ルーミア・ゴールドウィン

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***此処に於いて私は、父にして現国王である彼を玉座から退かせ **その後に立ち、この国を世界の覇者とせんと考える ルーミア・ゴールドウィン―――2月27日〝僭王布告〟より抜粋 |>|簡略紹介| |名前|後述| |種族|人間| |所属|[[金の国]]| |身長|163cm| |体重|48kg| |誕生日|第三世界の1992年10月9日| |好きな食べ物|牛肉の赤ワイン煮(但しマッシュルームは入れない)| |嫌いな食べ物|安い魚| |料理の腕前|した事が無い| |地味な特技|早口言葉| |趣味|散歩、議論| |職歴|無し| |収入源|無し| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):ステータス(MIN0~(力~魔防MAX30、HPMAX60、LVMAX20、体格MAX20)、武器レベルE~S)| |LV|HP|力|魔力|技|速さ|幸運|守備|魔防|体格|武器LV| |9|31|11|22|23|21|18|13|13|6|剣C、銃器C| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):装備| |>|>|名称|威力|命中|必殺|射程|重さ|特攻|弾数|特性| |>|>|長剣|5|90%|0%|1|5|-|-|斬撃| |>|>|特注単発式ライフル|8|90%|0%|1~4|5|-|1|銃撃| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):CENTER:移動力(MAX15)、地形マイナス補正| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|5、森(-1)、砂漠(-1)、山(-15)、浅瀬(-15)、海(-15)、高山(-15)| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):特殊技能| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|飛行C(中空を飛行可能)、魔力浮遊(魔力残量が有る限り地形マイナス補正無効)| 絹のような金髪をツインテールに纏めた、瑠璃色の瞳の少女。 リボンコサージュを付けた紫のドレスを纏い、装飾の施された鞘に収められた一本の長剣を腰に付けている。 金の国の第一王女にして、王位継承権第一位を持つ。 ---- -人物   誰にでも、所謂「お嬢様口調」で話すものの、思考する時や独り言では通常の口調になる。   余所行き用の整った笑顔を作る技術も有り、誰にでもある程度以上親しく接しているように「見せる」事は得意。   戦闘などで余裕が失われた時は表情も崩れるが、会話の最中に崩れる事は非常に稀。   他人と議論を行う事を好む。結論を出すより、議論を行う事そのものを楽しんでいるようだ。   その内容は、国の統治から人の善悪、人間の定義、コイントスは結果を必ず生み出すか、など、節操無く範囲が広い。   しかし結局の所、思想は元々固まっており、議論によってそれが揺れ動く事は少ない。   その思想は、軍事力を〝絶対的な力〟として信望し、他者を兵士として冷徹に見据えるもの。   指揮官としても統治者としても酷薄に過ぎる思想かも知れない。   フルネームは、ルーミア・フリデリーク・ルイザ・オルブラフト・ゴールドウィン(Rumia Frederike Luiza Albrecht Goldwyn)   これ以上に区切りが多い名前が有るのなら教えて欲しい所。   この名前で名乗る事は殆ど無く、身分を明かす事も少ない。 ---- -来歴   軍事力信仰と、自国の民「だけ」を重要視する思想が極端にまで行きついた結果、   自らの部下集団〝アルマゲスト〟を率いて、各地にて襲撃を重ねる。   殺戮の後、[[部下>ライブラ・ユースティティア]]の能力によって死者を兵士と代え、自らの軍を組織。   力を蓄え振るうその最終目的は、金の国を世界最大最強の国家とする事。   技術、文化などを軍事の傘の元に集め、外敵という衰退要因を徹底的に排除する事だ。   その為なら、〝アルマゲスト〟の構成員の一部を通じ、カノッサ機関夜の国支部とすら手を結んだ。   〝アルマゲスト〟に命じ魔術協会を襲撃する傍ら、自身は素知らぬ顔で其処を訪れ、金の国への勧誘を行った。   