それが当たり前の事のように、けれど綺麗な笑みを浮かべて青年は言った。
 不意に魅せられたそれに彼女は「え?」と驚いてしまい僅かに頬を紅めてから

「は……はい。て、手伝いますよ」

 しどろもどろに返事を返す。それを聞くと同時に青年は立ち上がると唇を吊り上げ笑顔を作り

「じゃ、とっと飯を食べようか」

 そう言って本を踏みながらも歩き自分の部屋から出ていった。
 残されたモルフォンは頬の赤みを引かせる為にも一度大きく深呼吸した。

 散らばる本達を見る。その後で去っていった青年の背中を思い出すと、

「あんなに自分勝手なのに……好きなんですよね」

 鬱陶しいという勝手極まる理由から自分を変えてくれた。
 当然だという高慢な気持から自分を相棒にしてくれた。
 馬鹿かお前はという侮蔑の気持から自分を強くしてくれた。

 そんな最悪なような人間に、自分は恋をしている。



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『登場人物紹介』

『パープル』―――トレーナー
一応この物語の主人公。だが特に目的も無くブラブラと放浪している。
どこかの草むらでコンパン(現・モルフォン)と出会ったのが旅のキッカケだとか。
超自分勝手・超マイペースな上に仲間にするモンスターも気まぐれで決めている。


『モルフォン』―――パートナー
パープルが旅に出るキッカケとなったらしい萌えモン。昔はコンパンだった。
几帳面・真面目な性格で家事全般が出来るが正反対な性格のパープルに苦労している。
とある事情により出会ったらしくパープルに対し恋心を抱いているが打ち明ける機会が無い。


後、萌えモン数人追加予定
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