見果てぬ≪夢≫


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ルーカス



【街中】
【顔面に袈裟懸けに大きな傷のある色黒の男が、電信柱(あるのかなぁ?)にもたれかかって立っている】
【……――男の容姿はとんでもなく奇抜だ】
【彼は顎ヒゲを伸ばしているが、なんとそれを三つ編みにしており――左目の下には十字架の刺青】
【高級そうなワイン・レッドのテーラード・ジャケットとスラックスの着こなしっぷりは対したもんだが】
【ジャケットの左腕のところに≪WondeR≫スラックスの左足に≪HunteR≫とデカいロゴ】
【そしてベルトのバックルに≪ExtRemE≫と刻まれている……――台無しである】

人間ってのが生きる上で重要なのは『ワクワクするココロ』さ……
『ワンダーなモノに対するワクワク!』それがあればどんな荒んだアンダー・ワールドだろうが意外となんとかなる……。

だからオレちゃんは今日も気の向くまま『ワンダー』をハンティングさせてもらうワケさ……。


……さァて……そろそろ、この街とも“お別れ”かね……――――。

【意味深なことを呟きながら、どこからともなくタバコを取り出し、これまた高そうなジッポで火を付け口に運ぶ】


ルカス



お別れってどーいうことなのにゃ、ルーカスぅ!

【突然ルーカスの上から声がしたかと思うと】
【しゅたん!と。まるで猫のように、ルーカスの目の前に何かが“降ってくる”】
【その何かはそのまま綺麗に地面に着地したかと思うと、くるりとルーカスの方を振り返った】

にゃはっ!こんばんは!!

【そこにいたのは、17歳ほどの女性】
【漆黒のマントを身に纏っており、黒い編み上げブーツをはいている】
【紅茶のような赤い瞳と同色の髪は後ろの方でちょこんと結ばれており。
 耳につけられている黄色い星型のピアスが、小さく揺れた】


ルーカス



……ぬぉお!どっから降ってくるのだねルkあっづッ!!

【これには流石のルーカスもビビッた。そして怯んだ隙に口からポロッとタバコがこぼれ】
【YES!左手に根性焼き万歳クリティカルヒットだぜ!】

【同時に、右手をパチン!と鳴らし】
【すると突然、風も無いのに急に――“ルーカスの右手から”突風のようなものが放たれ】
【タバコの火を掻き消しながら、それを吹き飛ばし】
【見事、少し遠くにあったゴミ箱にジャックポット】

ふー……もう少し落ち着いた登場は出来んかね?ルカス
【左手の甲をふーふーしつつ言う。お前も服装を落ち着けた方が良い】


ルカス



【突風のようなものが彼の右手から放たれた瞬間。ルカスの目がすぅっと細まる】
【今のは何だ?風だ。どこから?――ルーカスの右手から。】
【そう、ルカスはその動作を“観察”していた】
(――風か、空気)
【小さく判断を下すと、細まったルカスの目は再びぱっちりと開かれる】
【ルカスが思考を働かせたのは、わずか数瞬】
【鋭い者はルカスの変化に気付くだろうが、そうそう気付けるものではない】
【何かに気を取られていたのなら、なおさらだ】

にゃは、にゃはははっ
左手は大丈夫かにゃん?
【そしてけらけらと笑いながら、ルーカスの左手を心配する】
だいたい、私に落ち着けっていうほうが無理だよぅ
仕事帰りで疲れてたんだし、少しは遊ばせてもいいじゃにゃい!
にゃはははは!!
【纏っている黒いマントを手馴れた動作で脱ぎ、くるくると纏める】
【マントの下には白地によく分からない模様がプリントされたTシャツと濃い色のデニムのショートパンツを着用しており
 その上から灰色のパーカーを羽織っていた】
【衣替えでもしたのだろうか?前回あった時とは服装が違っている】


ルーカス



【……――ルーカスは、その変化を確実に感じ取ることはできなかった】
【だが、ひどく朧気に――少量の違和感を抱いた】
【余談だが、普段の彼は――“愉快な奇人”という“皮”を被っているに過ぎない】
【忘れてはならない…その内側は、如何なる剣槍よりも、鋭く冷たく研ぎ澄まされているということを】

はっはっはン、オレちゃんをナメてもらっては困るな。
これしき!氷でも当てておけば治るとも!はっはン!
【それは無理だ】

おや、衣替えかね?うむ、なかなかにWondeRなデザインのシャツではないか。GooD!
ま、オレちゃんは真夏だろーが真冬だろーが大雨だろーがこのスタイルを貫くがね!
【そう言って豪快に笑うルーカス。真夏の暑い盛りでもネクタイしめてシャツ着てジャケット着てたという変態っぷりである】
【そして、ふと何を思ったか、ルカスの纏めたマントに視線を落とし】