魔術協会で寝泊まりするなど、裏を知られたならばどれ程に不遜な行為だったかが分かるだろう。   その暴が頂点に達したのが、冒頭の文章を含む〝僭王布告〟である。   実の父である国王を地下に幽閉し、国民が近づけぬ程に城の防御を固め、   その行動に異を唱えた[[騎士団長>レオンハルト]]に深手を負わせた。   結果、国民の反感は頂点に達し、市中では隠れる事もなく僭王批判の声が上がる。   武力への絶対信仰が生んだ暴挙は、果たして何処まで行きつくのだろうか。   辿り着いた先は、自らの人としての生を捨てての、更なる力の追及。   自らの部下エルナト・トーラスが、反乱軍に与していた事を知りつつも、能力者達と戦闘を行わせ   戦いの最中、後方から彼の背を貫き、その血を自らの武器とした。   玉座の間を大破させ、場外の民衆に見せつけるように、城壁の上で戦闘を行い。   そして、能力者達の手によって倒れ、反乱軍に捕らえられる。   彼女が、所謂〝悪〟であったのか、どうか。   それは、彼女の言葉を知る者が、自らの正義と照らし合わせて考えるべき問題である。 ---- -能力:≪World is mine.≫   本人曰く、言葉にするなら一息で足りるけれど、誰にも深淵は覗けない能力。   現在までに確認された能力の使用例は以下の通り。   打ち上げられたコインに石をぶつけて、コインを空中に静止させる。   空中に静止させた空き缶に触れ、それを勢いよく飛ばす。   軽く地面を蹴っただけで空中に浮かびあがる。   空中を歩く。   剣で斬りつけた相手に何らかの力を働かせ、地面に押さえつける。または空中に打ち上げる。   投擲した剣が、時間をおいて手元に戻ってくる。   どうやら、様々な『命令』を物体に与え、その通りに動かすのが、能力の核らしい。   『命令』する対象は、自分自身と自らが触れたもの、そして更にそれに触れたもの(本人は〝二次接触対象〟と呼ぶ)。 『ザミエルよりカスパールに捧ぐ』   単発式ライフルの弾速を極限まで高め、命中力と貫通力を同時に引き上げる。   元々の戦闘スタイルが長剣を利用した近~中距離戦闘な為、遠距離の手札一枚は非常に大きい。   新たな武器、黒い魔銃を用いて放った際は、黒い閃光を柱上に打ち出して、攻撃に対する防壁と変えた。   名称が同じである以上、原理も同じなのだろうと推測するなら、その結果は武器の性質故となるだろうか。 ≪ Who Know The world want ? ≫   魔銃に全身全霊の魔力を込めて放つ『だけ』。   黒い閃光となり打ち出された魔力には、特別な性質は何も無い。   ただ破壊する、ただ蹂躙する。それだけの事だ。 ---- -装備 『長剣』   鞘に装飾が施された長剣。重量は余り無いが、打ち合いに応じられる程度の強度は有る。   魔力を流して用いる事が多い、何か特別な金属が使用されているかも知れない。   しょっちゅう投げられる。頑張れ長剣。 『ライフル』   単発式のライフル、本気で相手を仕留めなければならない時以外は使用しない。   銃身を長くして弾道のブレを抑えてある。 『魔銃』   魔力を弾丸の代わりに込めて発射する、この世界では一般的な形式の魔銃。   ルーミアが使用したものには、聖都で用いた拳銃型と、金の国で使用した散弾銃型が有る。   後者は、彼女の魔力という条件が有ったとは言え、[[天ヶ谷 双葉]]の切り札を容易く相殺してみせた。 ---- [[前のページ>御車 八潮]] #center(){[[一覧に戻る>ハブ酒(中身)の情報]]}#right(){[[次のページ>柳 西鳳]]} ---- -〝僭王布告〟全文   「布告」   「金の国現国王は惰弱にして暗愚である」   「この王を上に抱き続けるのなら、金の国は戦乱を免れる事は出来ない」   「昨今の跳梁跋扈を見るまでも無く、その事実は十三年前のクーデターが示していた」   「この国の為を思うのならば、かの王が王位にある事は、国家の大きな不利益である」   「此処に於いて私は、父にして現国王である彼を玉座から退かせ」   「その後に立ち、この国を世界の覇者とせんと考える」   「世界に覇を唱えた暁には、この国の在りし日の栄華を」   「いや、それに数倍する、新たな栄華を約束する」   「この私の元にある限り、この国はもう『鉛の国』ではない」   「不幸にして、戦乱の中にあり、この国は〝襲撃するに価値有る国〟である」   「あのクーデターより、この国を襲撃するという事は、世界への布告と同義なのだ」   「テロリストの虚栄心の為に、国民が命を落とす。