エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ【≪四刃≫】

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――エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ 長いドレッド・ヘアをオールバックにして、前髪を数本だけ垂らした眼光鋭い大柄の男。 肩部からはの猛獣の牙のようなものが突き出た攻撃的な革のノースリーブ・ジャケットを纏い、 大きく開かれた胸部に下がる獣爪の3連ペンダント、そして露出した腕は屈強。 獰猛な野獣の如きスタイルで、両拳にはガントレット・ナックルが装備されている。 [[≪R.I.P.≫]]の突撃部隊、≪四刃(フィーア・シュヴェアート)≫の一人。 かなり豪快にして快活な性格。よくわからない方言のような言葉を喋る。 彼は紛れも無い悪人でありながらも、非常にさっぱりした人間である。 闘いを純粋に、愉悦ではなく童子のように楽しんでおり、卑怯な手も一切使わない。 真っ向から己の拳で戦う。これがエルヴァレッタのバトルスタイルである。 そんな彼が何故≪R.I.P.≫に手を貸すのかは不明だが、『恩義は返す』と言っていた。 また「闘争に善悪という概念は無く、あるのは信念だけ」という思想を抱いており、 それゆえに一般的に『悪』とされる『櫻が夜行』にも組し、闘争を求めたことがある。 武器は両拳のガントレット・ナックル。 その打撃は鋭く重く≪牙弾≫と評され、加えて文字通り獣じみた動体視力と反射神経を持つ。 それらを武器に、攻撃のリーチが短いという不利など気にもならないくらい猛然と攻め立てる。 防御行動を取ることは殆ど無く、敵の攻撃に対しては攻撃で対処する。 ゆえに牽制などは彼に取ってほとんど意味を成さず、注意が必要である。 ≪四刃≫の切り込み隊長と呼んでも遜色無い、完全なアタッカー・スタイルだ。 どうやら、カノッサ機関に対して個人的な怨みがあるようだが……? ――≪SSSEXP ~スライドストーム・ストライクエクスプレス≫ エルヴァレッタの持つ能力。発動と同時に彼の両肩と拳に黒い装甲が出現。 更に装甲の両肩部からは大きな厳つい角が突き出しており、彼の姿をより攻撃的に見せる。 装着型アートマンのようでそうではない。具現化系に似た、不思議な形態である。 不明瞭な点は多いが、[[ツインジョーカー>ユニゾンナイザー・TJ(ツインジョーカー)]]と対戦した際は右手の「角」と『拳』に黒いエネルギーを『チャージ』し、 そこから脅威的な破壊力を誇る必殺パンチ≪ステラ・ストライク≫を放った。 恐らく単純な装甲による強化とこのチャージ・ナックルが能力なのであろう。 一直線なエルヴァレッタに良く似合う、飾らないとても真っ直ぐな能力である。 更にどうやらこの『チャージ』には『段階』があるらしく、 VS[[ミストドラゴン]]戦、病院テロにおける[[アストラ&ダハル>アストラ=O=ヴェイス&ダハル]]、[[天ヶ谷 双葉]]戦においてはその『マックスチャージ』を披露。 ステラ・ストライクを遥かに凌ぐ圧倒的ナックル、≪ステラスレイヤー・ストレイトストライク(S.S.S.S.)≫を放った。 脅威的な威力と速度を誇るが、どうやら一度放てば一週間は腕が使い物にならなくなるらしく。 所謂「諸刃の一撃」のようだ。 ――終焉 光の国、物資運搬列車奪還作戦―― ≪四刃≫の全戦力を投入して行われたこの戦い。 エルヴァレッタ・ウェリルドーシェは、これを阻止に現れた[[ドラ>ドラ(源 猫太)]]と、 [[冬月 士]]の能力によって創造されたセオドアと対峙。 暴走炎上する列車上で、『善と悪』という概念を超越した、『信念の決闘』を展開する。 戦いを重ねるうち、炎に巻き込まれてエルヴァレッタの衣服が焼け消えてしまう。 すると胸元に露になったのは、気高き狼の入れ墨。 そして、突如エルヴァレッタが使い始めた、洗練された「ボクシング」のバトルスタイル―― 狼の入れ墨の、プロボクサー。 そのキーワードに、ドラはピンと来た。ボクシングファンであった[[ジャンクちゃん]]に、通信機を用いてこのコトを伝える。 すると、エルヴァレッタの正体が明らかになった。 彼の本名はアルバレスト・ウェルダス。 