──────────────────────Aletheia────────────────────── 答えはどこ? |
魔術協会所属 |
”元”魔術師・”元”能力者 |
異世界出身 この世界と別世界 |
研究者であり学生 ──発展途上── |
魔術師 で 研究者 |
大 人 で 子 供 |
『ペン』 from the 234th laboratory それは世界を変える発明。世界を滅ぼすかもしれない閃き。 |
『???』 未だ見えぬ終着点。矛盾の先にあるもの。 |
それは魔導具のための魔導具 |
「『魔導具』ってのは道具に対し魔方陣を描き入れ、本来の用途とは別の用途を持たせたものを言う」 「だがこれは”そうするために”、”それだけのために”、形を整えた道具を作り、用途通りの機能を持たせるべく、魔術を使用するわけだ」 |
「魔導具開発の簡略化。学べば誰でも、通常の機械では成し得ない現象を引き起こせるようになる」 「移動手段、医療機器、勉強用の道具から料理に使う器具まで、ありとあらゆるものに広がる可能性がある」 「それは、兵器や武器、軍隊の兵装に有効活用されるだろう」 |
──ブレイザーシティ解放戦線 【他の全ての人にとっては大げさな話】 【しかし兵器転用という部分”だけ”は、彼にとって”だけ”は】 【大げさでも何でもなく、既に起きた事実だった】 |
概要&容姿
【青年は、子供にも大人にも見える顔つきと、黒く短い髪に色白の肌を持ち、ワインレッド色のナイロールの眼鏡をかけている】
【服装は、黒いスラックスと茶色のシャツの上に白衣を羽織っているという研究者のようなもの。腰に締めているベルトの左側にはホルスターがあり、その中に黒いハンドガンが納まっている】
【右腕には手から肘までを覆う灰色の盾のようなものがあり、その先端から杖が出ていて青年の支えになっていた。右手は盾の内側から横に伸びているグリップを握っており、杖というには非常に機械的なデザインだ】
異世界から迷い込んだ青年。
黒の短髪に、色白の肌。子供にも大人にも見える顔つき。
研究者であるためか、或いは趣味なのか、いつも白衣を羽織っている。視力が悪いので眼鏡もある。
歩くのが困難なため、特殊な形状の杖をついている。
身長が170前後。だが体重は40台。当然、非常に細身。
恋人を別れ話の際に誤って殺してしまい、それ以来、不眠症と女性・血液・刃物恐怖症を患っている。不眠症に対しては薬で対応しているが、恐怖症はどうにもならないようで、女性は
一人を除いて一切触れないようだ。殺人に関しては後日、実は生きていたことが判明するが、病気がどうなったかは分からない。
第234研究室を
南雲利織と共同で使用中。表向きは「魔導具開発班と術式解析班の共同開発による作業の効率化」だが、実際には二人の間で『ペン』と呼んでいる特殊な魔導具を秘密裏に造るために使用している。
性格
元々の性格は明るく、人にも優しかったのだが、様々な出来事や人との出会いが性格に変化を齎した。
表面的には普通だが、実際は冷静沈着且つ理論的な方で、物事を非常に深く考える。ただ余計なことは喋らず、1から100まで考えた内、100だけを話すので、他人から勘違いされやすく理解され辛い。友人であれ何であれ、自分の思っていることをほぼ喋らない。話すのは彼の交友関係の中で最大級の信用を置いた人間だけになっている。
非常にプライドが高く、「物事の本質」を見極めることを重要視するため、物事の表面しか見ない人間を嫌悪している。そのせいか、人とは違う部分で怒るため、人によっては短気かつ気難しい性格に思えるかもしれない。
怒ったときは口調が粗暴になる。完全にキレると口調と声色が酷く落ち着いたものになり、口数も激減する。
また、「神は誰にだって優しくて、残酷なまでに平等」「(杖をつかないと歩けないほどの状態になった自分に対して)何か意味があるんだろーよ」「いつだって誰かが居てくれて、いつだって救いはそこにあるのに」等々、かなり信仰心があることが伺える。魔術協会のような”理論とオカルト”を混じり合わせたような組織に所属しているように、本人の中にもこういった神のような概念と理論が同居しているのだろう。
神様が与えてくるのは試練で、それは絶対に乗り越えられるものだと信じている。更にそこから、”不幸な出来事を、本当の意味で不幸にしないために、そこから意味を見出す”という人生の指針を持つ。
所属と他者との関係