その様な事は、私の胸を酷く痛ませる」   「我が国の騎士団は精強だが、然しその人数は決して多いとは言えず、国内全土は守る事が出来ない」   「従って我が親愛なる国民達に願う。どうか、その手に持つ鍬を剣に槍に変えては貰えないだろうか」   「以上の布告は、間違いなくこの私が、私自身の言葉で行ったものである」   「新国王、ルーミア・フリデリーク・ルイザ・オルブラフト・ゴールドウィン之を記す」 ---- -騎士団長への独白:胸に剣を突き付けられて   ……国を守るとは、何なのでしょう   私は今でも、彼女に与えた命令を間違っていたとは思いません   彼女は、あそこで死ぬべきでは無かった。だから、私は彼女を前線から外した   その結果彼女は、一人での戦いを選び、死んでいった   たった一つ私の命令に背いてした事は、死ぬ為に戦う事だった…………   独り言は終わりです、騎士団長ラインハルトよ   貴方が守るべきは国ですか?私ですか?   そして貴方はその為に、今からどうしますか?   ……目を開けなさい。権力も家柄も、所詮は目を覆う暗幕に過ぎない   身に付けた刃が飾りだというのなら、騎士の名など捨ててしまいなさい   この世界に生を受けた者ならば、一度は必ず夢を見る   自分自身が世界の全てを、思う様に動かす事を   そして必ずその夢は、幼いうちに。或いは意識を持つ前に、断たれる   自分では決して届かないと、悟るのです ---- -〝僭王討伐戦〟にて、法則性の無い抜粋   ……甘い、と笑う事は誰でも出来る   言葉の隙間を突いて相手をあざ笑う事は、とても簡単で   誰でも出来る上に明確な反論は用意出来ないから、自然と広がって行く   何時からなのかしら。正義という言葉が、酷く嘘臭く聞こえるようになったのは   それはきっと……そう。笑う者が増えてからなのでしょうね   人は、弱い。大勢が動けば、そう動かざるを得ない……   ……だけど、それでも。付和雷同しか出来ず、日々が変わらぬ事だけを望む者だとしても   彼等が其処にいて、悪い理由など何処かに在るのでしょうか?   いいえ、そんなものはない。彼等は、そこに居てよい   自分の家でも、街の中でも。そして現在の様に、王城を囲む事でも……   但しそれは、彼等自身の意思によって為されなければならない   彼等自身が自らの思想を持ち、この行為が正義で有ると認識して行われなければならない   私の正義は、〝絶対的な力〟―――〝軍事力〟を持ち   人を捨てて得た長い永い寿命の間、行使し続ける事   そうしてこの国を、世界最大最強の国家にする事……「でした」   貴方は、笑いますか?荒唐無稽な、到底届く筈の無い、正義の名を借りたこの夢を   私は、もう笑う事は出来ない。誰かの正義を笑えるのは、正義を歩もうとしなかった者だけでしょう   知っていますか?理想を語る事は、誰でも出来るけれど……   理想を実現させようとして、成功する事はとても難しい、と   歩み続ける貴方なら、きっと分かっている筈。決して、相容れぬ者は居る   どれだけ足掻いても力が足りぬ事は有り、その解決策すら見えない事が有る   ……ああ、世界は何時も意地の悪い所を見せてくれる   理想が叶わないと知る事が出来るのは、理想を追った者だけ   なのに……「追い続ける」事が出来るのも、追った事が有るものだけ   叶わないと知らなければ、追い続ける事すら出来ない……   ……だから、追い続けるのでしょうね   だからこそ、<Justice>……過去の同盟者に、助言を残しましょう   他者の正義を批判し指を指して笑えるのは、正義を追った事の無いものだけです   その道のりの険しさを知れば、その様な事が出来る筈は無い……   ……だからこそ貴方達も、否定してはいけない。異を唱えて良いのは、その実現方法だけです   どんな下らないように見える理想であれ……それが子供の描いた夢であれ、きっとそれは何処か正しいのですから ふふ、ふ……―――あはっ、あはははははっ……!! *       我が覇業っ、破れたり!!! 「史書にその名を残すなら、彼女を何と呼ぶべきなのだろう。 〝僭王〟と、広く世に伝わる名を用いるか。〝狂女〟と、安易な言葉を使おうか。 或いは私の知性をひけらかす為、敢えて世間とは逆に〝理解されなかった名君〟〝革命家〟とでも呼ぼうか?」 『私ならこう呼ぶね。〝夢想家〟或いは〝夢見る少女〟と』