かつてその拳でチャンピオンという頂点に立った、伝説のプロボクサーであった。 公式の記録では、チャンピオンベルトを手にしたその翌日、忽然と姿を消していた。 エルヴァレッタは、静かに自らの過去を語り始める。 『護るための拳』を振るい、勝利を手にしてきた自分。 その自分が何故栄光の舞台から姿を消し、今この場に立っているのか―― とある理由から『護るべきもの』を失い、それに絶望し―― どのようにして再び希望を得たのか――今、ここで拳を振るう理由とは何なのか? 彼は言う。再び『護るべきもの』を得ることができたからだ、と。 そしてそこには、正義も悪もない、純粋な『信念』のみが存在しているのだ、と。 彼が再び得た、『護るべきもの』とは……―― ……しかし突如、[[アクセルヘッド]]の技術により生命を取り留めていた、四刃の[[オルガネラ>アーロン・オルガネラ【≪四刃≫】]]が暴走。 同じく四刃かつ手負いの[[ワーズワイス>ワーズワイス・コッペリエル【≪四刃≫】]]も、仮面を脱いでいたためにワーズと判断できず、 ワーズと戦っていた[[黒野 カンナ]]、オルガネラが戦っていたミルもろとも、これを攻撃しようとする。 ワーズは同じく手負いであったカンナを逃がすため、自身の脱出用転送装置をカンナに使おうとする。 が、その転送装置は一人用のものであり、カンナを逃がすとすると、ワーズが逃げられない。 それを知ったカンナは転送装置の使用を拒否、オルガネラに立ち向かおうとする。 この時スデにカンナに戦う力は残っておらず、戦闘は無謀と言っても決して過言ではないだろう。 絶体絶命の窮地に陥ったワーズとカンナ、絶望に蝕まれるワーズ―― ……そこにエルヴァレッタが、自身の転送装置をワーズに投げて寄越す。 既に発動状態で投げ渡されたそれは、キャンセルできない状況にあった。 これでワーズは逃げられるため、ワーズの転送装置をカンナに使用することができる。 だが当然、エルヴァレッタは暴走する列車からの脱出手段を失うことになる…… 叫ぶワーズに優しい微笑みを投げかけながら、エルヴァレッタはドラとセオドアに語る。 あの『少女』こそが、今の自分の『護るべきもの』だと。 エルヴァレッタは、ワーズの本質に気付いていた。その弱く儚い、少女の姿に。 だからこそ護ろうとしたのだ。その拳で、ただ純粋に、護ろうと―― ……エルヴァレッタの覚悟を感じ取り、その名を呼びながら涙するワーズに「達者でな」という一言を送り、 一緒に居たカンナにワーズのことを頼み、転送装置で消え往くふたりを最後まで見送ると―― エルヴァレッタは再び拳を握り締め、ドラ、セオドアと対峙する。 もう戦う力の残っていないセオドアと他愛ない会話を交わし、「行って来るわ」と告げた後―― ――それは最後の、究極の激突。 「信念」と「信念」の純粋な境地。絶対の格闘者の領域であった。 ドラの渾身の一撃がエルヴァレッタを完璧に捉えると、彼は、そのままその場に沈み込んだ。 そして、もう二度と、動く事はなかった。 それは『善と悪』という概念を超越した、『信念の決闘』―― ドラはエルヴァレッタのために涙を流す。その場には、奇妙な『敬意と尊敬』すら生まれていた。 その刹那まで『誇り』を抱き、『後悔』は無く――それが、四刃の狼の最期だった。 ――過去:栄光―― ~孤独なる狼牙~ 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、彼は、そのことを馬鹿にする近所の悪がきには、一度も喧嘩で負けたことがなかった。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、彼は成長と共に大きなたくましい身体を手に入れた。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、持ち前のその腕っ節と巨躯が、とある「ボクシング・ジム」のスカウトの目に留まった。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だからこそ、そんな状態で自分をここまで育ててくれた家庭に、恩返しがしたかった。 男は、その拳で次々と戦士たちを打ち倒していった。 男の拳には、他の選手にはない、覇気のようなものがあった。 [[ファンの1人>ジャンクちゃん]]は、それを「鬼気迫る獣のような、畏れすら感じさせる拳」と評した。 