ヴュネルド・ダーンヒュライン【≪R.I.P.≫】

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――ヴュネルド・ダーンヒュライン 黒いサングラスで眼を覆った、大柄の男。 襟を立てボタンを全て留めた黒いロングコートを纏っており、全体的に鋭い印象である。 身体から溢れ出す闘気は常に周囲の空気を震わせるほどであり、 その背中には目を見張るほどに巨大かつ強大な、“機械仕掛けの大斧”が背負われている。 彼の言葉から、この機械仕掛けの大斧は『エルザ』という名前が付けられているようだ。 また『ヴュネルド』とは、何処かの古い言葉で『劍(ツルギ)』という意味を持つらしい。 [[≪R.I.P.≫]]のナンバー2にして、現在[[≪暴帝≫ポポル>グレミュール・ポポル]] に代わって全権を担う男。 自らのことを「己(オレ)」と言い、厳格な調子で喋る。 悪の集団と思しき≪R.I.P.≫に於いて、愚直なまでに≪武と信念≫を信じており、 相手の誇る≪武≫に対しては何処までも尊敬と敬意を払う。 この敬意には人間も魔物も善悪も摂理も関係無く、純粋に『武と信念』のみを見据えている。 その真っ直ぐな姿勢は、[[ジンジャー>ジンジャー・ユースロット]]や[[ミスト>ミストドラゴン]]らをして『根っからの武人』と言わしめた。 他に、その武人気質のためなのか、『櫻が夜行』頭目[[華秋 太白]]と相対した際、 彼に『刀とは何の為にある』と問われ、『斬る為以外に何がある』と即答してみせた。 因みにこの答え、太白曰く『上等』らしい。 また彼は『勝利、そして自らの武を錬磨することだけが目的』と言っている。 この『勝利』とは即ち個人の勝利ではなく、組織としての勝利を指す。 そのためか、自らの身を呈して仲間を救うなど、実に頼れる一面を併せ持つようだ。 特に[[ワーズ>ワーズワイス・コッペリエル]] とは、彼女が女性であることと人間では無いことを知る数少ない人物であることも相俟って、 彼女にかなり頼られており、また彼も彼女を気にかけることが多いようだ。 先に申し上げておくが、ここにはフラグは一切存在しない。悪しからず。 ≪R.I.P.≫の中でも長期間、直接戦闘を行ったことが無かった人物だった。 だがこの威圧的なほどの闘気、放つ気質、どれを取っても高いレベルにあり、高水準であることは恐らく間違いと見られていた。 [[「櫻が夜行」]]の[[砂の国]]テロにおいて[[ハニー]]、[[カンナ>黒野 カンナ]]と交戦するワーズを援護するため、 一度だけ『エルザ』を振るいその戦闘力の片鱗を見せ付けたことがある。 その際放ったのが必殺技である≪ラ・テュオレ・セルフェタス(美徳の抱擁)≫。 機械斧にエネルギーをチャージすることで放てる、強烈な広範囲斬撃である。 使用後は暫く放熱時間を必要とするため、連発は出来ない。連発できたら怖い。 そんな彼が始めて直接戦闘を行ったのは、[[中央放送局]]である。 [[クラウス・アヴィット]]、および[[シオン]]と対峙。 迫り来るナイフに直前まで動じずカウンターを放つ、 巨大な斧を振るっているにも関わらず俊敏な動きを見せるなど、 ≪R.I.P.≫のナンバー2の名に違わぬ戦闘力を見せ付けた。 能力名は「サイサリス」。 その能力効果は単純で、「身体能力の強化」である。 発動するとヴュネルドの体に蒼い焔が纏われ、筋力・防御力・瞬発力・眼力のすべてが上昇する。 単純ではあるものの、素で高い能力を持つヴュネルドが発動すれば、それは脅威以外のなにものでもない。 なお、発動中は後述する「右目」からも蒼い焔が立ちあがるのが特徴。 これに加え、彼はロングコートの下にバトルスーツを着用している。 すなわち、どこまでも頼るのは己の肉体だけであり、それは彼の過去が関係している。 彼はかつて、「ベーチェット病」と呼ばれる原因不明の難病を患っていた。 特に目の症状は酷く、現在もサングラスをしているのはその名残で、光に弱いのだという。 身体も弱かったが、この難病であるベーチェット病を、ポポルは如何なる手段を使ってなのか完治させたという。 