仕事?そういえばルカス、キミは何をしているのかね?
【――それは何気ない疑問からくる、何気ない好奇心】


ルカス



にゃはははは、流石ルーカス!
そこに痺れる憧れるぅ!
【びしっと親指を上げる。相も変わらずテンションが高い】

にょほ?ルーカスもそう思う?素敵でしょこのシャツ!
【ぐいーとシャツを引っ張り、プリントされた模様をルーカスに見せびらかす】
そうそう衣替えー!いい加減寒くなってきたかなって思ってさ!!
……って、夏でジャケットは暑くないの!?
それともそのジャケットは特殊仕様で熱を防ぐとかそういう類のものですかっ?!
そうだったらルカスちゃんびっくりだよっ!びっくり通り越して心臓発作ものだよっ!
【うるさい】

【そしてマントを。くるくると纏められたマントを、まるで隠すかのように右手でズボンのポケットの中に押し込む】
【本来ならズボンの小さなポケットには入るはずのないマント】
【しかし何故かソレは、いとも簡単にポケットの中に収まる】
【収まる――?否、マントが縮んだのだ】
【観察力が鋭いのであれば、あるいはマントが縮んだ事実に気付くかもしれなかった】

にゃっは……
【その疑問を。何をしているのかという問いを投げかけられ。ルカスは困ったように笑う】

――秘密だ、にゃあ

どうしてもっていうんなら、教えてあげなくもない。
でも……あんまり人にはバラして欲しくない秘密だよぅ
【覚えているであろうか。ルカスとルーカスが初めて出会った時】
【彼がルカスの名を呼び、彼女が思わず口走った言葉は――「警察関係者ですか?」】
【もしそれを覚えているのであれば……】
【少なくとも、ルカスの仕事は堂々と胸を張っていえるような職業ではないことが判断できるだろう】


ルーカス



はっはっはン!そうだろうそうだろう!
そしてキミは相変わらず、そのズバ抜けた明るさだ!
ルカス!キミのそのテンション!オレちゃんは敬意を表する!
【こっちもこっちで相変わらずであった】

はっはっはっはン、バカな、そんなN○SAもビックリの特殊素材があるものかね!
夏はメチャクチャ暑いともッ!!
【何故か胸を張って偉そうに断言し】
だが、“この服装”こそがオレちゃん“ハンター・ワンダー・ルーカス”たる証!プライドだな!
これを脱ぐ時はそれすなわち、そういう時だろうよ!
【どういう時か】
【ちなみに彼は、一度だけこのジャケットを脱いだことがあるのだが、それはまた別のお話】

……――――。
【そして、マントがポケットに収まるその様子を見据える】
【思考は一瞬――≪ああ、能力か――≫――それだけだ。彼にとっては、単純なことだった】
【こんな世界だ。どんな能力者が居ても不思議じゃあない……】

……そうか。いや、かまわぬよ。
【ふ、と柔らかな微笑みを溢して】
誰にでも、人に言えぬ秘密の一つや二つあるものだ……
そしてオレちゃんは、そこに無理矢理土足で踏み込もうとするほど、面倒な人間ではないとも。
好奇心のままに動くハンター・ワンダー……“そこ”を取り違えちゃあ務まらんよな。

【やがて、懐から――ドクロマークのボタンが一つだけついたリモコンらしきものを取り出して】

さて、では参ろうかね?

【にこりと笑む。果たして、覚えているだろうか――その“約束”を】


ルカス



にゃはははは!
敬意表されちゃったよ!ルカスちゃん再度びっくり!
【けらけらと笑い】

暑いんかいッッ!
【びしっと突っ込み】
にゃは、流石ルーカスさぁ
【へらりと笑った】

うに、ごめんねぇ
【そして申し訳なさそうな表情をしてから、そっと目を伏せる】
(ルーカスは……おじさまと似ている)
(だからこそ――言いにくい)
(おじさま―――今、何をなされているのでしょうか)
【彼女は少しの間、とある人物のおぼろげな姿を思い浮かべ――】

   !!
ドラゴン・ロッソ・ルパン!!
【リモコンを見た瞬間。先ほどまでの表情とはうって変わって、ぱぁあっと満面の笑みを浮かべる】


ルーカス



はっはっはン!覚えていたかね!オレちゃんは忘れないとも!
では、早速ドライブ・タイムと洒落込むかね、ミス・トゥアティ!