男の拳には、≪信念≫が宿っていた。護るものがあった。 それは、自分をここまで育ててくれた、両親。 それは、こんな自分を愛してくれた、たったひとりの大切な人。 そして、その人との間に授かった。もっとも大切な未来への希望であった。 男の拳は、『護るための拳』であった。それが彼の≪信念≫であり、だからこそ、負けなかった。 やがて、男の拳は、ついに『頂点を決する戦い』の場にまで辿り付き―― たった一度の挑戦――男は、その拳で、世界の頂点に立った。 その凄まじい強さと、胸にあった狼の入れ墨。 それを讃えて、人々は彼をこう呼んだ。 『孤独なる狼牙』……『アルバレスト・ウェルダス』と。 だが、圧倒的な力を誇ったボクシング界の新チャンプは、その翌日に忽然と姿を消す。 残されたのは、ただチャンピオンベルトのみ。引退会見も、ファンへのメッセージも何も無かった。 この件に関して、彼の所属ジムは一切の発言を拒んだ。 人々は様々な憶測を交わした。だがしかし、真相はいつまでたっても明らかにならなかった。 だからこそ、人々は彼をこうも呼んだ。 『幻のチャンピオン』……『伝説の男』と。 『アルバレスト・ウェルダス』の名は、伝説という聞こえのよい砂の中に、まったく埋もれてしまった。 ――過去:転落―― ~アルバレスト・ウェルダス~ 世間には語られなかった事実がある。 それは、何よりも残酷な現実であった。 世間には語られなかった事実がある。 それは、何よりも喜劇で、何よりも悲劇であった。 アルバレスト・ウェルダスが、家族との約束通り、チャンピオンベルトを持ち帰ったその日。 男を迎え入れたのは、『カノッサ機関』のテロによって、完全に焼き払われた自らの『家』であった。 男は嘆いた。嘆き、哀しみ、叫び、泣いた。 男の拳は「護るための拳」であった。そのはずだった。 家族を、妻を、息子を護るために。ボクシングで得た富を、彼は一切娯楽のために使わなかった。 その「護るための拳」の究極形――頂点――へ辿り付いた瞬間、『理由』は消え去ってしまった。 それは、誰の責任でもないのだろう。だが、男にはこう思えてならなかった。 『自分が、テロのあった日に、家族を置いてリングへと向かっていたから――……』と。 護りたいものをいざという時に護れずして、何が護るための拳なのか。 男には、自分の≪信念≫というものが何かわからなくなった。もう、拳を振るうことはできなかった。 だからこそ、男は栄光の舞台から無言で去った。躊躇いなどなかった。もう意味など無い場所に見えた。 男は彷徨った。 一瞬感じた栄光の輝きから、真っ逆さまに転落し、暗黒の闇の中を。 絶望が男の心を覆い尽くし、もう、待っている家族の元に行ってしまおうかとさえ思った。 そんな時であった。 男が、[[『信念』を胸に秘めた武人>ヴュネルド・ダーンヒュライン【≪R.I.P.≫】]]と、 最も大いなる、[[彼を救うことになる人物>グレミュール・ポポル]]と出会ったのは。 ――現在:信念―― ~エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ~ 男の拳は、再び『意味』を得た。握り締める『理由』を得た。 その『意味』は、『理由』は、或いは褒められたものではないのかもしれない。 人によっては、真っ黒な、決して美しくなんかない、泥臭いものなのかもしれない。 それどころか、世間は彼の拳を『悪』と評するだろう。 だが、男の拳はひとつの真理にたどり着いていた。 男が幼きころから、幾重にも交わした拳は知っていた。 打ち合わせるたびに、隠しようもなく伝わってくる『信念』の波動。 その『大いなる輝き』には、決して『善悪』という『概念』など存在しない、ということを。 輝ける『信念』の拳。『護るための拳』は、息を吹き返した。 そして、[[『護りたいと思えるもの』>ワーズワイス・コッペリエル【≪四刃≫】]]を、再び見つけることができた――…… ――……過去との訣別、しかし、胸に秘める狼の眼は、決して死なず。 決意の焔は静かに揺らめき、その拳は決して朽ちず。 人は、男は、男自身を、こう呼んだ。 ≪孤狼の牙弾≫――≪エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ≫と。 これが、≪四刃≫の誇り高き闘士、 エルヴァレッタの物語の全てである。 r.i.p...
――エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ 長いドレッド・ヘアをオールバックにして、前髪を数本だけ垂らした眼光鋭い大柄の男。 肩部からはの猛獣の牙のようなものが突き出た攻撃的な革のノースリーブ・ジャケットを纏い、 大きく開かれた胸部に下がる獣爪の3連ペンダント、そして露出した腕は屈強。 獰猛な野獣の如きスタイルで、両拳にはガントレット・ナックルが装備されている。 [[≪R.I.P.≫]]の突撃部隊、≪四刃(フィーア・シュヴェアート)≫の一人。 かなり豪快にして快活な性格。よくわからない方言のような言葉を喋る。 彼は紛れも無い悪人でありながらも、非常にさっぱりした人間である。 闘いを純粋に、愉悦ではなく童子のように楽しんでおり、卑怯な手も一切使わない。 真っ向から己の拳で戦う。これがエルヴァレッタのバトルスタイルである。 そんな彼が何故≪R.I.P.≫に手を貸すのかは不明だが、『恩義は返す』と言っていた。 また「闘争に善悪という概念は無く、あるのは信念だけ」という思想を抱いており、 それゆえに一般的に『悪』とされる『櫻が夜行』にも組し、闘争を求めたことがある。 武器は両拳のガントレット・ナックル。 その打撃は鋭く重く≪牙弾≫と評され、加えて文字通り獣じみた動体視力と反射神経を持つ。 それらを武器に、攻撃のリーチが短いという不利など気にもならないくらい猛然と攻め立てる。 防御行動を取ることは殆ど無く、敵の攻撃に対しては攻撃で対処する。 ゆえに牽制などは彼に取ってほとんど意味を成さず、注意が必要である。 ≪四刃≫の切り込み隊長と呼んでも遜色無い、完全なアタッカー・スタイルだ。 どうやら、カノッサ機関に対して個人的な怨みがあるようだが……? ――≪SSSEXP ~スライドストーム・ストライクエクスプレス≫ エルヴァレッタの持つ能力。発動と同時に彼の両肩と拳に黒い装甲が出現。 更に装甲の両肩部からは大きな厳つい角が突き出しており、彼の姿をより攻撃的に見せる。 装着型アートマンのようでそうではない。具現化系に似た、不思議な形態である。 不明瞭な点は多いが、[[ツインジョーカー>ユニゾンナイザー・TJ(ツインジョーカー)]]と対戦した際は右手の「角」と『拳』に黒いエネルギーを『チャージ』し、 そこから脅威的な破壊力を誇る必殺パンチ≪ステラ・ストライク≫を放った。 恐らく単純な装甲による強化とこのチャージ・ナックルが能力なのであろう。 一直線なエルヴァレッタに良く似合う、飾らないとても真っ直ぐな能力である。 更にどうやらこの『チャージ』には『段階』があるらしく、 VS[[ミストドラゴン]]戦、病院テロにおける[[アストラ&ダハル>アストラ=O=ヴェイス&ダハル]]、[[天ヶ谷 双葉]]戦においてはその『マックスチャージ』を披露。 ステラ・ストライクを遥かに凌ぐ圧倒的ナックル、≪ステラスレイヤー・ストレイトストライク(S.S.S.S.)≫を放った。 脅威的な威力と速度を誇るが、どうやら一度放てば一週間は腕が使い物にならなくなるらしく。 所謂「諸刃の一撃」のようだ。 ――終焉 光の国、物資運搬列車奪還作戦―― ≪四刃≫の全戦力を投入して行われたこの戦い。 エルヴァレッタ・ウェリルドーシェは、これを阻止に現れた[[ドラ>ドラ(源 猫太)]]と、 [[冬月 士]]の能力によって創造されたセオドアと対峙。 暴走炎上する列車上で、『善と悪』という概念を超越した、『信念の決闘』を展開する。 戦いを重ねるうち、炎に巻き込まれてエルヴァレッタの衣服が焼け消えてしまう。 すると胸元に露になったのは、気高き狼の入れ墨。 そして、突如エルヴァレッタが使い始めた、洗練された「ボクシング」のバトルスタイル―― 狼の入れ墨の、プロボクサー。 そのキーワードに、ドラはピンと来た。ボクシングファンであった[[ジャンクちゃん]]に、通信機を用いてこのコトを伝える。 すると、エルヴァレッタの正体が明らかになった。 彼の本名はアルバレスト・ウェルダス。 かつてその拳でチャンピオンという頂点に立った、伝説のプロボクサーであった。 公式の記録では、チャンピオンベルトを手にしたその翌日、忽然と姿を消していた。 