ポポルが死亡し、[[カーネル>カーネル=アドルフ・レルゼクム]]が彼の能力≪リターン・イン・プレリュード≫を取得したが、 その能力は「かなり自由度の高い血液操作」であった。 おそらく、その能力を用いて血流から人体を制御し、病気を治療したのであろう。 とにかく弱かった身体が健康になったことで、彼は自由に動き戦えることの喜びを感じるようになった。 そのために能力は身体強化系のものが覚醒し、自分の体で戦うことに大きな誇りを持っているらしい。 ともあれ、ポポルに救われて以降、彼はポポルに忠誠を誓い、 快復した身体、それを全力でぶつけあう≪闘争≫に魅入られることになる。 なお、彼が以前『己の右目はポポルさまから頂いた』と[[ウェル子]]に語っていた右目には、 どういう原理なのか、彼の名前の意味である『劍』という文字が浮かび上がっていた。 彼の上半身に、幹部の証である刺青の『受紋』は見当たらないため、恐らくこれが受紋であると思われる。 しかし、ポポルの死後、[[カーネル>カーネル=アドルフ・レルゼクム]]に従うかどうかは決めかねているようだ。 [[ノクト・アルカディア]]における最終決戦にて、[[ルクシャトリス]]でも対峙した[[山本 正勝]]、 [[金の国]]で戦い引き分けた[[ツァーリ=F=カーディナル]]、 そして組織の裏切り者にしてかつてのNo.2であった[[[クシャルクス・クロワール・レッドスカイ]]と対峙。 カーネルの目指す世界のあり方における、自分自身の「武」というものに対する悩みを拭い去れないでいたが、 山本らと戦ううちに、山本の「信念」であり「武」――『弱い自分は他人がいないと存在できない』―― ゆえに『護るための剣』。己のためではなく、大切な誰かのための『武』――に「何か」を見出し、敗北。 この結果、右腕を失い。戦士としての生命は絶たれたかに見えたが―― ――カーネルの攻撃で窮地に陥り、絶体絶命の危機に晒された[[レイド>レイド=E=ヴェイス&ジェム]]を庇おうと、身を投げ出した[[昴>天ヶ谷 昴]]。 その昴を庇って、ヴュネルドはカーネルの双剣に貫かれ―― ―――――――― 【――からん、と。彼が常に身につけていたサングラスが、落ちた】 【幼いころに患った病の影響――太陽光を直接見ることが出来ないゆえの、遮光サングラス】 【その下に在る右目。浮かび上がる『劍』の文字。……グレミュール・ポポルから授かった、右眼――】 ……クハッ、ハハハハ……なんだ?血迷ったか、ヴュネルド? その行動が一体何を齎す?そんなちっぽけなものを庇って…… 「……ああ、お前の言う通りだ……カーネル。  己は結局、最後まで……己のためにしか闘うことができない、不器用な人間よ……  幸せの在り方など解らんし……そんなもの、欲しいと思ったことも無い……  だが……だからこそ……  誰かの、崩れ去ろうとしている幸せを……助けようとすることにッ……  理由なんてものは、必要無い筈だッッ…………!!」 【――ぼたぼたと、血が滴る中。ヴュネルドの『劍』は、カーネルを捉える】 「……ずっと……己の心内で引っかかっているものがあった……何時からだろうな……  ポポル様が亡くなられてからか……それとも、あの方が志す『幸福世界』の歪さに気付いてからか……  ……確かに、己たちは……不幸せな環境というものに生まれついたのかもしれない……  そのために苦渋を味わったこともあった……平穏を妬んだこともあっただろう……  しかし、それはッ……今、確かに在る幸福を奪い去っていい理由には成らないッ……!」 ハッ、綺麗事をッ!!血迷ったかヴュネルド・ダーンヒュラインッ! オレも貴様も、今更になってそんなことを口走る権利など残されてはいないッ! 一丁前に誰かの幸福のためにだとか他人のためにだとか、そんなクダらぬ感情で動く権利などッ!! 世の全てを敵に回した大罪人に残されていると、そう思うというのかッ!! 「フ、フフ……権利……?それは誰が決めたことだ……?  人か……?神か……?……そんな面白くも無いものが、この世界の絶対のルールだというのなら……  己はそんな神など、喜んで叛逆してやろうじゃないか……!」 【――そして。斧を構える左腕が、巨大な刀身ごとカーネルを抱え込もうとして――】 ……なッ――!? 