【バッとリモコンを宙に放り投げ、またパチンと右手を鳴らす】
【撃ちだされた――“空気”――が、宙にあるリモコンのボタンを正確に押し込んだ】
【何この演出】

『ドラゴン・ロッソ・ルパァアーーンッッ!!』

【やがて街の地平線からやってくるのは】

「ジャカジャーン!(ドゥドゥディドゥ~ンディ~ドゥディ~ドゥ~ン)
 ジャカジャーン!(ドゥドゥティドゥ~ンディ~ドゥディ~ドゥ~ン)」

【何故か20世紀少年のテーマソングのアレを響かせながらやってくる凄いフォルムのバイク】
【まだ暴走族のそれのほうが可愛い――≪ドラゴン・ロッソ・ルパン≫である】
【心なしか、前回よりも最高速度がちょっとだけ上がっている気がする】


ルカス



もちろんサっ!
ルカルカ記念日も覚えているよん!
【パチンと片目を瞑り、ウィンクをして】

お、お、おーっ!
【ルーカスの演出に感動。そして――】

なんか更にワンダーでファンシーでキュートなことになってるネっ!
ジャカジャカジャーカジャーカジャーンジャーンっ!!
【ルパンを見て、テンションだだ上がり。ただでさえ高いテンションをこれ以上高くしてどうしようというのか】
【響いてくる“20th century boy”を聞き、思わずハイテンションデそれを口ずさむ。否、大声で歌う】


ルーカス



はっはっはン!そりゃあー光栄だ!
ちなみに、何日だったかね?
【敢えてマジで聞くのがルーカスクオリティ】

ふふン、こんなこともあろうかと思って2年前から練習していたのだよ!
ようやく使えたと言ったところかね!
【なんという無駄な努力。落下してきたリモコンを無駄に背面キャッチして懐に仕舞いこみ】

あれから更に改良を重ねてね。マフラーから歌を流す域に至ったというわけだ!
更に軽量化・操作性向上!まさに文句無しというわけだな!
【その技術力があればクリサンセマム・リチェルカでも何でも行けるのではないだろうか】
【やがてルパンはルーカスの傍らで停車する】

随分と楽しそうではないか。オレちゃんも嬉しくなってくるぞ?
【はしゃぐルカスを見て笑みを溢す。――その笑みには、嬉しさとは違う――別の何か――が、僅かに含まれていたが】
【それは無意識ゆえ――恐らく、他人が見ても解らない、ないし気にならないだろう】


ルカス



9月12日っ!
あれ?でも日を跨いじゃってたから、13日になるのかねん?
【うーん、と少しだけ悩むルカスだがそれもすぐに止め】
【メモってて良かったと改めて思う中の人であった】

2年も!?ルーカスって頑張り屋さんなんだねっ!!
【目を輝かせながら拳を握る。考え方がどこかずれている】
それにマフラーから歌っ!?凄いすごいすごいすごいすごいっ!!
選曲は可能ですかッ!!?
【ルパンを見ながら、wktkし】

にゃは、こーいうの、見てるだけで楽しくなってくるもん!
【ルーカスに声をかけられ、ふと彼の方を見て楽しそうに微笑んだ】


ルーカス



はっはっはン、即答かね!たいしたものだ!
ならば12日ということにしておこう。オレちゃんは13という数字が嫌いでね!
【一瞬驚いて目を見開くが、すぐに豪快に笑う】
【その先見の明に正直ビックリな中の人であった】

うむ、或る程度、だがな!
もし欲しい歌があるのならばバイクにパソコンを繋いで着うたをダウンロードすればいい!
無論、違法はダメだぞ?はっはっはン!
【最早これはバイクなのだろうか?】

そーかそーか!キミにWondeRを与えられたというのならば成功かね!
……さて、この機能は初めて使うな。
【ドラゴン・ロッソ・ルパンのハンドル付近にある幾つものボタン】
【その中にある、解りやすくイスの形をしたボタンをプチっと押す】

≪超高級オートクチュール風味タンデムざぶとん≫!

【ビゴォォオオオオンッッと凄い音を響かせながらルパンの後部が変化してゆく】
【あまりにも緻密過ぎて、人間には理解できず描写も不可能な過程を経ているので様子は割愛】
【やがて、ルパン後部にタンデムシート……否、座り心地最強なタンデムざぶとんが出現する】

さぁ、是非座りたまえ。そしてこのざぶとんに座るのは人類史上キミが初めてというワケだ、ルカス!
【大げさに両手を広げ、ざぶとんを示す。そして満面の笑みを浮かべている、が】


ルカス



にゃはははは!日付を覚えるのは人並みに得意なのさっ!!
【エッヘンと胸をはり】
13って確か、13日の金曜日だよね?
13日の金曜日でなくとも、12日の木曜日とか14日の土曜日とかでもいいと思うんだけど……
そこんとこは何か理由でもあんのかなぁ?それともあれかっ!
13が素数だからかっ!!
【アホな考えを、恥ずかしげもなく堂々と口にする】

着うたを!?なんとハイテクなっ!
その技術力こそもはやワンダーっ!!
【きゃっきゃとはしゃいでいる。それはまるで、新しい玩具を与えられた子供のようだ】

【そしてタンデムざぶとんが出現したのを見て、目がきらきらきらきら輝きまくる】
う、うわぁぁあっ!おもろっ!!ザブトンきたっ!!
これで路上でも安心して漫才が出来るねっ!!
え?座っていいの?わぁい!
【嬉しそうに笑って、ざぶとんに座ろうとする】