***此処に於いて私は、父にして現国王である彼を玉座から退かせ **その後に立ち、この国を世界の覇者とせんと考える ルーミア・ゴールドウィン―――2月27日〝僭王布告〟より抜粋 |>|簡略紹介| |名前|後述| |種族|吸血鬼| |所属|[[金の国]]| |身長|163cm| |体重|48kg| |誕生日|第三世界の1992年10月9日| |好きな食べ物|牛肉の赤ワイン煮(但しマッシュルームは入れない)| |嫌いな食べ物|安い魚| |料理の腕前|した事が無い| |地味な特技|早口言葉| |趣味|散歩、議論| |職歴|無し| |収入源|無し| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):人間時ステータス(MIN0~(力~魔防MAX30、HPMAX60、LVMAX20、体格MAX20)、武器レベルE~S)| |LV|HP|力|魔力|技|速さ|幸運|守備|魔防|体格|武器LV| |9|31|11|22|23|21|18|13|13|6|剣C、銃器C| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):装備| |>|>|名称|威力|命中|必殺|射程|重さ|特攻|弾数|特性| |>|>|長剣|5|90%|0%|1|5|-|-|斬撃| |>|>|特注単発式ライフル|8|90%|0%|1~4|5|-|1|銃撃| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):CENTER:移動力(MAX15)、地形マイナス補正| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|5、森(-1)、砂漠(-1)、山(-15)、浅瀬(-15)、海(-15)、高山(-15)| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):特殊技能| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|飛行C(中空を飛行可能)、魔力浮遊(魔力残量が有る限り地形マイナス補正無効)| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):吸血鬼化後ステータス(MIN0~(力~魔防MAX30、HPMAX60、LVMAX20、体格MAX20)、武器レベルE~S)| |LV|HP|力|魔力|技|速さ|幸運|守備|魔防|体格|武器LV| |14|46|18|25|21|24|0|15|17|6|-| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):CENTER:移動力(MAX15)、地形マイナス補正| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|5、森(-1)、砂漠(-1)、山(-15)、浅瀬(-15)、海(-15)、高山(-15)| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#B2C8FF):特殊技能| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|飛行A(高空を移動可能)、吸血鬼(夜間の行動範囲の拡大、固有弱点属性の追加)| 絹のような金髪をツインテールに纏めた、瑠璃色の瞳の少女。 リボンコサージュを付けた紫のドレスを纏い、装飾の施された鞘に収められた一本の長剣を腰に付けている。 金の国の第一王女にして、王位継承権第一位を持つ。 ---- -人物   誰にでも、所謂「お嬢様口調」で話すものの、思考する時や独り言では通常の口調になる。   余所行き用の整った笑顔を作る技術も有り、誰にでもある程度以上親しく接しているように「見せる」事は得意。   戦闘などで余裕が失われた時は表情も崩れるが、会話の最中に崩れる事は非常に稀。   他人と議論を行う事を好む。結論を出すより、議論を行う事そのものを楽しんでいるようだ。   その内容は、国の統治から人の善悪、人間の定義、コイントスは結果を必ず生み出すか、など、節操無く範囲が広い。   しかし結局の所、思想は元々固まっており、議論によってそれが揺れ動く事は少ない。   その思想は、軍事力を〝絶対的な力〟として信望し、他者を兵士として冷徹に見据えるもの。   