【――≪サイサリス≫によって強化された力。それが、カーネルの身を拘束する】 【己が身に刃を通して、それもまた固定する手段として――機械斧に、エネルギーがチャージされてゆく】 「誰にだって幸福を掴む権利がある」 「だが……どんなに日の当たる場所に生きる人であっても、今を精一杯に生きて幸福を掴んでいるッ……!」 「幸福への手段として、それを“奪い去ろう”と考えている者には……」 「きっと、永遠に――ほんものの『幸福』が訪れることは、無いッ……!!」 「それに気付けなかった……愚かな男の、この命を……  気付こうとしなかった、愚か者のこの身体をッ……  ちっぽけな贖罪にも満たぬが……それでもッ……誰かの、たいせつなもののために……犠牲に出来るというのならッ……!」 「己は…… 『 それこそが己の≪武≫だ 』 と、胸を張って宣言することが出来るッ……!!」 「誇りを抱き、≪武≫のために死ねるというのなら……これ以上無い……『本懐』だ……!!」 ヴュネルドッ……――ヴュネルド、貴様ッ――――!! 「……フ、フフ……今になって漸く気付くことが出来たのだ……≪信念≫というものの在り方……  ≪武≫というものの本質……どうやら……己には最後まで理解することは出来ないらしいが……  ……きっと、間違ってはいないと……不思議と軽い気持ちだな……。  ……仕舞いだ、カーネル。不器用者たちは……もう舞台から退場する時間らしい……    ……これで、いい……――――なァ、そうだろう?――――!!!!」 【――ガッ、と――機械斧より溢れ出る輝きが、最高潮に達し――――!】    ≪   ラ  テュオレ  セルフェタス  ――  美徳 の 抱擁   ≫ ――――――――ッッ!!! ―――――――― 彼は、自分自身ごと己の必殺技≪ラ・テュオレ・セルフェタス≫を放ち、壮絶な最期を遂げた。 この一撃は、カーネルに大きなダメージを与え。彼の撃破に一役買ったことは言うまでもない。 最後まで「武人」として散って行った、不器用な男―― その想いは、彼が愛用したサングラスとともに。山本が、受け継いでいった。
――ヴュネルド・ダーンヒュライン 黒いサングラスで眼を覆った、大柄の男。 襟を立てボタンを全て留めた黒いロングコートを纏っており、全体的に鋭い印象である。 身体から溢れ出す闘気は常に周囲の空気を震わせるほどであり、 その背中には目を見張るほどに巨大かつ強大な、“機械仕掛けの大斧”が背負われている。 彼の言葉から、この機械仕掛けの大斧は『エルザ』という名前が付けられているようだ。 また『ヴュネルド』とは、何処かの古い言葉で『劍(ツルギ)』という意味を持つらしい。 [[≪R.I.P.≫]]のナンバー2にして、現在[[≪暴帝≫ポポル>グレミュール・ポポル]] に代わって全権を担う男。 自らのことを「己(オレ)」と言い、厳格な調子で喋る。 悪の集団と思しき≪R.I.P.≫に於いて、愚直なまでに≪武と信念≫を信じており、 相手の誇る≪武≫に対しては何処までも尊敬と敬意を払う。 この敬意には人間も魔物も善悪も摂理も関係無く、純粋に『武と信念』のみを見据えている。 その真っ直ぐな姿勢は、[[ジンジャー>ジンジャー・ユースロット]]や[[ミスト>ミストドラゴン]]らをして『根っからの武人』と言わしめた。 他に、その武人気質のためなのか、『櫻が夜行』頭目[[華秋 太白]]と相対した際、 彼に『刀とは何の為にある』と問われ、『斬る為以外に何がある』と即答してみせた。 因みにこの答え、太白曰く『上等』らしい。 また彼は『勝利、そして自らの武を錬磨することだけが目的』と言っている。 この『勝利』とは即ち個人の勝利ではなく、組織としての勝利を指す。 そのためか、自らの身を呈して仲間を救うなど、実に頼れる一面を併せ持つようだ。 特に[[ワーズ>ワーズワイス・コッペリエル]]とは、彼女が女性であることと人間では無いことを知る数少ない人物であることも相俟って、 彼女にかなり頼られており、また彼も彼女を気にかけることが多いようだ。 先に申し上げておくが、ここにはフラグは一切存在しない。悪しからず。 ≪R.I.P.≫の中でも長期間、直接戦闘を行ったことが無かった人物だった。 