ルーカス



はっはっはン!人並みでは自慢にならんぞ!
【笑いながら的確に突っ込んでおく】
うむ、それもある。だが兎に角オレちゃんは13が嫌いだ!
理由なんかぁ無いとも!生理的に受け付けないというやつだ!
ちなみに素数は大好きだ!落ち着けるからな!
【そんな考えにも全く普通に返す。その考えが可笑しいとすら認識していない】

ふっふっふン、その名もMP3(マジでパープルなパンピーにゃポイズンな)プレーヤーマフラー、だ!
【相変わらずネーミングセンスは残念なことになっていた】
【そしてルカスがざぶとんに座ったのを確認し、自らも乗り込む】

ちゃんとシートベルト…否、ざぶとんベルトを締めるのだぞ?オレちゃんは安全運転が信条だ!
さぁて、では行くかね……夜中の風を切るWondeRなドライブを!
ひとつ満喫してもらうとしようか!

【――ぴょロロロロロん♪奇音と共にエンジンがかかり、バイクの車体が鼓動する】
【……タンデムざぶとんからは見えないであろうが――この時、ルーカスの表情は――】
【――笑み、ではなかった】

(……――さぁて、これが最後のドライブとなっちまうかね……)

【そんな考えを携えながら――ルパンは、やがて滑り出すかのように、ゆっくりと動き始める】


ルカス



はっ!そ、そうだったー!!
【大げさに反応。まるでそのツッコミを狙っていたかのようなリアクションだ】
なるほど!でも13も素数だよっ!!
でもルカスちゃん覚えたっっ!ルーカスは13が嫌い!
【うん!と一人大きくうなずいて】

ポイズン!?毒!?毒なのっ!?でも逆にそれがいいかもっっ!!
【対するこちらのネーミングセンス――いや、感性も残念なことになっているのかもしれなかった】

オォオオールラァァーイット!
ざぶとんベルトオーケイ!
【かちりとシートベルトらしきものを締め、ひゃっはーと拳を高々と宙にむけて挙げる】
ドッライブ♪ドッライブ♪
【ルパンが動き出すと、妙な曲調で歌を口ずさみ始めるルカス。恐らく、即興で作った適当な歌なのだろう】
【それにしても、この歳でドライブをして、ここまでテンションの上がる娘も珍しい】


ルーカス



はっはっはン、つまり好きと嫌いという感情を同時に内包しているというわけだ!葛藤だな!
それはとても人間的!即ちオレちゃんにとっての“13”とは凄まじくヒューマニズムを秘めた数字というわけだ!
【どういうわけか全然理解できねえ】

……――よォーーし!ざぶとんベルトはバッチリだな!
ではいざ参ろうか!あの地平線の果てまで、な!
【……そこまで行くわけは無いのだが】
【やがてルパンは走り出す。スッパポスッパポと相変わらず凄い音だ】
【こころなしか遊園地のアトラクションの様に上下左右微妙に揺れている気がする】
【ゆっくりと、ゆっくりと夜の街を往く――なんか往来の人々に写メ撮られてるが】

はっはっはン!随分とご機嫌ではないか、ルカス!
オレちゃんもハンター・ワンダー冥利に尽きるといったところかな!

【彼は全く気にしていない。むしろ、それすら楽しんでいるようだ】
【そして何より、ルカスがここまで楽しそうにしてくれていることが、心の底から嬉しそうでもある】


ルカス



お、おおぅ?なんかよく分かんないけど13ってのは凄いんだねっ!
好きと嫌いが同時に内包、ってことは、まるで≪完全だけど不完全≫みたいな感じだねっ!

おー!
【元気よく返事をしてから】
スパポースパポースパポッポー
【また意味の分からない歌を歌い始める】
【そして何故か上下左右の微妙な揺れにあわせ、ルカスも微妙に上下左右に身体を動かしている。餓鬼か】
【因みに写メに関しては一切気にしていない】

にゃはははは!こーいう乗りものには、久しぶりに乗ったから楽しいのさ!
なんか……幸せってこういうこと言うのかにゃん?
【心底楽しく、幸せそうな笑みを浮かべている】


ルーカス



ふふン、新しい考えだな!ま、とにかくオレちゃんは何か好きになれんのだ!
【無理矢理シメた】

そうか、……――“幸せ”か。
なら、オレちゃんも嬉しいぜ、ルカス。
だが、“ルパンの走り”はこれからだ。
果たして、お気に召していただけるかね――――。
【彼もまた、微笑みは絶やさない。はしゃぐ彼女を背中に、そう――幸せそう、なのだろう】
【ぐ、とアクセルを握り締める】

【ルパンはゆっくりと、ゆっくりとその速度を上げていく】
【だが、とてもゆっくりだ――少なくともバイクのそれではない】
【走りが安定するにつれて、車体が揺れることも無くなった――】
【小気味良いエンジン音と、マフラーから流れるのは何故かビートルズ】
【徐々にルパンは、その“真の姿”を表してゆく――――】

…………如何かね?