指揮官としても統治者としても酷薄に過ぎる思想かも知れない。   フルネームは、ルーミア・フリデリーク・ルイザ・オルブラフト・ゴールドウィン(Rumia Frederike Luiza Albrecht Goldwyn)   これ以上に区切りが多い名前が有るのなら教えて欲しい所。   この名前で名乗る事は殆ど無く、身分を明かす事も少ない。 ---- -来歴   軍事力信仰と、自国の民「だけ」を重要視する思想が極端にまで行きついた結果、   自らの部下集団〝アルマゲスト〟を率いて、各地にて襲撃を重ねる。   殺戮の後、[[部下>ライブラ・ユースティティア]]の能力によって死者を兵士と代え、自らの軍を組織。   力を蓄え振るうその最終目的は、金の国を世界最大最強の国家とする事。   技術、文化などを軍事の傘の元に集め、外敵という衰退要因を徹底的に排除する事だ。   その為なら、〝アルマゲスト〟の構成員の一部を通じ、カノッサ機関夜の国支部とすら手を結んだ。   〝アルマゲスト〟に命じ魔術協会を襲撃する傍ら、自身は素知らぬ顔で其処を訪れ、金の国への勧誘を行った。   魔術協会で寝泊まりするなど、裏を知られたならばどれ程に不遜な行為だったかが分かるだろう。   その暴が頂点に達したのが、冒頭の文章を含む〝僭王布告〟である。   実の父である国王を地下に幽閉し、国民が近づけぬ程に城の防御を固め、   その行動に異を唱えた[[騎士団長>レオンハルト]]に深手を負わせた。   結果、国民の反感は頂点に達し、市中では隠れる事もなく僭王批判の声が上がる。   武力への絶対信仰が生んだ暴挙は、果たして何処まで行きつくのだろうか。   辿り着いた先は、自らの人としての生を捨てての、更なる力の追及。   自らの部下エルナト・トーラスが、反乱軍に与していた事を知りつつも、能力者達と戦闘を行わせ   戦いの最中、後方から彼の背を貫き、その血を自らの武器とした。   玉座の間を大破させ、場外の民衆に見せつけるように、城壁の上で戦闘を行い。   そして、能力者達の手によって倒れ、反乱軍に捕らえられる。   ここまでが、彼女の、光に満ちた来歴である。 ---- -能力:≪World is mine.≫   本人曰く、言葉にするなら一息で足りるけれど、誰にも深淵は覗けない能力。   現在までに確認された能力の使用例は以下の通り。   打ち上げられたコインに石をぶつけて、コインを空中に静止させる。   空中に静止させた空き缶に触れ、それを勢いよく飛ばす。   軽く地面を蹴っただけで空中に浮かびあがる。   空中を歩く。   剣で斬りつけた相手に何らかの力を働かせ、地面に押さえつける。または空中に打ち上げる。   投擲した剣が、時間をおいて手元に戻ってくる。   どうやら、様々な『命令』を物体に与え、その通りに動かすのが、能力の核らしい。   『命令』する対象は、自分自身と自らが触れたもの、そして更にそれに触れたもの(本人は〝二次接触対象〟と呼ぶ)。 『ザミエルよりカスパールに捧ぐ』   単発式ライフルの弾速を極限まで高め、命中力と貫通力を同時に引き上げる。   元々の戦闘スタイルが長剣を利用した近~中距離戦闘な為、遠距離の手札一枚は非常に大きい。   新たな武器、黒い魔銃を用いて放った際は、黒い閃光を柱上に打ち出して、攻撃に対する防壁と変えた。   名称が同じである以上、原理も同じなのだろうと推測するなら、その結果は武器の性質故となるだろうか。 ≪ Who Know The world want ? ≫   魔銃に全身全霊の魔力を込めて放つ『だけ』。   黒い閃光となり打ち出された魔力には、特別な性質は何も無い。   ただ破壊する、ただ蹂躙する。それだけの事だ。 ---- -装備 『長剣』   鞘に装飾が施された長剣。重量は余り無いが、打ち合いに応じられる程度の強度は有る。   魔力を流して用いる事が多い、何か特別な金属が使用されているかも知れない。   公開処刑の折り、ザンシアに奪い取られた。 『ライフル』   単発式のライフル、本気で相手を仕留めなければならない時以外は使用しない。   銃身を長くして弾道のブレを抑えてある。 『魔銃』   魔力を弾丸の代わりに込めて発射する、この世界では一般的な形式の魔銃。   ルーミアが使用したものには、聖都で用いた拳銃型と、金の国で使用した散弾銃型が有る。   後者は、彼女の魔力という条件が有ったとは言え、[[天ヶ谷 双葉]]の切り札を容易く相殺してみせた。   