だがこの威圧的なほどの闘気、放つ気質、どれを取っても高いレベルにあり、高水準であることは恐らく間違いと見られていた。 [[「櫻が夜行」]]の[[砂の国]]テロにおいて[[ハニー]]、[[カンナ>黒野 カンナ]]と交戦するワーズを援護するため、 一度だけ『エルザ』を振るいその戦闘力の片鱗を見せ付けたことがある。 その際放ったのが必殺技である≪ラ・テュオレ・セルフェタス(美徳の抱擁)≫。 機械斧にエネルギーをチャージすることで放てる、強烈な広範囲斬撃である。 使用後は暫く放熱時間を必要とするため、連発は出来ない。連発できたら怖い。 そんな彼が始めて直接戦闘を行ったのは、[[中央放送局]]である。 [[クラウス・アヴィット]]、および[[シオン]]と対峙。 迫り来るナイフに直前まで動じずカウンターを放つ、 巨大な斧を振るっているにも関わらず俊敏な動きを見せるなど、 ≪R.I.P.≫のナンバー2の名に違わぬ戦闘力を見せ付けた。 能力名は「サイサリス」。 その能力効果は単純で、「身体能力の強化」である。 発動するとヴュネルドの体に蒼い焔が纏われ、筋力・防御力・瞬発力・眼力のすべてが上昇する。 単純ではあるものの、素で高い能力を持つヴュネルドが発動すれば、それは脅威以外のなにものでもない。 なお、発動中は後述する「右目」からも蒼い焔が立ちあがるのが特徴。 これに加え、彼はロングコートの下にバトルスーツを着用している。 すなわち、どこまでも頼るのは己の肉体だけであり、それは彼の過去が関係している。 彼はかつて、「ベーチェット病」と呼ばれる原因不明の難病を患っていた。 特に目の症状は酷く、現在もサングラスをしているのはその名残で、光に弱いのだという。 身体も弱かったが、この難病であるベーチェット病を、ポポルは如何なる手段を使ってなのか完治させたという。 ポポルが死亡し、[[カーネル>カーネル=アドルフ・レルゼクム]]が彼の能力≪リターン・イン・プレリュード≫を取得したが、 その能力は「かなり自由度の高い血液操作」であった。 おそらく、その能力を用いて血流から人体を制御し、病気を治療したのであろう。 とにかく弱かった身体が健康になったことで、彼は自由に動き戦えることの喜びを感じるようになった。 そのために能力は身体強化系のものが覚醒し、自分の体で戦うことに大きな誇りを持っているらしい。 ともあれ、ポポルに救われて以降、彼はポポルに忠誠を誓い、 快復した身体、それを全力でぶつけあう≪闘争≫に魅入られることになる。 なお、彼が以前『己の右目はポポルさまから頂いた』と[[ウェル子]]に語っていた右目には、 どういう原理なのか、彼の名前の意味である『劍』という文字が浮かび上がっていた。 彼の上半身に、幹部の証である刺青の『受紋』は見当たらないため、恐らくこれが受紋であると思われる。 しかし、ポポルの死後、[[カーネル>カーネル=アドルフ・レルゼクム]]に従うかどうかは決めかねているようだ。 [[ノクト・アルカディア]]における最終決戦にて、[[ルクシャトリス]]でも対峙した[[山本 正勝]]、 [[金の国]]で戦い引き分けた[[ツァーリ=F=カーディナル]]、 そして組織の裏切り者にしてかつてのNo.2であった[[[クシャルクス・クロワール・レッドスカイ]]と対峙。 カーネルの目指す世界のあり方における、自分自身の「武」というものに対する悩みを拭い去れないでいたが、 山本らと戦ううちに、山本の「信念」であり「武」――『弱い自分は他人がいないと存在できない』―― ゆえに『護るための剣』。己のためではなく、大切な誰かのための『武』――に「何か」を見出し、敗北。 この結果、右腕を失い。戦士としての生命は絶たれたかに見えたが―― ――カーネルの攻撃で窮地に陥り、絶体絶命の危機に晒された[[レイド>レイド=E=ヴェイス&ジェム]]を庇おうと、身を投げ出した[[昴>天ヶ谷 昴]]。 その昴を庇って、ヴュネルドはカーネルの双剣に貫かれ―― ―――――――― 【――からん、と。彼が常に身につけていたサングラスが、落ちた】 【幼いころに患った病の影響――太陽光を直接見ることが出来ないゆえの、遮光サングラス】 【その下に在る右目。