【……ああ、そのポップな外見から、どうしてこの乗り心地が想像できようか】
【忙しく行き交う自動車も、ぱたぱたと走り去ってゆく街路の人々も】
【全て――“この空間”からは隔離されている】

【建物のネオンが、家々の窓から漏れる光が、街灯のほのかな温かみが、優しい月光が】
【なにもかもがスロウにこのバイクの周囲を取り囲み、小川のように流れてゆく――】
【涼しい夜風が頬を撫で、髪が風に身を委ね、――全身が“風”と成る――】

【ああ――――これが】

これが……オレちゃんの見つけた『もの』だ、ルカス。
……本当のWondeRは……自分でわかんねーだけで、自分で認識しようとしないだけで、
“すぐそこ”にあるってことを……見つけた。

【これが――――ルーカスの言う真の意味の】


これが――オレちゃんの、

≪ワンダーの結晶≫――――。

【――――そこは、恐らく今まで体験したことのない、新たなる街の側面】


ルカス



にゃは、そっかそっか
【けらけらと笑って流した】


【そして。新たなる街の側面を。まるで絵画から切り取ったような、そんな景色を無言で見つめ】

―――あれ?

【ぱた、ぱたと。どこからか雫が落ち、ルカスの服に黒い染みを残す】

なんで―――

【落ちゆく雫は小さな星のように。街のイルミネーションの光を反射して、きらりと光る】

     どうして私――――泣いているんだろ

【彼女はそれでもなお、涙を拭かずにあたりを見つめ続ける】
【そこから目を離してしまえば、すべてが消えてしまいそうな――そんな儚さが、そこにはあったから】

あったかい………すごく、温かいのに。

            幸せな……すごく、幸せなはずなのに

   それなのに――――なんで、涙が

【ぽろぽろと、小さな水の粒がルカスの頬を伝い続ける】


  ―――“ラウールおじさま”……

【そして彼女は。ぽつりとその名前を口にした】
【彼女が捜し求めている、一人の男の名前を】


ルーカス



……ルカス。
【運転しているゆえに、振り向くことはない。振り向くことはしない】
【優しい声だけが、風に乗って彼女の耳へ届くだろう】

……人には誰にでもな、秘密の一つや二つある……言ったよな。
オレちゃんだってそうさ……とても人さまに言えないような、でっかいでっかい秘密がある……
秘密なんてもんじゃないな……そりゃもう“十字架”だ…黒く濁った血を張り付かせた――でっかい十字架――。

【――夜闇は優しく包み込む。光が――視覚が、聴覚が、嗅覚が、触覚が――全てが夜の光に溶けてゆく――】
【時間の流れさえもが――ひとつのおおきな、ゆるやかな渦に巻き込まれ、ひとつになってゆく……】

それが何度、幾度オレちゃんの心を蝕み、苦しめたか?両手の指じゃあ数え切れない。足の指を入れたってな。
――“ハンター・ワンダー・ルーカス”……“愉快な変人”のその姿は……それから隠れるための『逃げ』でしかない……
≪WondeR≫……それがもたらす心の『ワクワク』……――私がそれを本能的に求めた理由。
それは何ものでもない――“安心”したかったのだよ……この心を押しつぶそうとする漆黒の十字架を……一瞬でも“忘れ”たかった……。

……ルカス。私はな……――“似ている”気がするのだよ……。
名前が、ではない。……――≪本質的≫なもの、だ……フフ、思い込みも甚だしい、よな?

【溢した笑みも――ふぅ、と吐いた息も――全てが“溶け合う”】

……キミが何を“背負って”いるのか?それを聞くなんて不粋は真似はしない。
だが、ルカス――きっとキミは、辛かったのだろう……。……――――

【――その渦の中心にあるのがこの空間――】

今は、何をしようとも――全て“溶ける”。
……めいっぱい、好きなだけ――“吐き出し”たまえ――。


【――――温かい、真っ白な渦に取り囲まれた――空間――】


ルカス



――――……
【彼女の笑い声は。あのウザったいほどテンションの高い、まるで猫のような笑い声は、今は聞こえない】
【代わりに聞こえるのは、小さな嗚咽】

……私は――盗人なの
義賊といえば聞こえはいいけど、それでも罪を犯していることには代わりない

【彼女も恐らく、“仮面”を被っていたのだろう】
【サテン?鋼?シルク?それともレザー?】
【それは彼女にしか分からない、秘密の仮面】
【その仮面が今、取られようとしていた】