こちらもやはり、ザンシアの手に渡る。 ---- -真実   例え力が及ばず国民の手によって討伐されようとも、それは国民の為になる。   王家や騎士団の力を借りず、自らの意思と力で戦う事を覚えたのなら、それは国の未来に繋がる。   城壁から落下して行くルーミアは、そう確信していた。   敗北し、夢が永久に断たれようと、金の国の未来を思い浮かべれば満足出来た。   だからこそ、彼女は笑って居られたのだし、その日が来るまで逃げようともしなかった。   公開処刑の当日、彼女の予想に反して、彼女の処刑に異議を唱える者が現れた。   それも一人ではない、複数名。これを彼女は、喜ぶべきか否か分からなかった。   自分の夢は破れたが、此処で死ぬ事で別な形で達成出来るかも知れない。   自分は此処で、国民に負けた者として死ぬべきでは無いのか、と。   だが、そう思う彼女の目の前で。彼女自身には、毛筋程の傷も与えられず。   国民達の、能力者達の頭上に降り注ぐ魔力砲弾の雨。   そして、その首謀者の、彼女の言葉以上に強く響く演説。 &b(){  『君達は実績を作った!!だがそれは、決して君達が初めてではない!!』} &b(){  『世界の誰にも見える形で証明した者が居た筈だ!!』} &b(){  『「力が有れば立場は覆る」と、知らしめた者が居た筈ではないのか!!!』} &size(18){&b(){  『金の国を ≪ 序 曲 に 還 せ / Return Ⅰn Prelude ≫ !!!!!』}}   そして明かされる事実の数々。   国民達に武器を与えたのは誰だったか。国民達を扇動したのは誰だったか。   そもそも、自分に戦う術を与えたのは誰だったか。   自分の腹心の部下が、本当に主君と仰いでいたのは誰だったか。   それは全て、一人の悪魔だった。   自分は、自分の意思で戦って来た筈。そして全力を尽くして負けた筈。   自分の負けと死によって、この国はより強く、過去の繁栄を越えて生まれ変われる筈。   その想いの全てが、覆されてしまい。止めをさしたのは、腹心の声。 &b(){  [私の主君は貴女では御座いません、何処かの国の誰かさん]} &b(){  [いいえ、最初から貴女は私の主君などではなかったのです]} &b(){  [貴女は、私のお人形。着飾らせて、小さなおうちの中に置く、人形]} &b(){  [分かりませんか?王女と呼ばれてちやほやされて、自分が無能だと気付かなかったのですか?]}   その言葉で、ルーミア・ゴールドウィンは、壊れた。   死んで歴史に評価を委ねる事も出来ず、己の愚かさが生んだ悲劇を見せつけられて生きる。   左腕、右手の指、武器、住み慣れた自室、国民の信頼。そして自らの故国と、人間としての生すら失って。   彼女には、もう何も残されていなかった。いないと、彼女は思った。   たった二人。彼女を呼び止め、奈落の底に堕ちる前に引きとめた者が居たが。   それすらもその時の彼女には、死という安息に逃げる事を許さない、責め苦にすら感じる。   とある館の一室、窓を潰して光の入らないその部屋に、棺桶一つだけを置いて。   今は、保護という名の、或る種の監禁状態に置かれている。   然し今の彼女には、寧ろそれは優しさなのかも知れない。 ---- [[前のページ>御車 八潮]] #center(){[[一覧に戻る>ハブ酒(中身)の情報]]}#right(){[[次のページ>柳 西鳳]]} ---- -〝僭王布告〟全文   「布告」   「金の国現国王は惰弱にして暗愚である」   「この王を上に抱き続けるのなら、金の国は戦乱を免れる事は出来ない」   「昨今の跳梁跋扈を見るまでも無く、その事実は十三年前のクーデターが示していた」   「この国の為を思うのならば、かの王が王位にある事は、国家の大きな不利益である」   「此処に於いて私は、父にして現国王である彼を玉座から退かせ」   「その後に立ち、この国を世界の覇者とせんと考える」   「世界に覇を唱えた暁には、この国の在りし日の栄華を」   「いや、それに数倍する、新たな栄華を約束する」   「この私の元にある限り、この国はもう『鉛の国』ではない」   「不幸にして、戦乱の中にあり、この国は〝襲撃するに価値有る国〟である」   「あのクーデターより、この国を襲撃するという事は、世界への布告と同義なのだ」   「テロリストの虚栄心の為に、国民が命を落とす。