魔術協会所属の生徒。基礎カリキュラムの一年であり、術式解析班の一員。
彼曰く、魔術協会に所属しているのは、「自己の探求と外界の拡大化。己が内面を知ることにより、世界への理解を深めるため」らしい。
詩織の義兄。
何故か生徒用の寮ではなく、研究者用の寮に住んでいる。
紅閻寺 レンと個人的な情報交換の契約を結んでいる。
南雲利織と『ペン』という名の魔導具を共同開発中。
名前 |
関係性 |
赤木のコメント |
エルネスティーネ |
友人・義姉 |
怒ると怖いが、優しい子。 |
南雲利織 |
共同開発者・恩人 |
この世界で唯一信頼出来るいい子。でも超超うるさい。 |
ツァーリ=F=カーディナル |
友人か知人 |
色々と複雑な奴。 |
紅閻寺 レン |
友人・契約者 |
悪事を働いているが、悪い子ではない。 |
紅 雪希 |
幼馴染 |
一年ずれでこちらに来ていた幼馴染。怖い。 |
ルカス・トゥアティ |
知人 |
壊れた蓄音機。二面性の人間。 |
アリエル |
親友 |
不器用で子供な奴。 |
ジョン |
知人兼元師匠 |
杖つきになったため弟子ではなくなった。 |
ブルーライン |
知人・協力者 |
『卵』の欠片らしきものが入り込んだらしいので助けることに。 |
杖
利織に作成してもらった多機能な杖。
素材はアルミニウム。軽くて丈夫。更に強度強化魔術で補強してあり、鈍器としても使える。
腕を覆う丸い盾と、トンファーのように横へグリップの伸びた特殊な形状をしている。メタ的なことを言えば一方通行の杖のようなもの。
グリップについたボタンを押すと、杖とグリップが盾の中に収納される。更に、魔力感知機、及び音波や電磁波等を感知する波動感知機が付けられている。これらの情報は、付属の眼鏡のスイッチを押すと眼鏡の片面に表示される。
『ペン』
利織と共同開発中の特殊魔導具。
魔力をインク代わりに使い、魔力が扱えない人間でも魔導具が造れるようにするための魔導具。
完成形こそ非常に単純だが、怜司曰く「通常の魔導具とは根本的に違う」
怜司が見てきた魔導具は全て、本来の用途とは別の用途を追加されたもの。利織の掃除機や人形、怜司の杖のように。そんな中、この『ペン』は”魔力で描く”という一点だけを目指して造られる。そのため怜司は、これを他の魔導具とは違うと考えている。
発想・構想は怜司、作成は利織となっている。怜司は魔力を扱えないため。
両開発者はこの魔導具を安易に世に出すべきではない、とも考えている。
これを世に出せば、あらゆる道具は進化する。それは兵器や武器も例外ではなく、自分の研究結果を争いに使われることを、怜司が嫌ったためだ。
近況
ひょんなことから利織と、”魔力の扱えない人間でも魔導具が造れるようになる魔導具”──通称『ペン』を造ることになった。
発想を出したのは怜司だが、すぐに彼は利織にこの魔導具の”危険性”を話し始める。
曰く、あらゆる道具が進化し、いつかこれが世界を変える、と。そして世界中の兵器や武器もこれによってより強力になる、と。
前者は当人ですら大げさかとも思った。だが後者は怜司にとって確実に現実であった。
そう──ブレイザーシティ解放戦線において、一般人たちが使用していたのは利織が家電製品から造り出した魔導具。
既に魔導具は、戦争で使われていたのだ。
その衝撃的な事実を利織へと話しつつ、怜司は『ペン』の危険性の説明を終えた。
もしもこれが、普通の人間であれば、世を変える恐怖から開発は止めただろう。
もしこれが、能力の無い人間であれば、自分には出来ないと判断して造ろうとはしなかっただろう。
しかし、この二人には必要なものが全て揃っていた。
発想も、技術力も、場所も、資金も、協力する人間も──そして、造れるものは造るという、開発者としての本質も。
この二人はその夜、危険性を全て承知の上で、この『ペン』の開発を決定した。
また帰り際、利織と共同で何かを開発しようとしているこの状況に対し、怜司は「真っ当な人生を歩み始めている」という感想を抱いていた。それと同時に、平和と幸福も感じていたようだ。
確かに、今までのこの世界で彼に起きたことを鑑みると、非常に平和になってきたのかもしれない。
久々に表を歩いた怜司。しかし小石か何かに杖をぶつけて転んでしまった。
中々起き上がれずにもがいていたところを獣人の少女に助けてもらう。
持っていた杖の性能を当てようとする獣人の子と和やかな会話をしていたが、彼女は唐突にこう尋ねた。