全ては、おじさま――ラウールおじさまに逢うため……
そして……小さな子供達を、幸せにさせるため――


【いつもの陽気な彼女からは、想像もできないほどに真っ直ぐな理由】
【いや――むしろそれが彼女らしい】


ルーカス



…………そうか
【盗人――その言葉を耳にしても、彼に然程驚きは無かった】
【それとも、何処かで予想していたのか……】

……私は……それで良いのではないかと思うがね?
【そして、彼女からは見えないであろうが――ふ、と笑みを溢して】

この世には、善悪では語りきれないことが山ほどあってな……。
いや、寧ろ、何か物事に対して“善である”“悪である”と決め付けること自体、間違っているのかもしれない――。

絶対的な善なんてものは無いし、逆も然り。
例えば百人斬りの英雄は、果たして善なのか?悪なのか?……人間の社会なんて、そんな曖昧なものさ。


だったら、ルカス。
キミのしたいことを、全力でするといい。
そしてもしも、それで誰かが“笑ってくれる”なら――――

――これほどまでに、『嬉しい』ことはないだろうからな?


これがこの、“ハンター・ワンダー・ルーカス”の持論。
世のお偉い様がたに言ったら蔑まれまくりそーだが、“オレちゃん”は“これが正しい”と信じてやまないからな!

【はっは、と笑い声が夜空に響く】
【……――やがて、ドラゴン・ロッソ・ルパンは、街の一角に静かに停車するだろう】


ルカス



――そうだね、ルーカス。

私はね……あくどいことをしている人間から盗ったお金を、孤児院に寄付してるんだ
そこの孤児院の子達――凄く幸せそうに笑ってるんだよ
辛いはずなのに、凄く楽しそうに、笑うんだよ
私は―――あの子たちに、幸せを分けてあげられているのかなぁ?

【ぼんやりと。星空を見上げて息を吐く】
【まだ冬には早いのか、その息は白く曇ることなく、宙に溶ける】


ルーカス



……――上等じゃないか
【停車したバイクから降りて、ルカスに向き直る。そして――にこりと笑んで】

ああ、ルカス……オレちゃんはな、さっき冗談でキミに『敬意を表す』と言ったが――
ありゃウソだ。前言撤回。マジにオレちゃんは、キミに≪敬意を表す≫ぜ……。

子供たちに、幸せを分けてあげる、だって?
全く、ふ、はは……。

【……おもむろに、星空を見上げる】

……そりゃあな、私がずっとずっと、やろうとして“できなかったこと”だ……。
キミが羨ましいよ、ええ?全く……。
私が与えてきたものはただひとつ――『恐怖』――そして、『死』だ……。

【ぐ、と右手で自身の髪をくしゃり、と掴む】

いまだに私の脳裏から消えることは無い――手から失せることはない感触――。
……涙に濡れた目を……血溜りに突き落としたあの瞬間――。

……私はな、ルカス。
かつて、≪死刑執行人≫として……幾多の罪人を、無感情に、斬り殺してきた。
…………キミと同じくらいの子供も、手にかけたことがある。

【……星空から、彼女に視線を移す】

…彼らは罪人だ……それは当然の理なのかもしれない……。
だが、だがしかし……首を切り落とすたび……“それ”が“モノ”に成り変るたび――
私の“漆黒なる十字架”は幾重にも幾重にも、その重量を増していった……フフ……執行人の家系に生まれておきながら……
これはなんという運命か……私は……私は≪機械≫になりきることが出来なかった――。

【……――ああ、話すつもりはなかった――自らの血塗られた過去を】
【…だが、何故だろう?何故……――――ああ、そうか――“知って欲しかった”のだろうか――】

【……――――去り往く、前に】
【全てを――】


ルカス



――ルーカス……

【バイクから降りて。こちらも、彼に視線を移す】
【紅茶のような赤い瞳が、じっと彼を見つめる】
【その「赤」は、同じ赤でも血を連想させるものではなく――】
【不思議と、暖炉の火や温かい飲み物――そういった、優しいものを連想させる「赤」だ】

きっと、似たようなことをいわれてきたかもしれない……


でも――――


        ――――生きて


生きて――ちゃんと帰ってきて
また、ルパンに乗ろう。一緒に、馬鹿なことやろう?


ねぇルーカス……どうして≪機械≫になろうって思ったの?
その方が、楽だから?何も感じずにすむから?
私は、そういうのは「逃げ」だと思う――
神様はねぇ……超えられない試練は与えないって、誰かが言ってたの
ルーカス―――もしかしたら、≪機械≫にならないことが、試練だったんじゃないかなぁ?
人の心を持ち続けられるかどうか――神様は、それを試したかったんじゃないかなぁ?

ねぇルーカス――――過去のあなたは、『恐怖』と『死』を与えてきた
でも―――今のあなたは……違うでしょう?
過去を悔い改めたのなら――後悔しているのなら――

あなたは、『笑顔』と『幸せ』を与えることが出来るんじゃないかなぁ?