浮かび上がる『劍』の文字。……グレミュール・ポポルから授かった、右眼――】 ……クハッ、ハハハハ……なんだ?血迷ったか、ヴュネルド? その行動が一体何を齎す?そんなちっぽけなものを庇って…… 「……ああ、お前の言う通りだ……カーネル。  己は結局、最後まで……己のためにしか闘うことができない、不器用な人間よ……  幸せの在り方など解らんし……そんなもの、欲しいと思ったことも無い……  だが……だからこそ……  誰かの、崩れ去ろうとしている幸せを……助けようとすることにッ……  理由なんてものは、必要無い筈だッッ…………!!」 【――ぼたぼたと、血が滴る中。ヴュネルドの『劍』は、カーネルを捉える】 「……ずっと……己の心内で引っかかっているものがあった……何時からだろうな……  ポポル様が亡くなられてからか……それとも、あの方が志す『幸福世界』の歪さに気付いてからか……  ……確かに、己たちは……不幸せな環境というものに生まれついたのかもしれない……  そのために苦渋を味わったこともあった……平穏を妬んだこともあっただろう……  しかし、それはッ……今、確かに在る幸福を奪い去っていい理由には成らないッ……!」 ハッ、綺麗事をッ!!血迷ったかヴュネルド・ダーンヒュラインッ! オレも貴様も、今更になってそんなことを口走る権利など残されてはいないッ! 一丁前に誰かの幸福のためにだとか他人のためにだとか、そんなクダらぬ感情で動く権利などッ!! 世の全てを敵に回した大罪人に残されていると、そう思うというのかッ!! 「フ、フフ……権利……?それは誰が決めたことだ……?  人か……?神か……?……そんな面白くも無いものが、この世界の絶対のルールだというのなら……  己はそんな神など、喜んで叛逆してやろうじゃないか……!」 【――そして。斧を構える左腕が、巨大な刀身ごとカーネルを抱え込もうとして――】 ……なッ――!? 【――≪サイサリス≫によって強化された力。それが、カーネルの身を拘束する】 【己が身に刃を通して、それもまた固定する手段として――機械斧に、エネルギーがチャージされてゆく】 「誰にだって幸福を掴む権利がある」 「だが……どんなに日の当たる場所に生きる人であっても、今を精一杯に生きて幸福を掴んでいるッ……!」 「幸福への手段として、それを“奪い去ろう”と考えている者には……」 「きっと、永遠に――ほんものの『幸福』が訪れることは、無いッ……!!」 「それに気付けなかった……愚かな男の、この命を……  気付こうとしなかった、愚か者のこの身体をッ……  ちっぽけな贖罪にも満たぬが……それでもッ……誰かの、たいせつなもののために……犠牲に出来るというのならッ……!」 「己は…… 『 それこそが己の≪武≫だ 』 と、胸を張って宣言することが出来るッ……!!」 「誇りを抱き、≪武≫のために死ねるというのなら……これ以上無い……『本懐』だ……!!」 ヴュネルドッ……――ヴュネルド、貴様ッ――――!! 「……フ、フフ……今になって漸く気付くことが出来たのだ……≪信念≫というものの在り方……  ≪武≫というものの本質……どうやら……己には最後まで理解することは出来ないらしいが……  ……きっと、間違ってはいないと……不思議と軽い気持ちだな……。  ……仕舞いだ、カーネル。不器用者たちは……もう舞台から退場する時間らしい……    ……これで、いい……――――なァ、そうだろう?――――!!!!」 【――ガッ、と――機械斧より溢れ出る輝きが、最高潮に達し――――!】    ≪   ラ  テュオレ  セルフェタス  ――  美徳 の 抱擁   ≫ ――――――――ッッ!!! ―――――――― 彼は、自分自身ごと己の必殺技≪ラ・テュオレ・セルフェタス≫を放ち、壮絶な最期を遂げた。 この一撃は、カーネルに大きなダメージを与え。彼の撃破に一役買ったことは言うまでもない。 最後まで「武人」として散って行った、不器用な男―― その想いは、彼が愛用したサングラスとともに。山本が、受け継いでいった。

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