エルヴァレッタは、静かに自らの過去を語り始める。 『護るための拳』を振るい、勝利を手にしてきた自分。 その自分が何故栄光の舞台から姿を消し、今この場に立っているのか―― とある理由から『護るべきもの』を失い、それに絶望し―― どのようにして再び希望を得たのか――今、ここで拳を振るう理由とは何なのか? 彼は言う。再び『護るべきもの』を得ることができたからだ、と。 そしてそこには、正義も悪もない、純粋な『信念』のみが存在しているのだ、と。 彼が再び得た、『護るべきもの』とは……―― ……しかし突如、[[アクセルヘッド]]の技術により生命を取り留めていた、四刃の[[オルガネラ>アーロン・オルガネラ【≪四刃≫】]]が暴走。 同じく四刃かつ手負いの[[ワーズワイス>ワーズワイス・コッペリエル]]も、仮面を脱いでいたためにワーズと判断できず、 ワーズと戦っていた[[黒野 カンナ]]、オルガネラが戦っていたミルもろとも、これを攻撃しようとする。 ワーズは同じく手負いであったカンナを逃がすため、自身の脱出用転送装置をカンナに使おうとする。 が、その転送装置は一人用のものであり、カンナを逃がすとすると、ワーズが逃げられない。 それを知ったカンナは転送装置の使用を拒否、オルガネラに立ち向かおうとする。 この時スデにカンナに戦う力は残っておらず、戦闘は無謀と言っても決して過言ではないだろう。 絶体絶命の窮地に陥ったワーズとカンナ、絶望に蝕まれるワーズ―― ……そこにエルヴァレッタが、自身の転送装置をワーズに投げて寄越す。 既に発動状態で投げ渡されたそれは、キャンセルできない状況にあった。 これでワーズは逃げられるため、ワーズの転送装置をカンナに使用することができる。 だが当然、エルヴァレッタは暴走する列車からの脱出手段を失うことになる…… 叫ぶワーズに優しい微笑みを投げかけながら、エルヴァレッタはドラとセオドアに語る。 あの『少女』こそが、今の自分の『護るべきもの』だと。 エルヴァレッタは、ワーズの本質に気付いていた。その弱く儚い、少女の姿に。 だからこそ護ろうとしたのだ。その拳で、ただ純粋に、護ろうと―― ……エルヴァレッタの覚悟を感じ取り、その名を呼びながら涙するワーズに「達者でな」という一言を送り、 一緒に居たカンナにワーズのことを頼み、転送装置で消え往くふたりを最後まで見送ると―― エルヴァレッタは再び拳を握り締め、ドラ、セオドアと対峙する。 もう戦う力の残っていないセオドアと他愛ない会話を交わし、「行って来るわ」と告げた後―― ――それは最後の、究極の激突。 「信念」と「信念」の純粋な境地。絶対の格闘者の領域であった。 ドラの渾身の一撃がエルヴァレッタを完璧に捉えると、彼は、そのままその場に沈み込んだ。 そして、もう二度と、動く事はなかった。 それは『善と悪』という概念を超越した、『信念の決闘』―― ドラはエルヴァレッタのために涙を流す。その場には、奇妙な『敬意と尊敬』すら生まれていた。 その刹那まで『誇り』を抱き、『後悔』は無く――それが、四刃の狼の最期だった。 ――過去:栄光―― ~孤独なる狼牙~ 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、彼は、そのことを馬鹿にする近所の悪がきには、一度も喧嘩で負けたことがなかった。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、彼は成長と共に大きなたくましい身体を手に入れた。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だがしかし、持ち前のその腕っ節と巨躯が、とある「ボクシング・ジム」のスカウトの目に留まった。 男は決して裕福とはいえない家庭に生まれた。 だからこそ、そんな状態で自分をここまで育ててくれた家庭に、恩返しがしたかった。 男は、その拳で次々と戦士たちを打ち倒していった。 男の拳には、他の選手にはない、覇気のようなものがあった。 [[ファンの1人>ジャンクちゃん]]は、それを「鬼気迫る獣のような、畏れすら感じさせる拳」と評した。 男の拳には、≪信念≫が宿っていた。護るものがあった。 それは、自分をここまで育ててくれた、両親。 