きっとあなたは、それが出来る人だよ

だって――――

          ――――あなたはこんなにも、温かく、優しいから


   【そう言って。やんわりと。ルーカスを抱きしめようとする】


ルーカス



……全く――――


【――――ああ、全て――――全てバレていたとでもいうのか……】


【――――す、と星を、月を、夜を見上げる――】

全く……。

【――――いつも、いつも変わらずに私を照らしてくれていた】

【……何時になっても、私の罪を赦してくれるのはそれだけだと思っていた――】


【……――今になって】


全く――――…………!


【――――赦されると】



…………――――全く……キミというヤツは……――――――――。


【  ……――――そう、言うのか――――】



【――――だが】

【私は、もう、決めたから】

【今、それを享受すれば、その決意は崩れてしまうとわかるから】

【嗚呼、今一度】

【今一度だけ】



【ルーカス・アルディロッソに戻ろう】



【――――差し出された右手が、……ルカスの身体を押し止め阻む――】


ルカス



――――……

【おそらく心のどこかで。拒まれることを覚悟していたのだろう】
【ルカスはふにゃりと、寂しげに笑う】


【そして右耳にかかっている黄色い星型のピアスを外し】

……。―――これ、あげるよ
大したもんじゃないけど……お守り代わりに。
この星が、ルーカスの行く道を照らしてくれますように

【ピアスに一回、口付けを落とす】
【その後、やんわりと笑ってそのピアスをルーカスの方へと差し出した】


ルーカス



…………有難う――ルカス。

【右手はそのままに、左手を差し出して其れを受け取る】
【…………そして、言葉を紡ぐ】

……ルカス。キミはさっき、“後悔”と言ったが……。

……私はな、過去に“後悔”していないんだ
自らの生まれを後悔したことはない――処刑人という、国王から命ぜられし誇り高き任について――
光が成り立つには必ず影が必要だ……その影を担うという“栄光”……私は後悔していない……。

……私は“逃げていた”んだルカス
何時までも何時までも逃げていたんだ――その過去から……。
後悔こそしていないものの……その十字架から……縛られた日々から逃げていた……
“クーデター”によってこの顔のキズを負い……更に記憶を一部失った私は……
期せずしてその“十字架”から逃げるチャンスを頂いた……求めていた自由を貰った――


だが……それじゃあ“逃げているだけ”なのだよ……
いずれ過去は追いついてくる――私の背後からひたひたと――近付いて、いずれ呑み込む――
≪その時≫がやってきたんだ……過去の残影が……今、私に追いついた……。

今、ここで……
≪過去≫と向き合うことが……≪過去≫を凌駕することが
この私に与えられた――――真の、神からの≪試練≫なのだよ、ルカス。

それを超えなければ、私は永遠に心の底から笑う事は出来ない……。
過去の残滓を――私の罪の陰を――今ここで、断ち切らなくてはならない。


……私にはな、義弟が居るんだ。
奴は……歪んでしまった。そして……私が弱かったばかりに、奴は。
何十人、何百人もの人々の幸せを破壊し――故郷を破壊し――今も、破壊し続けている。
私が……私が奴の歪みに気付けずに、剣を抜き放つことが出来なかったからだ……。
一瞬の迷いが、その先十数年間、世界を恐怖に陥れる結果となった。
この因果を断ち切らなくては、私は幸せにはなれない……。そして遂に掴んだ。奴の居場所を。

……奴を“止める”ことが、私の“過去の陰”を完全に、永遠に断ち切ること。


だから、ルカス。
その時まで。

【――そして、右手を、差し出したルカスのその手の上に置いて】
【ゆっくりと手を開く――するりと抜け落ち、彼女の掌に収まるのは――“鍵”】

キミが、持っていてくれたまえ。
何時か私が“取りに帰って来る”その時まで――『ドラゴン・ロッソ・ルパン』の“キー”を。

【――――微笑んだ――】


ルカス



【星のピアスを受け取ってくれた事に少しの安堵を覚え。真剣な眼差しで、ルーカスの話を聞く】

――――きっとその≪試練≫……ルーカスなら、乗り越えられるよ。

義弟さん……その子も、たぶんどこかで助けを求めている。
何かの助けを求めている。
私はそう、信じたい。
どうかお二人に、幸せが訪れますように

【ぎゅう、と。何かに祈りを捧げるかのようにもう片方の手を胸に置き、目を閉じる】
【その時――まるで彼女の願いを聞き届けたかのように。夜空をすぅっと一筋の流れ星が横切った】


【そして彼女の掌に。ピアスとは違う重みがかかる。それは“鍵”――『ドラゴン・ロッソ・ルパン』の“キー”】
【それを見て彼女は少し驚いたような表情を見せるも、鍵を軽く握り締め】