「『哲学者の卵』について、何かご存知ではありませんか?」
それは忌まわしい兵器の名前。少なからず彼の人生を左右したものの名前。
怜司は彼女の話を聞いた。それによると彼女は何かしらの要因で卵の欠片のようなものが体内に入り、異常をきたしているという。
更に彼女は通常の生命体ではなく、外の世界に住むものの遠隔操作端末だという。
身体をむやみに調べられるのは避けたい、ということで怜司なら信頼が置けるといって助力を頼んできた。
怜司はこれを快諾し、信頼の置ける技術者、卵の情報、効率のいい魔力供給と魔力をデータとしてモニタリングできる施設の提供を準備することになった。
カノッサ機関には敵対しないと決めていた怜司だったが、間接的な敵対の立場をとることに。
この世界の技術力を調べるという目的を加え、彼は新たな”一歩”を踏み出した。
かつて出来なかったことをするために。
この日、怜司は公園の”池の上”に立っている青年を発見した。
近付いて話を聞くと彼は『気』と呼ばれるものを使って水上に浮いていたらしい。
ちょうど実験のために来ていた怜司は魔力とはまた別の力に興味を持ち、彼と数分間の会話をした。
そこで怜司は初めて自分の研究内容とその目的、解釈を語る。
怜司が研究しているのは魔力そのもの。それが何なのかを定義付けるために研究していると話した。更に青年の「自分に魔力はあるか?」という質問には”一般的には”、”されている”などの曖昧な言葉を使いながら肯定した。それに続いて独自の解釈も語る。
「人間が魔力を内包しているとされているわけだが、その正体は今の所俺の中では二択だ」
す、と左手の人差し指と中指を立ててみせる。
そしてすぐに中指を折り曲げ、人差し指だけを立てた。
「一つ目」
「人間の身体には神経、血管に続く第三の管のようなものがあり、そこに魔力が"通っている"という考え」
「本当に魔力を内包していると表現できるパターンだ。たまに魔力をだだ漏れにしてる魔術師なんかがいるがその説明もつくし、体内の魔力を何かしらの形に変質させてから体外に放出し、それで影響を与えて外界の魔力も変えることで魔術を使っている、という説明もできる」
「肉体強化の魔術なんかは体内だけのことだから簡単だしな」
「この解釈は魔力を極限まで物質的に考えた結果作った」
「人間に体外の物質を変えたりする能力なんざ普通に考えたらありえない。なら体内にあるものを変化させて流している、ということだな」
一つ目のものは本人が言うとおり、極限まで物質的且つ現実的に考えたもの。
それは簡単な話、魔力というものを通している構造を人間が持っている、というものだ。
この話から何となくだが、人間に取っている小さな管と穴から魔力がぼんやり出ている、というイメージが出来るだろうか。
少しだけ時間を置いてから、彼は中指を立てた。
「二つ目。こっちは自分でも疑ってかかってる」
「人間には一般的に言われているような魔力はない。その正体は脳波、もしくはそれに似た第二の脳波である、という解釈」
「これは内包してるとはいえないな」
「これも発端は一つ目と同じで、体外の物質を変えたりするのは人間じゃ無理だ。なら脳波みたいな波動を伝えたらどうだろうか、という感じだな。つまり、外界には魔力はあるが人間にはないってことだ」
「人から感じ取っているものは脳波で、脳波の強さを魔力の量とかと"勘違い"してるってわけだ」
「ま、こんなところだ」
二つ目は魔術に詳しく無い人間から聞いても首を傾げるかもしれないような内容。
その正体は脳波だという。
説明し終えると左手を下げて、ふぅ、と一息ついた。
二つの解釈を説明したが、共通しているのは尋常じゃなく科学的だ、ということだろう。
神様が~、とか精霊が~、なんてことは一度たりとも言っていない。
格好からしても研究者や科学者のもので、とても魔術師らしくない。
彼は魔術師ではなく完全に科学者なのだろう。
人体構造と脳波。それが怜司の解釈だった
話はここで中断されたが、解釈が二つあるということはそれぞれに説明できない欠陥があるということになる
それは語られなかったが、いつか語るときがくるのだろう。
因みにこの日の実験は魔力を含有させた石と普通の石を隣同士で放置する、というものだった。
が、相変わらず変化が見られなかった。青年がそれに『気』を送り込んでみたがそれでも変化なし。その日はそのまま終わった。
いつか魔力が解明できるときはくるのだろうか。
最終更新:2011年04月18日 22:33