それは、こんな自分を愛してくれた、たったひとりの大切な人。 そして、その人との間に授かった。もっとも大切な未来への希望であった。 男の拳は、『護るための拳』であった。それが彼の≪信念≫であり、だからこそ、負けなかった。 やがて、男の拳は、ついに『頂点を決する戦い』の場にまで辿り付き―― たった一度の挑戦――男は、その拳で、世界の頂点に立った。 その凄まじい強さと、胸にあった狼の入れ墨。 それを讃えて、人々は彼をこう呼んだ。 『孤独なる狼牙』……『アルバレスト・ウェルダス』と。 だが、圧倒的な力を誇ったボクシング界の新チャンプは、その翌日に忽然と姿を消す。 残されたのは、ただチャンピオンベルトのみ。引退会見も、ファンへのメッセージも何も無かった。 この件に関して、彼の所属ジムは一切の発言を拒んだ。 人々は様々な憶測を交わした。だがしかし、真相はいつまでたっても明らかにならなかった。 だからこそ、人々は彼をこうも呼んだ。 『幻のチャンピオン』……『伝説の男』と。 『アルバレスト・ウェルダス』の名は、伝説という聞こえのよい砂の中に、まったく埋もれてしまった。 ――過去:転落―― ~アルバレスト・ウェルダス~ 世間には語られなかった事実がある。 それは、何よりも残酷な現実であった。 世間には語られなかった事実がある。 それは、何よりも喜劇で、何よりも悲劇であった。 アルバレスト・ウェルダスが、家族との約束通り、チャンピオンベルトを持ち帰ったその日。 男を迎え入れたのは、『カノッサ機関』のテロによって、完全に焼き払われた自らの『家』であった。 男は嘆いた。嘆き、哀しみ、叫び、泣いた。 男の拳は「護るための拳」であった。そのはずだった。 家族を、妻を、息子を護るために。ボクシングで得た富を、彼は一切娯楽のために使わなかった。 その「護るための拳」の究極形――頂点――へ辿り付いた瞬間、『理由』は消え去ってしまった。 それは、誰の責任でもないのだろう。だが、男にはこう思えてならなかった。 『自分が、テロのあった日に、家族を置いてリングへと向かっていたから――……』と。 護りたいものをいざという時に護れずして、何が護るための拳なのか。 男には、自分の≪信念≫というものが何かわからなくなった。もう、拳を振るうことはできなかった。 だからこそ、男は栄光の舞台から無言で去った。躊躇いなどなかった。もう意味など無い場所に見えた。 男は彷徨った。 一瞬感じた栄光の輝きから、真っ逆さまに転落し、暗黒の闇の中を。 絶望が男の心を覆い尽くし、もう、待っている家族の元に行ってしまおうかとさえ思った。 そんな時であった。 男が、[[『信念』を胸に秘めた武人>ヴュネルド・ダーンヒュライン【≪R.I.P.≫】]]と、 最も大いなる、[[彼を救うことになる人物>グレミュール・ポポル]]と出会ったのは。 ――現在:信念―― ~エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ~ 男の拳は、再び『意味』を得た。握り締める『理由』を得た。 その『意味』は、『理由』は、或いは褒められたものではないのかもしれない。 人によっては、真っ黒な、決して美しくなんかない、泥臭いものなのかもしれない。 それどころか、世間は彼の拳を『悪』と評するだろう。 だが、男の拳はひとつの真理にたどり着いていた。 男が幼きころから、幾重にも交わした拳は知っていた。 打ち合わせるたびに、隠しようもなく伝わってくる『信念』の波動。 その『大いなる輝き』には、決して『善悪』という『概念』など存在しない、ということを。 輝ける『信念』の拳。『護るための拳』は、息を吹き返した。 そして、[[『護りたいと思えるもの』>ワーズワイス・コッペリエル]]を、再び見つけることができた――…… ――……過去との訣別、しかし、胸に秘める狼の眼は、決して死なず。 決意の焔は静かに揺らめき、その拳は決して朽ちず。 人は、男は、男自身を、こう呼んだ。 ≪孤狼の牙弾≫――≪エルヴァレッタ・ウェリルドーシェ≫と。 これが、≪四刃≫の誇り高き闘士、 エルヴァレッタの物語の全てである。 r.i.p...

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