うん―――分かった。
あなたの相棒の、『ドラゴン・ロッソ・ルパン』のキー――大切に、持っておく。
だから――だから……

       ――――必ず、生きて戻って来てね

   【やんわりと。こちらも微笑んだ】


ルーカス



…………勿論だとも。
【にこり、と笑って――そして】


全く……こんなものを用意してきた自分が阿呆のようではないか……。
【懐から一枚の――『手紙』を取り出し、ぴらぴらと振る】

私の数少ない友人にして、WondeRを共に探求しようと誓った男――
シャル……『クシャルクス・クロワール・レッドスカイ』。……そういや、彼も義賊か……。空賊だったか……。
彼に宛てた手紙を……キミに届けてもらうつもりだった。全く――まるで“遺書”だな。

【フ、と微笑みを溢して――それを、握り潰し】

オマケにウィルやヘルメス、ランサレージュ嬢にまで伝言を頼もうとしていた……。
まるで“遺言”――ふ、バカバカしいな……。

【握りつぶした手紙を、スラックスのポケットに捻じ込み】
【受け取った黄色い星型のピアスを、大事そうにテーラード・ジャケットの内ポケットに仕舞う】


確かに、私は相討ち覚悟で奴を止めるつもりだったよ……
だが、それじゃあダメだよな……。
全く……ルパンから見える≪WondeR≫を誰かに伝えて……
私の過去も明かした……これでもう“満足”だ――と……そう思ってしまっていたよ……

だが、それじゃあダメなんだよな……。

まだまだ、≪満足≫するには足りないよな――。
もっともっと!この実に美しく醜きセカイの!今だ砂の下に埋もれた≪WondeR≫を!
片っ端から掘り返さないと!気が済まないよな――――!

【そして、両手を広げて、大空を見上げて】

何故ならオレちゃんは!≪ワンダーのハンター≫!!
どんな大人も童心に帰れるような、とびっきりのワクワクを探し求めるもの!!
そしてそれを周囲に振りまければ上等!!まだまだまだまだ“見足りないッッ”!!
そう、永遠に“足りる”ことはない――何処までも何処までも!永遠の探求者ッッ!!

――それがオレちゃん!


HunteR・WondeR・LucaS ―――― ExtRemE FreE ――――


――そうだろ? “LucaS”


【――それは、この男が、もしかすると初めて見せたかもしれない】
【心の真底の真底……一切の混じりけの無い――――とびっきり、最上級の笑顔――】


ルカス



クシャルクス・クロワール・レッドスカイ――
へぇ、義賊かぁ。私と同じ、なのかな?
一度会ってみたいや
【へらりと笑い】

【ルーカスの演説を、満足そうに聞く】

にゃっは!その通りさっ!!
ハンター・ワンダー・ルーカス!
世界にはまだまだ!ワンダーがある!!
そしてワンダーは――作れるんさ!
このドラゴン・ロッソ・ルパンのように!!

だから――――この世界から!ワンダーはなくならないっっ!


          ――――人の夢は!終わらないッッ!!


【――そのルーカスの笑みを見て。ルカスもまた、満面の笑みを浮かべる】
【楽しそうな、嬉しそうな、幸せそうな――見る人を心地よくさせるような、そんな笑みを】


ルーカス



…………。
【そのルカスの笑顔を見て、ふ、と満足そうに――とても優しげな微笑みを溢して】
……ああ、そうだとも――私の≪DrEaM≫は、果てることを知らない――。

≪まだ見ぬWondeRをこの目に≫  ≪リリと共に辿り付いた、“あの”『聖なる領域』を再び――≫

 ≪……まだまだルパンを進化させる≫ ≪……ミス・ブラッドレイにゃあ土下座する…≫いや、こりゃ夢じゃねーか

≪もう一度“SHINOBI”にも会いたいし≫≪ラグホーン、とは一度手合わせをしてみたいな≫――≪後輩にももう一度会いたい≫

 ≪――そうだな、ランサレージュ嬢と共に、金の国を復興するってのもいいかもしれないな……≫

≪……ウィルとヘルメスの馴れ初めの話を聞く、約束もした――≫――なんだ、まだまだやることが残っているじゃあないか――。

              そして、≪キミともう一度、ルパンに乗る≫――――

――――待っていてくれたまえ、ルカス。
必ず――――フフ、“必ず”なんて無責任な言葉……嫌いなんだがな……――


“必ず、迎えに行く”


その時まで――。……――――もう、言葉は要らないな?

【最後に、その大きな掌を、ルカスの頭に乗せ――にこりと微笑んで】
【踵を返し、歩いていく――】

【やがて――――その姿はイルミネーションに溶けて消えゆく】
【そして】
【『ハンター・ワンダー・ルーカス』という人物は、姿を消すことになる――】

【果たして】

【彼が再び、この街のイルミネーションを見るのか――】

【彼が再び、彼の相棒と共に夜の街を走ることはあるのか――】


【彼が再び―――彼女の前に姿を現すことがあるのか――――】


【それが解る人間など】
【何処にも居ない――】


ルカス



にゃは――待ってるさ。

              ――――ずっと、待ってる

【こちらもにこりと微笑を返し――】