その様な事は、私の胸を酷く痛ませる」   「我が国の騎士団は精強だが、然しその人数は決して多いとは言えず、国内全土は守る事が出来ない」   「従って我が親愛なる国民達に願う。どうか、その手に持つ鍬を剣に槍に変えては貰えないだろうか」   「以上の布告は、間違いなくこの私が、私自身の言葉で行ったものである」   「新国王、ルーミア・フリデリーク・ルイザ・オルブラフト・ゴールドウィン之を記す」 ---- -騎士団長への独白:胸に剣を突き付けられて   ……国を守るとは、何なのでしょう   私は今でも、彼女に与えた命令を間違っていたとは思いません   彼女は、あそこで死ぬべきでは無かった。だから、私は彼女を前線から外した   その結果彼女は、一人での戦いを選び、死んでいった   たった一つ私の命令に背いてした事は、死ぬ為に戦う事だった…………   独り言は終わりです、騎士団長ラインハルトよ   貴方が守るべきは国ですか?私ですか?   そして貴方はその為に、今からどうしますか?   ……目を開けなさい。権力も家柄も、所詮は目を覆う暗幕に過ぎない   身に付けた刃が飾りだというのなら、騎士の名など捨ててしまいなさい   この世界に生を受けた者ならば、一度は必ず夢を見る   自分自身が世界の全てを、思う様に動かす事を   そして必ずその夢は、幼いうちに。或いは意識を持つ前に、断たれる   自分では決して届かないと、悟るのです ---- -〝僭王討伐戦〟にて、法則性の無い抜粋   ……甘い、と笑う事は誰でも出来る   言葉の隙間を突いて相手をあざ笑う事は、とても簡単で   誰でも出来る上に明確な反論は用意出来ないから、自然と広がって行く   何時からなのかしら。正義という言葉が、酷く嘘臭く聞こえるようになったのは   それはきっと……そう。笑う者が増えてからなのでしょうね   人は、弱い。大勢が動けば、そう動かざるを得ない……   ……だけど、それでも。付和雷同しか出来ず、日々が変わらぬ事だけを望む者だとしても   彼等が其処にいて、悪い理由など何処かに在るのでしょうか?   いいえ、そんなものはない。彼等は、そこに居てよい   自分の家でも、街の中でも。そして現在の様に、王城を囲む事でも……   但しそれは、彼等自身の意思によって為されなければならない   彼等自身が自らの思想を持ち、この行為が正義で有ると認識して行われなければならない   私の正義は、〝絶対的な力〟―――〝軍事力〟を持ち   人を捨てて得た長い永い寿命の間、行使し続ける事   そうしてこの国を、世界最大最強の国家にする事……「でした」   貴方は、笑いますか?荒唐無稽な、到底届く筈の無い、正義の名を借りたこの夢を   私は、もう笑う事は出来ない。誰かの正義を笑えるのは、正義を歩もうとしなかった者だけでしょう   知っていますか?理想を語る事は、誰でも出来るけれど……   理想を実現させようとして、成功する事はとても難しい、と   歩み続ける貴方なら、きっと分かっている筈。決して、相容れぬ者は居る   どれだけ足掻いても力が足りぬ事は有り、その解決策すら見えない事が有る   ……ああ、世界は何時も意地の悪い所を見せてくれる   理想が叶わないと知る事が出来るのは、理想を追った者だけ   なのに……「追い続ける」事が出来るのも、追った事が有るものだけ   叶わないと知らなければ、追い続ける事すら出来ない……   ……だから、追い続けるのでしょうね   だからこそ、<Justice>……過去の同盟者に、助言を残しましょう   他者の正義を批判し指を指して笑えるのは、正義を追った事の無いものだけです   その道のりの険しさを知れば、その様な事が出来る筈は無い……   ……だからこそ貴方達も、否定してはいけない。異を唱えて良いのは、その実現方法だけです   どんな下らないように見える理想であれ……それが子供の描いた夢であれ、きっとそれは何処か正しいのですから #center(){ふふ、ふ……―――あはっ、あはははははっ……!!} #center(){&size(20){我が覇業っ、破れたり!!!}} 「史書にその名を残すなら、彼女を何と呼ぶべきなのだろう。 〝僭王〟と、広く世に伝わる名を用いるか。〝狂女〟と、安易な言葉を使おうか。 或いは私の知性をひけらかす為、敢えて世間とは逆に〝理解されなかった名君〟〝革命家〟とでも呼ぼうか?」 『私ならこう呼ぶね。〝夢想家〟或いは〝夢見る少女〟と』

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